【J2第18節】ザスパクサツ群馬 0-2 京都サンガF.C.

ザスパクサツ群馬 0-2 京都サンガF.C.
日時:2020年9月9日(水)19:03KO
会場:群馬県立敷島公園県営陸上競技場 “正スタ”(598人/曇 29.1℃ 66%)
主審:田中玲匡
11′-京都/野田隆之介
20′-京都/ピーター・マドゥアブチ・ウタカ

■ザスパクサツ群馬(4-2-2-2)
GK1:清水慶記
DF8:岩上祐三
DF4:岡村大八
DF2:舩津徹也(22′-DF46:川上優樹)
DF25:小島雅也
MF35:宮阪政樹(73′-DF39:高瀬優孝)
MF41:中山雄登
MF11:田中稔也(73′-FW13:林陵平)
MF7:加藤潤也
FW18:進昂平(46′-MF14:平尾壮)
FW50:大前元紀

■京都サンガF.C.(3-1-4-2)
GK34:若原智哉
DF25:上夷克典
DF23:ヨルディ・バイス
DF16:安藤淳
MF10:庄司悦大
MF2:飯田貴敬(81′-DF38:長井一真)
MF22:谷内田哲平(64′-MF31:福岡慎平)
MF41:金久保順(64′-MF11:曽根田穣)
MF5:黒木恭平
FW18:野田隆之介(71′-MF29:中野克哉)
FW9:ピーター・マドゥアブチ・ウタカ(46′-FW20:李忠成)

實好礼忠コーチ(京都)
「きょうのゲームは『プレスをどうかいくぐるか』でした。
いい準備ができたおかげで完遂できたと思います。
ハードな連戦の中で、アウェイで勝てたことは大きいですね。
いい形で進んでいけているので、さらにチーム力に上積みしていきたい。
ウタカについてはハードワークをしてくれていたし、打撲もあったので、総合的に考えて交代させました」

はじまる、叛逆の秋

2連勝わっしょい。
しかし、きょうに関していえば、群馬さんが調子悪すぎたかな……。
群馬といえばハイプレス、とは聞いていたけれど、そのプレスはそこまで強烈なものではなかった。
また、攻撃でも単純なパスミス、トラップミスなども多く、今まで対戦してきたチームの中でもチカラがちょっと落ちる相手だったという印象があった。
連戦だし、疲れもあったのかな。

京都としては、上夷や安藤が攻撃時高い位置まであがり、攻撃の起点となれていたことが大きかったと思う。
また、パスが手詰まりになっても大きなロングパスに逃げることなく、ショートパスでリズムを作ろうとしてたのは、いままでとはちょっと違ったところ。
2点目に至った、黒木のグラウンダーのクロスなんかは昨年をちょっと思い起こさせたな。
きょうのような戦いが、よりプレッシャーが強い相手にできれば、もう少し順位も上げられると思うんだけれど。
はたして、“実りの9月”になるのかな?

【J2第17節】京都サンガF.C. 2-0 ジェフユナイテッド市原・千葉

京都サンガF.C. 2-0 ジェフユナイテッド市原・千葉
日時:2020年9月5日(土)18:33KO
会場:京都府立京都スタジアム(3,401人/曇 28.5℃ 62%)
40′-京都/ピーター・マドゥアブチ・ウタカ
45+4′-京都/ヨルディ・バイス

■京都サンガF.C.(3-1-4-2)
GK34:若原智哉
DF46:森脇良太
DF23:ヨルディ・バイス
DF25:上夷克典
MF10:庄司悦大
MF2:飯田貴敬(81′-DF38:長井一真)
MF11:曽根田穣(81′-MF29:中野克哉)
MF22:谷内田哲平(81′-DF16:安藤淳)
MF5:黒木恭平
FW7:ヘナン・カルヴァーリョ・モタ “レナンモッタ”(45+3′-MF31:福岡慎平)
FW9:ピーター・マドゥアブチ・ウタカ(61′-MF8:荒木大吾)

■ジェフユナイテッド市原・千葉(4-2-2-2)
GK1:新井章太
DF37:本村武揚
DF3:岡野洵
DF16:鳥海晃司
DF49:下平匠
MF18:熊谷アンドリュー(20′-MF6:田坂祐介)
MF39:見木友哉
MF20:矢田旭(68′-MF22:工藤浩平)
MF13:為田大貴(68′-MF50:米倉恒貴)
FW11:佐藤寿人(46′-FW44:川又堅碁)
FW40:櫻川ソロモン(68′-MF21:アラン・ロペス・ピニェイロ)

ジェフユナイテッド with B

ディレイでDAZN見はじめたら、田口も船山もクレーベもいない…。
どうやら千葉は、連戦時、主力チーム・Bチームでターンオーバーしているらしい。
きょうは、サブがメイン。
京都もリトリート志向ではあるが、千葉はそれ以上にリトリートからの速攻志向で驚いた。
これだけボールを保持できるのは久しぶり。

で、ゲームのほうは、モッタの特攻プレスから奪ったボールがウタカに渡って先制。
セットプレイ、黒木のいいキックから追加点。
後半、ウタカから荒木をトップに入れてからは、まったく攻撃の形が作れなくなって…。
さいごは守りに守り倒した格好だった。
でも、2-0、グリーンシートは良い結果。
ただ、相変わらず庄司の周り=バイタルエリアのケアや、5バックで守ってるのにハーフスペースから簡単にクロスを挙げられたり、守備では怖い場面も多々。
千葉の拙攻にも助けられたとも言えるだろう。
攻撃はバイス復帰で、長くて正確なロングパスがワイドに出まくり。
しかし、そこから速攻にはつながらず、結局後ろにパスを戻すことも多くて、相手を崩し切るシーンは正直少なかった。
また前節ほどは選手間が狭くはなかったため、ボールを取られた直後、攻→守のトランジションのところで“即時回収”を狙えるようなシチュエーションもなかった。
結果はグッド、内容は課題あり、といったところだろうか。

最後に、前節に続いてスタメンに入った谷内田くん、すごい。
中盤の庄司、曽根田が相手マークがないところでボールを受けたがるのに対して、ある程度相手のマークをひきつけたところでボールを貰おうとする姿勢や、よし。
イージーなボールロストも少ないし。
理想をいえば、ヘッドのシュートが決まればよかったんだけど(笑
フル出場させなかったのは、次節またスタメン起用を睨んでとのことと思いたい。

【J2第16節】大宮アルディージャ 1-0 京都サンガF.C.

大宮アルディージャ 1-0 京都サンガF.C.
日時:2020年9月2日(水)19:03KO
会場:さいたま市大宮公園サッカー場 “ナクスタ”(1,844人/曇 26.7℃ 90%)
主審:山岡良介
89′-大宮/戸島章

■大宮アルディージャ(3-4-2-1)
GK40:フィリップ・クリャイッチ
DF50:畑尾大翔
DF24:西村慧祐
DF4:ヴィターリス・マクシメンコ
MF18:篠塚一平 “イッペイ・シノヅカ”
MF41:小野雅史(70′-MF15:大山啓輔)
MF7:三門雄大
MF13:渡部大輔
MF11:奥抜侃志(59′-FW37:髙田颯也)
MF10:黒川淳史(45′-MF26:小島幹敏)
FW19:アブドゥラーヒム・ラーヤブ “イバ”(70′-FW27:戸島章)

■京都サンガF.C.(3-1-4-2)
GK34:若原智哉
DF25:上夷克典 “notかみえびす”
DF16:安藤淳
DF6:本多勇喜(86′-DF19:麻田将吾)
MF31:福岡慎平
MF32:上月壮一郎(78′-DF30:石櫃洋祐)
MF22:谷内田哲平(78′-MF11:曽根田穣)
MF41:金久保順
MF5:黒木恭平(86′-MF8:荒木大吾)
FW20:李忠成(70′-MF29:中野克哉)
FW18:野田隆之介

高木琢也コーチ(大宮)
「選手たちが粘り強く戦ってくれたことが、7試合ぶりの勝利につながったと思う。本来でいえば、自分たちでボールを持つ時間も増やしたかった。しかし、ウォームアップでのアクシデントによる選手交代もあって中でやむを得ない一面もある。
振り返ると前半は、向こうのポジショニングで優位に立たれてしまった。勝ち点3につながったのは、途中で入った選手が状況を変えてくれたこと。
イバ? 彼が基点を作ってくれるのはありがたいし、戦い方としてもわかりやすい。 けれども、それだけではない、違う変化もつくっていなかいといけないと認識している」

實好礼忠コーチ(京都)
「選手たちはモチベーション高くファイトしてくれました。チーム全体で攻守に動けた部分は、めざしている部分であるので良かったです。
勝敗を分けたのは、なんだったんでしょう?(笑) いい方向に転ばせることができたら…残念です!」

このサンガは変身をするたびにパワーがはるかに増す…(「ドラゴンボール」より)

バイス、庄司、ウタカ。
今シーズンのサンガの“柱”となるセンターラインを全部取り除いたら、攻守に一体となった躍動感あるサッカーを見せていてクソワロタ…ワロタ…。
きょうサンガがナクスタで展開していたのは、昨シーズンを思い出させるようなサッカーだった。

昨シーズンっぽい、っていうのを箇条書きするならば…。
●バイス、庄司のロングパスがないぶん、選手間の距離を狭めて、細かいパスをテンポよく繋ぐことでリズムとペースをつくる。
●サイドの攻略は、大外のレーンとハーフスペースとでジグサグに選手が立つことで、ダイレクトパスから前への抜け出しを図る。
※黒木がハーフスペースに立ってインサイドMFのように振る舞う場面を見て、「あぁ、懐かしい」という郷愁がw
●そうして、ポゼッション時は選手がある程度狭いスペースにいるので、ボールを奪われた瞬間、周りにいる複数人で“即プレス”に行く。
●前線へのロングパスは裏ではなく、FWがポストで収められるものを中心にする。
※野田が体幹を生かして前線で奮闘する姿は、一美がダブって見えるようだった!

出色だったのは、初スタメンの谷内田、最終ラインのセンターに入った安藤だろうか。
谷内田のバイタルでボールを受ける能力は“中村充孝ぽさ”もあり、18歳とは思えない成熟したプレイぶりだった。
同じくインサイドMFに入った金久保にも負けない存在感を見せていたといえるだろう。
安藤は最終ラインを下げすぎることなくイバとバトルを繰り広げ、またボールを持っても何本もいい縦パスを入れていた。
バイスが出場停止明けで戻ってきても、アンカーとか右ウイングバックとかにして、安藤の真ん中は続けてほしいと思ったぐらいだ。

って、こんなに褒めてばかりだけど、残念ながら勝てなかったこと。
後半開始早々、李忠成が立て続けに得た決定機がひとつでも決まっていれば、結果はまた違ったものになっていただろう。
また先発のイレブンが“ベスト”すぎて、交代選手を入れるたびにチームのパフォーマンスが劣化していったのも残念だった。
きょう勝ってたら、このサッカーを継続してくれる可能性もあったんだろうになぁ。

しかし…。
週末は、バイス-庄司-ウタカがセンターラインの前後分断サッカー。
ミッドウィークは、走れる選手を集めたポゼッションサッカー。
変身の振り幅が広すぎるだろ、常識的に考えて。
個人的好みは後者だし、きょうのサッカーを続けてほしいけれど。

【J2第15節】東京ヴェルディ 2-0 京都サンガF.C.

東京ヴェルディ1969 2-0 京都サンガF.C.1922
日時:2020年8月29日(土)18:03KO
会場:東京都調布市東京スタジアム “味スタ”(2,432人/晴 29.2℃ 67%)
主審:野田祐樹
20′-東V/小池純輝
45+3′-東V/山本理仁

■東京ヴェルディ1969(4-1-2-3)
GK31:マテウス・カウデイラ・ヴィドット・ヂ・オリヴェイラ
DF24:奈良輪雄太(30′-DF2:若狭大志)
DF3:近藤直也
DF5:平智広
DF16:福村貴幸
MF36:藤田譲瑠チマ
MF21:山本理仁(80′-MF9:佐藤優平)
MF14:森田晃樹
FW19:小池純輝(80′-MF17:クレーベル・アウグスト・カエターノ・レイチ・フィーリョ “クレビーニョ”)
FW13:大久保嘉人(60′-FW48:山下諒也)
FW20:井上潮音

■京都サンガF.C.1922(3-4-2-1)
GK34:若原智哉
DF46:森脇良太(76′-DF6:本多勇喜)
DF23:ヨルディ・バイス
DF16:安藤淳
MF2:飯田貴敬
MF31:福岡慎平(46′-FW18:野田隆之介)
MF10:庄司悦大
MF8:荒木大吾(54′-DF30:石櫃洋祐)
MF29:中野克哉(67′-MF41:金久保順)
MF11:曽根田穣(67′-MF22:谷内田哲平)
FW9:ピーター・マドゥアブチ・ウタカ

にじむ汗、停滞の夏

前日にチケット売れ行き状況を見ると、SS指定席は「△」だったものの、バック席は「○」。
座席指定で見ても結構余裕があったので、(いまはないけれども)アウェイ寄りの列で席を確保。
当方東京在住、同一都道府県内への移動ということで、東京スタジアムへ“密航”した。
さて現地へ赴くと、パープルの服や装飾品を体の一部に着用した人、紫が混じったタオルマフラーを首に巻いた人など、同士多数。
心のなかで一体感を持って京都サンガの戦いを静かに応援…するはずが、ピッチで繰り広げた“惨状”をただ見守るだけに終わったのだった。
完――。

…って、もう忘れてしまいたいほどの体験。
でも、せっかく今季の戦いをはじめてスタジアムで目撃したので、「なぜいま京都が停滞しているのか?」――個人的な感想をまとめておく。
まず、守備。
相手にボールを握られたら、まず帰陣して「5-4-1」をセットすることに拘泥して、相手への“圧”が薄い。
ウタカが活発にプレッシングにいかないのは年齢や性格的に止むをえないにしても、相手のパスコースを切ることさえ、しばしば放棄していた。
となれば、相手最終ラインはノープレッシャーなので、余裕を持ってボールを保持できる。
その状況にじれて、ときにボランチの庄司が単騎で前までプレスにいったり…。
でも、いなされ、中盤バイタルにぽっかり空いたスペースに縦パスを入れらる始末。
また、相手3トップのうち1枚は下がって組み立てに関与するのに、京都の最終ラインは「5枚」を守ったまま。
しばしば「東京V前線2枚 vs 京都最終ライン5枚」というダダ余りの状態になって、中盤で数的不利に陥っていた。
2失点目は、中盤相手に余裕をもってボールを保持され、5バックのさらに奥の大外レーンに正確なロングパスを入れられてからのもの。
パス精度のある選手がいるチームに対しては、5レーンを埋めてもなお大外を攻略されるという事実はつらいものだった。
結局、ボールホルダーへ組織的に圧力をかけなければ、たとえ後ろを5枚で固めても、ボールを回され守勢に周り、疲弊して、最後は“決壊”してしまうということだろう。

逆に攻撃のほうでは、相手のプレスにアップアップの場面が目立っていた。
最終ラインでボールを持っても、かなり危なっかしい。
昨シーズン見られたような、サイドバックを起点にして、ダイレクトのパス回しからプレスを回避するような、オートマティックなやり方はついぞ見られなかった。
去年も何戦か現地で観戦したけれど、ビルドアップに関してはチームとして相当レベルダウンしてしまった印象だ。
ウイングバックが単独で相手を剥がしてくれるか、あるいはウタカがいい感じで裏に抜け出してくれるぐらいしか、ゴールへ至るイメージが沸かなかった。
しかし、ウイングバックがほぼ封殺。
左右のセンターバックがウイングバックを追い抜くようなオーバーラップを見せることもなかった。

チームとしてやりたいことは、なんとなくわかる。
ウタカという“個”のちからを最大限に活かすために、前方にスペースを作るためチーム全体の重心を後ろにしているのだろう。
シーズン当初は勝てていたけれど、夏になりウタカにも疲れがあるのが、狙いとする戦いが通用しなくなった。
涼しくなって、ウタカの切れが戻るのを待つには、時間がない。
そもそも、例えばウタカがケガで長期離脱してしまったら、同じサッカーを展開できるような代役もいない。
“個”に立脚した戦術から、大きくリニューアルする必要を感じた味スタの夜だった。

【J2第14節】京都サンガF.C. 2-2 松本山雅FC

京都サンガF.C. 2-2 松本山雅FC
日時:2020年8月23日(日)18:33KO
会場:京都府立京都スタジアム “サンガS”(3,194人/晴 28.5℃ 65%)
主審:西山貴生
45+3′-京都/ピーター・マドゥアブチ・ウタカ
65′-松本/阪野豊史
77′-松本/セルジオ・ヒカルド・ドス・サントス・ジュニオール “セルジーニョ”(FK直接)
90+2′-京都/中野克哉

■京都サンガF.C.(3-4-2-1)
GK34:若原智哉
DF16:安藤淳
DF23:ヨルディ・バイス
DF19:麻田将吾(81′-DF46:森脇良太)
MF2:飯田貴敬(76′-MF32:上月壮一郎)
MF31:福岡慎平(76′-FW18:野田隆之介)
MF10:庄司悦大
MF8:荒木大吾(60′-MF17:ジュニオール・シウヴァ・フェレイラ “ジュニーニョ”)
MF29:中野克哉
MF41:金久保順(60′-MF11:曽根田穣)
FW9:ピーター・マドゥアブチ・ウタカ

■松本山雅FC(4-2-2-2)
GK1:圍謙太朗
DF33:大野佑哉(60′-MF27:鈴木雄斗)
DF31:橋内優也
DF43:常田克人
DF39:高木利弥(39′-DF5:前貴之)
MF17:塚川孝輝
MF22:米原秀亮(82′-MF24:吉田将也)
MF41:久保田和音
MF8:杉本太郎
FW18:髙木彰人(60′-MF10:セルジオ・ヒカルド・ドス・サントス・ジュニオール “セルジーニョ”)
FW11:阪野豊史(82′-FW9:ジャエウ・フェレイラ・ヴィエイラ)

實好礼忠コーチ(京都)
「いい形で先制点が取れて、後半ボールを持つ時間もあったんですけど…。
逆転されたのは本当に心が折れそうな失点。
ただ、サポーターの拍手で救われました。
ゴールを決めてくれた中野選手は最近落ち着いて、力をつけてきたと思います。
次戦に向けて、リフレッシュして、もっともっとできるというところを見せたいですね」

布啓一郎コーチ(松本)
「前半最後、後半最後、耐えられなかったのがわれわれに足りないところ。
アディショナルタイム、橋内が怪我をしてしまって、最後は4-4-1にしてワンチャンスを狙おうと思いましたが、なかなかうまくはいかなかった。
きょうは4バックにして、もちろん4バックは初めてではないんですが、選手たちはしっかりと対応してくれました」

魍魎戦記MADARA

いや〜、今季のJ2はどのチームもオーガナイズされてるなぁ。
魑魅魍魎が跋扈する、ハイレベルなリーグ。
シーズンのおよそ1/3が終わって、いま京都は足踏みをした状態だけど、決して悲観することはない。
まだまだ厳しい競争は続くだろう。

で、きょうの京都は前節に続いて3-4-2-1を継続。
インサイドハーフの福岡、庄司がウイングバックと連動しながら、ときに大外のレーンにまで入ることで、両サイドでボールをもつことはできた。
また、ウタカが両サイドに流れ、そこに長い浮き球のパスを出すことで、最前線で起点を作ることにもある程度成功。
しかし松本の守備意識がかなり高く、サイドを抜け出してえぐってラストパス!とか、ウタカが空けたスペースをシャドーやインサイドハーフが抜けてシュート!みたいなシーンにまでは至らなかった。

フォーメーションを変えたことで選手の距離感含めバランスはよくなり、グラウンダーのパス周しもできるようになったものの、いわゆるパッキング・レート(※Packing-Rate、ゴールの方向に向かってパスやドリブルで相手選手を“出し抜いた”回数を数値化したもの)が高いプレーが少なかった、といえばよいのか。
唯一おっと思ったシーンが、相手のプレスがかかった状態で縦パスを後ろ向きに受けて、そのままゴール方向へフリック→ボールが前方にいた味方に通って、一気にプレスなしの数的優位に立てたやつ。
それ以外は、ウイングバックが1対1の勝負に勝ってくれないことには決定機がなかなか作れないサッカーだな、と感じてしまった。

2失点のうち、セルジーニョの直接FKは防ぎようがないよね、ありゃ。
事故みたいなもん。
いつぞやのパウリーニョの直接FKを思い出させるスーパーゴールだった。
一方1失点目は、セカンドトップ型の髙木から“エンガンチェ”(司令塔)的なセルジーニョに交代し、プレスにいく選手、マークの受け渡しが整理されていない状況で、決められてしまったもの。
松本の攻撃がほぼ停滞していた中だっただけにもったいない失点だった。
そのまま守りきられて、サンガスタジアム初黒星か?と思ったところで、パワープレイから同点に。

いまのやり方を継続するなら、パスなどのプレイの正確性を高めて、ワンタッチやダイレクトでのプレイを推し進めることで、相手のプレスをかいくぐる回数を増やしていくしかないだろう。
また、ウタカ1トップで空いたスペースを、いかにシャドー、ウイングバックの選手が入り込んでいけるようになるか。
4人のうち、ひとりぐらいある程度背が高くてフィジカルがあって、前にゴリゴリ行ける選手がいればいいのかもしれないけど。
例えばもし重廣がいれば、もう少しペナに侵入できたりするのかな?と思ったりもした。
次戦は1週空くだけに、新潟戦ときょうの松本戦を踏まえて、どんな選手起用、どんな戦い方を選ぶのか、注目だ。
その東京ヴェルディ戦。
Jリーグのプロトコル上、“超厳戒体制”継続のためビジター席はまだ用意されない。
東京在住で県をまたぐ移動がなくて、ビジターチームの応援グッズを持たなければ、観戦OKなんだろうけど、指定席だからホームチームのサポーターに囲まれるのもなぁ…。
チケット販売状況を見て、かなり余裕があるようだったら考えようかな。