【J2第20節】ヴァンフォーレ甲府 0-0 京都サンガF.C.

ヴァンフォーレ甲府 0-0 京都サンガF.C.
日時:2020年9月19日(土)14:03KO
会場:山梨県小瀬スポーツ公園陸上競技場 “YCHBJPJTスタ”(2,338人/晴 29.7℃ 50%)
主審:川俣秀

■ヴァンフォーレ甲府(3-4-2-1)
GK31:岡西宏祐
DF3:小柳達司
DF8:新井涼平
DF5:今津佑太
MF2:藤田優人
MF15:中村亮太朗
MF14:武田将平
MF39:内田健太
FW16:松田力
FW11:泉澤仁
FW9:ハファエウ・マルケス・マリアーノ “ラファエル”(62′-FW18:太田修介)

■京都サンガF.C.(3-1-4-2)
GK34:若原智哉
DF46:森脇良太
DF23:ヨルディ・バイス
DF25:上夷克典
MF10:庄司悦大
MF2:飯田貴敬
MF11:曽根田穣
MF41:金久保順(57′-MF31:福岡慎平)
MF5:黒木恭平
MF8:荒木大吾(57′-FW18:野田隆之介)
FW9:ピーター・マドゥアブチ・ウタカ

カッチカチやぞ

かなーり似ている両チームの対決。
攻撃から守備へ局面が変わると、素早い帰陣で「5バック化」。
相手ボールホルダーに対してスライドして対応、無理してまでは前からプレスを欠けない。
お互い中央はガチガチに固めて、ボールを持てどパスは回せど、シュートにまでは至らない。
決定的なミス待ち、神経戦のような90分、という感じだった。

ともに交代カードをかなり残したのも同じだった。
甲府なんてフォワードを1枚変えただけで、交代枠を4枚残した。
伊藤彰さん、アキラ20%(笑)、お盆全然動かさないという。
選手を入れ替えることでどこかに“穴”ができることを恐れたからだろうけど、両指揮官の性格が出た一戦だったなと。
もしも、伊藤さん、實好さんが代表監督になってワールドカップ予選グループステージを戦ったならば…。
勝ち点では並んだものの得失点差で敗退しそうだな、と思ったりした。

京都は、荒木を先発FWとして初起用。
そのせいもあってか、あるいはなかなか決定的な場面を作れなかったせいか、ウタカが今まで以上に中盤に下がって攻撃の組み立てに関わっていた。
点取り屋が中盤に下がったせいで、ボールは保持できてもシュートまでに至らないという“ポゼッションの罠”にハマってしまったのかなと。
またガッチリ守られているだけに、相手の最終ラインと中盤の間に入り込んで“狭い”スペースでドリブルできる選手、相手の“懐”で自分でボールを動かせる選手が必要だったのかもしれない。
そういう意味で、金久保、福岡ではなく、中川、谷内田を見たかった展開だった。
ま、ふたりが入っても無得点だった可能性も高いけどね…。
対戦相手に合わせた選手起用、というよりは、トレーニングで調子が良かった選手が先発に使われる傾向があるな。

次戦はミッドウィーク・栃木戦。
今季、ストーミングでJ2に旋風を巻き起こしている。
この日の京都のスタメンなら、森脇、庄司のところにロングボールを入れて、フィジカル勝負からセカンドボールを狙われそうだ。
自分たちのサッカーをめざして現状のスタメンをベースにターンオーバーしてくるのか?
あるいは、栃木対策を踏まえた11人を選んでくるのか?
なんにしろ、甲府戦とはまったく違うゲームになりそうだ。

【J2第19節】京都サンガF.C. 1-0 FC琉球

京都サンガF.C. 1-0 FC琉球
日時:2020年9月13日(日)18:33KO
会場:京都府立京都スタジアム “サンガS”(2,972人/曇 24.7℃ 71%)
主審:村上伸次 “のぶつぐ51歳”
61′-京都/野田隆之介(ヘッド←飯田)

■京都サンガF.C.(3-1-4-2)
GK34:若原智哉
DF46:森脇良太
DF23:ヨルディ・バイス
DF25:上夷克典
MF10:庄司悦大
MF2:飯田貴敬(90+5′-MF41:金久保順)
MF11:曽根田穣(87′-MF24:川﨑颯太)
MF31:福岡慎平
MF5:黒木恭平
FW18:野田隆之介(88′-MF22:谷内田哲平)
FW9:ピーター・マドゥアブチ・ウタカ(90+5′-DF16:安藤淳)

■FC琉球(4-2-3-1)
GK1:ダニー・ガブリエル・カルバハル・ロドリゲス
DF11:田中恵太(77′-DF38:上原牧人)
DF9:リ・ヨンジ
DF3:福井諒司(86′-DF15:知念哲矢)
DF14:沼田圭悟
MF20:上里一将
MF29:市丸瑞希
MF8:風間宏矢(77′-MF18:山口和樹)
MF13:河合秀人(86′-MF23:池田廉)
MF28:小泉佳穂(65′-FW21:上原慎也)
FW16:阿部拓馬

實好礼忠コーチ(京都)
「みんないいモチベーションで試合に入ってくれました。
ゴールはなかなか割れなかったが、アグレッシブに冷静に戦ってくれた結果が勝利につながったと思います。
ウタカのゴールを誤審された?
あれに動揺することなく、次またチャンスを絶対ものにするぞという気持ちでやってくれました。
3連勝、3試合無失点で終えることができたのは、守備の役割分担、強度、判断、すべて素晴らしかったから。
少しでも上に行けるように、強度の高いトレーニングしてやるべきことを整理して、引き続き努力していきたい」

樋口靖洋コーチ(琉球)
「前半からボールの取りどころが決まらないゲームだった。
特に、右サイドの2番の選手にやられ続けてしまった。
スカウティングしていた以上に早くて、戸惑いがあったかもしれない。
最後、中は高さでやられてしまったのが残念だ。
チームとしての課題は2つある。
ひとつは、ボールの取りどころをしっかりさせること。
もうひとつは、攻撃面。
もう少しボールを主体的に動かしていかないといけない」

うれしはずかし3連勝

あらためて、「守備を安定させるための攻撃」を組み込んでいると感じた試合だった。
過去のゲームでは数多く見られた、張り出したウイングバックへのロングパス。
その回数が、明らかに減ってきた。
特にきょうは、ゴール前で人を増やして中央突破を何度もチャレンジ。
ある程度人数をかけているおかげで、相手にボールを取られても、すぐに奪い返すように試みる。
以前のように、ボールを奪われたら即時帰陣、リトリート一辺倒の守り方とは確実に代わってきている。

と、そんな「中央志向」の中で、右サイド・飯田のドリブルが炸裂しまくり。
1対1で沼田をぶち抜きまくって、野田のゴールもアシストした。
左の黒木が、ときにはセンターハーフ然と振る舞ったりバランスを取る中で、“右翼”の圧で琉球を押し込んでいた。
対峙した沼田との相性が良かったのか、今季最高の出来。
荒木と違って、攻撃面では“キレキレ”というまでの試合はなかっただけに、ついに本領発揮!かな。

【J2第18節】ザスパクサツ群馬 0-2 京都サンガF.C.

ザスパクサツ群馬 0-2 京都サンガF.C.
日時:2020年9月9日(水)19:03KO
会場:群馬県立敷島公園県営陸上競技場 “正スタ”(598人/曇 29.1℃ 66%)
主審:田中玲匡
11′-京都/野田隆之介
20′-京都/ピーター・マドゥアブチ・ウタカ

■ザスパクサツ群馬(4-2-2-2)
GK1:清水慶記
DF8:岩上祐三
DF4:岡村大八
DF2:舩津徹也(22′-DF46:川上優樹)
DF25:小島雅也
MF35:宮阪政樹(73′-DF39:高瀬優孝)
MF41:中山雄登
MF11:田中稔也(73′-FW13:林陵平)
MF7:加藤潤也
FW18:進昂平(46′-MF14:平尾壮)
FW50:大前元紀

■京都サンガF.C.(3-1-4-2)
GK34:若原智哉
DF25:上夷克典
DF23:ヨルディ・バイス
DF16:安藤淳
MF10:庄司悦大
MF2:飯田貴敬(81′-DF38:長井一真)
MF22:谷内田哲平(64′-MF31:福岡慎平)
MF41:金久保順(64′-MF11:曽根田穣)
MF5:黒木恭平
FW18:野田隆之介(71′-MF29:中野克哉)
FW9:ピーター・マドゥアブチ・ウタカ(46′-FW20:李忠成)

實好礼忠コーチ(京都)
「きょうのゲームは『プレスをどうかいくぐるか』でした。
いい準備ができたおかげで完遂できたと思います。
ハードな連戦の中で、アウェイで勝てたことは大きいですね。
いい形で進んでいけているので、さらにチーム力に上積みしていきたい。
ウタカについてはハードワークをしてくれていたし、打撲もあったので、総合的に考えて交代させました」

はじまる、叛逆の秋

2連勝わっしょい。
しかし、きょうに関していえば、群馬さんが調子悪すぎたかな……。
群馬といえばハイプレス、とは聞いていたけれど、そのプレスはそこまで強烈なものではなかった。
また、攻撃でも単純なパスミス、トラップミスなども多く、今まで対戦してきたチームの中でもチカラがちょっと落ちる相手だったという印象があった。
連戦だし、疲れもあったのかな。

京都としては、上夷や安藤が攻撃時高い位置まであがり、攻撃の起点となれていたことが大きかったと思う。
また、パスが手詰まりになっても大きなロングパスに逃げることなく、ショートパスでリズムを作ろうとしてたのは、いままでとはちょっと違ったところ。
2点目に至った、黒木のグラウンダーのクロスなんかは昨年をちょっと思い起こさせたな。
きょうのような戦いが、よりプレッシャーが強い相手にできれば、もう少し順位も上げられると思うんだけれど。
はたして、“実りの9月”になるのかな?

【J2第17節】京都サンガF.C. 2-0 ジェフユナイテッド市原・千葉

京都サンガF.C. 2-0 ジェフユナイテッド市原・千葉
日時:2020年9月5日(土)18:33KO
会場:京都府立京都スタジアム(3,401人/曇 28.5℃ 62%)
40′-京都/ピーター・マドゥアブチ・ウタカ
45+4′-京都/ヨルディ・バイス

■京都サンガF.C.(3-1-4-2)
GK34:若原智哉
DF46:森脇良太
DF23:ヨルディ・バイス
DF25:上夷克典
MF10:庄司悦大
MF2:飯田貴敬(81′-DF38:長井一真)
MF11:曽根田穣(81′-MF29:中野克哉)
MF22:谷内田哲平(81′-DF16:安藤淳)
MF5:黒木恭平
FW7:ヘナン・カルヴァーリョ・モタ “レナンモッタ”(45+3′-MF31:福岡慎平)
FW9:ピーター・マドゥアブチ・ウタカ(61′-MF8:荒木大吾)

■ジェフユナイテッド市原・千葉(4-2-2-2)
GK1:新井章太
DF37:本村武揚
DF3:岡野洵
DF16:鳥海晃司
DF49:下平匠
MF18:熊谷アンドリュー(20′-MF6:田坂祐介)
MF39:見木友哉
MF20:矢田旭(68′-MF22:工藤浩平)
MF13:為田大貴(68′-MF50:米倉恒貴)
FW11:佐藤寿人(46′-FW44:川又堅碁)
FW40:櫻川ソロモン(68′-MF21:アラン・ロペス・ピニェイロ)

ジェフユナイテッド with B

ディレイでDAZN見はじめたら、田口も船山もクレーベもいない…。
どうやら千葉は、連戦時、主力チーム・Bチームでターンオーバーしているらしい。
きょうは、サブがメイン。
京都もリトリート志向ではあるが、千葉はそれ以上にリトリートからの速攻志向で驚いた。
これだけボールを保持できるのは久しぶり。

で、ゲームのほうは、モッタの特攻プレスから奪ったボールがウタカに渡って先制。
セットプレイ、黒木のいいキックから追加点。
後半、ウタカから荒木をトップに入れてからは、まったく攻撃の形が作れなくなって…。
さいごは守りに守り倒した格好だった。
でも、2-0、グリーンシートは良い結果。
ただ、相変わらず庄司の周り=バイタルエリアのケアや、5バックで守ってるのにハーフスペースから簡単にクロスを挙げられたり、守備では怖い場面も多々。
千葉の拙攻にも助けられたとも言えるだろう。
攻撃はバイス復帰で、長くて正確なロングパスがワイドに出まくり。
しかし、そこから速攻にはつながらず、結局後ろにパスを戻すことも多くて、相手を崩し切るシーンは正直少なかった。
また前節ほどは選手間が狭くはなかったため、ボールを取られた直後、攻→守のトランジションのところで“即時回収”を狙えるようなシチュエーションもなかった。
結果はグッド、内容は課題あり、といったところだろうか。

最後に、前節に続いてスタメンに入った谷内田くん、すごい。
中盤の庄司、曽根田が相手マークがないところでボールを受けたがるのに対して、ある程度相手のマークをひきつけたところでボールを貰おうとする姿勢や、よし。
イージーなボールロストも少ないし。
理想をいえば、ヘッドのシュートが決まればよかったんだけど(笑
フル出場させなかったのは、次節またスタメン起用を睨んでとのことと思いたい。

【J2第16節】大宮アルディージャ 1-0 京都サンガF.C.

大宮アルディージャ 1-0 京都サンガF.C.
日時:2020年9月2日(水)19:03KO
会場:さいたま市大宮公園サッカー場 “ナクスタ”(1,844人/曇 26.7℃ 90%)
主審:山岡良介
89′-大宮/戸島章

■大宮アルディージャ(3-4-2-1)
GK40:フィリップ・クリャイッチ
DF50:畑尾大翔
DF24:西村慧祐
DF4:ヴィターリス・マクシメンコ
MF18:篠塚一平 “イッペイ・シノヅカ”
MF41:小野雅史(70′-MF15:大山啓輔)
MF7:三門雄大
MF13:渡部大輔
MF11:奥抜侃志(59′-FW37:髙田颯也)
MF10:黒川淳史(45′-MF26:小島幹敏)
FW19:アブドゥラーヒム・ラーヤブ “イバ”(70′-FW27:戸島章)

■京都サンガF.C.(3-1-4-2)
GK34:若原智哉
DF25:上夷克典 “notかみえびす”
DF16:安藤淳
DF6:本多勇喜(86′-DF19:麻田将吾)
MF31:福岡慎平
MF32:上月壮一郎(78′-DF30:石櫃洋祐)
MF22:谷内田哲平(78′-MF11:曽根田穣)
MF41:金久保順
MF5:黒木恭平(86′-MF8:荒木大吾)
FW20:李忠成(70′-MF29:中野克哉)
FW18:野田隆之介

高木琢也コーチ(大宮)
「選手たちが粘り強く戦ってくれたことが、7試合ぶりの勝利につながったと思う。本来でいえば、自分たちでボールを持つ時間も増やしたかった。しかし、ウォームアップでのアクシデントによる選手交代もあって中でやむを得ない一面もある。
振り返ると前半は、向こうのポジショニングで優位に立たれてしまった。勝ち点3につながったのは、途中で入った選手が状況を変えてくれたこと。
イバ? 彼が基点を作ってくれるのはありがたいし、戦い方としてもわかりやすい。 けれども、それだけではない、違う変化もつくっていなかいといけないと認識している」

實好礼忠コーチ(京都)
「選手たちはモチベーション高くファイトしてくれました。チーム全体で攻守に動けた部分は、めざしている部分であるので良かったです。
勝敗を分けたのは、なんだったんでしょう?(笑) いい方向に転ばせることができたら…残念です!」

このサンガは変身をするたびにパワーがはるかに増す…(「ドラゴンボール」より)

バイス、庄司、ウタカ。
今シーズンのサンガの“柱”となるセンターラインを全部取り除いたら、攻守に一体となった躍動感あるサッカーを見せていてクソワロタ…ワロタ…。
きょうサンガがナクスタで展開していたのは、昨シーズンを思い出させるようなサッカーだった。

昨シーズンっぽい、っていうのを箇条書きするならば…。
●バイス、庄司のロングパスがないぶん、選手間の距離を狭めて、細かいパスをテンポよく繋ぐことでリズムとペースをつくる。
●サイドの攻略は、大外のレーンとハーフスペースとでジグサグに選手が立つことで、ダイレクトパスから前への抜け出しを図る。
※黒木がハーフスペースに立ってインサイドMFのように振る舞う場面を見て、「あぁ、懐かしい」という郷愁がw
●そうして、ポゼッション時は選手がある程度狭いスペースにいるので、ボールを奪われた瞬間、周りにいる複数人で“即プレス”に行く。
●前線へのロングパスは裏ではなく、FWがポストで収められるものを中心にする。
※野田が体幹を生かして前線で奮闘する姿は、一美がダブって見えるようだった!

出色だったのは、初スタメンの谷内田、最終ラインのセンターに入った安藤だろうか。
谷内田のバイタルでボールを受ける能力は“中村充孝ぽさ”もあり、18歳とは思えない成熟したプレイぶりだった。
同じくインサイドMFに入った金久保にも負けない存在感を見せていたといえるだろう。
安藤は最終ラインを下げすぎることなくイバとバトルを繰り広げ、またボールを持っても何本もいい縦パスを入れていた。
バイスが出場停止明けで戻ってきても、アンカーとか右ウイングバックとかにして、安藤の真ん中は続けてほしいと思ったぐらいだ。

って、こんなに褒めてばかりだけど、残念ながら勝てなかったこと。
後半開始早々、李忠成が立て続けに得た決定機がひとつでも決まっていれば、結果はまた違ったものになっていただろう。
また先発のイレブンが“ベスト”すぎて、交代選手を入れるたびにチームのパフォーマンスが劣化していったのも残念だった。
きょう勝ってたら、このサッカーを継続してくれる可能性もあったんだろうになぁ。

しかし…。
週末は、バイス-庄司-ウタカがセンターラインの前後分断サッカー。
ミッドウィークは、走れる選手を集めたポゼッションサッカー。
変身の振り幅が広すぎるだろ、常識的に考えて。
個人的好みは後者だし、きょうのサッカーを続けてほしいけれど。