【J2第25節】京都サンガF.C. 1-2 アルビレックス新潟

京都サンガF.C. 0-2 アルビレックス新潟
日時:2020年10月10日(土)14:03KO
会場:京都府立京都スタジアム “サンガS”(4,072人)
主審:井上知大
68′-新潟/田上大地
70′-京都/ピーター・マドゥアブチ・ウタカ
75′-新潟/堀米悠斗

■京都サンガF.C.(3-1-4-2)
GK34:若原智哉
DF25:上夷克典
DF23:ヨルディ・バイス
DF6:本多勇喜
MF10:庄司悦大
MF2:飯田貴敬
MF11:曽根田穣(81′-MF22:谷内田哲平)
MF15:仙頭啓矢(89′-MF14:中川風希)
MF5:黒木恭平(89′-MF32:上月壮一郎)
FW18:野田隆之介(64′-MF31:福岡慎平)
FW9:ピーター・マドゥアブチ・ウタカ

■アルビレックス新潟(4-2-3-1)
GK22:小島亨介
DF50:田上大地
DF3:マウロ・ハビエル・ドス・サントス
DF5:舞行龍ジェームズ
DF28:早川史哉
MF20:島田譲
MF17:福田晃斗
MF13:中島元彦(57′-MF27:大本祐槻)
MF33:高木善朗(57′-MF31:堀米悠斗)
MF10:本間至恩(79′-MF24:ロメロ・ベロカル・フランク・ラーク)
FW9:ファビオ・ホベルト・ゴメス・ネット(79′-FW49:チョン・テセ)

實好礼忠コーチ(京都)
「うーーーーん…、力不足だったし、消極的だったことが反省です。
前への守備ができていなかったけれど、なんとか我慢して…とは思っていました…。
ただ、なかなかうまくいきませんでした。
なんていうんですかねぇ…リスクをかけてゲームを進めれば良かったんですが…。
守備のアグレッシブさ、攻撃のアグレッシブさをもう少し出して戦っていきたいですね」

アルベルト・プッチ・オルトネダ コーチ(新潟)
「チームは成長しつづけているね。
きょうもゲームを支配することができた。
交代選手が決勝点を決めた?
すばらしい選手が揃っているから、誰が出てもすばらしいプレイができるんだよ」

新潟の選手数に対してこれだけ引いていては、ボールを奪っても前に進めるわけもないという図式

サンガスタジアムにサライが流れる(幻聴

20節になろうと30節になろうと奴らは言い続ける……
自分のサッカーの本番はまだ先なんだと……!
「やりたい本当のサッカー」を表現できてないから今はこの程度なんだと……
そう飽きず言い続け、結局は……シーズンは終わる……!
その間際、いやでも気が付くだろう……
今までやってきたサッカーすべてがまるごと「本物」だったことを……!
――「サッカー黙示録カイジ」より

う〜ん、完全死亡。
今シーズン作り上げていたサッカーが、同等以上の実力をもつ相手にはまったく通じないことがあらためてわかった一戦だった。
4-5-1を敷く相手に、5バック化する守備では相性が悪すぎた。
なおかつ、相手の終盤はボールを持てる選手が多い。
中盤で数的不利に陥っているうえに、スペースを埋められない。
前半からほぼ何もできない状態だった。

相手がボールをもったとき、まず構えることから始めて、そこからボール保持者に1人ずつプレスをかけるようでは、相手がミスしない限り、なかなかボールを奪えない。
そしてボールを奪ったとしても、5バック+中盤の3人が引きすぎているだけに、前にボールの出しどころがない。
新潟に面白いように、前からプレッシャーかけられていた。

まったくうまくいかない戦況に対して、選手交代以外何も手を打たなかった罪も大きい。
同じフォーメーション、同じサッカーで延々と90分。
相手のスカウティング、対策を講じてきたのか、といいたくなる無策ぶりだった。

とにかく、いまのサッカーは完全に「詰んだ」。
このやり方で精度を〜とか、強度を〜とか言っているうちに、今季が終わってしまいそうだ。
うん、ドラクエでいえば、パーティーの職業を間違えて育てちゃった感じ。
かなりドラスティックにトランスフォームしない限り、上昇気流に乗ることはないと言えるだろう。

そもそも今季開幕時は「3バックも4バックも両方できるように」と標榜していた。
にも関わらず、ここまで3バックでボランチを1枚にするか2枚にするかぐらいしか手を打っていない。
調子がよくないときも、バイス-庄司-ウタカのセンターラインは頑なに守ってきていた。
實好氏はゲーム後のフラッシュインタビューで「攻守にアグレッシブさを」を話していたが、いまのリトリート中心のサッカーではなかなかアグレッシブさを出しにくいだろう。
チーム全体のベクトルをもう少し「前向き」にできるようなサッカーを期待したい。
例えば、ハイラインの4バック?
バイスのアンカー?
高い位置にウイングを置く?
とにかく、このまま変化がなければ、ウタカ個人頼みでシーズンが終わってしまいかねない。
あしたから、なにか、動かないと。

【J2第24節】ジュビロ磐田 1-2 京都サンガF.C.

ジュビロ磐田 1-2 京都サンガF.C.
日時:2020年10月4日(日)16:03KO
会場:静岡県小笠山総合運動公園スタジアム “エコパ”(曇 24.8℃ 56%/4,278人)
主審:松尾一
6′-磐田/小川航基
60′-京都/ピーター・マドゥアブチ・ウタカ(右足←バイス)
90+2′-京都/ピーター・マドゥアブチ・ウタカ(ヘッド←黒木)

■ジュビロ磐田(3-4-1-2)
GK1:八田直樹
DF38:山本義道
DF2:今野泰幸(89′-DF3:大井健太郎)
DF15:伊藤洋輝
MF14:松本昌也(89′-MF34:針谷岳晃)
MF7:上原力也
MF23:山本康裕
MF8:大森晃太郎(66′-DF24:小川大貴)
MF10:山田大記
FW16:中野誠也(73′-MF26:藤川虎太朗)
FW9:小川航基(66′-FW11:ルキアン・アラウージョ・ヂ・アウメイダ)

■京都サンガF.C.(3-1-4-2)
GK34:若原智哉
DF46:森脇良太(62′-DF25:上夷克典)
DF23:ヨルディ・バイス
DF6:本多勇喜
MF10:庄司悦大
MF2:飯田貴敬
MF29:中野克哉(46′-FW18:野田隆之介)
MF31:福岡慎平(82′-MF11:曽根田穣)
MF5:黒木恭平
FW15:仙頭啓矢(73′-MF22:谷内田哲平)
FW9:ピーター・マドゥアブチ・ウタカ

鈴木政一コーチ(磐田)
「やろうとしてきたサッカーを、選手たちが意識をもってやってくれたと思うのぅ。
結果が出せればよかったんだけれど、正直すまなかった。
『ボールサイドは同数になるように』と選手とは話してきた。
ただ、そうならないで、バランスがよくなかったシーンもあった。
次の試合に向けて、改善して、楽にゲーム運びができるようにしたいんじゃ」

ピーター・マドゥアブチ・ウタカ(京都)
「ここ2試合、ゴールという結果が出てなかったんでね。
いまはとてもハッピーな気分だよ。
ジュビロはベリーベリーハイレベルなチーム。
特に、前半はファンタスティックなサッカーをしていたと思う。
パスもスピーディで、われわれは正直何もできなかったよ。
でも後半になって、選手を代えて、相手とマッチアップするようにマークをするようにしたのさ。
そして、同点ゴールを取ることができた。
われわれは、パワーとエナジーをさらに加えることができたんだ。
もちろん自分も最後までワンチャンスを決めてやろうと思っていたよ」

實好礼忠コーチ(京都)
「うーーん、大宮戦で流れが悪いときに立て直せなくて…。
メンタルが悪い状態から、リバウンドできるように話し合ってきていました。
きょうもあっさり失点してしまったけれど…。
なんとか踏ん張ることができましたね。
後半は、メンバーを代えて、ウタカをトップ下にして自由に動けるようにして、インサイドの選手といいポジションを取れるようにしました。
そのおかげか、ウタカのストロングな部分を出せてよかったです。
相手を1点に抑えられた?
うーーーーん、それよりは“油断”のほうが気になりますね」

ウタカ様のおかげ様

この勝利はデカいなぁ〜。
京都を上回る負け数「7」の北九州のほうが順位は上なことからもわかるように、引き分け勝ち点「1」を積み重ねてもなかなか上にはいけない。
勝ち点「3」が必要な季節、なのだ。

しかし、前半の京都はひどかった。
連戦の疲れからか、チーム全体が重く、運動量が少ない。
パスを出すところがない、だからパスを出すのが遅い、そしてパスを出しても受け手との呼吸が合わない。
バイスが中野にブチ切れてたけれど、スターティングメンバーがなぜこの11人だったの?……と言いたくなったよね。

後半仙頭を中盤に下げてボールをある程度回せるようにはなったけど、相手を崩すような場面も少なかった。
一方で磐田には、かんたんに楔のパスを入れられ、裏への抜け出しも許して、危ないシーンも多かった。
そんな中でウタカの個人技からの同点ゴールは大きかった。
そして、磐田の決定力欠如にも助けられたな。

思ったのは、「守備に移った際はまずリトリート、5バック化するサッカー」が機能しなくなっているなということ。
相手ボールホルダーに強くプレスをかけない
→明確なボールの取りどころがない
→相手のボール回しに合わせて、スライドを繰り返して「受け」に回る時間が多い
→おかげで、チーム全体に躍動感が生まれない。ボールを奪えても、前に人数が足りてないので、素早い展開にもいけない
→結果、自分たちのリズムでボールを持てる時間が減る
……という悪循環になっているのだろうか。
アントニオ猪木に闘魂注入してほしいほど、やる気&元気がないサッカーになってしまっているのだ。
で、5バック化して後ろを固めているのに、きょうは裏のスペースに走られ、さっくり失点。
ならば、なんで後ろを重くしているのか?という話になる。

同じポゼッション志向でも、昨シーズンのサッカーだとボールホルダーには前線からプレッシャーをかけていた。
前に向けてプレスをかけているので、奪った後も素早く展開ができる。
さっとウイングにボールが渡る。
そこで一旦バックパスをすることになったとしても、自分たちのペースでボールを保持する時間を増やせることができる。
結果、ゲームを支配できていた。
もちろん、相手チームに引いてカウンター作戦を取られ、迷走してしまったんだけれど。

季節的にだいぶ涼しくなって中で、いまのサッカーを続けてよいのか。
大宮の高木さんには「構えてるだけの守備」と喝破されていた。
もう少し攻守に運動量をあげ、前半からチーム全体が躍動できるような方向にアレンジしていかないと、勝ち点3を取り続けることは難しいのではないか?
そう、感じさせられた一戦だった。

【J2第23節】ジェフユナイテッド市原・千葉 0-0 京都サンガF.C.

ジェフユナイテッド市原・千葉 0-0 京都サンガF.C.
日時:2020年9月30日(水)19:03KO
会場:千葉市蘇我球技場 “フクアリ”(1,768人/晴時々曇 20.2℃ 70%)
主審:谷本涼

■ジェフユナイテッド市原・千葉(4-2-2-2)
GK1:新井章太
DF37:本村武揚
DF15:チャン・ミンギュ
DF16:鳥海晃司
DF33:安田理大
MF4:田口泰士
MF39:見木友哉
MF13:為田大貴
MF10:船山貴之(90+3′-FW21:アラン・ロペス・ピニェイロ)
FW44:川又堅碁(44′-FW24:山下敬大)
FW9:クレーベル・ラウビ・ピニェイロ “クレーベ”

■京都サンガF.C.(3-1-4-2)
GK34:若原智哉
DF16:安藤淳
DF23:ヨルディ・バイス
DF6:本多勇喜
MF10:庄司悦大
MF2:飯田貴敬
MF11:曽根田穣(84′-MF29:中野克哉)
MF31:福岡慎平(84′-MF22:谷内田哲平)
MF5:黒木恭平(90+5′-MF8:荒木大吾)
FW14:中川風希(53′-FW18:野田隆之介)
FW9:ピーター・マドゥアブチ・ウタカ

田口泰士選手(市原・千葉)
「お互い、守備意識は高かった。
そんな中で後半、自分たちの時間帯をつくろうと、意識的にボールを保持してリズムがでてきたと思う。
残念ながらチームは勝ち点を失い続けている。
いまは失った勝ち点を取り返して積み上げていかなければならないんだ」

ユン・ジョンファンコーチ(市原・千葉)
「選手を代えなかったのできょう結構きついと思ったんですけど、選手たちは気合が入っていたと思う。
ボールを持つ時間もあったけれど、シュートまでのシーンが少なかった。
そのあたり、“質”の部分が課題になってくると思う。
相手もリトリートしていたので、そこを崩すアイデアが足りなかった」

實好礼忠コーチ(京都)
「お互い、う〜ん……スキをみせないようなゲームでした。
どうしてもボールが足元足元になっていたので……。
ハーフタイムでは相手を広げるために裏への意識を強くするように指示しました。
(ウタカが下がってゲームを作っていたが)
ウタはいろんなことができるんでね(笑)、おまかせでやらせてました。
その代わり曽根田、福岡が裏へアクションして、前を向けるシーンも増えていたので、どこかでゴールを仕留めたかったのが正直なところです。
ワイドにボールが入ったりもしたので、そこからいいコンビネーションで仕掛けていけるかなぁ〜と思ってたんですけどね」

ヤマなしオチなし意味なし

フクアリが暗いこともあって「自粛ムードか?」と思ってしまったぐらい!
ヤマなし、オチなし、意味なし――やおいサッカーともいうべき、低調な一戦だった。

ずっとターンオーバーをしてきた千葉が、スタメンをいじらず、交代枠も2つしか使わなかったのは謎。
対する京都は、先発起用、交代カードの切り方、および切る時間。
ベンチワークのすべてに疑問が残った。

試合後に實好さんが振り返ったとおり、千葉がコンパクトな陣形を敷いてきたため、裏への飛び出しがほぼ皆無。
ボールは繋げど、攻めに“奥行き”がなかった。
さらに、ウタカ-庄司-バイスという“30代センターライン”は連戦でさすがに疲労が目立った。
ウタカはときに踏ん張りきれず、庄司はボールを貰いに行く動きがいつもより少なく、バイスも競り合いで少し精彩を欠いていた。
前半、こんなサッカーを展開するぐらいなら、ウタカは後半投入ぐらいでちょうどいい。
きょうのスタメン11人がスタートで本当によかったのか?
後悔の念を覚えたのだった。

また、後半千葉がボールを持てるようになってきたことに対して、無策すぎたのも気になった。
交代カード、野田以外を切るのがおそすぎた印象。
シーズンも後半戦になり、降格圏にある上位チームとは差がある。
勝ち点3を取るために遮二無二ならないといけない「秋」だ。
しかし、ベンチからはそういった空気が感じられなかった。

ミッドウィーク開催のため現地には行けなかったけれど、行ってたら
(´;ω;`)お金返して
と言いたくなっただろうな…。
返す返すも、残念感たっぷりのゲームだった。

【J2第22節】京都サンガF.C. 2-4 大宮アルディージャ

京都サンガF.C. 2-4 大宮アルディージャ
日時:2020年9月26日(土)18:33KO
会場:京都府立京都スタジアム “サンガS”(4,133人/曇 22.2℃ 85%)
主審:佐藤隆治
12′-京都/中川風希
15′-京都/中川風希
52′-大宮/篠塚一平 “イッペイシノヅカ”
57′-大宮/黒川淳史
76′-大宮/畑尾大翔
90+3′-大宮/奥抜侃志

■京都サンガF.C.(3-1-4-2)
GK34:若原智哉
DF46:森脇良太(90′-MF40:黒木聖仁)
DF23:ヨルディ・バイス
DF25:上夷克典
MF10:庄司悦大
MF2:飯田貴敬
MF11:曽根田穣(79′-MF32:上月壮一郎)
MF22:谷内田哲平(56′-MF31:福岡慎平)
MF5:黒木恭平
FW14:中川風希(79′-MF8:荒木大吾)
FW9:ピーター・マドゥアブチ・ウタカ(56′-MF41:金久保順)

■大宮アルディージャ(3-4-2-1)
GK40:フィリップ・クリャイッチ
DF50:畑尾大翔
DF24:西村慧祐
DF4:ヴィターリス・マクシメンコ(46′-DF13:渡部大輔)
MF18:篠塚一平 “イッペイシノヅカ”
MF41:小野雅史(46′-MF7:三門雄大)
MF6:河面旺成
MF26:小島幹敏(46′-MF11:奥抜侃志)
MF10:黒川淳史(90′-FW28:富山貴光)
FW19:アブドゥラーヒム・ラーヤブ “イバ”(46′-MF9:菊地俊介)

高木琢也コーチ(大宮)
「なかなか結果が出ていない状況だが、『勝利を味を忘れるな』と言い続けてきた。
そんな中で、ホームでいままで負けていない京都さんに、0-2からひっくり返すことができたのは本当に大きい。
勝因?
ひとつ挙げられるのは、後半、選手を代えて長いボールを効果的に使えたことだと思う」

實好礼忠コーチ(京都)
「ん〜……、すごく残念ですし、相手の後半の圧力が来るのはわかっているのに、こんな展開をしてしまって…。
反省してます。
大宮のゲームプランは把握していたんですけど…。
ん〜…、後半の入り、後ろを重くしたということはなかったんですが、結果的に受けに回るようになってしまった。
残念なゲームでした。
いまロッカーで、選手はみんないろんな思いをぶちまけていました。
しっかり切り替えて、次戦に向けて勝ち点3を取る準備をしていきたいです」

0トップに死す

ま、前半の大宮が運動量すくなすぎたよな〜。
イバを下げて菊地を入れて、菊地が前線のいろんなところに顔を出して、ボールを収めるように。
また、京都が一番苦手とする、前線からのハイプレスを敢行されて、展開は一変した。
逆に、京都はウタカを下げ、前線でボールを収め、時間をつくれる選手がいなくなった時点で詰んでしまった。

致命的だったのは、ミスによる同点ゴール被弾。
1失点後、あまりに早く同点にされたことで、大宮は勇気づき、京都はメンタルコントロールが難しくなってしまった。
ただ、それ以上に、きょうの敗戦に関してはベンチワークのミスが大きかったと思う。

まず、本職FWをベンチに入れていなかったこと。
ウタカを下げて金久保、中川を下げて荒木。
本来中盤が本職の2人は、前線で身体を張れるタイプでもなく、ゴール感覚に優れているわけでもない。
どうしても1点が必要な展開で、点取り屋が交代カードにないのは痛かった。

第二に、4-4-2のシステムチェンジが空転したこと。
バイスを上げた4バックに切り替えたものの、苦笑してしまうほど機能しなかった。
攻撃ではボールをまったく前に運べなくなり、守備は崩壊。
結果、4失点で終わったけれども、それ以外にも決定機を多数創出されていた。
後半、ゴール前で奥抜にワンフェイクで突破を許したり精彩を欠いていた庄司が、ピッチに残り続けたのも謎。
最後の交代、森脇→黒木に意味があったかも含め、交代カードを切るたびに、状況が悪化していた感があった。

シーズンにはこんな日があるとはいえ、大宮が11連戦中、ここのところ調子がよくないことを考えれば、めちゃくちゃもったいないゲーム。
昇格できるチームは、こういう試合は落とさないんだよなぁ……う〜む。

【J2第21節】京都サンガF.C. 3-2 栃木SC

京都サンガF.C. 3-2 栃木SC
日時:2020年9月23日(水)18:33KO
会場:京都府立京都スタジアム “サンガS”(1,797人/曇 23.9℃ 67%)
主審:世界の西村雄一
31′-栃木/明本考浩
43′-京都/ピーター・マドゥアブチ・ウタカ(←野田)
76′-京都/福岡慎平(←谷内田)
80′-京都/ピーター・マドゥアブチ・ウタカ(pen.)
89′-栃木/柳育崇

■京都サンガF.C.(3-1-4-2)
GK34:若原智哉
DF25:上夷克典
DF23:ヨルディ・バイス
DF6:本多勇喜(87′-DF46:森脇良太)
MF10:庄司悦大
MF2:飯田貴敬(87′-MF32:上月壮一郎)
MF31:福岡慎平
MF22:谷内田哲平(77′-MF24:川﨑颯太)
MF5:黒木恭平
FW18:野田隆之介(61′-MF8:荒木大吾)
FW9:ピーター・マドゥアブチ・ウタカ(87′-MF17:ジュニオール・シウヴァ・フェレイラ “ジュニーニョ”)

■栃木SC(4-2-2-2)
GK1:川田修平
DF15:溝渕雄志
DF4:髙杉亮太(79′-DF23:柳育崇)
DF30:田代雅也
DF6:瀬川和樹
MF25:佐藤祥(86′-MF5:岩間雄大)
MF14:西谷優希(86′-MF13:ウ・サンホ)
MF17:山本廉
MF19:大島康樹(57′-FW34:有馬幸太郎)
FW9:エスクデロ競飛王(57′-FW29:矢野貴章)
FW8:明本考浩

福岡慎平選手(京都)
「なかなかゴールを決められていなかった中で、ようやくチームの勝利に貢献できてうれしいです。
ヤッチー(谷内田)とは、練習からいいコンビでできていて。
後半も、ふたりのコンビで崩そうと話していたんです。
ヤッチーからいいボールが来て、ホント偶然なんですけど、いい感じでボールが当たってくれました。
(昨シーズン、チームメイトだったエスクデロ競飛王について)セルくんとはメールでも『バチバチやろうね』と言っていました。
相手にいると嫌だし、リスペクトできる選手です。
いまは攻撃でも守備でもチーム全体で連動できていると思います。
これからも勝ちつづていきたいですね」

實好礼忠コーチ(京都)
「いや〜、ホント〜、相手の激しいプレスを冷静に対応できた結果だと思います。
ウタカのゴールは〜もう〜、実力通りというか〜。
谷内田・慎平のところもゴールに向かってくれて、いいプレイでした。
きょうのゲームは、冷静に戦おうという部分、しっかりゴールに向かおうという部分、両方できましたね。
シーズン前半戦を振り返ると、もっともっとできたなという思いがあります。
その『できたな』という部分を、後半戦は上積みしていきたいです。
引き続き強度の高いトレーニングをして、ゲームに出していきたいなぁ〜と」

田坂和昭コーチ(栃木)
「いま把握している敗因は『ウタカを抑えられなかった』ということ。
相手が攻めているところのカウンターというのはわれわれが狙っていたところで、うまく先制点が取れた。
結果的には負けましたけれど、選手たちはしっかりと戦ってくれた。
シーズン前半戦、われわれがやるべきハードワークができつつあると思う。
残りの試合は精度を上げて、前半戦以上の勝ち点を上げていきたい」

18歳からハタチへと

未来が広がる決勝ゴール!!
ゲーム内容的に停滞しててドロー感が漂っていただけに、18歳と20歳のインサイドハーフコンビが素晴らしい結果をもたらしてくれた。

きょうの京都の攻撃、サイドのレーンでの組み立てはある程度うまいいっていた。
ただ、サイドへサイドへと「逃げていた」と言える面もあった。
中央でのくさびのパスは1本は入るけれども、そこからダイレクトのパス交換で突破しようとしても、パスの出し手・受け手の息が合わない場面がしばしば。
そんな中で2点目につながったのは、谷内田がボックス内での仕掛け。
縦へのドリブルでの仕掛けが、この日のサンガの攻撃には足りていなかった「ゴールへ向かう姿勢」だった。

ゲーム後のインタビューを読むと、ウタカが若い2人に「前に仕掛けろ」と助言していた模様。
交代で入った川﨑も、相手の背後からのプレスをフィジカルで耐えきったりしていて、若い選手の成長が著しい。
上夷も最終ラインに欠かせない存在になってきたし、シーズン当初と比べて主力選手がだいぶ様変わりしてきたなと感じさせられた一戦だった。