【J2第30節】京都サンガF.C. 3-0 モンテディオ山形

京都サンガF.C. 3-0 モンテディオ山形
日時:2020年11月1日(日)14:03KO
会場:京都府立京都スタジアム “サンガS”(4,744人/曇 19.8℃ 48%)
主審:吉田哲朗
29′-京都/曽根田穣
53′-京都/ピーター・マドゥアブチ・ウタカ(右足←本多)
85′-京都/庄司悦大

■京都サンガF.C.(3-4-2-1)
GK21:清水圭介
DF16:安藤淳
DF23:ヨルディ・バイス
DF6:本多勇喜
MF31:福岡慎平(90+2′-MF8:荒木大吾)
MF24:川﨑颯太
MF10:庄司悦大
MF5:黒木恭平
MF11:曽根田穣(71′-MF41:金久保順)
MF15:仙頭啓矢(83′-FW13:宮吉拓実)
FW9:ピーター・マドゥアブチ・ウタカ(83′-FW18:野田隆之介)

■モンテディオ山形(4-2-2-2)
GK30:佐藤昭大
DF4:三鬼海
DF23:熊本雄太
DF5:野田裕喜
DF19:松本怜大
MF7:岡﨑建哉(83′-MF8:小松駿太)
MF17:中村駿
MF40:渡邊凌磨(77′-FW16:北川柊斗)
MF20:加藤大樹(64′-MF50:前川大河)
FW18:南秀仁(77′-MF25:末吉塁)
FW9:ヴィニシウス・ヴァスコンセロス・アラウージョ(65′-FW13:大槻周平)

曽根田穣選手(京都)
「この試合までに選手同士で話し合って、リスタートするという気持ちを強くして臨みました。
自分自身もいままで勝利に貢献できていないと思っていたので、きょう初ゴールが決められてホッとした思いがあります」

實好礼忠コーチ(京都)
「みんなで頑張ってきたことが結果につながってうれしいです。
(山形相手にやりたいことがハマった?)
うーん……、ハマったというか、みんなで粘り強く、ポジショニングも丁寧にやったからだと思います。
みんなが準備した結果の勝利ですね、はい。
ボールを持ったときにゴールを狙うこともできたし、無失点に抑えることもできました。
とにかく波があるチームなんで、波をなくせるように…。
きょうのようなゲームを引き続きできるように準備をしていきたいですね」

石丸清隆コーチ(山形)
「完敗です。
相手の間延びしたサッカーに付き合ってしまった。
自分たちの距離感が作れず走らされてしまったし、ディフェンスラインも低くなってしまった。
相手のやりたいことをやらせたというのが正直な感想。
今シーズン、いままでで一番悪いゲームだと思う」

石丸さんにシーズンダブル

石丸さん的フットボール――きれいな2ラインを敷いた4-4-2を久しぶりに見たな、懐かしや。
そして善戦しても負けてしまうという結果も懐かし(白目

試合序盤は山形にややペースを握られていた。
山形はディフェンスラインを押し上げ、京都最終ラインのボール保持に対してもFWがダッシュでプレスをかける。
一方、京都は、ウイングバックが福岡&黒木のペアだったこともあって、サイドで縦に行く仕掛けは見られない。
前線の3人が孤立気味で、そこで溜めて時間を作ってくれないと、すぐ山形にボールを奪われてしまうシーンもあったのだ。

そんな中できょうのキーマンは仙頭と川﨑くんかなと。

まず左サイドでよい起点となれていたのが、金髪立ち上げヘアで“ヤカラ”っぽくなってた仙頭(センターパートの韓国っぽい風貌はどこ行った…)。
プレイでも危険な存在であり続け、曽根田のゴールをアシスト。
この先制点で、試合開始からの山形の勢いを抑えることができたと思う。
また、川﨑くんは「庄司の上位互換」と言ってもいいぐらいの、プレッシング強度、前へのパス能力を見せてくれた。
庄司の今季初シュートが決まったのも、川﨑がいることで後ろのケアが任せられるため、積極的に前に出られたのじゃないかな。

石丸さんが試合後に振り返っていたように、
「京都の選手たちは距離感が(意識的に)間延びしている」
と分析していたけど、確かに今季の京都はそんなサッカー。
しかし、きょうのようにウタカが休養十分で足元にボールが収まる状況で、ダブルボランチを敷いて中盤の守備に強度が加われば、そう悪くないサッカーが展開できることがわかった。
だからこそ返す返すも、ウタカをターンオーバーさせず、庄司1アンカーに固執した時期が長かったのは残念だ。

【J2第29節】FC琉球 2-1 京都サンガF.C.

FC琉球 2-1 京都サンガF.C.
日時:2020年10月25日(日)18:33KO
会場:沖縄県総合運動公園 陸上競技場 “タピスタ”(1,442人/晴 23.6℃ 43%)
4′-京都/仙頭啓矢
47′-琉球/風間宏矢
67′-琉球/阿部拓馬

■FC琉球(4-2-3-1)
GK1:ダニー・ガブリエル・カルバハル・ロドリゲス
DF38:上原牧人
DF9:リ・ヨンジ
DF15:知念哲矢
DF14:沼田圭悟
MF20:上里一将
MF6:風間宏希(85′-MF29:市丸瑞希)
MF8:風間宏矢(84′-MF27:茂木駿佑)
MF28:小泉佳穂(46′-MF23:池田廉)
MF13:河合秀人
FW16:阿部拓馬

■京都サンガF.C.(3-4-2-1)
GK21:清水圭介
DF2:飯田貴敬
DF6:本多勇喜
DF16:安藤淳
MF32:上月壮一郎(73′-FW18:野田隆之介)
MF24:川﨑颯太(73′-MF10:庄司悦大)
MF31:福岡慎平
MF28:冨田康平(85′-DF5:黒木恭平)
MF15:仙頭啓矢(85′-FW13:宮吉拓実)
MF22:谷内田哲平(68′-MF11:曽根田穣)
FW9:ピーター・マドゥアブチ・ウタカ

樋口靖洋コーチ(琉球)
「選手たちは非常にアグレッシブに戦ってくれた。
京都のストロングであるウタカ選手、彼をどう抑えるか、彼にたいしてボールを入れさせないか。
それををやり通すことができたと思う。
確かに失点はやってはいけない単純なミスだった。
ハーフタイムには、『われわれは負けているのだからボールを奪いに行こう、前から取りに行こう』と選手に伝えた」

實好礼忠コーチ(京都)
「いい形では入れたんですけど……ホント……。
サポーターの方が来てくれている中で、いい戦いを見せられず残念です。
先制点?
うーん、記憶に飛んでいる状況です。
なんか……後半の立ち上がり……、集中力のところが足りなかった。
落ち着いてゲームを運びたかったのに、イライラしちゃったりしてしまいましたね。
『次へ』という言葉を、今シーズン何回も発してはいるんですが…。
次こそ勝ち点3を取り続けること、勝ち続けることをしていきたい」

「なぜ君はトップチームの監督になれないのか」

前節勝利したいい流れで、早い段階で先制点を奪っておきながら…。
本当にもったいない試合だった。
後悔することが、2つほど。
まず飯田の使い方。
前回対戦で琉球の沼田を“チンチン”にしていたけれど、バイス、エビちゃんの負傷でセンターバックで使ってしまった。
麻田選手を右で使ったこともあるし、なぜ琉球を“楽”にさせてしまったのか?
ちょっと疑問が残るスタメン配置だった。

あとは同点にされたあとの、選手交代の遅さ。
プレスの出足も遅くなり、中盤を支配されてしまった中で、もう少し早めに手を打てなかったか。
今シーズン同様なことが多いのだが、流れが悪くなったときに采配で対応できたことがない。
ピッチ上の状況に応じて選手を代えるなり、配置を代えるなりの手を早く打ってほしいところだ。
ただ、實好さんが、トップコーチというより育成コーチ向きなのかな…と、思いはじめてる自分もいる。

【J2第28節】京都サンガF.C.1-0ギラヴァンツ北九州

京都サンガF.C.1-0ギラヴァンツ北九州
日時:2020年10月21日(水)18:33KO
会場:京都府立京都スタジアム “サンガS”(2,138人/晴 19.1℃ 54%)
主審:佐藤隆治
21′-京都/仙頭啓矢(右足←ウタカ)

■京都サンガF.C.(3-4-2-1)
GK21:清水圭介
DF25:上夷克典(6′-DF16:安藤淳)
DF23:ヨルディ・バイス(57′-MF32:上月壮一郎)
DF6:本多勇喜
MF2:飯田貴敬
MF24:川﨑颯太
MF31:福岡慎平(90+2′-MF10:庄司悦大)
MF28:冨田康平
MF11:曽根田穣(90+2′-FW13:宮吉拓実)
MF15:仙頭啓矢(90+2′-MF22:谷内田哲平)
FW9:ピーター・マドゥアブチ・ウタカ

■ギラヴァンツ北九州(4-2-2-2)
GK31:永井堅梧
DF22:藤原奏哉(85′-MF26:斧澤隼輝)
DF6:岡村和哉
DF16:村松航太
DF3:福森健太
MF25:國分伸太郎(76′-MF19:永野雄大)
MF4:川上竜(46′-MF17:加藤弘堅)
MF10:髙橋大悟
MF14:新垣貴之(46′-MF39:椿直起)
FW18:町野修斗(62′-FW28:鈴木国友)
FW9:ディサロ燦シルヴァーノ

試合後小林伸二氏が「あれ、オフサイドだったでしょ〜」がウタカにしつこく突っ込んでいる(想像)

仙頭啓矢選手(京都)
「前日にウタが『アシストするよ』と言ってくれて、有限実行してくれましたね。
いいボールを出してくれたので、決めるだけでした。
きょうの勝利は、チーム全員が最後まで足を止めず、ハードワークした結果。
とにかく、昇格するには勝ち点3が必要になってきます。
流れを変えて、残りの試合を全部勝つつもりでやっていきたいです」

實好礼忠コーチ(京都)
「ダブルボランチにした狙いは、いい守備からいい攻撃に……という狙いでした。
最終ラインで2度アクシデントはありましたが、前からいく守備/いかない守備、使い分けができたし、ポジショニングも細かいところまで丁寧にやってくれたと思います。
若い選手の活躍?
そうですねー、チームとして自信になる勝利です。
上を目指して、努力してステップアップしていきたいです」

小林伸二コーチ(北九州)
「(得点となった仙頭へのパスについて)びっくりです。
あのタイミングで、ああいったふうに(選手は)出られないと思います。
われわれは高いライン、ハイプレスのサッカーをやっているので、判断がああいったことになると、怖がってラインを下げちゃうんですね。
審判団もちゃんと見ておられるとは信じたいですが、(あのジャッジは)ないと思います。
ハーフタイムには、『時間が残っているので、点をとって抗議しよう』と話したんですが、残念ながらゴールを取れなかった。
93年Jリーグが始まったときと同じだと思いますが、(審判のジャッジ能力とともに)われわれもしっかりオフサイドが取れるように、しっかりと成長しなければならない」

佐藤隆治氏の罪滅ぼし

小林伸二さんがゲーム後のフラッシュインタビューで、遠回しながらも念入りにジャッジ批判。
たしかに、仙頭のゴールはオフサイドラインギリギリの飛び出しだった。
ただ、この主審に我々は何度も泣かされてきてるんです(苦笑)。
ときには恩恵を受けることがあってもええやん、ということで。

この日の京都は、中盤「1アンカー+2センターハーフ」から「2ボランチ」の構成に変更。
それにともなって、前線はウタカのワントップに2シャドー。
そして左ウイングバックは冨田が今季初先発と、かなりいじってきた。

若いボランチコンビは、ミスもあったけれど、いい縦パスや前線への飛び出しがあった。
彼ら3列目からの攻め上がりが、攻撃に厚みを与えていたと思う。
冨田選手も頻繁に縦への突破を試み、アグレッシブだった。
試合途中、上夷、バイスが負傷交代で3回めの選手交代が試合終了直前にならざるをえなかったが、それさえなければもう少し楽に試合を終えられたと思う。

このシステムで、ウタカが引いたところを2シャドーや2ボランチが飛び出すような攻撃ができるようになったら、相手にとって脅威を与えられるだろう。
3バックなら当面1アンカーは封印で、きょうのやり方を熟成していってほしいと思ったゲームだった。

【J2第27節】京都サンガF.C. 0-1 レノファ山口FC

京都サンガF.C. 0-1 レノファ山口FC
日時:2020年10月18日(日)14:03KO
会場:京都府立京都スタジアム “サンガS”(4,079人/晴 21.9℃ 45%)
主審:松本大 “マネックス別人”
41′-山口/菊地光将

■京都サンガF.C.(3-1-4-2)
GK21:清水圭介
DF25:上夷克典
DF23:ヨルディ・バイス
DF6:本多勇喜(81′-MF31:福岡慎平)
MF10:庄司悦大
MF2:飯田貴敬
MF11:曽根田穣(60′-MF14:中川風希)
MF22:谷内田哲平(46′-MF15:仙頭啓矢)
MF5:黒木恭平
FW13:宮吉拓実(60′-FW18:野田隆之介)
FW9:ピーター・マドゥアブチ・ウタカ

■レノファ山口FC(4-2-1-3)
GK33:山田元気
DF29:田中陸
DF30:ヘニキ・ルイス・ヂ・アンドラーデ
DF2:菊地光将(77′-MF41:武岡優斗)
DF24:安在和樹
MF3:ヘナン・ドス・サントス・パイシャオ
MF6:高宇洋
MF10:池上丈二(90+4′-DF4:サンドロ・シウヴァ・ヂ・ソウザ)
FW16:浮田健誠(77′-FW18:小松蓮)
FW9:イウリ・リーリオ・フレイタス・ヂ・カスティーリョ
FW11:高井和馬(77′-FW7:田中パウロ淳一)

實好礼忠コーチ(京都)
「選手たちは立ち上がりから攻守にアグレッシブに、最後まで“関わってくれた”と思います。
攻撃的にできてはいたので……、違う変化をつけて、選手を代えてシステム変更もしたんですが……。
でも苦しかった試合を、みんなしっかりと戦ってくれていました。
次に試合に向けては、引き続きというか(苦笑)……。
しっかり顔を上げてやっていこうと選手たちには話しました。
そうした意識のもとでやっていきたいです」

霜田正浩コーチ(山口)
「京都の圧力は強かったが、耐え続けることができた。
きょうの試合に向けて選手たちに言っていたのは、予測と準備。
個のチカラがある京都に対して、しっかりと予測をして守り切れたと思います」

八方塞がり

いやぁ……、さすがにキツすぎる結果だなー。
ゲーム開始早々は、悪くなかったんですよ。
・宮吉、曽根田という運動量が多く、守備に献身的な選手を先発で使ったこと。
・山口の2CB+2ボランチを、京都の2トップ+2インサイドハーフでケアできていたこと。
・全体的に「最初から飛ばしていこう」という雰囲気があったこと。
これら3点のおかげで、前からボールを奪うシーンも多かった。
しかし、庄司のもったいないファウル(数的に有利でありながら、無理なチャージ)で与えたセットプレイから失点してしまい、良い流れが切れてしまった。

その後、シュートまで行くシーンもあったものの、攻撃の精度が……。
バイタルエリアでワンツーは、悲しいぐらいパスの出し手と受け手の息が合わない。
ラストパス、クロスもアバウトさがあったうえに、ニア、ファーで待つなど選手の位置取りが整理されていない。
山口は失点がJ2ワースト(47失点)のチーム。
その相手に、ホームで1ゴールも奪えないとなると、京都の攻撃のやり方がマズいと判断せざるをえない。

守備でもゲーム開始直後のような前へのプレスは徐々に空転し、山口のウイングに起点をつくられていた。
こうなると今の京都のやり方――5バックでのリトリートだと、“ボールを奪いどころ”がどうしても低くなる。
飯田が最終ラインでボールを受けて、山口の選手が前にいるため、ピッチ中央に向けてドリブルすることが最近多いけど、いつかそこからミスしそうで怖いよね。

今シーズンの京都は、「バイス-庄司-ウタカ」のセンターラインを“命題”として、そこに合った選手は誰か?という答えを探し続けているようだ。
ウタカの相棒と、インサイドハーフ2枚の先発を毎試合毎試合代えているけど、結局誰にしてもうまくハマってないということ。
27節をへて、結局最適解が見つからないなら、“命題”の設定が間違っていると考えないとな。
また選手起用同様、攻撃時3バック・守備時5バックのシステムが今の選手層に合っているのかも再考したい。
3バックはベースとして、守備時は黒木が左サイドバックに入って3CBが右にスライドして4バック化するなども考えられるだろう。
ウタカがサイドに流れてパス回しに参加するため、アタッキングサードの局面でペナの外にずっといたりするのも、ゴールを奪えない原因のひとつかもしれない。
ならば、ウタカを真ん中にいさせるために、ウイングを置いた3トップも検討の価値はあるだろう。

とにかく、サッカーのやり方を変えず、FW1人インサイドハーフ2人を入れ替えて「変化を出そう」としても、何も変えられていないのだ。
「アグレッシブに」「上を向いてやるしかない」という思考停止に陥るのではなく、もっと自己否定して自己変革をしなくては!と、あらためて思わされた。
ここ数節、とにかく無策すぎる。

【J2第26節】FC町田ゼルビア 3-0 京都サンガF.C.

FC町田ゼルビア 3-0 京都サンガF.C.
日時:2020年10月14日(水)19:03KO
会場:東京都町田市立陸上競技場 “Gスタ”
主審:榎本一慶
4′-町田/オウンゴール(庄司)
48′-町田/髙江麗央
90′-町田/平戸太貴

■FC町田ゼルビア(4-2-2-2)
GK1:秋元陽太
DF23:酒井隆介(87′-DF22:小田逸稀)
DF5:深津康太
DF4:水本4億円
DF2:奥山政幸
MF18:髙江麗央(90+6′-MF29:森村昂太)
MF25:佐野海舟
MF14:吉尾海夏(75′-FW13:岡田優希)
MF8:ジョン・チュングン(75′-FW7:アレン・マソヴィッチ)
FW16:安藤瑞季(87′-FW30:中島裕希)
FW10:平戸太貴

■京都サンガF.C.(3-1-4-2)
GK34:若原智哉
DF46:森脇良太
DF23:ヨルディ・バイス
DF16:安藤淳
MF10:庄司悦大(46′-MF31:福岡慎平)
MF2:飯田貴敬
MF15:仙頭啓矢(77′-MF14:中川風希)
MF41:金久保順(46′-MF22:谷内田哲平)
MF5:黒木恭平
FW20:李忠成(59′-FW18:野田隆之介)
FW9:ピーター・マドゥアブチ・ウタカ(83′-FW13:宮吉拓実)

ランコ・ポポヴィッチ・コーチ(町田)
「前節、金沢戦の後半で出したアグレッシブさがあれば、きょうはイケると思っていたよ。
それにプラスして、選手たちは賢さ、したかさを見せてくれた。
まるで、 いまヨーロッパで展開されているサッカーのようだったね。
われわれ町田の強みはコレクティブに、チーム全体で戦うことなんだ」

實好礼忠コーチ(京都)
「うーーーーん……、きょうのの試合は……分析できない状況です。
……細かいところというよりは、『戦えなかった』……そのひとことです。
(ハーフタイムで2人を交代させたが?)
1点を追いかける……というよりは、いろんなところがあって……。
チームを『戦う』方向に持っていければと思いました。
(修正すべきはメンタル面か?)
うーーん、メンタル……。
みんな、やろうとはしている。
……ただ、体が動かない。
体が動くように、僕自身も策を練らないといけないです。
(久しぶりの宮吉選手について)
たくさんのアクションをしてくれて、前線でひっぱろうという宮吉らしさは出してくれたと思います」

下降線の一途

うん…そうだね…。
試合後、實好さんの落胆ぶりもわかるほどの内容だった。
たしかにここ数戦、チームは下降線だった。
でも、中位チーム相手ならなんとか戦えるだろうと思っていたのだ。
しかし現実は、攻撃ではシュートにまで持っていくことができず、守備では相手にプレスにミス連発。
26節でやっているサッカーがコレでは、今後「伸びしろ」をまったく感じない。
キツイ。

うまくいかない中で京都がやっている策といえば、ウタカの相手と、インサイドハーフの選手を次々と代えているだけ。
特にインサイドハーフは、例えば谷内田が入ればバイタルでのボールキープ、金久保が入ればフォーワードが下がったスペースへの抜け出し。
選手によって、やっていることが違う。
チームとしてやりたいことがまとまっておらず、結局は個人任せになってしまっていると感じてしまうのだ。
低い位置でボールを奪っても、昨シーズンあったような、最終ラインからボールを運ぶ「チームとしての決め事」もはっきりと見えない。

戦力は他チームに対して、大きく劣っているとは思わない。
ということはつまり、いままで作り上げてきたサッカーが今季のJ2において通用しない「失敗作」……だったのかなって。
このままバイス-庄司-ウタカが軸の「5-3-2」を続けるなら、自軍の戦力を過信し相手の戦力を読みきれなかった旧日本軍のよう。
ここからチームを大きく作り変えることも難しいだろうし、それならば、同じポジションでベテランを使うより、若手をなるべく使って来季以降に繋げることなのかなと。
――そう覚悟を決めさせれた一戦だった。