【J2第32節】京都サンガF.C. 2-0 FC町田ゼルビア

京都サンガF.C. 2-0 FC町田ゼルビア
日時:2019年9月14日(土)19:03KO
会場:京都市西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場(7,005人/晴 26.9℃ 56%)
主審:高山啓義
62′-京都/小屋松知哉(左足←仙頭)
81′-京都/一美和成(右足)

■京都サンガF.C.(3-3-1-3)
GK1:加藤順大
DF3:宮城雅史
DF4:田中マルクス闘莉王
DF6:本多勇喜
MF31:福岡慎平
MF10:庄司悦大
MF5:黒木恭平
MF41:金久保順
FW14:仙頭啓矢(79′-FW23:一美和成)
FW13:宮吉拓実(86′-MF50:藤本淳吾)
FW22:小屋松知哉(90′-MF44:中坂勇哉)

■FC町田ゼルビア(4-2-2-2)
GK13:増田卓也
DF2:奥山政幸
DF3:藤井航大
DF40:小林友希
DF25:佐野海舟(68′-DF17:下坂晃城)
MF15:井上裕大
MF24:ロメロ・ベロカル・フランク・ラーク
MF29:森村昂太(68′-MF8:ジョン・チュングン)
MF10:平戸太貴
FW30:中島裕希
FW22:林陵平(79′-FW20:ドリアン・バブンスキー・フリストフスキー)

進撃の疑似カウンター

前節、京都は3バック導入も、岡山の「ハイプレス→ボール奪取→最終ライン裏に斜めに入られる」の流れに翻弄されまくって完敗。
で、今節はどう変えてくるかなぁと思ったら、
・3バックはキープで右CBを安藤から宮城へ
・中盤は庄司が1アンカー、攻撃時はWB福岡と黒木が高い位置をとって、金久保を中心としたダイヤモンド型に
・前節、シャドー気味に位置していた仙頭、小屋松は、もう少しワイドに張る形に
・1トップは一美から宮吉で、裏への飛び出しを狙う
てな感じで、今まで以上に「縦の奥行き」を意識した格好だった。

いつもなら、最終ラインから丁寧にボールを繋ぎ、外側のレーンに三角形を作ることで、パスを回しつつ突破を図る――。
とにかく“繋ぐこと”に拘泥していたのが京都のスタイルだったが、きょうは違った。
町田は2トップの精力的なプレスに対して、3バックに庄司も加わって、ボールを回す。
そして、町田のラインが上がってきたところで、闘莉王や庄司から前線に長いパスが放たれる。
そう、「ハイプレス・ハイライン」の町田を弱点をつくような、いわゆる「疑似カウンター」を取り入れたのだ。

その疑似カウンターがシュートに直結したシーンは少なかった。
でも、宮吉がいい感じに抜け出しボールを収めることで前線に起点となり、そこからお得意のボールポゼッションが始まったりして…。
中盤のプレスをかいくぐって、ロングボールで前線で楔を打てれば、ボールを失ったとしても町田陣内。
町田がやりたかったであろう、高い位置でのボール奪取からのショートカウンターという展開をなるべく回避することができた。

ここ最近のゲーム、ずっと「京都のサッカーを対戦相手が対策しできていた」と言われてきたけど、この日は「京都が相手のサッカーを対策できていた」。
まぁ、先制点が取れなかったら結果はどうなってたかわからない部分もあったけど、選手交代も理にかなっていて、6試合ぶり勝利は妥当だなと思った。
これで、チームの調子、上向きになるのかな?

【J2第31節】ファジアーノ岡山 3-0- 京都サンガF.C.

ファジアーノ岡山 3-0- 京都サンガF.C.
日時:2019年9月8日(日)19:03KO
会場:岡山県総合グラウンド陸上競技場 “Cスタ”(1万3098人/晴 29.4℃ 64%)
主審:吉田哲朗
22′-岡山/仲間隼斗
28′-岡山/山本大貴
90+2′-岡山/中野誠也

■ファジアーノ岡山(4-2-2-2)
GK22:一森純
DF39:増谷幸祐
DF8:田中裕介
DF4:濱田水輝
DF2:廣木雄磨
MF14:上田康太
MF6:喜山康平
MF17:関戸健二
MF19:仲間隼斗(90+3′-DF21:椋原健太)
FW15:山本大貴(56′-FW7:中野誠也)
FW9:イヨンジェ(66′-MF16:武田将平)

■京都サンガF.C.(3-4-3)
GK34:若原智哉
DF16:安藤淳
DF4:田中マルクス闘莉王(86′-MF32:上月壮一郎)
DF6:本多勇喜
MF30:石櫃洋祐(66′-MF50:藤本淳吾)
MF10:庄司悦大
MF31:福岡慎平
MF5:黒木恭平
FW14:仙頭啓矢
FW23:一美和成(63′-MF44:中坂勇哉)
FW22:小屋松知哉

迷いが招いた自滅

ここ数節、攻撃が空転していたからとはいえ、石櫃、黒木を高めにした3バック採用には驚いた。
この布陣がシーズン序盤、まったく機能していなかったからだ。
最近攻撃が空転していて、なにか変化がほしかったとはいえ、数ヶ月前にうまくいなかった地点に戻ってしまうとは…。

ボールを持った石櫃、黒木がハーフウェイライン付近で相手に囲まれて、無理に突破をかかろうとする姿は、混迷する今のサンガを象徴するようだった。
単独突破を図ろうにももう少し高い位置で、なおかつ味方を集めてボールを取られてもすぐ奪い返せるようにする。
そのための“遅攻”だったはずが、数的不利で相手のプレスにさらされ、ボールをカットされ、そのまま速攻を許してしまう。
いままで貫いてきた戦術・戦法もぶれてしまった。

そして田中、一美を同時先発起用したことで、試合終盤、前線にパワーを与える選手が手札になく、反撃のゴールすら奪えず。
――かなり内容の乏しいゲームだった。

おそらく次節は、戦術やフォーメーションは元に戻して、前線、中盤で選手を入れ替えて、リスタートかなと。
台風一過で、今度こそすっきりとした勝利が見てみたい。

【J2第30節】徳島ヴォルティス 2-1 京都サンガF.C.

徳島ヴォルティス 2-1 京都サンガF.C.
日時:2019年8月31日(土)19:04KO
会場:徳島県鳴門総合運動公園陸上競技場 “ポカスタ”(5,109人/雨のち曇 23.6℃ 86%)
主審:窪田陽輔
79′-徳島/渡井理己
88′-徳島/杉本竜士
90+5′-京都/中坂勇哉(左足ボレー←仙頭)

■徳島ヴォルティス(3-4-2-1)
GK21:梶川裕嗣
DF5:石井秀典
DF3:ヨルディ・バイス
DF7:内田裕斗
MF15:岸本武流(71′-DF22:藤田征也)
MF8:岩尾憲
MF32:小西雄大
MF13:清武功暉(71′-MF14:杉本竜士)
MF16:渡井理己(86′-MF44:島屋八徳)
MF11:野村直輝
FW9:河田篤秀

■京都サンガF.C.(4-1-2-3)
GK1:加藤順大
DF30:石櫃洋祐(64′-MF44:中坂勇哉)
DF16:安藤淳
DF6:本多勇喜
DF5:黒木恭平
MF10:庄司悦大
MF31:福岡慎平
MF13:宮吉拓実(75′-MF8:重廣卓也)
FW14:仙頭啓矢
FW23:一美和成(85′-DF4:田中マルクス闘莉王)
FW22:小屋松知哉

八月の狂詩曲(ラプソディー)

“作戦負け”、なのかな。

徳島は可変フォーメーションで来た。
攻撃時はウイングの岸本、清武が高い位置を取る3-2-5。
守備時は岸本が最終ライン近くに降ちて、渡井が右サイドハーフ、野村が2トップの一角に入る4-4-2。

おそらく狙いとしては…。
まず守備では京都のボール回しのスタート地点である2センターバックに2トップを当ててきた。
一方、前線の基点・一美にはヨルディ・バイスが激しいプレッシャーをかけ、ほぼ自由を許さなかった。
また、京都のサイドチェンジにもチーム全体がスライドして対応。
そして攻撃では、渡井、野村が交互に引いて、京都の最終ラインの前、アンカー・庄司の横の位置でボールを受けて、タメをつくる。
特に試合開始から15分ぐらいは、京都はボールを収めることにも奪うことにも苦心しており、徳島が圧倒する展開が続いていた。

で、危ないシーンはありながらも、清武の宇宙開発とか、加藤の好セーブでなんとかしのいでいたのだが…。
渡井のうまい抜け出しからのゴール、続けて杉山のゴラッソで万事休す。
これで、4試合白星なし、と。

唯一の好材料といえば、中坂の期限付き移籍初出場、初ゴールぐらいか。
インサイドハーフの位置から個人技で突破を挑むような、ピッチ中央で縦への推進力を発揮できる選手は、いまのラインナップではいないだけに貴重な存在。
相手が守備のポジションを固めた“穴熊状態”だと、ボックスの周りでパスを回すだけで、そこから“ブレイク”することができていないのが、いまの京都の問題点。
ボックス外からいいミドルシュートを打てる選手もいないので、相手としては「ゴール前を固めておけばOK」の気持ちになっている。
そんな現状を、中坂のような個人技をもつ選手の“仕掛け”でなんとかできたら。
“足踏み”だった8月、でも来月からはまた心機一転で踏ん張りたいよね。

【J2第29節】京都サンガF.C. 1-1 アビスパ福岡

京都サンガF.C. 1-1 アビスパ福岡
日時:2019年8月24日(土)19:03KO
会場:京都市西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場(7,774人/曇一時雨 27.5℃ 65%)
主審:清水勇人
14′-京都/石櫃洋祐(右足)
※69′-福岡/森本貴幸PK失敗
76′-福岡/田邉草民

■京都サンガF.C.(4-1-2-3)
GK1:加藤順大
DF5:黒木恭平
DF6:本多勇喜
DF16:安藤淳
DF30:石櫃洋祐
MF10:庄司悦大
MF31:福岡慎平(80′-DF4:田中マルクス闘莉王)
MF41:金久保順(86′-MF8:重廣卓也)
FW14:仙頭啓矢
FW23:一美和成(85′-MF20:ジュニオール・シウヴァ・フェレイラ “ジュニーニョ”)
FW22:小屋松知哉

■アビスパ福岡(3-1-4-2)
GK1:ジョン・アンデル・セランテス・シモン
DF4:山田将之
DF6:ウォン・ドゥジェ
DF39:篠原弘次郎
MF28:加藤大
MF3:石原広教
MF8:鈴木惇
MF19:田邉草民(83′-MF17:松田力)
MF22:輪湖直樹
FW13:木戸皓貴(66′-FW10:城後寿)
FW15:森本貴幸(74′-MF14:前川大河)

あの夏で待っている

停滞感をぶっこわす!
――といきたいところだったけど、前半の押せ押せからの〜、後半はゲームを支配されてドロー。
京都からゴールを守る党党首・セランテス選手には止められまくってしまった。
まぁ、森本のPK失敗を考えると、勝ち点を拾ったと言ってもよいのかな。

苦戦した要因としては、福岡のシステム変更にうまく対応できないまま、時間が過ぎてしまったことが挙げられる。
福岡は後半から、加藤大アンカーの3-1-4-2から、加藤+鈴木Wセンターハーフの3-4-2-1にスイッチ。
2〜3年前ぐらいからJ2のトレンドで、井原監督時代でも使っていた「慣れしたんだフォーメーション」だ。
で、最終ラインでボールを持ったら、京都の3トップのプレスをいなしつつ、長いボールをスペースに出して基準点を作ろうとしてきた。
前からのプレスを突破されると、京都は中盤が3枚で数的不利に陥り、加えて福岡のセンターハーフふたりはキープ力が高いため、結構な時間ボールをもたれることに。
そして、後半途中からは福岡に攻め込まれる展開が続いた。

惜しむらくは、追いつかれるまで選手交代や布陣変更の手が打てなかったこと。
80分、闘莉王投入で3バックにしたけど、60分ぐらいからあやしい空気が漂っていたので、そのあたりでも良かったのかな、とも思ったり。

ざっくり言っちゃうと、「成長の階段の踊り場が来た」という感じでしょうか。
ざっくりし過ぎか(笑)。
もうワンステップ、チームが成長するためには、停滞感を打破するような勝利がほしいところだ。
ただ、これから徳島、岡山と難敵が続き…!
9月は正念場、ですね。

【J2第28節】水戸ホーリーホック 3-0 京都サンガF.C.

水戸ホーリーホック 3-0 京都サンガF.C.
日時:2019年8月17日(土)18:03KO
会場:茨城県水戸市立競技場 “Kスタ”(4,810人/曇 30.7℃ 59%)
主審:上田益也
17′-水戸/黒川淳史
45+1′-水戸/オウンゴール
83′-水戸/小川航基

■水戸ホーリーホック(4-2-2-2)
GK50:松井謙弥
DF23:外山凌
DF24:細川淳矢
DF22:瀧澤修平
DF7:志知孝明
MF18:白井永地
MF8:前寛之
MF17:福満隆貴(76′-DF38:宮大樹)
MF10:木村祐志(56′-MF45:浅野雄也)
FW32:黒川淳史(86′-FW11:村田航一)
FW19:小川航基

■京都サンガF.C.(4-1-2-3)
GK1:加藤順大
DF32:上月壮一郎
DF26:下畠翔吾(77′-DF16:安藤淳)
DF6:本多勇喜
DF5:黒木恭平
MF10:庄司悦大
MF8:重廣卓也
MF41:金久保順(57′-DF4:田中マルクス闘莉王)
FW20:ジュニーニョ(42′-MF14:仙頭啓矢)
FW23:一美和成
FW22:小屋松知哉

繋げども繋げども

ポジショナルなチームスタイルは進化している。
ビルドアップ――最終ラインからショートパスを繰り返して、時間を作りつつチーム全体を押し上げる。
崩し――ボールサイドにプレイヤーを多く配置して、斜めのダイレクトパスで相手守備陣から抜け出すことを狙う。
攻守の切り替え――ボールを奪われても、近くにいる選手がアグレッシブにプレスをかけて、すぐ奪い返そうとする。

しかし…点が入らないんだよなぁ(苦笑)。
きょうも前半から右サイド、上月、ジュニーニョという新しいコンビながらも、かなり早いパス交換を繰り返すシーンがあった。
ただ、ペナルティーエリアの両外側を中心にパスを回すことが多く、ボックスの中への侵入や、サイドを深くえぐって…というシーンはなかなか作れなかった。
京都のスタイルが固ってくるにつれて、相手の対応も「ペナの中やバイタル以外なら、ある程度ボールは持たせてよい」になってきているなと思った。

さて、どうやってゴールを奪うか問題だ。
好調・一美は残し闘莉王を前線にして、4-4-2にするのが、前節と今節のやり方だったけど、それでもだめならどうするか?
きょうのベンチは大野がいたけど、本当なら違うタイプの点取り屋がほしいところ。
あと、ウイングでドリブラーを入れて変化をつけるか。
はたまた、中盤で強いミドルを打てるシューターを投入するとか。
いずれにせよ、なんらかの変化をもたらせることができるプレイヤーが必要なのかもしれない。
そういう“色”をもった選手の台頭を期待したい。

という意味で、上月の今季初出場は興味深かった。
彼のような突破力がある選手がゲームに使えるようになれば、シーズン後半に大きな力になる。
ただ、右サイドバック起用はびっくり(・へ・)
福岡の負傷があったのかもしれないけど、今の京都においてサイドバックに求めているものが、ちょっと他のチームとは違うんだよね。