【J2第8節】栃木SC 1-2 京都サンガF.C.

栃木SC 1-2 京都サンガF.C.
日時:2019年4月7日(日)14:03KO
会場:栃木県グリーンスタジアム(3,889人/晴 19.8℃ 44%)
主審:大坪博和 “天敵”
3′-栃木/藤原広太朗
42′-京都/一美和成(左足←小屋松)
52′-京都/一美和成(右足←小屋松)

■栃木SC(3-4-2-1)
GK50:ユ・ヒョン
DF20:岩間雄大(67′-DF30:田代雅也)
DF4:藤原広太朗
DF27:久富良輔(59′-FW19:大島康樹)
MF44:福田健介
MF40:寺田紳一
MF5:ヘニキ・ルイス・ヂ・アンドラーデ
MF14:西谷優希
MF21:大﨑淳矢
MF10:西谷和希
FW9:大黒将志(46′-MF6:古波津辰希)

■京都サンガF.C.(3-3-2-2)※前半30分まで
GK21:清水圭介
DF25:上夷克典
DF16:安藤淳
DF6:本多勇喜
MF5:黒木恭平
MF10:庄司悦大
MF22:小屋松知哉
MF41:金久保順
MF8:重廣卓也
FW23:一美和成
FW13:宮吉拓実

■京都サンガF.C.(4-1-3)※前半30分から
GK21:清水圭介
DF25:上夷克典
DF16:安藤淳
DF6:本多勇喜
DF5:黒木恭平
MF10:庄司悦大
MF41:金久保順(65′-MF29:中野克哉)
MF8:重廣卓也
FW13:宮吉拓実(88′-MF31:福岡慎平)
FW23:一美和成(82′-FW19:大野耀平)
FW22:小屋松知哉

桜と小屋松の満開の下

本日のMIP(most impressive player)は栃木の古波津選手!
圧倒的フィジカル ←主に体格的に。
往年の「レスラー」こと、辻本選手を思い出した。
…というフェイントはさておき、やっぱりきょうは小屋松だな!
ドリブル、キレキレ。

今季初の「いい顔2トップ」でスタート

きょうの試合、「4-3-3に変えてボールが回るようになった」と各選手が口を揃えてコメントしている。
そのとおり、30分ごろでのポジション変更が勝負を決めた。
2トップ採用のため、今季初めてウイングバックに入った小屋松がより高いポジションを取れるようになり、小屋松→一美の「小一コンビ」で2得点。
42分、相手DF(久富選手)が足を滑らせたところから小屋松のボール奪取で、同点弾を演出。
2点目も小屋松の切れ味鋭いドリブルからだった。

前半終了間際、ミスからのもったいない失点に栃木ファンも「Oh!」

小屋松のドリブル以外にも、きょうは攻撃に「深み」があり、相手の守備ラインに混乱を招いていた。
ディフェンスラインの裏に抜け出した重廣、一美への浮き玉のパスが効果的。
前節、足元足元で相手のプレスの網に引っかかっていたのとは好対照だった。
闘莉王、ジュニーニョを遠征メンバーから外し(負傷?)、今まで出場機会のない選手たちを起用し、フォーメーションも変えて、見事な逆転勝利。
今後、いい流れを作ってくれそうな勝ち点3だったと思う。

試合観戦に訪れた原博実Jリーグ副理事長(栃木出身)も「4バックが好きだから」と4バックにシステム変更した京都にご満悦。一美と記念撮影、撮影は實好アシスタントコーチ

【J2第7節】京都サンガF.C. 0-1 モンテディオ山形

京都サンガF.C. 0-1 モンテディオ山形
日時:2019年4月3日(水)19:03KO
会場:京都市西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場(4,525人/晴 8.1℃ 47%)
主審:飯田淳平
70′-京都/オウンゴール(上夷)

■京都サンガF.C.(3-4-2-1)
GK21:清水圭介
DF25:上夷克典
DF4:田中マルクス闘莉王
DF6:本多勇喜
MF5:黒木恭平
MF10:庄司悦大
MF31:福岡慎平(86′-MF8:重廣卓也)
M28:冨田康平
MF20:ジュニオール・シウヴァ・フェレイラ “ジュニーニョ”(83′-DF3:宮城雅史)
MF22:小屋松知哉
FW39:エスクデロ競飛王(88′-MF14:仙頭啓矢)

■モンテディオ山形(3-4-2-1)
GK21:櫛引政敏
DF23:熊本雄太
DF3:栗山直樹
DF19:松本怜大
MF4:三鬼海
MF7:岡﨑建哉
MF17:中村駿
MF29:ホドルフォ・チト・ヂ・モラエス(90+2′-DF6:山田拓巳)
FW13:大槻周平(80′-MF27:坂元達裕)
FW10:井出遥也(67′-MF18:南秀仁)
FW11:阪野豊史

無慈悲な夜の結末

今季初のミッドウィーク開催。
先発、ワントップでエスクデロを起用してきた。
宮吉よりは前線でのキープができることを期待して、宮吉のフォローでトップの位置にポジションすることが多かった重廣をベンチに。
そして中盤、庄司のパートナーに福岡を持ってきて、2センターが横並びの関係に置く。
その2センターが攻撃時は前線に上がり、ジュニーニョ、エスクデロ、小屋松とともに「5トップ」化していた。
3バック+5トップ、おおこれはコンテ=ユベントスの「3バック+5トップ、中盤ぽっかりサッカー」のオマージュじゃないですか。
ただ、いかんせん、今回最悪ぐらいにボールが回らなかった。
山形の1トップ、2シャドー、2ウイングバックにサイドへのパスコースを抑えられ、中盤では上記のように人が手薄なため、相手ボランチに制圧されてしまった。
うまくいかなかったのは、福岡くんの言葉どおり。
ユーベにはピルロがいたけど京都にはいなかった、とでも言うべきか。

福岡慎平選手(京都)
--リズムが作れなかった理由は?
今回の戦術は自分と庄司くんが高い位置を取ることが多くて、そこでボールを回すときにチームが円の状態になって真ん中にパスをつなぐ人が誰もいないシーンが多くなっちゃって、自分たちも後ろ向きで相手にかっさらわれるシーンが多かった。そこは自分たちで解決するしかないですし、もっと相手を見ながら自分のポジションを変えていかないと。

「一三スレイヴ」の人でさえも、きょうは疑問を覚えたであろうこのゲーム。
連戦となる日曜日、選手の配置、入れ替え含めて、さてどう修正してくるか?

【J2第6節】FC岐阜 1-1 京都サンガF.C.

FC岐阜 1-1 京都サンガF.C.
日時:2019年3月30日(土)15:03KO
会場:岐阜メモリアルセンター長良川競技場(5,508人/雨11.5℃/82%)
主審:榎本一慶
71′-京都/ジュニオール・シウヴァ・フェレイラ “ジュニーニョ”(右足←エスクデロ)
83′-岐阜/粟飯原尚平

■FC岐阜(4-1-3-2)
GK25:ヴィクトル・イバニェス・パスクアル “ビクトル”
DF15:会津雄生
DF2:阿部正紀
DF27:イヨハ理ヘンリー
DF35:長倉颯
MF30:中島賢星
MF31:宮本航汰
MF28:永島悠史(78′-MF8:フレデリック・ビュロー・ワガー)
MF6:三島頌平
FW9:山岸祐也
FW10:ライアン・デ・フリース(62′-FW24:粟飯原尚平)

■京都サンガF.C.(3-3-3-1)
GK21:清水圭介
DF25:上夷克典
DF4:田中マルクス闘莉王
DF6:本多勇喜
MF31:福岡慎平
MF10:庄司悦大
MF5:黒木恭平
MF20:ジュニオール・シウヴァ・フェレイラ “ジュニーニョ(71′-MF14:仙頭啓矢)
MF8:重廣卓也(88′-DF30:石櫃洋祐)
MF22:小屋松知哉
FW13:宮吉拓実(66′-FW39:エスクデロ競飛王)

おれがあいつであいつがおれで

今季の岐阜は昨年のサッカーからモデルチェンジしていた。
中盤がダイヤモンド、前線が2トップ。
高い位置でボールを奪ってから、2トップの飛び出しに合わせてボールを前に運び、以前よりは「手数」をかけずゴールを狙っていく攻撃を志向しているようじゃないですか。
一方の、京都サンガは往年の…ってそんな昔じゃないけれど(笑)、大木時代を現代風にリバイバルさせたようなポゼッションサッカー。
昔やっていたサッカーの指揮官が、敵チームにいて、あれ…、もしかして入れ替わってるーーー?
思わず「前前前世」が聞こえてくるような、そんな感慨深い一戦だったなと。

京都の最終ラインから出るパスを、岐阜は明らかに狙っていた。
ポゼッションの起点となる3バックに対して、岐阜の2トップは「3バックの間」のレーンに位置。
囲碁で言うならば「ノゾキ」のポジションを取っていた。
そして、アンカー・庄司へのパスラインを分断しつつ、ワイドへのロングパスがあればインターセプトを狙うという形。

本多のパスがカットされるなど、最終ラインでのボール回しに不安定さが垣間見られた

加えて、京都の「3-3-3-1」によるパス回しも不発に終わった。
京都の攻撃のメカニズムとしては、
●大外のレーンに位置している小屋松、ジュニの両ウイングが相手4バックを「広めにピン留め」して、
●重廣がトップの位置まで上がり、
実質4トップのような形で相手最終ラインの攻略を狙う。
その際に、
●上夷、本多のセンターバックがインナーラップを狙う(ときにウイングと位置を入れ替える場面も)
●ウイングバックの福岡か黒木の一方がボランチの位置に入る(いわゆる「偽サイドバック」化)
のが特徴的なんだけど、岐阜も京都のボールサイドに人を寄せてくるし、京都も単純にボールキープでミスがあったりして、なかなかボールがうまく回らない。
そして、シュートを打つところまで進まない。

インナーラップした上夷の外側レーン前後を福岡と仙頭がフォロー。きれいなトライアングルを形成

逆に、岐阜はショートカウンター中心ながらも、京都の2ラインの間を永島悠史がうまく入り込んだりして、シュートの形まで持っていけていた。
宮吉に代えてエスクデロを入れたことで、ボールの収まりどころができて(その分、前線からの守備はゆるくなったけど)、71分にジュニーニョが先制ゴール。
続いて74分には、右サイドで複数人が絡んで、この日最高の「崩し」があったのだが、エスクデロへのラストパスがイヨハ理ヘンリーに触られて、シュートに至らず。
逆に、失点に関しては、その直前の79分、闘莉王がボールをさらわれて大ピンチを招いていたので、そこらへんからのリズムの悪さも影響したのかもしれない。

状況に応じて、庄司が最終ラインに落ち、本多と闘莉王の位置が入れ替わるような場面も

押している場面もあれば、押されている場面もあり、先制はしたもののドロー決着は妥当なところ。
ここを守りきれるような、または、2点目を取れるような力がついてきたら、もう1ランク、チームは成熟したといえるんだろうな。

※参考大木武が磨く岐阜式ダイヤモンド。「ミスマッチだから面白いんだよ!」 – Jリーグ – Number Web – ナンバー 1 大木武が磨く岐阜式ダイヤモンド。「ミスマッチだから面白いんだよ!」 – Jリーグ – Number Web – ナンバー

【J2第5節】ジェフユナイテッド市原・千葉 1-1 京都サンガF.C.

ジェフユナイテッド市原・千葉 1-1 京都サンガF.C.
日時:2019年3月24日(日)14:03KO
会場:千葉市蘇我球技場 “フクアリ”(1万309人/晴 13.2℃ 32%)
主審:窪田陽輔
21′-京都/小屋松知哉(左足←ジュニーニョ)
76′-市・千/新井一耀 “いっき”

■ジェフユナイテッド市原・千葉(3-4-2-1)
GK23:佐藤優也
DF4:エベルト・シウヴァ・サントス
DF5:増嶋竜也
DF17:新井一耀 “いっき”
MF6:田坂祐介
MF7:佐藤勇人
MF14:小島秀仁(18′-MF20:矢田旭)
MF49:下平匠
MF13:為田大貴(82’MF8:堀米勇輝)
MF10:船山貴之
FW9:クレーベル・ラウベ・ピニェイロ “クレーベ”(58′-FW21:アラン・ロペス・ピニェイロ)

■京都サンガF.C.(3-3-3-1)
GK21:清水圭介
DF25:上夷克典
DF4:田中マルクス闘莉王
DF6:本多勇喜
MF31:福岡慎平(89′-DF30:石櫃洋祐)
MF10:庄司悦大
MF5:黒木恭平
MF20:ジュニオール・シウヴァ・フェレイラ “ジュニーニョ”(74′-MF29:中野克哉)
MF8:重廣卓也
MF22:小屋松知哉
FW13:宮吉拓実(74′-FW23:一美和成)

江尻体制始動の千葉・市原とドロー

今季初現地“生”観戦。
俯瞰から見て、あらためて、今季の京都サンガは選手配置について練られている印象があった。
そして、ポゼッションサッカーが「守備」で効いていることも確認した。
攻撃は、本当に無理せず、時間をかけてボールを繋いでくる。
流れの中の約75%のゴールは、相手ボールを奪ってから15秒以内のものです。
を掲げる山本昌邦・大解説者なら憤死するようなレベル。
そして、つなぐ際にボール保持者の周りに3人程度が集まる関係で、もしボールを奪われたとしてもカウンターを受けづらい、というメリットがあるのも事実だ。
そこから「奪われてすぐ奪い返す」ことをめざしつつ、厳しそうなら、一旦ディフェンスの形を整えていく。
これは、確かに、大量失点はしなさそうだなと思った。

しかし、きょうは前半、両軍ともかなりミスが多かったのが残念。
単純にパスが長すぎるとか、ドリブルが足元に入ってロストとか、なんとかかんとか。
温かい日もあったが、かなり寒かった影響もあったのかなと。

【J2第4節】京都サンガF.C. 0-1 柏レイソル

京都サンガF.C. 0-1 柏レイソル
日時:2019年3月17日(日)14:03KO
会場:京都市西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場(6,143人/曇 11.6℃ 48%)
主審:上村篤史
90+3分-柏/鎌田次郎

■京都サンガF.C.(3-3-3-1)
GK21:清水圭介
DF25:上夷克典
DF4:田中マルクス闘莉王
DF6:本多勇喜
MF31:福岡慎平
MF10:庄司悦大
MF5:黒木恭平
MF29:中野克哉(88分-MF7:ヘナン・カルヴァーリョ・モタ “レナン・モッタ”)
MF8:重廣卓也
MF22:小屋松知哉(88分-MF20:ジュニオール・シウヴァ・フェレイラ “ジュニーニョ”)
FW13:宮吉拓実(88分-FW39:エスクデロ競飛王)

■柏レイソル(4-2-3-1)
GK23:中村航輔
DF13:小池龍太
DF15:染谷悠太
DF2:鎌田次郎
DF4:古賀太陽
MF35:ヒシャルヂソン・フェルナンデス・ドス・サントス
MF7:大谷秀和(79分-MF5:小林祐介)
MF18:瀬川祐輔(90分-MF19:ガブリエウ・サンターナ・ピント)
MF17:手塚康平(57分-FW10:江坂任)
MF38:菊池大介
FW9:クリスチアーノ・ダ・シウヴァ “クリスティアーノ”

https://twitter.com/sangafc/status/1107226951800909826

見せつけられた現実

今季初黒星。
お互いポゼッションはするものの、相手守備陣を崩したシーンは少なかった。
決定機といえば、
・柏⇒32分、クリスチアーノが闘莉王のボールをかっさらってキーパーとの1対1を“宇宙開発”
67分、小池の右サイドからシンプルなクロスを、クリスチアーノが闘莉王に競り勝ってヘッドもクロスバー
・京都⇒56分、重廣のヘッドの落としから裏に抜けた福岡右足シュートも、ポストの左に
ぐらいじゃないかなって。
失点のシーンは、ファウルを与えたのが非常にもったいなかった。
下記の映像で見ればわかるように、相手は完全にファイル狙い=「倒れる姿勢」でボールを叩いていた。そこから抜け出される心配はナッシングだったし、黒木選手はそこまで強く当たらなくてもよかったのかな〜って。
そのFKでロスタイムにゴールを決めた、柏の底力にやられたという一戦だった。
3連勝でちょっと浮かれていたけど、今の実力、現実を見つめ直さないといけない。

柏・小池はファイルをもらいにきていた。オーバーアクションで転倒

前節に続き3バックを敷いた京都。
最終ラインからのビルドアップ時は、柏1トップVS京都3CBで圧倒的に数的有利。
そのため、右の上夷(※ときどき入れる縦パスは出色のでき!)、左の本多が積極的に攻撃参加していた。
湘南やミシャ時代の浦和だったらCBは大外のレーンを駆け上がるけど、このふたりはインナーラップ中心だったのが面白いところ。
ただ、最終ラインからボールは持てども、ファイナルサードまでなかなかボールを運べない。
その理由のひとつとしては、4-3-3のときより中野、小屋松の攻撃時のポジションが低くなって、相手の守備陣を外に“広げられなかった”ことがある。
4-3-3を採用していた1節、2節は中野、小屋松が高い位置でボールを受けて、そこからドリブルで勝負にいくシーンもあったが、今節では2人それぞれ1回ぐらいあったかなっていう感じ。
その半面、守備は格段に安定した=相手に攻撃の形を作らせなかったのも事実だ。
それもJ1からの降格チームである柏相手でも、というのは評価できるのかな。
今後も、攻撃か守備かどっちを優先するかの判断、および相手のFWの人数で、最終ラインの形は変えていくのだろう。

京都最終ラインからのビルドアップ。小屋松が下がってきて黒木とポジションが重なり気味

で、次節は、極端なハイラインハイプレスで知られる千葉。
「ハイプレス」と「ハイポゼッション」、うーん“ホコタテ”みたいでかっこいいぞ笑。
千葉は不調だけど、いまの京都のやり方だと意外と苦戦しそうな予感もある。
久しぶりのフクアリ、京都がどんなサッカーを展開するか?
生で確認してみたいと思います。