【J2第28節】京都サンガF.C.1-0ギラヴァンツ北九州

京都サンガF.C.1-0ギラヴァンツ北九州
日時:2020年10月21日(水)18:33KO
会場:京都府立京都スタジアム “サンガS”(2,138人/晴 19.1℃ 54%)
主審:佐藤隆治
21′-京都/仙頭啓矢(右足←ウタカ)

■京都サンガF.C.(3-4-2-1)
GK21:清水圭介
DF25:上夷克典(6′-DF16:安藤淳)
DF23:ヨルディ・バイス(57′-MF32:上月壮一郎)
DF6:本多勇喜
MF2:飯田貴敬
MF24:川﨑颯太
MF31:福岡慎平(90+2′-MF10:庄司悦大)
MF28:冨田康平
MF11:曽根田穣(90+2′-FW13:宮吉拓実)
MF15:仙頭啓矢(90+2′-MF22:谷内田哲平)
FW9:ピーター・マドゥアブチ・ウタカ

■ギラヴァンツ北九州(4-2-2-2)
GK31:永井堅梧
DF22:藤原奏哉(85′-MF26:斧澤隼輝)
DF6:岡村和哉
DF16:村松航太
DF3:福森健太
MF25:國分伸太郎(76′-MF19:永野雄大)
MF4:川上竜(46′-MF17:加藤弘堅)
MF10:髙橋大悟
MF14:新垣貴之(46′-MF39:椿直起)
FW18:町野修斗(62′-FW28:鈴木国友)
FW9:ディサロ燦シルヴァーノ

試合後小林伸二氏が「あれ、オフサイドだったでしょ〜」がウタカにしつこく突っ込んでいる(想像)

仙頭啓矢選手(京都)
「前日にウタが『アシストするよ』と言ってくれて、有限実行してくれましたね。
いいボールを出してくれたので、決めるだけでした。
きょうの勝利は、チーム全員が最後まで足を止めず、ハードワークした結果。
とにかく、昇格するには勝ち点3が必要になってきます。
流れを変えて、残りの試合を全部勝つつもりでやっていきたいです」

實好礼忠コーチ(京都)
「ダブルボランチにした狙いは、いい守備からいい攻撃に……という狙いでした。
最終ラインで2度アクシデントはありましたが、前からいく守備/いかない守備、使い分けができたし、ポジショニングも細かいところまで丁寧にやってくれたと思います。
若い選手の活躍?
そうですねー、チームとして自信になる勝利です。
上を目指して、努力してステップアップしていきたいです」

小林伸二コーチ(北九州)
「(得点となった仙頭へのパスについて)びっくりです。
あのタイミングで、ああいったふうに(選手は)出られないと思います。
われわれは高いライン、ハイプレスのサッカーをやっているので、判断がああいったことになると、怖がってラインを下げちゃうんですね。
審判団もちゃんと見ておられるとは信じたいですが、(あのジャッジは)ないと思います。
ハーフタイムには、『時間が残っているので、点をとって抗議しよう』と話したんですが、残念ながらゴールを取れなかった。
93年Jリーグが始まったときと同じだと思いますが、(審判のジャッジ能力とともに)われわれもしっかりオフサイドが取れるように、しっかりと成長しなければならない」

佐藤隆治氏の罪滅ぼし

小林伸二さんがゲーム後のフラッシュインタビューで、遠回しながらも念入りにジャッジ批判。
たしかに、仙頭のゴールはオフサイドラインギリギリの飛び出しだった。
ただ、この主審に我々は何度も泣かされてきてるんです(苦笑)。
ときには恩恵を受けることがあってもええやん、ということで。

この日の京都は、中盤「1アンカー+2センターハーフ」から「2ボランチ」の構成に変更。
それにともなって、前線はウタカのワントップに2シャドー。
そして左ウイングバックは冨田が今季初先発と、かなりいじってきた。

若いボランチコンビは、ミスもあったけれど、いい縦パスや前線への飛び出しがあった。
彼ら3列目からの攻め上がりが、攻撃に厚みを与えていたと思う。
冨田選手も頻繁に縦への突破を試み、アグレッシブだった。
試合途中、上夷、バイスが負傷交代で3回めの選手交代が試合終了直前にならざるをえなかったが、それさえなければもう少し楽に試合を終えられたと思う。

このシステムで、ウタカが引いたところを2シャドーや2ボランチが飛び出すような攻撃ができるようになったら、相手にとって脅威を与えられるだろう。
3バックなら当面1アンカーは封印で、きょうのやり方を熟成していってほしいと思ったゲームだった。

【J2第27節】京都サンガF.C. 0-1 レノファ山口FC

京都サンガF.C. 0-1 レノファ山口FC
日時:2020年10月18日(日)14:03KO
会場:京都府立京都スタジアム “サンガS”(4,079人/晴 21.9℃ 45%)
主審:松本大 “マネックス別人”
41′-山口/菊地光将

■京都サンガF.C.(3-1-4-2)
GK21:清水圭介
DF25:上夷克典
DF23:ヨルディ・バイス
DF6:本多勇喜(81′-MF31:福岡慎平)
MF10:庄司悦大
MF2:飯田貴敬
MF11:曽根田穣(60′-MF14:中川風希)
MF22:谷内田哲平(46′-MF15:仙頭啓矢)
MF5:黒木恭平
FW13:宮吉拓実(60′-FW18:野田隆之介)
FW9:ピーター・マドゥアブチ・ウタカ

■レノファ山口FC(4-2-1-3)
GK33:山田元気
DF29:田中陸
DF30:ヘニキ・ルイス・ヂ・アンドラーデ
DF2:菊地光将(77′-MF41:武岡優斗)
DF24:安在和樹
MF3:ヘナン・ドス・サントス・パイシャオ
MF6:高宇洋
MF10:池上丈二(90+4′-DF4:サンドロ・シウヴァ・ヂ・ソウザ)
FW16:浮田健誠(77′-FW18:小松蓮)
FW9:イウリ・リーリオ・フレイタス・ヂ・カスティーリョ
FW11:高井和馬(77′-FW7:田中パウロ淳一)

實好礼忠コーチ(京都)
「選手たちは立ち上がりから攻守にアグレッシブに、最後まで“関わってくれた”と思います。
攻撃的にできてはいたので……、違う変化をつけて、選手を代えてシステム変更もしたんですが……。
でも苦しかった試合を、みんなしっかりと戦ってくれていました。
次に試合に向けては、引き続きというか(苦笑)……。
しっかり顔を上げてやっていこうと選手たちには話しました。
そうした意識のもとでやっていきたいです」

霜田正浩コーチ(山口)
「京都の圧力は強かったが、耐え続けることができた。
きょうの試合に向けて選手たちに言っていたのは、予測と準備。
個のチカラがある京都に対して、しっかりと予測をして守り切れたと思います」

八方塞がり

いやぁ……、さすがにキツすぎる結果だなー。
ゲーム開始早々は、悪くなかったんですよ。
・宮吉、曽根田という運動量が多く、守備に献身的な選手を先発で使ったこと。
・山口の2CB+2ボランチを、京都の2トップ+2インサイドハーフでケアできていたこと。
・全体的に「最初から飛ばしていこう」という雰囲気があったこと。
これら3点のおかげで、前からボールを奪うシーンも多かった。
しかし、庄司のもったいないファウル(数的に有利でありながら、無理なチャージ)で与えたセットプレイから失点してしまい、良い流れが切れてしまった。

その後、シュートまで行くシーンもあったものの、攻撃の精度が……。
バイタルエリアでワンツーは、悲しいぐらいパスの出し手と受け手の息が合わない。
ラストパス、クロスもアバウトさがあったうえに、ニア、ファーで待つなど選手の位置取りが整理されていない。
山口は失点がJ2ワースト(47失点)のチーム。
その相手に、ホームで1ゴールも奪えないとなると、京都の攻撃のやり方がマズいと判断せざるをえない。

守備でもゲーム開始直後のような前へのプレスは徐々に空転し、山口のウイングに起点をつくられていた。
こうなると今の京都のやり方――5バックでのリトリートだと、“ボールを奪いどころ”がどうしても低くなる。
飯田が最終ラインでボールを受けて、山口の選手が前にいるため、ピッチ中央に向けてドリブルすることが最近多いけど、いつかそこからミスしそうで怖いよね。

今シーズンの京都は、「バイス-庄司-ウタカ」のセンターラインを“命題”として、そこに合った選手は誰か?という答えを探し続けているようだ。
ウタカの相棒と、インサイドハーフ2枚の先発を毎試合毎試合代えているけど、結局誰にしてもうまくハマってないということ。
27節をへて、結局最適解が見つからないなら、“命題”の設定が間違っていると考えないとな。
また選手起用同様、攻撃時3バック・守備時5バックのシステムが今の選手層に合っているのかも再考したい。
3バックはベースとして、守備時は黒木が左サイドバックに入って3CBが右にスライドして4バック化するなども考えられるだろう。
ウタカがサイドに流れてパス回しに参加するため、アタッキングサードの局面でペナの外にずっといたりするのも、ゴールを奪えない原因のひとつかもしれない。
ならば、ウタカを真ん中にいさせるために、ウイングを置いた3トップも検討の価値はあるだろう。

とにかく、サッカーのやり方を変えず、FW1人インサイドハーフ2人を入れ替えて「変化を出そう」としても、何も変えられていないのだ。
「アグレッシブに」「上を向いてやるしかない」という思考停止に陥るのではなく、もっと自己否定して自己変革をしなくては!と、あらためて思わされた。
ここ数節、とにかく無策すぎる。

【J2第26節】FC町田ゼルビア 3-0 京都サンガF.C.

FC町田ゼルビア 3-0 京都サンガF.C.
日時:2020年10月14日(水)19:03KO
会場:東京都町田市立陸上競技場 “Gスタ”
主審:榎本一慶
4′-町田/オウンゴール(庄司)
48′-町田/髙江麗央
90′-町田/平戸太貴

■FC町田ゼルビア(4-2-2-2)
GK1:秋元陽太
DF23:酒井隆介(87′-DF22:小田逸稀)
DF5:深津康太
DF4:水本4億円
DF2:奥山政幸
MF18:髙江麗央(90+6′-MF29:森村昂太)
MF25:佐野海舟
MF14:吉尾海夏(75′-FW13:岡田優希)
MF8:ジョン・チュングン(75′-FW7:アレン・マソヴィッチ)
FW16:安藤瑞季(87′-FW30:中島裕希)
FW10:平戸太貴

■京都サンガF.C.(3-1-4-2)
GK34:若原智哉
DF46:森脇良太
DF23:ヨルディ・バイス
DF16:安藤淳
MF10:庄司悦大(46′-MF31:福岡慎平)
MF2:飯田貴敬
MF15:仙頭啓矢(77′-MF14:中川風希)
MF41:金久保順(46′-MF22:谷内田哲平)
MF5:黒木恭平
FW20:李忠成(59′-FW18:野田隆之介)
FW9:ピーター・マドゥアブチ・ウタカ(83′-FW13:宮吉拓実)

ランコ・ポポヴィッチ・コーチ(町田)
「前節、金沢戦の後半で出したアグレッシブさがあれば、きょうはイケると思っていたよ。
それにプラスして、選手たちは賢さ、したかさを見せてくれた。
まるで、 いまヨーロッパで展開されているサッカーのようだったね。
われわれ町田の強みはコレクティブに、チーム全体で戦うことなんだ」

實好礼忠コーチ(京都)
「うーーーーん……、きょうのの試合は……分析できない状況です。
……細かいところというよりは、『戦えなかった』……そのひとことです。
(ハーフタイムで2人を交代させたが?)
1点を追いかける……というよりは、いろんなところがあって……。
チームを『戦う』方向に持っていければと思いました。
(修正すべきはメンタル面か?)
うーーん、メンタル……。
みんな、やろうとはしている。
……ただ、体が動かない。
体が動くように、僕自身も策を練らないといけないです。
(久しぶりの宮吉選手について)
たくさんのアクションをしてくれて、前線でひっぱろうという宮吉らしさは出してくれたと思います」

下降線の一途

うん…そうだね…。
試合後、實好さんの落胆ぶりもわかるほどの内容だった。
たしかにここ数戦、チームは下降線だった。
でも、中位チーム相手ならなんとか戦えるだろうと思っていたのだ。
しかし現実は、攻撃ではシュートにまで持っていくことができず、守備では相手にプレスにミス連発。
26節でやっているサッカーがコレでは、今後「伸びしろ」をまったく感じない。
キツイ。

うまくいかない中で京都がやっている策といえば、ウタカの相手と、インサイドハーフの選手を次々と代えているだけ。
特にインサイドハーフは、例えば谷内田が入ればバイタルでのボールキープ、金久保が入ればフォーワードが下がったスペースへの抜け出し。
選手によって、やっていることが違う。
チームとしてやりたいことがまとまっておらず、結局は個人任せになってしまっていると感じてしまうのだ。
低い位置でボールを奪っても、昨シーズンあったような、最終ラインからボールを運ぶ「チームとしての決め事」もはっきりと見えない。

戦力は他チームに対して、大きく劣っているとは思わない。
ということはつまり、いままで作り上げてきたサッカーが今季のJ2において通用しない「失敗作」……だったのかなって。
このままバイス-庄司-ウタカが軸の「5-3-2」を続けるなら、自軍の戦力を過信し相手の戦力を読みきれなかった旧日本軍のよう。
ここからチームを大きく作り変えることも難しいだろうし、それならば、同じポジションでベテランを使うより、若手をなるべく使って来季以降に繋げることなのかなと。
――そう覚悟を決めさせれた一戦だった。

【J2第25節】京都サンガF.C. 1-2 アルビレックス新潟

京都サンガF.C. 0-2 アルビレックス新潟
日時:2020年10月10日(土)14:03KO
会場:京都府立京都スタジアム “サンガS”(4,072人)
主審:井上知大
68′-新潟/田上大地
70′-京都/ピーター・マドゥアブチ・ウタカ
75′-新潟/堀米悠斗

■京都サンガF.C.(3-1-4-2)
GK34:若原智哉
DF25:上夷克典
DF23:ヨルディ・バイス
DF6:本多勇喜
MF10:庄司悦大
MF2:飯田貴敬
MF11:曽根田穣(81′-MF22:谷内田哲平)
MF15:仙頭啓矢(89′-MF14:中川風希)
MF5:黒木恭平(89′-MF32:上月壮一郎)
FW18:野田隆之介(64′-MF31:福岡慎平)
FW9:ピーター・マドゥアブチ・ウタカ

■アルビレックス新潟(4-2-3-1)
GK22:小島亨介
DF50:田上大地
DF3:マウロ・ハビエル・ドス・サントス
DF5:舞行龍ジェームズ
DF28:早川史哉
MF20:島田譲
MF17:福田晃斗
MF13:中島元彦(57′-MF27:大本祐槻)
MF33:高木善朗(57′-MF31:堀米悠斗)
MF10:本間至恩(79′-MF24:ロメロ・ベロカル・フランク・ラーク)
FW9:ファビオ・ホベルト・ゴメス・ネット(79′-FW49:チョン・テセ)

實好礼忠コーチ(京都)
「うーーーーん…、力不足だったし、消極的だったことが反省です。
前への守備ができていなかったけれど、なんとか我慢して…とは思っていました…。
ただ、なかなかうまくいきませんでした。
なんていうんですかねぇ…リスクをかけてゲームを進めれば良かったんですが…。
守備のアグレッシブさ、攻撃のアグレッシブさをもう少し出して戦っていきたいですね」

アルベルト・プッチ・オルトネダ コーチ(新潟)
「チームは成長しつづけているね。
きょうもゲームを支配することができた。
交代選手が決勝点を決めた?
すばらしい選手が揃っているから、誰が出てもすばらしいプレイができるんだよ」

新潟の選手数に対してこれだけ引いていては、ボールを奪っても前に進めるわけもないという図式

サンガスタジアムにサライが流れる(幻聴

20節になろうと30節になろうと奴らは言い続ける……
自分のサッカーの本番はまだ先なんだと……!
「やりたい本当のサッカー」を表現できてないから今はこの程度なんだと……
そう飽きず言い続け、結局は……シーズンは終わる……!
その間際、いやでも気が付くだろう……
今までやってきたサッカーすべてがまるごと「本物」だったことを……!
――「サッカー黙示録カイジ」より

う〜ん、完全死亡。
今シーズン作り上げていたサッカーが、同等以上の実力をもつ相手にはまったく通じないことがあらためてわかった一戦だった。
4-5-1を敷く相手に、5バック化する守備では相性が悪すぎた。
なおかつ、相手の終盤はボールを持てる選手が多い。
中盤で数的不利に陥っているうえに、スペースを埋められない。
前半からほぼ何もできない状態だった。

相手がボールをもったとき、まず構えることから始めて、そこからボール保持者に1人ずつプレスをかけるようでは、相手がミスしない限り、なかなかボールを奪えない。
そしてボールを奪ったとしても、5バック+中盤の3人が引きすぎているだけに、前にボールの出しどころがない。
新潟に面白いように、前からプレッシャーかけられていた。

まったくうまくいかない戦況に対して、選手交代以外何も手を打たなかった罪も大きい。
同じフォーメーション、同じサッカーで延々と90分。
相手のスカウティング、対策を講じてきたのか、といいたくなる無策ぶりだった。

とにかく、いまのサッカーは完全に「詰んだ」。
このやり方で精度を〜とか、強度を〜とか言っているうちに、今季が終わってしまいそうだ。
うん、ドラクエでいえば、パーティーの職業を間違えて育てちゃった感じ。
かなりドラスティックにトランスフォームしない限り、上昇気流に乗ることはないと言えるだろう。

そもそも今季開幕時は「3バックも4バックも両方できるように」と標榜していた。
にも関わらず、ここまで3バックでボランチを1枚にするか2枚にするかぐらいしか手を打っていない。
調子がよくないときも、バイス-庄司-ウタカのセンターラインは頑なに守ってきていた。
實好氏はゲーム後のフラッシュインタビューで「攻守にアグレッシブさを」を話していたが、いまのリトリート中心のサッカーではなかなかアグレッシブさを出しにくいだろう。
チーム全体のベクトルをもう少し「前向き」にできるようなサッカーを期待したい。
例えば、ハイラインの4バック?
バイスのアンカー?
高い位置にウイングを置く?
とにかく、このまま変化がなければ、ウタカ個人頼みでシーズンが終わってしまいかねない。
あしたから、なにか、動かないと。

【J2第24節】ジュビロ磐田 1-2 京都サンガF.C.

ジュビロ磐田 1-2 京都サンガF.C.
日時:2020年10月4日(日)16:03KO
会場:静岡県小笠山総合運動公園スタジアム “エコパ”(曇 24.8℃ 56%/4,278人)
主審:松尾一
6′-磐田/小川航基
60′-京都/ピーター・マドゥアブチ・ウタカ(右足←バイス)
90+2′-京都/ピーター・マドゥアブチ・ウタカ(ヘッド←黒木)

■ジュビロ磐田(3-4-1-2)
GK1:八田直樹
DF38:山本義道
DF2:今野泰幸(89′-DF3:大井健太郎)
DF15:伊藤洋輝
MF14:松本昌也(89′-MF34:針谷岳晃)
MF7:上原力也
MF23:山本康裕
MF8:大森晃太郎(66′-DF24:小川大貴)
MF10:山田大記
FW16:中野誠也(73′-MF26:藤川虎太朗)
FW9:小川航基(66′-FW11:ルキアン・アラウージョ・ヂ・アウメイダ)

■京都サンガF.C.(3-1-4-2)
GK34:若原智哉
DF46:森脇良太(62′-DF25:上夷克典)
DF23:ヨルディ・バイス
DF6:本多勇喜
MF10:庄司悦大
MF2:飯田貴敬
MF29:中野克哉(46′-FW18:野田隆之介)
MF31:福岡慎平(82′-MF11:曽根田穣)
MF5:黒木恭平
FW15:仙頭啓矢(73′-MF22:谷内田哲平)
FW9:ピーター・マドゥアブチ・ウタカ

鈴木政一コーチ(磐田)
「やろうとしてきたサッカーを、選手たちが意識をもってやってくれたと思うのぅ。
結果が出せればよかったんだけれど、正直すまなかった。
『ボールサイドは同数になるように』と選手とは話してきた。
ただ、そうならないで、バランスがよくなかったシーンもあった。
次の試合に向けて、改善して、楽にゲーム運びができるようにしたいんじゃ」

ピーター・マドゥアブチ・ウタカ(京都)
「ここ2試合、ゴールという結果が出てなかったんでね。
いまはとてもハッピーな気分だよ。
ジュビロはベリーベリーハイレベルなチーム。
特に、前半はファンタスティックなサッカーをしていたと思う。
パスもスピーディで、われわれは正直何もできなかったよ。
でも後半になって、選手を代えて、相手とマッチアップするようにマークをするようにしたのさ。
そして、同点ゴールを取ることができた。
われわれは、パワーとエナジーをさらに加えることができたんだ。
もちろん自分も最後までワンチャンスを決めてやろうと思っていたよ」

實好礼忠コーチ(京都)
「うーーん、大宮戦で流れが悪いときに立て直せなくて…。
メンタルが悪い状態から、リバウンドできるように話し合ってきていました。
きょうもあっさり失点してしまったけれど…。
なんとか踏ん張ることができましたね。
後半は、メンバーを代えて、ウタカをトップ下にして自由に動けるようにして、インサイドの選手といいポジションを取れるようにしました。
そのおかげか、ウタカのストロングな部分を出せてよかったです。
相手を1点に抑えられた?
うーーーーん、それよりは“油断”のほうが気になりますね」

ウタカ様のおかげ様

この勝利はデカいなぁ〜。
京都を上回る負け数「7」の北九州のほうが順位は上なことからもわかるように、引き分け勝ち点「1」を積み重ねてもなかなか上にはいけない。
勝ち点「3」が必要な季節、なのだ。

しかし、前半の京都はひどかった。
連戦の疲れからか、チーム全体が重く、運動量が少ない。
パスを出すところがない、だからパスを出すのが遅い、そしてパスを出しても受け手との呼吸が合わない。
バイスが中野にブチ切れてたけれど、スターティングメンバーがなぜこの11人だったの?……と言いたくなったよね。

後半仙頭を中盤に下げてボールをある程度回せるようにはなったけど、相手を崩すような場面も少なかった。
一方で磐田には、かんたんに楔のパスを入れられ、裏への抜け出しも許して、危ないシーンも多かった。
そんな中でウタカの個人技からの同点ゴールは大きかった。
そして、磐田の決定力欠如にも助けられたな。

思ったのは、「守備に移った際はまずリトリート、5バック化するサッカー」が機能しなくなっているなということ。
相手ボールホルダーに強くプレスをかけない
→明確なボールの取りどころがない
→相手のボール回しに合わせて、スライドを繰り返して「受け」に回る時間が多い
→おかげで、チーム全体に躍動感が生まれない。ボールを奪えても、前に人数が足りてないので、素早い展開にもいけない
→結果、自分たちのリズムでボールを持てる時間が減る
……という悪循環になっているのだろうか。
アントニオ猪木に闘魂注入してほしいほど、やる気&元気がないサッカーになってしまっているのだ。
で、5バック化して後ろを固めているのに、きょうは裏のスペースに走られ、さっくり失点。
ならば、なんで後ろを重くしているのか?という話になる。

同じポゼッション志向でも、昨シーズンのサッカーだとボールホルダーには前線からプレッシャーをかけていた。
前に向けてプレスをかけているので、奪った後も素早く展開ができる。
さっとウイングにボールが渡る。
そこで一旦バックパスをすることになったとしても、自分たちのペースでボールを保持する時間を増やせることができる。
結果、ゲームを支配できていた。
もちろん、相手チームに引いてカウンター作戦を取られ、迷走してしまったんだけれど。

季節的にだいぶ涼しくなって中で、いまのサッカーを続けてよいのか。
大宮の高木さんには「構えてるだけの守備」と喝破されていた。
もう少し攻守に運動量をあげ、前半からチーム全体が躍動できるような方向にアレンジしていかないと、勝ち点3を取り続けることは難しいのではないか?
そう、感じさせられた一戦だった。