【J2第34節】鹿児島ユナイテッドFC 0-1 京都サンガF.C.

鹿児島ユナイテッドFC 0-1 京都サンガF.C.
日時:2019年9月28日(土)19:03KO
会場:鹿児島県立鴨池陸上競技場(7,006人/曇 26.3℃ 84%)
主審:木村博之
17′-京都/一美和成(ヘッド←小屋松)

■鹿児島ユナイテッドFC(4-2-3-1)
GK1:山岡哲也
DF15:藤澤典隆
DF7:赤尾公
DF23:水本勝成
DF24:砂森和也
MF38:中原秀人
MF4:平川怜(39′-MF21:八反田康平)
MF30:萱沼優聖(64′-MF11:五領淳樹)
MF20:酒本憲幸(76′-FW28:ハン・ヨンテ)
MF32:牛之濵拓
FW49:ルーカス・マルコス・メイレレス “ルカオ”

■京都サンガF.C.(3-3-2-2)
GK1:加藤順大
DF17:牟田雄祐
DF4:田中マルクス闘莉王
DF6:本多勇喜
MF20:ジュニオール・シウヴァ・フェレイラ “ジュニーニョ”(76′-MF31:福岡慎平)
MF10:庄司悦大
MF5:黒木恭平
MF50:藤本淳吾(83′-MF41:金久保順)
MF22:小屋松知哉
FW14:仙頭啓矢(90′-MF11:湯澤洋介)
FW23:一美和成

試行錯誤も見えぬ光明

システムも先発メンバーも少し変えて鹿児島に乗り込み、なんとかかんとか辛勝。
先制点はペナ角からの短いクロスに一美のヘッド。
こういうクロスの上げ方は久しぶりで相手も予測していなかったのかもしれない。

しかし、その後は中盤でボールは繋げども繋げども…状態。
左サイドは、小屋松が流れて、本多もドリブルしながら前へ上がるためある程度は機能していた。
一方、右サイドはジュニオールが孤立しまくって、ボール回しすらままならない状態。
3バック採用時の一番大きな問題である「選手の距離感が、4バック時と比べると良くない」点が、この試合でも顕になった格好だ。

ってわけで、最終ラインの体を張ったディフェンスと、鹿児島の決定力不足で勝てた一戦とまとめてしまってよかろう。
シーズンも残り2か月。
はたして攻守ともバランスが取れた「最適解」を見つけることができるのか?

【J2第33節】V・ファーレン長崎 1-0 京都サンガF.C.

V・ファーレン長崎 1-0 京都サンガF.C.
日時:2019年9月21日(土)18:03KO
会場:長崎県立総合運動公園陸上競技場“トラスタ”(6,208人/曇のち雨のち曇 26.3℃ 76%)
主審:鶴岡将樹
30′-長崎/呉屋大翔

■V・ファーレン長崎(4-2-2-2)
GK21:富澤雅也
DF13:亀川諒史
DF22:徳永悠平
DF6:角田誠
DF2:香川勇気
MF40:カイオ・セザール・ダ・シウヴァ・シウヴェイラ(78′-MF10:黒木聖仁)
MF37:秋野央樹
MF20:大竹洋平(76′-MF16:吉岡雅和)
MF19:澤田崇
FW11:玉田圭司(71′-FW29:畑潤基)
FW33:呉屋大翔

■京都サンガF.C.(3-3-1-3)
GK1:加藤順大
DF3:宮城雅史
DF4:田中マルクス闘莉王
DF6:本多勇喜
MF31:福岡慎平
MF10:庄司悦大
MF5:黒木恭平
MF41:金久保順(70′-MF50:藤本淳吾)
FW14:仙頭啓矢(62′-FW23:一美和成)
FW13:宮吉拓実(76′-MF44:中坂勇哉)
FW22:小屋松知哉

海のある長崎に死す

町田を倒した勢いをかって、“新生京都”(=3バック+相手守備ラインの裏へのボールも利用する)で長崎の地に赴くも…。
惜敗。
ワンチャンスを決められ、その後は長崎のリトリートした布陣を崩せず試合終了を迎えた。

やっぱり3バックだと、4バック時よりラインが少し深くなっている印象がある。
そして、自陣でボールを奪ってからも、ボール回しに「よっこいしょ」という声が聞こえてくるような。
特に長崎は、町田と違ってハイプレスはかけてこないので、京都の守備ラインもある程度余裕をもってボールキープしていたぶん、逆にスピーディさに欠けた。
相手守備が真ん中を固める中で、サイドを中心にボールは持てたが、試合後に庄司がコメントしていたように「崩しのアイデア」までは披露できずじまいだった。

ま、安藤が最終ラインにいれば、中央オーバーラップからの縦パスもあったんだろうけど、安藤+本多のCBコンビで失点が続いていただけに、パス出しを取るか? 守備の安定を取るか? 難しい問題。

次はアウェイ連戦、鹿児島戦。
アウェイだけど、ここは勝ち点3が絶対にほしいところ。
さて、どんな布陣と戦術で挑むのか…。

【J2第32節】京都サンガF.C. 2-0 FC町田ゼルビア

京都サンガF.C. 2-0 FC町田ゼルビア
日時:2019年9月14日(土)19:03KO
会場:京都市西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場(7,005人/晴 26.9℃ 56%)
主審:高山啓義
62′-京都/小屋松知哉(左足←仙頭)
81′-京都/一美和成(右足)

■京都サンガF.C.(3-3-1-3)
GK1:加藤順大
DF3:宮城雅史
DF4:田中マルクス闘莉王
DF6:本多勇喜
MF31:福岡慎平
MF10:庄司悦大
MF5:黒木恭平
MF41:金久保順
FW14:仙頭啓矢(79′-FW23:一美和成)
FW13:宮吉拓実(86′-MF50:藤本淳吾)
FW22:小屋松知哉(90′-MF44:中坂勇哉)

■FC町田ゼルビア(4-2-2-2)
GK13:増田卓也
DF2:奥山政幸
DF3:藤井航大
DF40:小林友希
DF25:佐野海舟(68′-DF17:下坂晃城)
MF15:井上裕大
MF24:ロメロ・ベロカル・フランク・ラーク
MF29:森村昂太(68′-MF8:ジョン・チュングン)
MF10:平戸太貴
FW30:中島裕希
FW22:林陵平(79′-FW20:ドリアン・バブンスキー・フリストフスキー)

進撃の疑似カウンター

前節、京都は3バック導入も、岡山の「ハイプレス→ボール奪取→最終ライン裏に斜めに入られる」の流れに翻弄されまくって完敗。
で、今節はどう変えてくるかなぁと思ったら、
・3バックはキープで右CBを安藤から宮城へ
・中盤は庄司が1アンカー、攻撃時はWB福岡と黒木が高い位置をとって、金久保を中心としたダイヤモンド型に
・前節、シャドー気味に位置していた仙頭、小屋松は、もう少しワイドに張る形に
・1トップは一美から宮吉で、裏への飛び出しを狙う
てな感じで、今まで以上に「縦の奥行き」を意識した格好だった。

いつもなら、最終ラインから丁寧にボールを繋ぎ、外側のレーンに三角形を作ることで、パスを回しつつ突破を図る――。
とにかく“繋ぐこと”に拘泥していたのが京都のスタイルだったが、きょうは違った。
町田は2トップの精力的なプレスに対して、3バックに庄司も加わって、ボールを回す。
そして、町田のラインが上がってきたところで、闘莉王や庄司から前線に長いパスが放たれる。
そう、「ハイプレス・ハイライン」の町田を弱点をつくような、いわゆる「疑似カウンター」を取り入れたのだ。

その疑似カウンターがシュートに直結したシーンは少なかった。
でも、宮吉がいい感じに抜け出しボールを収めることで前線に起点となり、そこからお得意のボールポゼッションが始まったりして…。
中盤のプレスをかいくぐって、ロングボールで前線で楔を打てれば、ボールを失ったとしても町田陣内。
町田がやりたかったであろう、高い位置でのボール奪取からのショートカウンターという展開をなるべく回避することができた。

ここ最近のゲーム、ずっと「京都のサッカーを対戦相手が対策しできていた」と言われてきたけど、この日は「京都が相手のサッカーを対策できていた」。
まぁ、先制点が取れなかったら結果はどうなってたかわからない部分もあったけど、選手交代も理にかなっていて、6試合ぶり勝利は妥当だなと思った。
これで、チームの調子、上向きになるのかな?

【J2第31節】ファジアーノ岡山 3-0- 京都サンガF.C.

ファジアーノ岡山 3-0- 京都サンガF.C.
日時:2019年9月8日(日)19:03KO
会場:岡山県総合グラウンド陸上競技場 “Cスタ”(1万3098人/晴 29.4℃ 64%)
主審:吉田哲朗
22′-岡山/仲間隼斗
28′-岡山/山本大貴
90+2′-岡山/中野誠也

■ファジアーノ岡山(4-2-2-2)
GK22:一森純
DF39:増谷幸祐
DF8:田中裕介
DF4:濱田水輝
DF2:廣木雄磨
MF14:上田康太
MF6:喜山康平
MF17:関戸健二
MF19:仲間隼斗(90+3′-DF21:椋原健太)
FW15:山本大貴(56′-FW7:中野誠也)
FW9:イヨンジェ(66′-MF16:武田将平)

■京都サンガF.C.(3-4-3)
GK34:若原智哉
DF16:安藤淳
DF4:田中マルクス闘莉王(86′-MF32:上月壮一郎)
DF6:本多勇喜
MF30:石櫃洋祐(66′-MF50:藤本淳吾)
MF10:庄司悦大
MF31:福岡慎平
MF5:黒木恭平
FW14:仙頭啓矢
FW23:一美和成(63′-MF44:中坂勇哉)
FW22:小屋松知哉

迷いが招いた自滅

ここ数節、攻撃が空転していたからとはいえ、石櫃、黒木を高めにした3バック採用には驚いた。
この布陣がシーズン序盤、まったく機能していなかったからだ。
最近攻撃が空転していて、なにか変化がほしかったとはいえ、数ヶ月前にうまくいなかった地点に戻ってしまうとは…。

ボールを持った石櫃、黒木がハーフウェイライン付近で相手に囲まれて、無理に突破をかかろうとする姿は、混迷する今のサンガを象徴するようだった。
単独突破を図ろうにももう少し高い位置で、なおかつ味方を集めてボールを取られてもすぐ奪い返せるようにする。
そのための“遅攻”だったはずが、数的不利で相手のプレスにさらされ、ボールをカットされ、そのまま速攻を許してしまう。
いままで貫いてきた戦術・戦法もぶれてしまった。

そして田中、一美を同時先発起用したことで、試合終盤、前線にパワーを与える選手が手札になく、反撃のゴールすら奪えず。
――かなり内容の乏しいゲームだった。

おそらく次節は、戦術やフォーメーションは元に戻して、前線、中盤で選手を入れ替えて、リスタートかなと。
台風一過で、今度こそすっきりとした勝利が見てみたい。

【J2第30節】徳島ヴォルティス 2-1 京都サンガF.C.

徳島ヴォルティス 2-1 京都サンガF.C.
日時:2019年8月31日(土)19:04KO
会場:徳島県鳴門総合運動公園陸上競技場 “ポカスタ”(5,109人/雨のち曇 23.6℃ 86%)
主審:窪田陽輔
79′-徳島/渡井理己
88′-徳島/杉本竜士
90+5′-京都/中坂勇哉(左足ボレー←仙頭)

■徳島ヴォルティス(3-4-2-1)
GK21:梶川裕嗣
DF5:石井秀典
DF3:ヨルディ・バイス
DF7:内田裕斗
MF15:岸本武流(71′-DF22:藤田征也)
MF8:岩尾憲
MF32:小西雄大
MF13:清武功暉(71′-MF14:杉本竜士)
MF16:渡井理己(86′-MF44:島屋八徳)
MF11:野村直輝
FW9:河田篤秀

■京都サンガF.C.(4-1-2-3)
GK1:加藤順大
DF30:石櫃洋祐(64′-MF44:中坂勇哉)
DF16:安藤淳
DF6:本多勇喜
DF5:黒木恭平
MF10:庄司悦大
MF31:福岡慎平
MF13:宮吉拓実(75′-MF8:重廣卓也)
FW14:仙頭啓矢
FW23:一美和成(85′-DF4:田中マルクス闘莉王)
FW22:小屋松知哉

八月の狂詩曲(ラプソディー)

“作戦負け”、なのかな。

徳島は可変フォーメーションで来た。
攻撃時はウイングの岸本、清武が高い位置を取る3-2-5。
守備時は岸本が最終ライン近くに降ちて、渡井が右サイドハーフ、野村が2トップの一角に入る4-4-2。

おそらく狙いとしては…。
まず守備では京都のボール回しのスタート地点である2センターバックに2トップを当ててきた。
一方、前線の基点・一美にはヨルディ・バイスが激しいプレッシャーをかけ、ほぼ自由を許さなかった。
また、京都のサイドチェンジにもチーム全体がスライドして対応。
そして攻撃では、渡井、野村が交互に引いて、京都の最終ラインの前、アンカー・庄司の横の位置でボールを受けて、タメをつくる。
特に試合開始から15分ぐらいは、京都はボールを収めることにも奪うことにも苦心しており、徳島が圧倒する展開が続いていた。

で、危ないシーンはありながらも、清武の宇宙開発とか、加藤の好セーブでなんとかしのいでいたのだが…。
渡井のうまい抜け出しからのゴール、続けて杉山のゴラッソで万事休す。
これで、4試合白星なし、と。

唯一の好材料といえば、中坂の期限付き移籍初出場、初ゴールぐらいか。
インサイドハーフの位置から個人技で突破を挑むような、ピッチ中央で縦への推進力を発揮できる選手は、いまのラインナップではいないだけに貴重な存在。
相手が守備のポジションを固めた“穴熊状態”だと、ボックスの周りでパスを回すだけで、そこから“ブレイク”することができていないのが、いまの京都の問題点。
ボックス外からいいミドルシュートを打てる選手もいないので、相手としては「ゴール前を固めておけばOK」の気持ちになっている。
そんな現状を、中坂のような個人技をもつ選手の“仕掛け”でなんとかできたら。
“足踏み”だった8月、でも来月からはまた心機一転で踏ん張りたいよね。