【J1第7節】京都サンガF.C. 0-3 ジュビロ磐田

京都サンガF.C. 0-3 ジュビロ磐田
日時:2024年4月7日(日)14:03KO
会場:京都府立京都スタジアム “サンガS”(1万972人/曇 24.9℃ 41%)
主審:先立圭吾
※44′-磐田/マテウス・ヴィエイラ・カンポス・ペイショットPK失敗
51′-磐田/西久保駿介
65′-磐田/マテウス・ヴィエイラ・カンポス・ペイショット
71′-磐田/マテウス・ヴィエイラ・カンポス・ペイショット

■京都サンガF.C.(4-1-2-3)
GK94:ク・ソンユン
DF2:福田心之助
DF3:麻田将吾
DF5:アピアタウィア久
DF44:佐藤響(74′-MF10:福岡慎平)
MF16:武田将平(64′-DF28:鈴木冬一)
MF7:川﨑颯太
MF18:松田天馬(64′-DF24:宮本優太)
FW23:豊川雄太(74-‘MF17:安齋悠人)
FW14:原大智
FW9:マルコ・トゥーリオ・オリヴェイラ・レモス(64′-FW11:山﨑凌吾)

■ジュビロ磐田(4-2-2-2)
GK1:川島永嗣
DF26:西久保駿介
DF15:鈴木海音(90+4′-DF18:高畑奎汰)
DF36:ヒカルド・ケイロス・ヂ・アレンカストロ・グラサ “リカルドグラッサ”(74′-DF3:森岡陸)
DF50:植村洋斗
MF77:藤原健介(86′-MF16:レオナルド・ダ・シウヴァ・ゴメス “レオゴメス”)
MF7:上原力也
MF14:松本昌也(86′-FW13:藤川虎太朗)
MF37:平川怜(86′-MF31:古川陽介)
FW11:ジャーメイン良
FW99:マテウス・ヴィエイラ・カンポス・ペイショット(90+8′-MF19:ブルーノ・ジョゼ・ヂ・ソウザ)

根性とはぶったおれたあと……ノビたあとヘドをはいたあと

サッカーも柔道も
そのルールのもとに戦う以上、
にわかの英雄は出現しない。
英雄は練習量だけがうむ!!
二段に勝ちたければ
相手が二段になるまで
かさねた練習を
自分もつむしかないのだ!
(「夕やけ番長」より)

【J1第6節】ガンバ大阪 0-0 京都サンガF.C.

ガンバ大阪 0-0 京都サンガF.C.
日時:2024年4月3日(水)19:03KO
会場:大阪府吹田市市立吹田サッカースタジアム (1万6,763人/雨 15.9℃ 88%)
主審:山下良美

■ガンバ大阪(4-2-3-1)
GK22:一森純
DF3:半田陸
DF5:三浦弦太
DF20:中谷進之介
DF4:黒川圭介(83′-DF2:福岡将太)
MF6:ネタ・ラヴィ(72′-MF23:ダワァン・フラン・ウラノ・ダ・プリフィカソン・オリヴェイラ “ダワン”)
MF16:鈴木徳真
MF47:ファン・マテウス・アラーノ・ナシメント(37′-MF8:食野亮太郎)
MF9:山田康太(46′-FW13:坂本一彩)
MF97:ウェルトン・フェリペ・パラグア・ヂ・メロ
FW7:宇佐美貴史(83′-FW11:イッサム・ジェバリ)

■京都サンガF.C.(4-1-2-3)
GK94:ク・ソンユン
DF2:福田心之助
DF5:アピアタウィア久
DF3:麻田将吾
DF44:佐藤響
MF16:武田将平
MF7:川﨑颯太
MF18:松田天馬
FW23:豊川雄太(83′-FW31:平賀大空)
FW14:原大智(90+2′-FW11:山﨑凌吾)
FW17:安齋悠人(57′-FW9:マルコ・トゥーリオ・オリヴェイラ・レモス)

不精さや 掻き起されし 春の雨

「ウェルトンには責任を取ってもらう」
ーーと柱谷哲二さんなら言ったかもしれない、ドフリーのシュートを外してくれたウェルトン選手には感謝だ。
しかし、それ以外はガンバに超決定機はつくらせなかった。
まぁ、京都も京都でゴールの匂いはなかったので、お互い守り合った一戦というところかな。

ガンバの印象は、昨シーズンと比べてだいぶ変わっていた。
攻撃は、最終ラインからの繋ぎに拘泥せず、GKがボールを持ったら基本はロングボール。
守備の局面では、相手にボールを奪われたらミドルゾーンまで退いて、そこからプレスを開始。
昨季は降格の危機もあっただけに、より現実的な戦いに舵を切ったのかと感じた。

で、京都のほうはセンターバックにアピアタウィア久が戻ってきて、最終ラインも安定した。
前節0-2から追いつかれた反省もあってか、チーム全体に守備意識が高く、ゴールまでも体を張った守りができていた。
久しぶりに強度の高い京都サンガが戻ってきたなと思った。

さらに、この日アンカーに起用された武田が出色の出来!
川﨑とはまた違って、守備ではあまり相手ボールホルダーに食いつきすぎることなくスペースを埋め、攻撃でも積極的にボールをもらえるポジションに動き直す。
左サイドの佐藤、松田はいい距離感で、いつも右サイド偏重の傾向がある京都だけど、左サイドでもいい攻めが見られた。

そうした改善のおかげか、特に前半は、試合後のインタビューでガンバの宇佐美も認めているとおり、京都ペース。
前半で点を取って後半逃げ切り……が理想的展開だったが、そううまくはいかないということで。

とはいえ、シーズン開幕よりは調子が上がってきたのは間違いないだろう。
次はホームで、スッキリ勝ち点3ゲットという結果が欲しい。

【J1第5節】東京ヴェルディ 2-2 京都サンガF.C.

東京ヴェルディ1969 2-2 京都サンガF.C.1922
日時:2024年3月29日(金)19:03KO
会場:東京都調布市東京スタジアム〝味スタ〟(10,060人/晴 16.2℃ 60%)
主審:山本雄大
22′-京都/豊川雄太(右足)
26′-京都/原大智(右足←松田)
80′-東V/染野唯月(pen.)
90+3′-東V/染野唯月

■東京ヴェルディ1969(4-2-2-2)
GK1:マテウス・カウデイラ・ヴィドット・ヂ・オリヴェイラ
DF6:宮原和也
DF4:林尚輝
DF3:谷口栄斗
DF2:深澤大輝(61′-FW11:山見大登)
MF7:森田晃樹
MF10:見木友哉
MF33:松橋優安(76′-MF23:綱島悠斗)
MF22:翁長聖(46′-MF8:齋藤功佑)
FW27:山田剛綺(46′-MF17:稲見哲行)
FW9:染野唯月

■京都サンガF.C.1922(4-1-2-3)
GK94:ク・ソンユン
DF2:福田心之助
DF24:宮本優太
DF3:麻田将吾
DF44:佐藤響
MF7:川﨑颯太
MF16:武田将平
MF18:松田天馬(89′-DF6:三竿雄斗)
FW23:豊川雄太(61′-FW13:宮吉拓実)
FW14:原大智(89′-FW11:山﨑凌吾)
FW9:マルコ・トゥーリオ・オリヴェイラ・レモス(74′-MF10:福岡慎平)

守りて必らず固き者は、其の攻めざる所を守ればなり

開幕節以来の現地観戦。
豊川選手のゴラッソ!
原選手の巧みな抜け出しからのゴール!!
前半は危ないシーンもほぼなくて、楽勝ペースかと思ったんだけど……。

結論からいえば、選手起用、選手交代で〝最善手〟を尽くさなかった結果、アディショナルタイムで勝ち点2を滑り落としてしまった——そう感じた一戦だった。

その思いに至った第一の要因は、センターバックの起用。
前節、宮本選手をCBに入れたのはあくまでスクランブルだった。
しかし、今節はスタメンで起用。
加えて、ベンチにはCBが主戦場の選手が不在。
相手が背の高い選手(綱島選手)を入れて、放り込みに来たときの対策がなかった。
コーチ陣が自信を持って先発とサブの選手を選択したなら仕方ないとはいえ、戦いに勝つための〝定跡〟を外した策だったのではないだろうか。

第二の要因は、後半相手にペースを握られたときの選手交代の遅れ。
気温が上がったせいか、全体的に運動量が落ち、特に中盤はプレスが後手後手になっていた。
スタンドから見ていると、曺さんは頭に手を置いて
「どうするか」
と苦慮をしていた様子だったが、豊川選手の負傷交代以外は74分まで動きなし。
結果として、後半の早い段階でカードを切ってゲームの流れを変えられなかったのかなぁ……と。

さらに、相手左サイドに投入された山見選手のドリブルに京都の選手が手を焼きはじめる。
曺さんは宮吉選手らを呼んで何度も何度も指示を与えてたけど、改善せず。
宮吉選手は「in-out」もあるか?と思ったほどだった。
木下選手の柏移籍、木村&山田楓喜選手の期限付き移籍で、前線のバリエーションが不足気味。
もし豊川選手が長期離脱だと、結構キッツイことになりそうだ。

ということで、勝ち点1を取ったいうよりは「2を失った」という気持ちで味スタを去ったのだった。
最後にひとつだけ。
観客が1万人を超えたのは素晴らしい。
J2での対戦時代では考えられなかった数字(※動員があったとき以外)なので、少し感動した。

【J1第4節】京都サンガF.C. 2-3 横浜F・マリノス

京都サンガF.C. 2-3 横浜F・マリノス
日時:2024年3月17日(日)14:03KO
会場:京都府立京都スタジアム “サンガS”(1万2,937人/雨 12.1℃ 90%)
主審:川俣秀
5′-横浜FM/水沼宏太
33′-横浜FM/アンデルソン・ジョゼ・ロペス・ヂ・ソウザ
45′-京都/佐藤響(右足 ※プロ初ゴール)
45+3′-京都/川﨑颯太(右足)
52′-横浜FM/アンデルソン・ジョゼ・ロペス・ヂ・ソウザ

■京都サンガF.C.(4-1-2-3)
GK94:ク・ソンユン
DF2:福田心之助
DF5:アピアタウィア久(※8′-一発退場※DOGSO)
DF3:麻田将吾
DF44:佐藤響(74′-DF28:鈴木冬一)
MF19:金子大毅(51′-DF24:宮本優太)
MF7:川﨑颯太
MF18:松田天馬(83′-MF10:福岡慎平)
FW23:豊川雄太(83′-MF17:安齋悠人)
FW14:原大智
FW9:マルコ・トゥーリオ・オリヴェイラ・レモス

■横浜F・マリノス(4-1-2-3)
GK1:ポープ・ウィリアム(※64′-一発退場※DOGSO)
DF27:松原健
DF15:上島拓巳
DF5:カルロス・エドゥアルド・ベンディニ・ジュスティ
DF2:永戸勝也(67′-DF39:渡邊泰基)
MF8:喜田拓也(88′-MF28:山根陸)
MF6:渡辺皓太
MF14:植中朝日(56′-FW23:宮市亮)
FW18:水沼宏太(66′-GK31:白坂楓馬)
FW10:アンデルソン・ジョゼ・ロペス・ヂ・ソウザ
FW7:ジョゼ・エウベル・ピメンテウ・ダ・シウヴァ(88′-DF16:加藤蓮)

ドグソとドグソの結婚

アピアタウィア選手は、「レッドカード頂き男子久ちゃん」になってしまっているな……。
ボールロストからの失点がメンタル的に尾を引いて、抜け出した横浜FM植中選手に手をかけてしまった。
8分で退場になるぐらいだったら、シュートを打たせてしまう判断のほうがよかったのにね。

にしても、横浜に隙が生まれたせいか、京都がいつも以上にボールを回せて、シュートまで持って行けるようになったのが面白い。
ひとり足りない分、中央に入った原選手を筆頭に3トップが「時間」を創出。
味方選手の攻め上がりを促することができていた。
前半途中からは横浜FMを圧倒して、立て続けにゴールを奪って数的不利ながら追いつくまでに至った。

そこから突き放されてしまったのは、ひとえに横浜FMが誇る前線ブラジル人の「個の力」。
一方で、ひとこと加えるならば京都の控え選手の構成にも問題があった。

アピアタウィア選手退場後センターバックで奮闘していた金子選手が、ハムストリングを痛めて負傷交代。
ベンチにはセンターバック本職の選手がおらず、ボランチやサイドバックが本職の宮本選手。
頑張ってはいたものの、横浜FMの3トップに押される局面も増えていった。

試合後、曺さんが
「2年前のマリノスさんとの対戦では大人と子どもぐらい差がありましたが、今日は球際や切り替え、相手より前に出ること、スプリント数などでもかなりマリノスさんを上回っていました」
と言っていたことは、確かにその通り。
昇格後、三ツ沢で何もできず、まさに〝チンチン〟にされたことを考えれば、横浜FMと撃ち合いに持っていけたのは進歩の証かもしれない。
ただ、欲を言えば追いつきたかったし、追いつけるゲームだった。

来週は代表ウィークで1週お休み。
次戦はフライデーナイトのアウェイ・ヴェルディ戦だ。

【J1第3節】川崎フロンターレ 0-1 京都サンガF.C.

川崎フロンターレ 0-1 京都サンガF.C.
日時:2024年3月9日(土)16:03KO
会場:神奈川県川崎市等々力球場 “UVスタ”(2万757人/晴 9.6℃ 20%)
主審:スミス・ルイス・ディーン
65′-京都/川﨑颯太(右足)

■川崎フロンターレ(4-1-2-3)
GK99:上福元直人
DF8:橘田健人
DF3:大南拓磨
DF35:丸山祐市
DF13:三浦颯太
MF77:山本悠樹
MF14:脇坂泰斗(79′-DF5:佐々木旭)
MF16:瀬古樹(79′-MF30:瀬川祐輔)
FW41:家長昭博(84′-FW18:バフェティンビ・フレディウス・ゴミス)
FW20:山田新(70′-FW11:小林悠)
FW23:マルシオ・アウグスト・ダ・シウヴァ・バルボーサ “マルシーニョ”(70′-FW17:遠野大弥)

■京都サンガF.C.(4-1-2-3)
GK94:ク・ソンユン
DF2:福田心之助
DF5:アピアタウィア久
DF3:麻田将吾
DF6:三竿雄斗(64′-MF44:佐藤響)
MF19:金子大毅
MF7:川﨑颯太
MF18:松田天馬(90+7′-MF10:福岡慎平)
FW23:豊川雄太(90+2′-FW13:宮吉拓実)
FW14:原大智
FW31:平賀大空(46′-FW9:マルコ・トゥーリオ・オリヴェイラ・レモス)(90+7′-FW22:一美和成)

どこからなりとも月にひとつの金星

前半はよく持ち堪えたね、という展開。
このままいけば、0-2ぐらいで負けてしまうかな?と予想していたが、いやはや……。
いい意味で期待を裏切ってくれたね。
今季初勝利は、強敵・川崎相手にアウェイで掴んだ。

きょうの京都は、前節の先発から3選手を変更。
左サイドバック鈴木冬一→三竿、左サイドハーフ武田→松田天馬が今季初出場。
前線は真ん中に原が回って、左のウイングには平賀が今季初先発となった。
2節を経て、左サイドにテコ入れが必要だという判断なのか。

繰り返しになるけれど、前半はほぼ川崎ペースで、京都はシュート1本、ボール保持率38パーセント。
期待の平賀もほぼ守備に追われていたかな。

ところが後半が始まると、突然京都ペースになるのだからサッカーは不思議なもの。
理由としては、川崎のプレス強度が少し落ちたことと〝橘田対策〟がうまくいったことが挙げられるだろうか。
その橘田は、守備時は右サイドバック、ボール保持時はボランチ的なポジションで最終ラインからボールを引き出していた。
いわゆる〝カンセロ・ロール〟。
で、京都はマルコ・トゥーリオを左ウイングに置いた(※途中からは原とポジションチェンジ)。
川崎がボールを持ったときも下がりすぎず高い位置を取らせたことで、橘田が右サイドバックのポジションを空けづらくなった。

また、前節スカスカ気味だった中盤の守備も改善できた。
松田天馬の運動量と切り替えの速さが加わったこと。
加えて、川崎の攻撃がポゼッション・遅攻志向だったためプレッシングが間に合っていた。
大外のレーンまでサイドチェンジをされてファイナルサードに進出される場面もあったが、きょうは最終ラインの集中力も高かった。

ゴールシーンはセットプレイの流れから。
松田天馬のクロスに対してボックス内に4人が待っていたことで、こぼれ球がいい感じで川﨑のもとにこぼれた。
このシーン以外にも、最終ラインやサイドバックがボールを持った状態で3トップ+インサイドMFが最前線にいたり。
いい意味でいえば中盤の選手がボックスまで入っていけている、悪い意味でいえば〝前後分断〟の形になっている。

一昨シーズン、昨シーズンは松田天馬をウイングで使っていたけど、今季は3トップを純粋なフォワードだけで形成しているのは示唆的だ。
松田天馬を最前線で使うのは、前線からのハイプレッシャーでボールを奪ってショートカウンターを狙いたいという部分が大きいだろう。
一方、今季は〝オーガナイズド・カオス(意図した混乱状態)〟をつくって、そこからシュートチャンスを待つサッカーをもう少し推し進めたいということだろうか。

最後に、試合後の曺さんのコメントが興味深かったので、メモっておこう。

(前節までは相手のカウンターを受けていたが、今日はセカンドボールを拾うことや全体の距離間のところで修正できていたのでは?)その(前節までの)現象だけをとらえられると『京都は何を考えているんだ、全然組織的じゃない』と言われても仕方がないが、それには原因がありました。一人ずつでプレッシャーに行ってしまうと、ああいう現象が起こります。最終ラインが裏を取られていることが問題なのではなくて、我々が大事にしてきた距離間の中でプレーすることで、そういう現象が生まれなくなります。今日はそういう場面がほとんどなかったし、自分たちのチームの基本に少し戻したことで、選手も変に高揚してプレーすることなく、落ち着いてプレーできたんじゃないかと思います。今日の試合をベースに積み上げていきたいです。過去2試合で僕自身学んだというか『史上最強』というところで選手を煽りすぎたと反省しました。今週は落ち着いてやらせられたことは良かったです。

https://www.sanga-fc.jp/game/report/2024030908