【J2第29節】京都サンガF.C. 1-1 アビスパ福岡

京都サンガF.C. 1-1 アビスパ福岡
日時:2019年8月24日(土)19:03KO
会場:京都市西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場(7,774人/曇一時雨 27.5℃ 65%)
主審:清水勇人
14′-京都/石櫃洋祐(右足)
※69′-福岡/森本貴幸PK失敗
76′-福岡/田邉草民

■京都サンガF.C.(4-1-2-3)
GK1:加藤順大
DF5:黒木恭平
DF6:本多勇喜
DF16:安藤淳
DF30:石櫃洋祐
MF10:庄司悦大
MF31:福岡慎平(80′-DF4:田中マルクス闘莉王)
MF41:金久保順(86′-MF8:重廣卓也)
FW14:仙頭啓矢
FW23:一美和成(85′-MF20:ジュニオール・シウヴァ・フェレイラ “ジュニーニョ”)
FW22:小屋松知哉

■アビスパ福岡(3-1-4-2)
GK1:ジョン・アンデル・セランテス・シモン
DF4:山田将之
DF6:ウォン・ドゥジェ
DF39:篠原弘次郎
MF28:加藤大
MF3:石原広教
MF8:鈴木惇
MF19:田邉草民(83′-MF17:松田力)
MF22:輪湖直樹
FW13:木戸皓貴(66′-FW10:城後寿)
FW15:森本貴幸(74′-MF14:前川大河)

あの夏で待っている

停滞感をぶっこわす!
――といきたいところだったけど、前半の押せ押せからの〜、後半はゲームを支配されてドロー。
京都からゴールを守る党党首・セランテス選手には止められまくってしまった。
まぁ、森本のPK失敗を考えると、勝ち点を拾ったと言ってもよいのかな。

苦戦した要因としては、福岡のシステム変更にうまく対応できないまま、時間が過ぎてしまったことが挙げられる。
福岡は後半から、加藤大アンカーの3-1-4-2から、加藤+鈴木Wセンターハーフの3-4-2-1にスイッチ。
2〜3年前ぐらいからJ2のトレンドで、井原監督時代でも使っていた「慣れしたんだフォーメーション」だ。
で、最終ラインでボールを持ったら、京都の3トップのプレスをいなしつつ、長いボールをスペースに出して基準点を作ろうとしてきた。
前からのプレスを突破されると、京都は中盤が3枚で数的不利に陥り、加えて福岡のセンターハーフふたりはキープ力が高いため、結構な時間ボールをもたれることに。
そして、後半途中からは福岡に攻め込まれる展開が続いた。

惜しむらくは、追いつかれるまで選手交代や布陣変更の手が打てなかったこと。
80分、闘莉王投入で3バックにしたけど、60分ぐらいからあやしい空気が漂っていたので、そのあたりでも良かったのかな、とも思ったり。

ざっくり言っちゃうと、「成長の階段の踊り場が来た」という感じでしょうか。
ざっくりし過ぎか(笑)。
もうワンステップ、チームが成長するためには、停滞感を打破するような勝利がほしいところだ。
ただ、これから徳島、岡山と難敵が続き…!
9月は正念場、ですね。

【J2第28節】水戸ホーリーホック 3-0 京都サンガF.C.

水戸ホーリーホック 3-0 京都サンガF.C.
日時:2019年8月17日(土)18:03KO
会場:茨城県水戸市立競技場 “Kスタ”(4,810人/曇 30.7℃ 59%)
主審:上田益也
17′-水戸/黒川淳史
45+1′-水戸/オウンゴール
83′-水戸/小川航基

■水戸ホーリーホック(4-2-2-2)
GK50:松井謙弥
DF23:外山凌
DF24:細川淳矢
DF22:瀧澤修平
DF7:志知孝明
MF18:白井永地
MF8:前寛之
MF17:福満隆貴(76′-DF38:宮大樹)
MF10:木村祐志(56′-MF45:浅野雄也)
FW32:黒川淳史(86′-FW11:村田航一)
FW19:小川航基

■京都サンガF.C.(4-1-2-3)
GK1:加藤順大
DF32:上月壮一郎
DF26:下畠翔吾(77′-DF16:安藤淳)
DF6:本多勇喜
DF5:黒木恭平
MF10:庄司悦大
MF8:重廣卓也
MF41:金久保順(57′-DF4:田中マルクス闘莉王)
FW20:ジュニーニョ(42′-MF14:仙頭啓矢)
FW23:一美和成
FW22:小屋松知哉

繋げども繋げども

ポジショナルなチームスタイルは進化している。
ビルドアップ――最終ラインからショートパスを繰り返して、時間を作りつつチーム全体を押し上げる。
崩し――ボールサイドにプレイヤーを多く配置して、斜めのダイレクトパスで相手守備陣から抜け出すことを狙う。
攻守の切り替え――ボールを奪われても、近くにいる選手がアグレッシブにプレスをかけて、すぐ奪い返そうとする。

しかし…点が入らないんだよなぁ(苦笑)。
きょうも前半から右サイド、上月、ジュニーニョという新しいコンビながらも、かなり早いパス交換を繰り返すシーンがあった。
ただ、ペナルティーエリアの両外側を中心にパスを回すことが多く、ボックスの中への侵入や、サイドを深くえぐって…というシーンはなかなか作れなかった。
京都のスタイルが固ってくるにつれて、相手の対応も「ペナの中やバイタル以外なら、ある程度ボールは持たせてよい」になってきているなと思った。

さて、どうやってゴールを奪うか問題だ。
好調・一美は残し闘莉王を前線にして、4-4-2にするのが、前節と今節のやり方だったけど、それでもだめならどうするか?
きょうのベンチは大野がいたけど、本当なら違うタイプの点取り屋がほしいところ。
あと、ウイングでドリブラーを入れて変化をつけるか。
はたまた、中盤で強いミドルを打てるシューターを投入するとか。
いずれにせよ、なんらかの変化をもたらせることができるプレイヤーが必要なのかもしれない。
そういう“色”をもった選手の台頭を期待したい。

という意味で、上月の今季初出場は興味深かった。
彼のような突破力がある選手がゲームに使えるようになれば、シーズン後半に大きな力になる。
ただ、右サイドバック起用はびっくり(・へ・)
福岡の負傷があったのかもしれないけど、今の京都においてサイドバックに求めているものが、ちょっと他のチームとは違うんだよね。

【J2第27節】京都サンガF.C. 2-2 栃木SC

京都サンガF.C. 2-2 栃木SC
日時:2019年8月10日(土)19:03KO
会場:京都市西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場(6,420人/晴 31.4℃ 55%)
主審:池内明彦
39′-栃木/西谷和希
59′-栃木/大黒将志
73′-京都/小屋松知哉(左足)
86′-京都/一美和成(左足)

■京都サンガF.C.(4-1-2-3)
GK1:加藤順大
DF31:福岡慎平
DF16:安藤淳
DF6:本多勇喜
DF5:黒木恭平
MF10:庄司悦大
MF13:宮吉拓実(57′-MF8:重廣卓也)
MF41:金久保順(64′-DF4:田中マルクス闘莉王)
FW20:ジュニーニョ(87′-MF29:中野克哉)
FW23:一美和成
MF22:小屋松知哉

■栃木SC(5-3-1-1)
GK50:ユ・ヒョン
DF37:浜下瑛
DF4:藤原広太朗(71′-DF30:田代雅也)
DF36:乾大知
DF15:森下怜哉
DF45:瀬川和樹
MF31:三宅海斗(78′-MF29:川田拳登)
MF5:ヘニキ・ルイス・ヂ・アンドラーデ
MF26:枝村匠馬
FW10:西谷和希(80′-MF21:大﨑淳矢)
FW9:大黒将志

2-0は危険なスコア

お盆の帰省に合わせて、1ヶ月ぶりの現地観戦。
新幹線京都駅着18時ちょい過ぎでしたが、さすが西京極、ゆっくり間に合いました。
亀岡でも大丈夫そう、かな?(JRの運行間隔次第?)。

さて、ゲームの方は正直、苦戦だった。
5-4-1のブロックでゴール前に“バスを止める”栃木に対して、京都はその外側からボールを回して、スキを伺う。
しかし、ビシッと縦パスとか、相手をぶっちぎるドリブルなどはほぼ皆無で、「前半相手を守備で奔走させて、運動量が落ちた後半勝負かな」という雰囲気が京都イレブンからは漂っていた。
ウイングの選手にボールを配給するのも、崩しというより、出しどころがない“逃げ”のパスが多かったように思えた。
実際、小屋松知哉選手のコメントでも
「(黒木)恭平くんとも『相手を走らせて、後半に体力が落ちていくところで勝負していこう』という話をしていました」
と言及があったから、選手たちも後半勝負の心理状況だったのかなと。

そんなある意味“余裕”があった状況で、相手の単独突破によるカウンターから先制点を奪われてしまう。
このあとも特に前半は、仕掛けのマインドに欠けていたというか…。
ピッチの湿気同様、重苦しい展開が続いた。

ここで、試合後の中田一三氏のコメント。

「集中を欠いたという訳ではないと思うんですけども、なんとなく入りとして『誰かがやってくれるんじゃないか』というような雰囲気を少し感じていました。後半は『自分が』という仕掛けのところがプレーに表れて、失点した後にはなるんですけども攻撃的になって、メンバー交代も含めて追い付けたと」
「2失点してからの戦い方というのは、常に立ち上がりから、ベーシックにやれる力をいまは持っているので。なぜそれを出さないのかというところは瞬時に気付いて、自分たちから積極的に、意図的にアクションを起こさないと、望んでいるものは手に入らないんだろうなというふうに思います」

https://www.jleague.jp/match/j2/2019/081012/live/#coach

ゲームを支配しているチームが、余裕を見せて試合に入って、失点を重ね敗北するのはよくあること。
それに前半からガンガン行ってくれれば、観客にとっても最初から楽しく見られるというか、前半流して後半勝負だと45分が無駄になっちゃうもんね(笑)。
とはいえ、前半から飛ばして点が取れず、運動量が落ちて後半カウンターでやられるということもあるので、なんとも言えないところだ。

で、きょうに関しては、闘莉王FW投入で2トップにして、相手DFをボックスに集めさせたことが功を奏したように思う。
サイドがやや空いて、守備ラインも下がってしまい、そこから小屋松の“無双状態”がスタートした。
2ゴールが生まれて同点になって、西京極の観客席もイケイケ状態に。
そこから、勝ち越すチャンス、勢いはじゅうぶんあっただけに、2-2はちょっと惜しかった。
負けナシは10戦まで継続したものの、勝ち越せないところに少し物足りなさも感じる一戦だった。

振り返ってみると、ボール支配率は実に78%!
うーん、ヴェルディ永井新指揮官の「ボール支配率80%を目指す」もあながち“大ボラ”じゃないのか…。

【J2第26節】京都サンガF.C. 4-0 東京ヴェルディ

京都サンガF.C.1922 4-0 東京ヴェルディ1969
日時:2019年8月4日(日)18:03KO
会場:京都市西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場(8,845人/晴 33.3℃ 38%)
主審:岡宏道
16′-京都/一美和成(右足)
17′-京都/ジュニオール・シウヴァ・フェレイラ “ジュニーニョ”(左足)
26′-京都/一美和成(右足)←庄司
48′-京都/宮吉拓実(右足)←安藤

■京都サンガF.C.(4-1-2-3)
GK1:加藤順大
DF31:福岡慎平
DF16:安藤淳
DF26:下畠翔吾
DF5:黒木恭平
MF10:庄司悦大
MF13:宮吉拓実(80′-DF28:冨田康平)
MF8:重廣卓也
FW20:ジュニオール・シウヴァ・フェレイラ “ジュニーニョ”(73′-MF29:中野克哉)
FW23:一美和成
FW22:小屋松知哉(88′-MF41:金久保順)

■東京ヴェルディ(4-1-2-3)
GK21:上福元直人
DF24:奈良輪雄太
DF17:リ・ヨンジ(46′-MF14:澤井直人)
DF5:平智広(46′-MF8:内田達也)
DF20:山本理仁
MF7:渡辺皓太
MF6:井上潮音
MF9:佐藤優平
FW19:小池純輝
FW10:レアンドロ・モンテーラ・ダ・シウヴァ(62′-FW18:端戸仁)
FW38:梶川諒太

右サイドの解と係数

ゴール後、宮吉を抱き上げる下畠の姿を見て思わず涙腺が…。
ジュニーニョ、宮吉と、スキルがありながら今シーズンまだその力を発揮していなかったコンビを、ターンオーバーでスタメン起用。
その2人がゴールという結果を残しての、4-0という文句なしの勝利。
8月にして、今季最高のゲームだった。
つか、今までの最高のゲームだと思ったのはアウェイ・ヴェルディ戦だったから、どんだけ相性がいいのか(笑)。

4ゴールのうち、最初の2ゴールは相手が最終ラインでつなごうとしたボールを奪ってのもの。
そして3点目、4点目は、相手のハイラインの背後に抜け出した選手への浮き球パスから。
永井秀樹新指揮官になってからのヴェルディの“弱点”を、パーフェクトにつくことができた。
ヴェルディは、攻撃時に「中村俊輔を超える日本サッカー界の宝物」(永井氏)こと山本理仁が中盤の底に上がって、アンカーの渡辺皓太とともにポゼッションの起点となる。
そこを一美やジュニーニョ、宮吉が必ずケアをして、スムーズにボール出しにさせないようにしていた。
2失点後、ヴェルディが3バックにして山本がリベロになっても、混乱することなく対応できたことも、分析の成果だろう。

攻めても、きょうは右サイド=ジュニーニョと福岡の関係性が“最&高”で、ポゼッションのベースになっていた。
小屋松-黒木の左サイドが、逆にあまり目立たなかったほどだ。
仙頭の負傷で試行錯誤していた右サイドだけど、ひとつの“解”が出せた格好。

前半開始早々、レアンドロがドフリーのシュートを外してくれたのはラッキーだったけど、正直あそこで失点していたとしても、逆転できたんじゃないか。
そう思えるぐらいの、ナイスゲーム。
これで、リーグ戦は9試合負けナシを継続♪

【J2第25節】ツエーゲン金沢 1-1 京都サンガF.C.

ツエーゲン金沢 1-1 京都サンガF.C.
日時:2019年7月31日(水)19:03KO
会場:石川県西部緑地公園陸上競技場(3,924人/晴 29℃ 56%)
主審:上村篤史
81′-金沢/山根永遠
90+6′-京都/小屋松知哉(左足)

■ツエーゲン金沢(4-2-2-2)
GK1:後藤雅明
DF24:長谷川巧
DF4:石尾崚雅
DF2:山本義道
DF45:沼田圭悟
MF6:大橋尚志
MF8:藤村慶太
MF13:大石竜平
MF17:加藤大樹(61′-MF14:金子昌広)
FW30:山根永遠(90′-DF3:作田裕次)
FW10:垣田裕暉(87′-FW22:ジョバンニ・ピエール・クルーニー・アセンホ “G・クルーニー”)

■京都サンガF.C.(4-1-2-3)
GK1:加藤順大
DF30:石櫃洋祐
DF3:宮城雅史
DF6:本多勇喜
DF5:黒木恭平
MF10:庄司悦大
MF31:福岡慎平
MF41:金久保順(83′-MF8:重廣卓也)
FW22:小屋松知哉
FW19:大野耀平(58′-FW23:一美和成)
FW28:冨田康平(75′-DF4:田中マルクス闘莉王)

金沢の堅さは百万石

タイムアップの笛がいつ吹かれても、おかしくない。
そんな96分に、“しつこい高田”並のしつこいパス回しをへて、一美の強引な突破からシュート。
流れたところをファーで小屋松がプッシュして、同点ゴールが決まった!!
とにかく堅くて、スキがなかなか見つけられなかった金沢の守備を、最後の最後で崩せた。
昨シーズンとか、シーズン序盤だと、さくっと負けてしまうことが多かったけど、追いつける“リバウンド・メンタリティ”を見せられたのは、喜ばしい。

なんだか劇的すぎて勝ったような気分だけど、勝ち点1だっという事実(苦笑)。
苦戦の原因として、やはりターンオーバーの影響があったかな。
一美にかわってトップに入った大野は、前線でうまくボールを収めきれず、起点になりきれなかった。
仙頭にかわってウイングに入った冨田は、スペースがないとなかなか前へ突破できず、攻撃での“遅延”を招いてしまっていた。
安藤にかわって右CBに入った宮城は、スルスルと前に運ぶドリブルが良かったけど、安藤ほどの効果的な縦パスは望めない。
そのため、ビルドアップの時点で庄司がCBの間に落ちる、いわゆるサリダ・ラヴォルピアーナ(Salida Lavolpiana)の時間帯が多かった。

https://www.youtube.com/watch?v=MMAlMhXi3bE

そこからのパス回しで空いているスペースを作りつづけようと京都の選手たちは試みていて、今までの相手だと90分の間でどこかにスキができて決定機を作れていたけれど…、金沢は違った。
“ヤンツー式4-4-2”で一旦セットされた状態から、2トップが精力的にプレスに来て、運動量も落ちないという。
いや〜、戦術的に整備されているなと。

そして0-0の段階で、京都が3バックに変えたのは理にかなっているなと思った。
庄司のポジションが低く、攻撃のスタート位置が後ろすぎるなぁという印象があったからだ。
“活動範囲”が広い闘莉王をリベロとして入れて、庄司の位置を上げて、ファイナルサードでの崩しにより関与してほしい、という狙いだったかと。
ま、布陣変更から失点はしてしまったけど、これはパス回し時のミスが起因。
失点後は闘莉王を前線にあげてのパワープレイで相手の最終ラインに“ボディブロー”を打って、前述のとおりロスタイムで同点ゴールに至った。

アウェイ、ミッドウィーク、気温29℃の厳しい状況で、厳しい相手に勝ち点1。
首位からは陥落したけど、悪くない結果だと思いたい。