【J2第15節】東京ヴェルディ 2-0 京都サンガF.C.

東京ヴェルディ1969 2-0 京都サンガF.C.1922
日時:2020年8月29日(土)18:03KO
会場:東京都調布市東京スタジアム “味スタ”(2,432人/晴 29.2℃ 67%)
主審:野田祐樹
20′-東V/小池純輝
45+3′-東V/山本理仁

■東京ヴェルディ1969(4-1-2-3)
GK31:マテウス・カウデイラ・ヴィドット・ヂ・オリヴェイラ
DF24:奈良輪雄太(30′-DF2:若狭大志)
DF3:近藤直也
DF5:平智広
DF16:福村貴幸
MF36:藤田譲瑠チマ
MF21:山本理仁(80′-MF9:佐藤優平)
MF14:森田晃樹
FW19:小池純輝(80′-MF17:クレーベル・アウグスト・カエターノ・レイチ・フィーリョ “クレビーニョ”)
FW13:大久保嘉人(60′-FW48:山下諒也)
FW20:井上潮音

■京都サンガF.C.1922(3-4-2-1)
GK34:若原智哉
DF46:森脇良太(76′-DF6:本多勇喜)
DF23:ヨルディ・バイス
DF16:安藤淳
MF2:飯田貴敬
MF31:福岡慎平(46′-FW18:野田隆之介)
MF10:庄司悦大
MF8:荒木大吾(54′-DF30:石櫃洋祐)
MF29:中野克哉(67′-MF41:金久保順)
MF11:曽根田穣(67′-MF22:谷内田哲平)
FW9:ピーター・マドゥアブチ・ウタカ

にじむ汗、停滞の夏

前日にチケット売れ行き状況を見ると、SS指定席は「△」だったものの、バック席は「○」。
座席指定で見ても結構余裕があったので、(いまはないけれども)アウェイ寄りの列で席を確保。
当方東京在住、同一都道府県内への移動ということで、東京スタジアムへ“密航”した。
さて現地へ赴くと、パープルの服や装飾品を体の一部に着用した人、紫が混じったタオルマフラーを首に巻いた人など、同士多数。
心のなかで一体感を持って京都サンガの戦いを静かに応援…するはずが、ピッチで繰り広げた“惨状”をただ見守るだけに終わったのだった。
完――。

…って、もう忘れてしまいたいほどの体験。
でも、せっかく今季の戦いをはじめてスタジアムで目撃したので、「なぜいま京都が停滞しているのか?」――個人的な感想をまとめておく。
まず、守備。
相手にボールを握られたら、まず帰陣して「5-4-1」をセットすることに拘泥して、相手への“圧”が薄い。
ウタカが活発にプレッシングにいかないのは年齢や性格的に止むをえないにしても、相手のパスコースを切ることさえ、しばしば放棄していた。
となれば、相手最終ラインはノープレッシャーなので、余裕を持ってボールを保持できる。
その状況にじれて、ときにボランチの庄司が単騎で前までプレスにいったり…。
でも、いなされ、中盤バイタルにぽっかり空いたスペースに縦パスを入れらる始末。
また、相手3トップのうち1枚は下がって組み立てに関与するのに、京都の最終ラインは「5枚」を守ったまま。
しばしば「東京V前線2枚 vs 京都最終ライン5枚」というダダ余りの状態になって、中盤で数的不利に陥っていた。
2失点目は、中盤相手に余裕をもってボールを保持され、5バックのさらに奥の大外レーンに正確なロングパスを入れられてからのもの。
パス精度のある選手がいるチームに対しては、5レーンを埋めてもなお大外を攻略されるという事実はつらいものだった。
結局、ボールホルダーへ組織的に圧力をかけなければ、たとえ後ろを5枚で固めても、ボールを回され守勢に周り、疲弊して、最後は“決壊”してしまうということだろう。

逆に攻撃のほうでは、相手のプレスにアップアップの場面が目立っていた。
最終ラインでボールを持っても、かなり危なっかしい。
昨シーズン見られたような、サイドバックを起点にして、ダイレクトのパス回しからプレスを回避するような、オートマティックなやり方はついぞ見られなかった。
去年も何戦か現地で観戦したけれど、ビルドアップに関してはチームとして相当レベルダウンしてしまった印象だ。
ウイングバックが単独で相手を剥がしてくれるか、あるいはウタカがいい感じで裏に抜け出してくれるぐらいしか、ゴールへ至るイメージが沸かなかった。
しかし、ウイングバックがほぼ封殺。
左右のセンターバックがウイングバックを追い抜くようなオーバーラップを見せることもなかった。

チームとしてやりたいことは、なんとなくわかる。
ウタカという“個”のちからを最大限に活かすために、前方にスペースを作るためチーム全体の重心を後ろにしているのだろう。
シーズン当初は勝てていたけれど、夏になりウタカにも疲れがあるのが、狙いとする戦いが通用しなくなった。
涼しくなって、ウタカの切れが戻るのを待つには、時間がない。
そもそも、例えばウタカがケガで長期離脱してしまったら、同じサッカーを展開できるような代役もいない。
“個”に立脚した戦術から、大きくリニューアルする必要を感じた味スタの夜だった。

【J2第14節】京都サンガF.C. 2-2 松本山雅FC

京都サンガF.C. 2-2 松本山雅FC
日時:2020年8月23日(日)18:33KO
会場:京都府立京都スタジアム “サンガS”(3,194人/晴 28.5℃ 65%)
主審:西山貴生
45+3′-京都/ピーター・マドゥアブチ・ウタカ
65′-松本/阪野豊史
77′-松本/セルジオ・ヒカルド・ドス・サントス・ジュニオール “セルジーニョ”(FK直接)
90+2′-京都/中野克哉

■京都サンガF.C.(3-4-2-1)
GK34:若原智哉
DF16:安藤淳
DF23:ヨルディ・バイス
DF19:麻田将吾(81′-DF46:森脇良太)
MF2:飯田貴敬(76′-MF32:上月壮一郎)
MF31:福岡慎平(76′-FW18:野田隆之介)
MF10:庄司悦大
MF8:荒木大吾(60′-MF17:ジュニオール・シウヴァ・フェレイラ “ジュニーニョ”)
MF29:中野克哉
MF41:金久保順(60′-MF11:曽根田穣)
FW9:ピーター・マドゥアブチ・ウタカ

■松本山雅FC(4-2-2-2)
GK1:圍謙太朗
DF33:大野佑哉(60′-MF27:鈴木雄斗)
DF31:橋内優也
DF43:常田克人
DF39:高木利弥(39′-DF5:前貴之)
MF17:塚川孝輝
MF22:米原秀亮(82′-MF24:吉田将也)
MF41:久保田和音
MF8:杉本太郎
FW18:髙木彰人(60′-MF10:セルジオ・ヒカルド・ドス・サントス・ジュニオール “セルジーニョ”)
FW11:阪野豊史(82′-FW9:ジャエウ・フェレイラ・ヴィエイラ)

實好礼忠コーチ(京都)
「いい形で先制点が取れて、後半ボールを持つ時間もあったんですけど…。
逆転されたのは本当に心が折れそうな失点。
ただ、サポーターの拍手で救われました。
ゴールを決めてくれた中野選手は最近落ち着いて、力をつけてきたと思います。
次戦に向けて、リフレッシュして、もっともっとできるというところを見せたいですね」

布啓一郎コーチ(松本)
「前半最後、後半最後、耐えられなかったのがわれわれに足りないところ。
アディショナルタイム、橋内が怪我をしてしまって、最後は4-4-1にしてワンチャンスを狙おうと思いましたが、なかなかうまくはいかなかった。
きょうは4バックにして、もちろん4バックは初めてではないんですが、選手たちはしっかりと対応してくれました」

魍魎戦記MADARA

いや〜、今季のJ2はどのチームもオーガナイズされてるなぁ。
魑魅魍魎が跋扈する、ハイレベルなリーグ。
シーズンのおよそ1/3が終わって、いま京都は足踏みをした状態だけど、決して悲観することはない。
まだまだ厳しい競争は続くだろう。

で、きょうの京都は前節に続いて3-4-2-1を継続。
インサイドハーフの福岡、庄司がウイングバックと連動しながら、ときに大外のレーンにまで入ることで、両サイドでボールをもつことはできた。
また、ウタカが両サイドに流れ、そこに長い浮き球のパスを出すことで、最前線で起点を作ることにもある程度成功。
しかし松本の守備意識がかなり高く、サイドを抜け出してえぐってラストパス!とか、ウタカが空けたスペースをシャドーやインサイドハーフが抜けてシュート!みたいなシーンにまでは至らなかった。

フォーメーションを変えたことで選手の距離感含めバランスはよくなり、グラウンダーのパス周しもできるようになったものの、いわゆるパッキング・レート(※Packing-Rate、ゴールの方向に向かってパスやドリブルで相手選手を“出し抜いた”回数を数値化したもの)が高いプレーが少なかった、といえばよいのか。
唯一おっと思ったシーンが、相手のプレスがかかった状態で縦パスを後ろ向きに受けて、そのままゴール方向へフリック→ボールが前方にいた味方に通って、一気にプレスなしの数的優位に立てたやつ。
それ以外は、ウイングバックが1対1の勝負に勝ってくれないことには決定機がなかなか作れないサッカーだな、と感じてしまった。

2失点のうち、セルジーニョの直接FKは防ぎようがないよね、ありゃ。
事故みたいなもん。
いつぞやのパウリーニョの直接FKを思い出させるスーパーゴールだった。
一方1失点目は、セカンドトップ型の髙木から“エンガンチェ”(司令塔)的なセルジーニョに交代し、プレスにいく選手、マークの受け渡しが整理されていない状況で、決められてしまったもの。
松本の攻撃がほぼ停滞していた中だっただけにもったいない失点だった。
そのまま守りきられて、サンガスタジアム初黒星か?と思ったところで、パワープレイから同点に。

いまのやり方を継続するなら、パスなどのプレイの正確性を高めて、ワンタッチやダイレクトでのプレイを推し進めることで、相手のプレスをかいくぐる回数を増やしていくしかないだろう。
また、ウタカ1トップで空いたスペースを、いかにシャドー、ウイングバックの選手が入り込んでいけるようになるか。
4人のうち、ひとりぐらいある程度背が高くてフィジカルがあって、前にゴリゴリ行ける選手がいればいいのかもしれないけど。
例えばもし重廣がいれば、もう少しペナに侵入できたりするのかな?と思ったりもした。
次戦は1週空くだけに、新潟戦ときょうの松本戦を踏まえて、どんな選手起用、どんな戦い方を選ぶのか、注目だ。
その東京ヴェルディ戦。
Jリーグのプロトコル上、“超厳戒体制”継続のためビジター席はまだ用意されない。
東京在住で県をまたぐ移動がなくて、ビジターチームの応援グッズを持たなければ、観戦OKなんだろうけど、指定席だからホームチームのサポーターに囲まれるのもなぁ…。
チケット販売状況を見て、かなり余裕があるようだったら考えようかな。

【J2第13節】アルビレックス新潟 1-1 京都サンガF.C.

アルビレックス新潟 1-1 京都サンガF.C.
日時:2020年8月19日(水)19:03KO
会場:新潟県新潟スタジアム “ビッグスワン”(3,058人/晴 27.9℃ 41%)
主審:谷本涼
41′-京都/中野克哉
51′-新潟/渡邉新太

■アルビレックス新潟(4-2-2-2)
GK22:小島亨介
DF50:田上大地(46′-DF7:荻原拓也)
DF3:マウロ・ハビエル・ドス・サントス
DF5:舞行龍ジェームズ
DF2:新井直人
MF16:ゴンサロ・フェデリコ・ゴンサレス・ペレイラ(46′-MF20:島田譲)
MF13:中島元彦
MF6:秋山裕紀
MF10:本間至恩(91′-FW19:ペドロ・ハビエル・マンシ・クルス “ペドロ・マンジー”)
FW8:シウヴィオ・ジョゼ・カルドソ・ヘイス・ジュニオール “シウヴィーニョ”(75′-MF33:高木善朗)
FW11:渡邉新太

■京都サンガF.C.(3-4-2-1)
GK34:若原智哉
DF25:上夷克典
DF16:安藤淳
DF19:麻田将吾
MF32:上月壮一郎(90′-MF17:ジュニオール・シウヴァ・フェレイラ “ジュニーニョ”)
MF31:福岡慎平
MF24:川﨑颯太 “Jリーグ初出場”(85′-MF10:庄司悦大)
MF5:黒木恭平
MF29:中野克哉(90′-FW9:ピーター・マドゥアブチ・ウタカ)
MF14:中川風希(77′-FW18:野田隆之介)
FW13:宮吉拓実(77′-MF22:谷内田哲平 “Jリーグ初出場”)

アルベルト・プッチ・オルトネダ・コーチ(新潟)
「前半は互角の内容だったが、後半は数々のチャンスを作れた。
ただ、そのチャンスを決めなければ勝ち点3は得られないということさ。
確かに後半、相手はブロックを下げて守備を固めてきたから、ゴールを奪うことは難しかった。
ただ、そんな状況で5回ほど決定機を生み出せたんだ。
我々にとってポジティブなことだと評価したいよ」

實好礼忠コーチ(京都)
「いいゲームでした。
新しいメンバーが入って、日頃のトレーニングをアグレッシブにやっている成果を見せてくれました。
きょうのゲームで、レギュラーメンバー以外でも『俺でもできるんだ』という競争心が芽生えたと思います。
チーム全体の力をアップさせることができましたし、それを次のゲームに出したいです」

良攻野郎Bチーム

9人をターンオーバー。
バイス、庄司、金久保、ウタカという、チームの“軸”と思われていた選手を外したら、逆に戦術的にまとまって攻守に良いチームになって、クソワロタ・・・ワロタ・・・、
相手がボールを持てば、3-2-5のポジションを取って、パスが出たタイミングで、パスレシーバーに忠実にプレス。
攻めても、ウイングバックの単独突破に頼らず、1トップ、2シャドーに、インサイドハーフ、ウイングバックが絡んで、ダイレクトでのパス交換も見られた。
時間とスペース(空間)の作り方が、昨シーズンを彷彿とさせるものだったなぁ。
願わくば、後半、相手にボールを持たれてた中で、サイドが死んでいたので早めに手を打ちたかったところか。
しかし、きょうサイドの交代選手、連れてきてなかったので、しゃーない。

さて、特に出色の出来だったのが、トップ初登場の川﨑颯太、
相手に体を寄せてボールをかすめ取る、そしてスルスルと持ち上がる姿は、マケレレ、カンテを彷彿とさせるもの。
京都のゴールも、彼が倒れながらも泥臭くボールを離さなかったことで生まれたものだった。
福岡とのコンビ、庄司ほどのロングレンジのパスはないものの、攻守にとても効いていた。
福岡20歳、川崎19歳、京都の未来明るすぎだろ、常識的に考えて
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また今シーズン初出場の上夷も良かった。
いつの間にか高いポジションを取っていて、上月をフォロー。
この試合、右サイドにボール保持が偏っていたのは、黒木がバランスを取っていたこともあるけど、上夷の存在も大きいだろう。

思えば、今までの攻撃コンセプトは、ある程度ポジションを後ろにして、バイスや庄司のロングパスで、ウイングバックやウタカにボールを送って1対1の局面を創出しようというもの。
長いレンジのパスが決まるのがキレイだったけど、一方で、全体的に選手のポジションが“間延び”気味だったのも否めない。
で、ボールを奪われた直後、いわゆる“攻→守”の切り替えタイミングでズバッと縦パスを入れられたり、相手にスペースを与えてしまっていた。
端的に戦い方を比較するならば…。
今までは、ウタカ・庄司・バイスという選手の“個”を活かすための戦術。
対してきょうのやり方は、チーム全体としての戦術が先にあって、それを選手たちがピッチで具現化しているもの。
もちろん、強烈な“個”のチカラがあれば前者で押し切れるんだろうけど、今シーズンのJ2各チームの戦術的熟成度を見ていると、そんな楽観的な考えではいられないと思う。
きょうの戦い方をベースに、破綻しないように“個”を組み入れていくのがベストだと思うんだけど、まぁそう簡単にはいかないか(笑)。
でも、ターンオーバーでベテランを休ませつつ、若手に経験を積ませて、さらに敵地で勝ち点1ゲットは、上々の結果だと思ったのだった。

【J2第12節】ツエーゲン金沢 2-0 京都サンガF.C.

ツエーゲン金沢 2-0 京都サンガF.C.
日時:2020年8月16日(日)19:03KO
会場:石川県西部緑地公園陸上競技場(2,152人/晴 28.3℃ 77%)
主審:小屋幸栄
30′-金沢/加藤陸次樹
49′-金沢/窪田稜

■ツエーゲン金沢(4-2-2-2)
GK23:白井裕人
DF24:長谷川巧
DF4:石尾崚雅
DF27:廣井友信
DF15:渡邊泰基
MF6:大橋尚志(14′-MF16:本塚聖也)
MF8:藤村慶太
MF18:窪田稜(58′-DF25:高安孝幸)
MF39:下川陽太
FW17:加藤陸次樹(77′-FW11:杉浦恭平)
FW19:島津頼盛(77′-DF34:杉井颯)

■京都サンガF.C.(3-1-4-2)
GK34:若原智哉
DF19:麻田将吾
DF23:ヨルディ・バイス
DF6:本多勇喜(46′-DF2:飯田貴敬)
MF10:庄司悦大
MF30:石櫃洋祐
MF11:曽根田穣(46′-MF7:ヘナン・カルヴァーリョ・モタ “レナンモッタ”)
MF41:金久保順(65′-MF14:中川風希)
MF8:荒木大吾
FW17:ジュニオール・シウヴァ・フェレイラ “ジュニーニョ”(46′-FW18:野田隆之介)
FW9:ピーター・マドゥアブチ・ウタカ(83′-DF28:冨田康平)

“マッサージ”より“骨格矯正”

前線の柱・ルカオ欠場、中盤の底で攻撃のタクトを振るう大橋が早々退場した金沢。
しかし、そんな相手にも完敗を喫してしまった。
完敗、いまきみは人生の…。

失点はともに、素早く縦のボールを入れられてのもの。
思えば、ここ数戦ずっと同じ攻められ方をしている。
實好氏は14日のオンライン会見にて、
「ボールを奪われたとき、数的不利で守備をする瞬間がある」
「ポジショニングの微調整と、攻守の切り替えの意識づけを」
と、現状ベースの“微修正”で対応できると説明していた。
しかし、夏の暑い時期、全体の運動量がそれほど見込めない中で、
「3センターハーフ、庄司アンカー」
では、【攻→守】の局面で守りきれない場面が頻発している。

きょう、金沢相手にあっさりやられてしまったことで、骨格から修正しないと厳しいという事実を突きつけられた格好だ。
庄司をあきらめてもう少し守備ができて大柄でセカンドボールを回収できるような選手をアンカーに置くか。
庄司は生かして、中盤のあと2人を守備で貢献できる、ボール奪取力が高い選手に代えるか(もちろん、ボールの保持力はあきらめるとして)。
はたまた、3バック+1アンカーのシステムに手を加えるか。
次節ミッドウィーク、アウェイ新潟にて。
連戦でターンオーバーが必要なこともあるし、選手起用含めてどういった戦い方になるのだろう。

ルベン・アモリムの3-4-3(スポルディング2019-20シーズン)

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ルベン・アモリム(Rúben Amorim)の2019年シーズンは波乱万丈だった。
9月にブラガのBチーム指揮官に就任。
12月23日には、トップチーム指揮官に昇格。
低迷していたチームを一変させた。
2020年1月25日にはリーグカップで優勝。
公式戦13試合で10勝2敗1分け(※うち2敗はヨーロッパリーグにて、すなわち国内は無敗)が。
結果だけでなく、繰り広げるサッカーも魅力的。
3月5日には、1,000万ユーロ(12億円)の違約金を出したスポルティングCPに引き抜かれた。
スポルティングは、ポルトガルプリメイラ・リーガでFCポルト、SLベンフィカと合わせて「3強」と称される強豪。
ただ、引き抜きの時点ではブラガは3位、スポルディングは4位で「3強」の牙城は崩されていたのだった。

フォーメーションはブラガ時代から3-4-3が基本。
中盤の4枚のうち、インサイドハーフは横並び。
3トップのうち、センターフォワードのほかの2人は中にいることが多く「インサイドフォワード」と称しているメディアもあった。
最終ラインでボールを持ったら、3バックは大きく横に広がる。
左右のCBはペナの角ぐらいまで。
その前の4人は、ウイングバックが大外のレーンに張って、インサイドハーフが3バックとは縦位置に並ばない。
すごい乱暴なAAでまとめるなら(笑)、最終ライン3と中盤の4で「WV」のジグザグを形成する。
7人のパス交換で、相手のプレスを回避しながら、前線への進出を模索する。

ポゼッションからの攻撃の基本はサイドでボールを持つこと。
サイドCBとインサイドハーフ、ウイングバックのトライアングルでサイドを突破できればいいんだろうけど、今の時代、相手もそこまで間抜けじゃない。
なので、3トップのうちひとりが降りてきて、相手最終ラインと中盤のラインの間に位置する。
一方、逆サイドのウイングバックが非常に高い位置まで上がって、3トップのうち残っている2人と同じ高さにまで位置。
「FWのうち残った2人」とウイングバックで疑似3トップを形成して、降りてきたFW1枚、逆サイドのウイングバックは寄りすぎず、なるべく5レーンを抑えるようにする。
そこから、インサイドハーフがボックスtoボックスで攻め上がることで、空間的優位とともに数的優位に立とうとする。

総じて、ボジション取りと「3トップ+ウイングバック」のコンビネーションに優れており、国内リーグのライバルで強烈なプレッシングをするチームがないため、好調にシーズンを終えられたのかなぁ、と思った。