【J2第18節】京都サンガF.C. 2-2 FC琉球

京都サンガF.C. 2-2 FC琉球
日時:2019年6月15日(土)19:03KO
会場:京都市西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場(4,533人/雨のち曇 20.9℃ 86%)
主審:榎本一慶
36′-京都/小屋松知哉(右足)
45+3′-琉球/鈴木孝司
65′-京都/一美和成(pen.)
80′-琉球/河合秀人

■京都サンガF.C.(4-1-2-3)
GK21:清水圭介
DF30:石櫃洋祐(90′-FW39:エスクデロ競飛王)
DF6:本多勇喜
DF16:安藤淳
DF5:黒木恭平(75′-DF4:田中マルクス闘莉王)
MF10:庄司悦大
MF31:福岡慎平
MF8:重廣卓也
FW14:仙頭啓矢
FW23:一美和成(90′-MF20:ジュニオール・シウヴァ・フェレイラ “ジュニーニョ”)
FW22:小屋松知哉

■FC琉球(4-2-3-1)
GK23:石井綾
DF3:西岡大志
DF2:増谷幸祐
DF4:岡﨑亮平
DF5:徳元悠平(15′-DF33:福井諒司)
MF20:上里一将
MF8:小松駿太(72′-FW14:上門知樹)
MF11:田中恵太(53′-MF13:河合秀人)
MF6:風間宏希
MF10:富所悠
FW9:鈴木孝司

自ら手放した、勝ち点3

最終ラインと中盤、2ラインをきっちり作ったブロック守備を敷いてくる琉球。
これを攻略すべく、京都はいつも以上にウイングを大きく開かせていた印象があった。
琉球4バックの幅を広げつつ、隙間を狙った一美、重廣、福岡がペナへの侵入を図る、という狙いだろう。
実質5トップで、庄司がトップ下、石櫃、黒木がボランチになって、その後ろからは安藤、本多の2センターバックもパス出しに奮闘。
前半開始から琉球ゴールに迫りまくっていたんだけど…。
結局、常に先行しながらも、2-2のドローに終わった。

2失点は、ともに“自責”の念を覚えるもの。

1失点目は、本当に前半ラストプレイ。
無理につなごうとして相手にボールが渡り、ファウルを与え⇒FKからの失点だった。
残り時間わずかだったこと、前に選手も少なかったこと。
この2点を考えれば、一旦ロングボールで陣地回復しつつ、流れを切る選択で良かったのではないかと、悔やまれるシーンだった。

2失点目は80分、相手のきれいなダイレクトプレーからのナイスゴール。
シュート自体は見事だったが、そこに至るまで、京都の守備に混乱が起きていたのも事実。
75分、闘莉王投入で3バックになったことで、チーム全体のコンパクトさが薄くなり、琉球の“縦志向”の攻めに対応しきれなくなっていた。
相手がロングボールで攻めてきているならば闘莉王は効果的だけど、琉球は“地上戦”主体のチーム。
逃げ切るメッセージを伝えるため、チームのメンタリティ強化のための闘莉王投入としても、3バックにする必要があったのか。
4バックのまま安藤SB化、は以前もやったことがあるし、「闘莉王投入=3バック化」以外のソリューションを今のうちに確立しておくことが必要なのかと思った次第。

試合開始から15分ぐらいまでの圧倒的優位な時間帯でゴールを決められなかったこと、ほぼ支配していた前半の一番危険な時間帯で不用意なファウルを与えてしまったこと、自分たちの布陣変更で相手に流れを渡してしまったこと…。
もったいないドローではあった一方で、勝ちきれなかった原因ははっきりしている。
きょうの教訓を次節以降にしっかりと活かせれば、チームはまたひとつ成長できるのではないだろうか。

石櫃がスピードを生かして強引に前に出ようとすると、ウイングの仙頭が石櫃と同じレーンの後方に走ってスペースを埋める。サイドでのダイレクトパスなど、きょうは大外のレーンでのパス回しも良かっただけに、ドローは残念な結果だった。

【J2第17節】大宮アルディージャ 3-1 京都サンガF.C.

大宮アルディージャ 3-1 京都サンガF.C.
日時:2019年6月8日(土)18:03KO(9879人/曇 21.8℃ 70%)
会場:さいたま市大宮公園サッカー場 “ナクスタ”
主審:小屋幸栄
12′-大宮/奥抜侃志
25′-京都/仙頭啓矢(右足←一美)
39′-大宮/河面旺成
62′-大宮/ファン・マヌエル・デルガド・リョリア “ファンマ”

■大宮アルディージャ(3-4-1-2)
GK21:塩田仁史
DF50:畑尾大翔
DF2:菊地光将
DF6:河面旺成
MF19:奥井諒
MF7:三門雄大
MF5:石川俊輝
MF36:吉永昇偉(79′-MF26:小島幹敏)
MF8:茨田陽生
FW33:奥抜侃志(62′-FW10:大前元紀)
FW22:ファン・マヌエル・デルガド・ジョリア “フアンマデルガド”(66′-FW9:ロビン・シモヴィッチ)

■京都サンガF.C.(4-1-2-3)
GK21:清水圭介
DF30:石櫃洋祐(53′-MF10:庄司悦大)
DF6:本多勇喜
DF16:安藤淳
DF5:黒木恭平(66′-DF4:田中マルクス闘莉王)
MF31:福岡慎平
MF13:宮吉拓実(86′-FW19:大野耀平)
MF8:重廣卓也
FW22:小屋松知哉
FW23:一美和成
FW14:仙頭啓矢

ゆきゆきて、敗軍

久しぶりのナクスタ来訪。
大宮駅前商店街を抜けて、住宅地を抜けて、さぁ着いたと思ったら、ビジター席の入り口に向かうためスタジアムを半周させられるという“試練”は相変わらず(w
しかし、ゴール裏の観客席は角度が急なおかげで、選手配置やボールのないところの選手の動きも一望できて、最高of最高。

で、試合のほうは、大宮に完全なる“京都対策”を立てられて、完敗だった。
とにかくうまく守られた、という印象。
京都がボールを握れば、最終ラインはさっと5バックに。
そして、安藤&本多両センターバックにファンマと奥抜の2トップを当てて、京都の3センターには同じく茨田、三門、石川がマッチアップ。
京都はダイレクトパスの“出し入れ”をして、バイタルのスペースを探そうとするも、なかなか空きが出てこない。

真ん中がダメならサイドで、って思っても、5バックが5つのレーンをガッチリ埋めちゃってる。
大外のレーンでウイングとサイドバックが並んで、その内側のレーンでセンターハーフが位置して、“三角形”からのワンツーパスで突破を試みようとしても、完全に警戒されていて、ボールホルダーに対して厳しいフィジカルコンタクトが飛んでくる。
まだ左サイドは、黒木が大外に張った小屋松、仙頭に対してインナーラップでボールの出しどころをいろいろと模索していた。
しかし一方の右サイドでは、石櫃がどうしても縦のスペースに行きたがるので、大外のレーンでウイングと渋滞を起こしてしまっていた。
一番最初の交代カードが石櫃というのは納得だったなと。

試合後の仙頭選手のコメント。
「相手のプレッシャーが良かったのも間違いないですけど、そこでどう勝負するかを考えないといけない。個人で1枚剥がせばチャンスになるシーンはあったので、そういうのも今日は使っていくべきだったんじゃないかなと思います」

そう、スペースが少なかったとはいえ、ドリブルでのチャレンジが少なかったのも事実。
攻撃陣がほぼ1on1で相手DFに対峙させられてしまっている状況で、「1枚剥がす」ことがもっとできていれば…というのは、見ていて思った。
なので、庄司や大野投入よりは、エスクデロやジュニーニョの強引な突破で、たとえドリブルでボールをロストしたとしてもピッチ上に“カオス”を生じさせてくれることを期待したかったな、という思いもあった。
まぁ、大宮の1点目、2点目がスーパーだったので、どうあがいても勝利は難しかったのかもしれないけれど。
気持ちを切り替えて、次、ですね。
あ、京都サポ席で冨田選手(埼玉県出身)を応援する学生さん集団が微笑ましかったことを、最後に付け加えておきます!

【J2第16節】東京ヴェルディ 1-4 京都サンガF.C.

東京ヴェルディ1969 1-4 京都サンガF.C.1922
日時:2019年6月2日(日)14:03KO
会場:東京都調布市東京スタジアム(4,326人/曇 24.8℃ 53%)
主審:野田祐樹
13′-京都/一美和成(右足←仙頭)
18′-京都/福岡慎平(右足←仙頭)
27′-京都/小屋松知哉(右足←宮吉)
63′-東V/小池純輝
89′-京都/安藤淳(ヘッド←CK:石櫃)

■東京ヴェルディ1969(4-1-2-3)
GK21:上福元直人
DF2:若狭大志
DF3:近藤直也
DF5:平智広
DF24:奈良輪雄太
MF6:井上潮音
MF7:渡辺皓太
MF9:佐藤優平(84′-FW30:ヴァウメルソン・ガルシア・プライア)
FW33:河野広貴(46′-FW11:林陵平)
FW10:レアンドロ・モンテーラ・ダ・シウヴァ(66′-DF17:リ・ヨンジ)
FW19:小池純輝

■京都サンガF.C.1922(4-1-2-3)
GK21:清水圭介
DF30:石櫃洋祐
DF16:安藤淳
DF6:本多勇喜
DF5:黒木恭平
MF31:福岡慎平
MF13:宮吉拓実(55′-DF4:田中マルクス闘莉王)
MF8:重廣卓也(66′-FW39:エスクデロ競飛王)
FW14:仙頭啓矢
FW23:一美和成(89′-FW19:大野耀平)
FW22:小屋松知哉

https://twitter.com/sangafc/status/1135151337195261953

気分はもう完勝

味スタへ行ってまいりました。
いつもね、現地に赴くときゃあ、試合開始から相手を圧倒して、そんで前半早い段階で「きょうは勝ったな」って安心できるような――。
そんなゲームを見てみたいものだなぁ、って思っているんですよ。
しっかし、大木さん退任後は、バドゥ氏から始まってN氏の暗黒な2年があり(笑)。
楽勝ゲームなんぞ目撃したことなんかなくってねぇ。
ところが、きょうは目の前でゴールがポンポンと入っていくじゃないですか。
売り子を呼んでビールで祝杯だぁ、と思ったんですが…。
ふと、上げようとした手を止めましたね。
「よそう。また夢になるといけねぇ」

って、サゲては噺も終わってしまう! さくっとゲームの振り返りを…。
きょうは30分もたたずして、早々勝負が決してしまったなと。
その後は、3-0の余裕から受けに回ってしまって、単純なパスミスも増え、東京Vにペースを握られる時間も増えたものの、追いつかれるような雰囲気もなかった。
4得点はここ3シーズンでいうと、2017年10月讃岐戦(4-0)、2018年9月熊本戦以来(4-0)があったとはいえ、対戦相手は下位に沈んでいたチーム。
一方、東京Vは京都と同じくここ数戦、調子が良かった。
そんなチームに完勝できたのは大きい。

勝因はといえば、試合後福岡選手も言ってましたが、アンカー横のスペースを中心に、相手守備陣の隙間でボールを収められて、リズムを作れたことかなっと。
東京Vは京都と同じく、攻撃時は焦らずポゼッション志向(GKの位置も超高め)、守ってはしっかり陣形を整えることを優先していた。
対して、京都のインサイドハーフ、福岡は相手FWと中盤とのラインの間、重廣は相手中盤と最終ラインとの間にうまくポジションを取って、ボールの受け手になっていた。
先制点も、重廣のナイスですねぇ!な動きから。
左サイドにいた重廣がボールを持ちながら中央へ、一旦ボールを最終ラインに戻しつつ、写真のように空いているスペースへとランニング。
右サイド石櫃&仙頭のパス交換に絡んでいって、ワンタッチのヒールで仙頭の前にスペースを作ってあげた。

先制点を呼んだ重廣の動き。左サイドから中央までボールを運ぶも前にスペースがなく一旦バックパス。相手中盤の選手たちの目線が前になって生じたオープンスペースへランニング。石櫃&仙頭の縦のチェーンに関わって、ワンタッチのヒールパスで仙頭のドリブル突破に繋げた

ラーメン大好きホワイトさん(東京V)が「前半は相手にスペースを与え過ぎ、単純にファイトできなかった」と振り返っていたように、前半は東京Vの選手たちがプレス弱め、運動量少なめだったのも事実。
で、後半東京Vが3-5-2に変えて、運動量も上げて、かなりボールを支配されてしまった。
そこで、「早めの闘莉王」で3バックにして、1失点はしたものの無事対応できた。
んで、「強いて言えば、あと1点ほしいなぁ」と思ってた試合終了直前、最後に安淳のヘッド炸裂!
文句なしの4-1。
かえすがえすも、完勝。
試合後、ヒーローインタビュー後の福岡選手が深々とサポーターにお辞儀をするシーンを目撃できたのも良かったな。
天気はどんよりとした曇空だったけど、晴れ晴れとした気持ちで味スタを後にしたのだった。

【J2第15節】京都サンガF.C. 2-0 レノファ山口FC

京都サンガF.C. 2-0 レノファ山口FC
日時:2019年5月25日(土)14:03KO
会場:京都市西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場(7,516人/晴 34.5℃ 20%)
主審:中井敏博
34′-京都/一美和成(右足アウトサイド←CK石櫃)
85′-京都/小屋松知哉(左足ループ)

■京都サンガF.C.(4-1-2-3)
GK21:清水圭介
DF30:石櫃洋祐
DF16:安藤淳
DF6:本多勇喜
DF5:黒木恭平
MF10:庄司悦大
MF31:福岡慎平
MF8:重廣卓也(79′-DF4:田中マルクス闘莉王)
FW14:仙頭啓矢(89′-FW19:大野耀平)
FW23:一美和成(90+1′-FW13:宮吉拓実)
FW22:小屋松知哉

■レノファ山口FC(4-1-2-3)
GK33:山田元気は京都サンガが丹精を込めて育成させていただきました
DF6:前貴之
DF2:坪井慶介
DF13:楠本卓海
DF26:川井歩
MF5:佐藤健太郎(61′-FW19:工藤壮人)
MF29:三幸秀稔
MF14:吉濱遼平
FW18:高木大輔(60′-FW7:田中パウロ淳一)
FW9:岸田和人
FW8:佐々木匠(78′-FW24:山下敬大)

Think Red, Count Five.

一美が、イブラヒモビッチかマンチーニかっていう、アクロバティック・シュートを決めた3分後。
庄司がまさかの一発レッドで退場。
37分にして、京都はひとり少ない戦いを強いられる。
折しも、34.5℃の猛暑ですよ。
きっと、後半スタミナ切れからの失点。
そして、あっけなく敗戦。
振り返れば、レッドが分岐点。
返す返すも、反省点。
…と、韻を踏みながら、
「はいはいわろすわろす」
 〃∩ ∧_∧
 ⊂⌒( ・ω・)
  \_っ⌒/⌒c
    ⌒ ⌒
と思ってたんですが!
今季の京都はひと味違った。
数的不利を感じさせないボール回しと、盤石の守備。
からの〜、小屋松の独走カウンターで山口の息の根を止めた。
ということで、ここ5戦負けなし。
依然、好調をキープしたまま、関東2連戦、わっしょい。

試合後のコメントによれば、庄司退場後は、
●両ウイングをサイドハーフに下げた「4-4-1」
●後半開始から、安藤 本多 黒木-石櫃 福岡 重廣 小屋松-仙頭-一美の「3-4-1-1」
●選手たちからの要望で「4-4-1」に戻す
●闘莉王投入で「5-3-1」
と、時間帯に応じて布陣を変更したようだ。
特に、「選手たちのほうから」っていうのがいいよね。

山口の3トップによるプレスを、2CB+GK=同数でのパス回しで対抗する京都。結果、フリーになることができた本多は、ここから左ウイングに向けて左足でロングパスを放つ
守備時の京都はCF・一美が山口のアンカー・三幸をマーク。山口のCBはパスはそこまで精度が高いわけではないので、ビルドアップは苦心していた。この日、山口で輝いていた三幸、これほどの選手がチームが決まらなくて1年浪人していたとは…

しかし、結果的に勝ったからいいとはいえ、庄司退場前は山口をほぼ圧倒していただけに、きょうは11人で90分戦っていたらどうなったか、見てみたかった気持ちもある。
きょうの山口のように、京都のポゼッション志向のサッカーに対して相手チームのやり方としては、ハイラインで中盤を圧縮してボールホルダーへ粛々とプレッシングをかけていく戦い方がある。
開幕当初の京都は、そんな相手にもパス、パス、パスで対抗してきたが、安藤&本多の2CBが固まってきてからは、ディフェンスラインからのロングボールも出るようになってきた。
前節、一美の先制点も安藤のロングボールからだったし、きょうも本多からサイドにビューンとロングパスが飛んでいた。
相手からしてみれば、地上戦だけ気にしていればよかった京都が、徐々にハイボール、ロングボールも有効的に使うようになって、対策が大変でしょうね?(暗黒微笑)

闘莉王に指示を送るゲルトコーチの手にはipad!? どんなデータが映し出されていたのか?

【J2第14節】FC町田ゼルビア 2-2 京都サンガF.C.

FC町田ゼルビア 2-2 京都サンガF.C.
日時:2019年5月19日(日)16:03KO
会場:東京都町田市立陸上競技場(3,625人/曇 21.8℃ 49%)
主審:井上知大
1′-京都/一美和成(右足)
4′-町田/大谷尚輝
66’町田/ロメロ・ベロカル・フランク・ラーク
82′-京都/仙頭啓矢(右足←ジュニーニョ)

■FC町田ゼルビア(4-2-2-2)
GK13:増田卓也
DF2:奥山政幸
DF35:大谷尚輝
DF23:酒井隆介
DF25:佐野海舟
MF15:井上裕大
MF24:ロメロ・ベロカル・フランク・ラーク(85′-FW18:岡田優希)
MF29:森村昂太(73′-FW11:山内寛史)
MF32:戸高弘貴
FW8:ジョン・チュングン
FW9:富樫敬真(46′-MF19:土居柊太)

■京都サンガF.C.(4-1-2-3)
GK21:清水圭介
DF30:石櫃洋祐(76′-DF28:冨田康平)
DF16:安藤淳
DF6:本多勇喜
DF5:黒木恭平(70′-DF4:田中マルクス闘莉王)
MF10:庄司悦大
MF31:福岡慎平
MF8:重廣卓也(62′-MF20:ジュニオール・シウヴァ・フェレイラ “ジュニーニョ”)
FW14:仙頭啓矢
FW23:一美和成
FW22:小屋松知哉

張り巡らされた網の目

ラインを高く上げ、前線から相手のパスコースを消す町田。
そしてボールを奪うやいなや、一気呵成に縦へと攻め込む!
ピッチ上に「網をかけて」相手のミスを待ち、「高い位置でボールを奪うこと」を前提にゴールへの設定図を描いているのだ。
「漁(いさり)」に例えるなら、「陥穽漁法(かんせいぎょほう)サッカー」とでも言おうか。
対する京都が志向するのはボールを大切にし、焦らず時間をかけて、パスを回し、ゴールという「獲物」を狙う、言わば「一本釣り」。
しかし。
その京都がきょうに関しては、ロングボールとカウンターから2ゴール挙げたというのが、興味深い。
いやぁ、サッカーって怖いですねぇ、恐ろしいですねぇ。それでは次節をご期待ください、サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ…(淀川長治調)。

って終わらずに、きょうを象徴するシーンを――。

5レーンにバランスよく選手が散る京都。町田は守備時に1トップの1人が降りて、庄司をマーク。起点を作られないように留意しつつ、京都をサイドに追いやり、小屋松が下がってボールを受けようとすると、町田のサイドバックが高い位置まで上がってプレッシャーをかけていく

右サイド、小屋松が下がり黒木と縦のチェーン関係で突破を図ろうとするも、前を3人にカバーされていては厳しい。庄司は相手FWにマークをされ、重廣も高い位置まで出てしまって、京都は完全に封殺された格好になった