【J2第5節】ジェフユナイテッド市原・千葉 1-1 京都サンガF.C.

ジェフユナイテッド市原・千葉 1-1 京都サンガF.C.
日時:2019年3月24日(日)14:03KO
会場:千葉市蘇我球技場 “フクアリ”(1万309人/晴 13.2℃ 32%)
主審:窪田陽輔
21′-京都/小屋松知哉(左足←ジュニーニョ)
76′-市・千/新井一耀 “いっき”

■ジェフユナイテッド市原・千葉(3-4-2-1)
GK23:佐藤優也
DF4:エベルト・シウヴァ・サントス
DF5:増嶋竜也
DF17:新井一耀 “いっき”
MF6:田坂祐介
MF7:佐藤勇人
MF14:小島秀仁(18′-MF20:矢田旭)
MF49:下平匠
MF13:為田大貴(82’MF8:堀米勇輝)
MF10:船山貴之
FW9:クレーベル・ラウベ・ピニェイロ “クレーベ”(58′-FW21:アラン・ロペス・ピニェイロ)

■京都サンガF.C.(3-3-3-1)
GK21:清水圭介
DF25:上夷克典
DF4:田中マルクス闘莉王
DF6:本多勇喜
MF31:福岡慎平(89′-DF30:石櫃洋祐)
MF10:庄司悦大
MF5:黒木恭平
MF20:ジュニオール・シウヴァ・フェレイラ “ジュニーニョ”(74′-MF29:中野克哉)
MF8:重廣卓也
MF22:小屋松知哉
FW13:宮吉拓実(74′-FW23:一美和成)

江尻体制始動の千葉・市原とドロー

今季初現地“生”観戦。
俯瞰から見て、あらためて、今季の京都サンガは選手配置について練られている印象があった。
そして、ポゼッションサッカーが「守備」で効いていることも確認した。
攻撃は、本当に無理せず、時間をかけてボールを繋いでくる。
流れの中の約75%のゴールは、相手ボールを奪ってから15秒以内のものです。
を掲げる山本昌邦・大解説者なら憤死するようなレベル。
そして、つなぐ際にボール保持者の周りに3人程度が集まる関係で、もしボールを奪われたとしてもカウンターを受けづらい、というメリットがあるのも事実だ。
そこから「奪われてすぐ奪い返す」ことをめざしつつ、厳しそうなら、一旦ディフェンスの形を整えていく。
これは、確かに、大量失点はしなさそうだなと思った。

しかし、きょうは前半、両軍ともかなりミスが多かったのが残念。
単純にパスが長すぎるとか、ドリブルが足元に入ってロストとか、なんとかかんとか。
温かい日もあったが、かなり寒かった影響もあったのかなと。

【J2第4節】京都サンガF.C. 0-1 柏レイソル

京都サンガF.C. 0-1 柏レイソル
日時:2019年3月17日(日)14:03KO
会場:京都市西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場(6,143人/曇 11.6℃ 48%)
主審:上村篤史
90+3分-柏/鎌田次郎

■京都サンガF.C.(3-3-3-1)
GK21:清水圭介
DF25:上夷克典
DF4:田中マルクス闘莉王
DF6:本多勇喜
MF31:福岡慎平
MF10:庄司悦大
MF5:黒木恭平
MF29:中野克哉(88分-MF7:ヘナン・カルヴァーリョ・モタ “レナン・モッタ”)
MF8:重廣卓也
MF22:小屋松知哉(88分-MF20:ジュニオール・シウヴァ・フェレイラ “ジュニーニョ”)
FW13:宮吉拓実(88分-FW39:エスクデロ競飛王)

■柏レイソル(4-2-3-1)
GK23:中村航輔
DF13:小池龍太
DF15:染谷悠太
DF2:鎌田次郎
DF4:古賀太陽
MF35:ヒシャルヂソン・フェルナンデス・ドス・サントス
MF7:大谷秀和(79分-MF5:小林祐介)
MF18:瀬川祐輔(90分-MF19:ガブリエウ・サンターナ・ピント)
MF17:手塚康平(57分-FW10:江坂任)
MF38:菊池大介
FW9:クリスチアーノ・ダ・シウヴァ “クリスティアーノ”

https://twitter.com/sangafc/status/1107226951800909826

見せつけられた現実

今季初黒星。
お互いポゼッションはするものの、相手守備陣を崩したシーンは少なかった。
決定機といえば、
・柏⇒32分、クリスチアーノが闘莉王のボールをかっさらってキーパーとの1対1を“宇宙開発”
67分、小池の右サイドからシンプルなクロスを、クリスチアーノが闘莉王に競り勝ってヘッドもクロスバー
・京都⇒56分、重廣のヘッドの落としから裏に抜けた福岡右足シュートも、ポストの左に
ぐらいじゃないかなって。
失点のシーンは、ファウルを与えたのが非常にもったいなかった。
下記の映像で見ればわかるように、相手は完全にファイル狙い=「倒れる姿勢」でボールを叩いていた。そこから抜け出される心配はナッシングだったし、黒木選手はそこまで強く当たらなくてもよかったのかな〜って。
そのFKでロスタイムにゴールを決めた、柏の底力にやられたという一戦だった。
3連勝でちょっと浮かれていたけど、今の実力、現実を見つめ直さないといけない。

柏・小池はファイルをもらいにきていた。オーバーアクションで転倒

前節に続き3バックを敷いた京都。
最終ラインからのビルドアップ時は、柏1トップVS京都3CBで圧倒的に数的有利。
そのため、右の上夷(※ときどき入れる縦パスは出色のでき!)、左の本多が積極的に攻撃参加していた。
湘南やミシャ時代の浦和だったらCBは大外のレーンを駆け上がるけど、このふたりはインナーラップ中心だったのが面白いところ。
ただ、最終ラインからボールは持てども、ファイナルサードまでなかなかボールを運べない。
その理由のひとつとしては、4-3-3のときより中野、小屋松の攻撃時のポジションが低くなって、相手の守備陣を外に“広げられなかった”ことがある。
4-3-3を採用していた1節、2節は中野、小屋松が高い位置でボールを受けて、そこからドリブルで勝負にいくシーンもあったが、今節では2人それぞれ1回ぐらいあったかなっていう感じ。
その半面、守備は格段に安定した=相手に攻撃の形を作らせなかったのも事実だ。
それもJ1からの降格チームである柏相手でも、というのは評価できるのかな。
今後も、攻撃か守備かどっちを優先するかの判断、および相手のFWの人数で、最終ラインの形は変えていくのだろう。

京都最終ラインからのビルドアップ。小屋松が下がってきて黒木とポジションが重なり気味

で、次節は、極端なハイラインハイプレスで知られる千葉。
「ハイプレス」と「ハイポゼッション」、うーん“ホコタテ”みたいでかっこいいぞ笑。
千葉は不調だけど、いまの京都のやり方だと意外と苦戦しそうな予感もある。
久しぶりのフクアリ、京都がどんなサッカーを展開するか?
生で確認してみたいと思います。

【J2第3節】アビスパ福岡 0-1 京都サンガF.C.

アビスパ福岡 0-1 京都サンガF.C.
日時:2019年3月9日(土)13:04KO
会場:東平尾公園博多の森陸上競技場(6,259人/晴 21℃ 23%)
主審:村上伸次
71′-京都/黒木恭平(左足←宮吉)

■アビスパ福岡(4-2-3-1)
GK1:ジョン・アンデル・セランテス・シモン
DF3:石原広教
DF39:篠原弘次郎
DF5:實藤友紀
DF22:輪湖直樹
MF6:ウォン・ドゥジェ(72′-MF14:前川大河)
MF8:鈴木惇
MF10:城後寿(58′-FW13:木戸皓貴)
MF19:田邉草民(78′-FW15:森本貴幸)
MF17:松田力
FW16:石津大介

■京都サンガF.C.(3-3-3-1)
GK21:清水圭介
DF16:安藤淳
DF4:田中マルクス闘莉王
DF6:本多勇喜
MF30:石櫃洋祐
MF10:庄司悦大
MF5:黒木恭平
MF29:中野克哉(90+2′-MF14:仙頭啓矢)
MF8:重廣卓也
MF22:小屋松知哉(88′-MF20:ジュニオール・シウヴァ・フェレイラ “ジュニーニョ”)
FW13:宮吉拓実(88′-FW39:エスクデロ競飛王)

4-3-3から3-4-3へ

3試合目にして3バックにシステムを変えてきた京都。
その狙いを中田一三ヘッドコーチは
「福岡のサイド攻撃、サイド攻撃からのクロスを封じる」
ためというコメントしてましたけど、そのとおり、自分たちのパスミスから招いたシーン以外は、ほぼ相手の攻撃を封殺できた。
逆に、攻撃のところでは
「ビルドアップ、組み立てのところで選手たちが少し困惑していて、明確な場所でボールを受けることができなかったのは課題です」
と振り返っていたように、確かに前2節よりはいい攻撃シーンは少なかったように思う。
攻撃でシュートまで行けて目立ったところでは、
・5分、ペナルティーエリアにいた庄司に縦パスが入り、庄司がワンタッチで裏に浮き玉パス、宮吉がヘッドで流したところを、小屋松が右足でボレー
・26分、重廣の浮き玉パスから宮吉がヘッドで前に運びつつ、裏に抜け出してシュート
ぐらいかなと。

3バック採用、石櫃&黒木がウイングバックに入ったことで、中野&小屋松の両ウイングとの位置が重複しがちだったのが、上述の「ボールの受けどころが明確な場所で作れなかった」原因だったのかもしれない。
ただ、最終ラインからのビルドアップのときには、相手が明確に1トップだったため(後半森本投入からは2トップに)、3バックであればプレスも回避できて、相手のハイプレスを“いなせる”余裕があった。
そこから、3バックのうち1人が上がっていって、庄司とともにビルドアップに積極参加していくイメージ。
前線でパスの出しどころがなければ、無理せずバックラインや庄司に戻して、一度相手守備陣が前へプッシュアップしようとしたところで、裏へのロングパスを狙ったりするのは、前2節同様、京都の狙いだった。

3バックと中盤の1人でトライアングル

得点シーンは、闘莉王のロングパスを相手がクリア、それを黒木が早い出足でカットして、そのままペナを横ぎるようにドリブル。宮吉とシンプルな浮き玉ワンツーで抜け出し左足ゲットというもの。
京都サンガが、パスアンドゴーでゴールしたなんて、いつぶり?(笑)
黒木が内に切り込むドリブルをすることで相手DFに混乱を招いたのは間違いないけれど、特筆すべきは攻撃に向かっている人数の多さ。
写真の通り、3トップ+2センター+2ウイング=7人がペナの近くまで攻め上げっていて、相手守備陣とほぼ同数になっている。
このため、黒木が侵入するスペースがぽっかり空いてしまった格好だ。

宮吉のワンタッチでの浮き玉パスに黒木が反応

一方、守備は無事完封。
終盤、福岡のロングボール放り込みにも、闘莉王が制空権を握り続け、危ないシーンは作らせなかった。
4バックから3バックになっても、守備のやり方自体は大きく変更はなし。
相手ボールになって即ボールが奪えなそうならば、一旦守備のポジションをセットする。
相手がミドルサードに侵入しようとしてきたときは、ペナルティーアークの手前あたりに守備の選手を多く集める。
そして、相手がファイナルサードへの攻め込もうとしているときには、実質5バックのようになって、相手ボールサイドのウイングバックは大外を埋めて、センターバックの1人がそれをフォロー。
逆サイドのウイングバックは、大外を“捨てて”センターバックに加勢するようなポジション取りが多かったように思う。

5バックと中盤で2ラインを形成した京都の守備、ボールサイドにバランスよく人が配置されている。これに対して、福岡・鈴木はロングパスで逆サイドへの展開を試みた

おかげで、大きく逆サイドへ振られる早いパスが来ない限り、4バック以上に守備は安定していた。
とはいえ、きょうの試合では福岡の攻撃が低調で、正直守りやすかったという面があるのも事実。
次節、攻撃のタレントが豊富な柏(3戦3勝!)相手に、守備陣の真価が問われることになりそうだ。

【J2第2節】京都サンガF.C. 2-1 鹿児島ユナイテッドFC

京都サンガF.C. 2-1 鹿児島ユナイテッドFC
日時:2019年3月2日(土)14:03KO
会場:京都市西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場(4,923人/晴 16.2℃ 20%)
主審:大坪博和
23′-京都/宮吉拓実(左足)
38′-鹿児島/ハン・ヨンテ
40′-京都/重廣卓也(左足←宮吉)

■京都サンガF.C.(4-1-2-3)
GK21:清水圭介
DF5:黒木恭平
DF25:上夷克典
DF3:宮城雅史
DF28:冨田康平(58′-警告×2=退場)
MF10:庄司悦大
MF14:仙頭啓矢(67′-DF4:田中マルクス闘莉王)
MF8:重廣卓也
FW29:中野克哉
FW13:宮吉拓実(90′-MF20:ジュニオール・シウヴァ・フェレイラ “ジュニーニョ”)
FW22:小屋松知哉(83′-DF30:石櫃洋祐)

■鹿児島ユナイテッドFC(4-1-4-1)
GK13:アン・ジュンス
DF7:赤尾公(72′-MF22:吉井孝輔)
DF4:ウイリアン・エンリケ・アントゥネス
DF19:堤俊輔
DF24:砂森和也
MF38:中原秀人
MF18:野嶽惇也
MF20:酒本憲幸(65′-FW10:米澤令衣)
MF17:中原優生(46′-MF21:八反田康平)
MF15:藤澤典隆
FW28:ハン・ヨンテ

レッドが“壊した”好ゲーム

試合開始から鹿児島ペース。
→落ち着いて15分ぐらいから、京都がゲームを支配。
→宮吉のゴール以降、ほぼ相手コートで京都のボール保持。
→突然の失点、重廣の勝ち越しゴールがあって、一進一退の攻防に。
→ところが、冨田がスローインで遅延行為があったとしてイエロー2枚目で退場。
→以降は、ほぼ鹿児島のターン。
…と、1試合で流れがジェットコースタードラマのように変わるゲームだった。
しっかし、スローインの遅延でイエロー2枚目って、浦和・山田の“珍エピソード”(95年Jリーグ清水戦、07年AFC)としてしか知らねぇよ!って感じでしたが。
大坪主審のルールに厳格すぎる、ゲームのエンターテイメント性を削ぐジャッジが、ナイスゲームを“壊して”しまった、残念だ。
それにしても、今季昇格組の鹿児島はいいチームだった。
しっかりつないでくるし、縦パスの意識もあって、つまらないミスも少ない。
以前のJ2は下位チームは引きこもってカウンター狙いで、上位チームと戦力差、戦術差が明確に存在したのものだが、今や昔。
琉球も開幕2連勝だし、今季もJ2は混戦になりそうな匂いがプンプンです。

攻撃は第1節より熟成

一方、京都の攻撃陣、前節はノーゴールだったけど、この日は2ゴールで、前節よりもちょっと整理されてきた印象だ。
1トップ・宮吉が身体を張ってボールを保持するというよりは、適宜中盤に降りてきて組み立てに参加。
ビルドアップ時は写真のように、5レーンをすべて埋めて、相手の4バックのギャップを探していた。

京都、ビルドアップ時の5レーン

で、ここから基本的にはサイドのライン際でトライアングルを作って、素早いパス回しから相手の最終ラインを抜け出そうというのが「崩し」の第一チョイス。
その中で、ワイドに張っているウイングの小屋松、中野がピッチ際を駆け抜けるだけでなく、ウイングがペナの角まで入って、サイドバックやセンターハーフの選手がオーバーラップするような狙いもあった。
下の写真では京都の左サイド、小屋松+重廣+冨田がトライアングルを作っている。
この周囲ではセンターハーフの仙頭がパス回しにからもうという動きを見せつつ、後方では庄司がサポートに入り、さらにボールを取られたときのカウンター対策として右サイドバックの黒木が庄司と同じ高さに入って「Wボランチ」のような形になっている。

サイドでのトライアングルの後方で、右サイドバックの黒木がボランチ化

ただし、そう簡単に相手の最終ラインをかいくぐってクロス、という場面は作れなかった。
代わりに、ゴールに向かった主な形としては3つぐらいがあって、
【1】ウイングがカットインしてのシュート。前節にはなかった小屋松のシュートもあった(21分)
【2】ペナの角からの相手DFの裏を狙う短いクロス。25分、仙頭のクロスから宮吉のヘッドという場面あり
【3】サイドのトライアングルで短いパス回しを繰り返して、相手が前へとプレスの姿勢を強めたところで、一旦バックパス。ここからロングパスで相手ディフェンスラインの裏にロングパスを狙うもの。パスの出し手としては庄司だけでなく、上夷も精度の高いロングパスを出していた(13分、センターラインから宮吉にパス、宮吉が絶妙のトラップを見せるが相手DFに寄せられた)

このあと後方にいた庄司へ戻し、庄司は小屋松へとロングパスを出した。宮吉がトライアングルに参加する代わりに、仙頭と重廣がほぼ“2トップ”の形に

と、こんなふうな感じで、攻撃がやや右サイド中心だったのは否めないものの、ボールのつなぎ方・回し方では、1節よりも「進化」が見られた。
後半、もっと長い時間このスタイルを眺めていたかった、そう正直に思えたなと。
返す返すも、不可解なレッドが残念な一戦だった。

【J2第1節】京都サンガF.C. 0-0 アルビレックス新潟

京都サンガF.C. 0-0 アルビレックス新潟
日時:2019年2月24日(日)14:03KO
会場:京都市西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場(1万4,069人/晴 18℃ 23%)
主審:谷本涼

■京都サンガF.C.(4-1-2-3)
GK21:清水圭介
DF5:黒木恭平
DF25:上夷克典
DF3:宮城雅史
DF28:冨田康平
MF10:庄司悦大
MF14:仙頭啓矢(87′-MF7:ヘナン・カルヴァーリョ・モタ “レナン・モッタ”)
MF8:重廣卓也
MF22:小屋松知哉(72′-DF30:石櫃洋祐)
MF29:中野克哉
FW13:宮吉拓実(87′-DF4:田中マルクス闘莉王)

■アルビレックス新潟(4-2-2-2)
GK1:大谷幸輝
DF24:川口尚紀
DF32:新井直人
DF4:大武峻
DF15:渡邊泰基
MF17:カウエ・セシリオ・ダ・シウヴァ
MF10:加藤大
MF6:戸嶋祥郎
MF33:高木善朗(71′-FW19:矢野貴章)
FW14:田中達也(59′-FW11:渡邉新太)
FW9:レオナルド・ナスシメント・ロペス・ヂ・ソウザ

中田一三コーチ(京都)

「ゲームに関しては、できた部分とできなかった部分がある、課題を挙げるなら、まずメンタル。メンタルをうまくコントロールできるようにしていきたい。スタジアムの雰囲気は最高だった。次節もホーム、きょうは決着で持ち越しということで次も楽しみにしてもらえたら」

確実に変わった京都

ついに、ヴェールを脱いだ今季の京都サンガ。
狙いはわかりやすくて、なるべくボールを保持していこうというもの。
なんと、ゲーム支配率60%超。
「ボールロスト後のハイプレスがない大木サッカー」って感じ?
左サイド、3人でロンドやってるときとか、まさにあの当時を思い出しましたね…(遠い目

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フォーメーションはこんなふうで、左利きの黒木が右サイドバックに入って、攻撃時には庄司の右側へとサポートに入る。
一方、左サイドバックの冨田は積極的に前線に。
さらに、センターバックのうちひとりもセンターラインを超えて前に上がって、ビルドアップに参加していた。

攻撃にキーになっていたのは、左利きで右のウイングに入ったルーキー・中野。
カットインをしてカーブしたシュートでゴールを狙うのは、伊藤優汰(対戦相手・新潟を退団して、所属先未定)を彷彿とさせたな。あ、これも大木さん時代か…。
逆に右サイドの小屋松は、ちょっと思い切りに欠けたというか、ボールが渡ってもあまり勝負することなく、冨田&重廣が抜け出す動きの起点となるイメージだった。

で、ポゼッションはできていたけれど、ゴールの“匂い”は漂っていなかったというのが正直なところ。
一番のビッグチャンスが石櫃→闘莉王、というのも皮肉な感じだった。
サイドからクロスを上げるわけでもなし、スルーパスが通るわけでもなし。
復帰の宮吉が、まぁワントップだとね…。
ポストにもなりきれなかったのは、仕方ないよね…。
きょうの内容だと、誰がここにフィジカル強めの選手を置いて、宮吉を“偽右ウィング”(ロレンツォ・インシーニェ的な)で見たくなったな。

守備は結構危なっかしいところもあったが、無失点で終われた。
新潟の攻撃はショートカウンターが発動しなければ、そこまで怖くなかった印象。
もっとロングボール中心で来られたら、レオナルドの強さも出てやばかったかもしれないけれど、京都の攻撃に影響されてか?そこまでパワープレーをしてこなかったのは、助かった。

ということで、総じて「今季の狙い」はある程度ピッチで表現できた、という印象のシーズン初戦だった。
ただ「これで勝てるか? 強いチームになれるか?」といえば、まだ確証はない。
きょうも単純なミスから失点をしていたら、同点にすることは難しかっただろう。

当面の課題は「ゴールまでの崩し方」。
ここが整理できたら、もっといいチームになれそうな雰囲気はある。
しかし、きょうの京都を見て、これからの対戦相手は「穴」を見つけてくるだろうから、ポゼッションはすれども、スコンスコンと失点してしまうという危険性もはらんでいる。
それで、選手たちがポゼッションスタイルに自信をなくし、チームとしてのやり方が揺らぐと…。
そういう意味で、序盤の京都が勢いを持って戦えるかは、次の試合で勝ち点3を取れるかがカギになりそうだ。