【J2第35節】京都サンガF.C. 2-0 徳島ヴォルティス

京都サンガF.C. 2-0 徳島ヴォルティス
日時:2020年11月21日(土)14:03KO
会場:京都府立京都スタジアム “サンガS”(8,589人/晴 14.1℃ 50%)
主審:東城穣
30′-京都/仙頭啓矢(右足←庄司)
57′-京都/ピーター・マドゥアブチ・ウタカ(右足←仙頭)

■京都サンガF.C.(3-4-2-1)
GK21:清水圭介
DF16:安藤淳
DF23:ヨルディ・バイス
DF6:本多勇喜
MF2:飯田貴敬
MF31:福岡慎平(90′-FW18:野田隆之介)
MF10:庄司悦大
MF28:冨田康平
MF8:荒木大吾(46′-MF11:曽根田穣)
MF15:仙頭啓矢(90′-MF24:川﨑颯太)
FW9:ピーター・マドゥアブチ・ウタカ(90′-FW13:宮吉拓実)

■徳島ヴォルティス(3-4-2-1)
GK21:上福元直人
DF20:福岡将太
DF6:内田航平(46′-DF2:田向泰輝)
DF5:石井秀典(83′-FW14:押谷祐樹)
MF22:藤田征也
MF8:岩尾憲
MF7:小西雄大(83′-MF23:鈴木徳真)
MF24:西谷和希
FW13:清武功暉(63′-FW18:佐藤晃大)
FW45:杉森考起
FW19:垣田裕暉(63′-FW9:河田篤秀)

うれしはずかし勝ち点3

ドン引きショートカウンター狙いで、首尾よく2ゴールをゲット。
守っても、引いてスペースを潰しておいて、前節水戸にやられたような最終ライン裏へのパスを遮断した。
完全に“割り切った”ことが勝利の要因だろう。
試合感覚が1週空いたことで、ウタカが比較的守備に奔走してくれたことも守備陣にとっては助かったはずだ。
ただ、徳島がポゼッションにこだわってくれたから守りきれた、とも言え、相手が違うタイプならばまた守備が崩壊する可能性もなきにしもあらず。
この白星がシーズン最終盤の勢いに繋げられるかどうかは、次節の戦いぶりを確かめてからにしたほうが良さそうだ。

……で、11月も後半なわけで、早くも来シーズンの話題が。
一部報道によれば、チョウ・キジェさん来季指揮官にオファーしているとか。
となると、きょうのサッカーはチョウ・キジェさんのサッカーとは真逆の方向性のものだなぁ……とちょっと思ってしまうよな。

【J2第34節】水戸ホーリーホック 2-1 京都サンガF.C.

水戸ホーリーホック 2-1 京都サンガF.C.
日時:2020年11月15日(日)14:03KO
会場:茨城県水戸市立競技場 “Kスタ”(2,678人/晴 17.7℃ 34%)
主審:中村太
12′-京都/仙頭啓矢(右足)
48′-水戸/深堀隼平
58′-水戸/深堀隼平

■水戸ホーリーホック(4-2-2-2)
GK21:牲川歩見
DF3:前嶋洋太
DF2:住吉ジェラニレショーン
DF4:ンドカ・ボニフェイス
DF23:外山凌
MF25:平塚悠知
MF8:安東輝(68′-DF24:細川淳矢)
MF7:山田康太(76′-MF20:森勇人)
MF10:山口一真(76′-MF27:松崎快)
FW15:奥田晃也(90+3′-FW48:アレフ・シウヴァ・メロ “アレフ・ピットブル”)
FW18:深堀隼平(68′-MF6:平野佑一)

■京都サンガF.C.(4-2-2-2)
GK21:清水圭介
DF2:飯田貴敬
DF23:ヨルディ・バイス
DF16:安藤淳
DF5:黒木恭平(62′-DF6:本多勇喜)
MF31:福岡慎平(81′-FW18:野田隆之介)
MF24:川﨑颯太(62′-MF10:庄司悦大)
MF11:曽根田穣(62′-MF22:谷内田哲平)
MF15:仙頭啓矢
FW13:宮吉拓実(62′-MF8:荒木大吾)
FW9:ピーター・マドゥアブチ・ウタカ

深堀隼平選手(水戸)
「1点目は自分が中に入るタイミングがわかりやすかったですね。
体のどこかに当たれ、と思って飛び込みました。
2点目は、相手ディフェンスの選手が全員ボールウォッチャーになっていたので…。
ぼくの動きに(京都の選手の)目が外れたすきにファーに逃げて、クロスを誘うことができたと思います」

秋葉忠宏コーチ(水戸)
「ホームの皆さん、おまたせしました。
おまたせしすぎたかもしれません。
皆さんとの一体感、これが勝利につながったと思います。
シーズンもこの時期になって、いろんなことを考えて試したい頃です。
ですから京都さんがどういうシステム、戦い方で来ても対応できるように準備をしてきました。
(ハーフタイムで奥田と山口を入れ替えるなど手を打ったが?)
われわれの選手たちはいろんなポジションができて、いろんな武器を持ってます。
ゴールを奪うために、どう武器を組み合わせればいいか、最適解を探した結果です。
(攻守の切り替えも早くなった?)
エスパルスさんの最近の試合を見ていて思ったんですが、ボールへの執着、2度3度追う、どうやってもボールを取るんだということは、身体ひとつとメンタリティでできること。
自分たちでもできるんじゃないかと話していたので、それをホームで選手たちが体現してくれたのはナイスですね」

實好礼忠コーチ(京都)
「入りも良くて、狙い通りボールを動かして、得点ができたので、前半はいいサッカーができたと思います。
ウタカには下がったり流動的にやってくれと言ってました。
後半、得点を取りに行かなければいけないということで、3バックにしましたが、うーん、まぁ……。
システムを変えて、ウタカに前にどっしり構えさせたのですが……。
返す返すも前半は良かったので、後半アタマに締めて入れればなぁ、と思いました。
ゴールに向かう気持ちを常に持ちながら、あしたから……あしたはオフか……あさってからトレーニングをしていけば、いつかゴールをこじ開けることもできると信じています」

「勝点を失っても失っても 生きていくしかないんです どんなに打ちのめされようとも」

2連勝からの〜、3連敗……うーん。
今シーズンは構築してきた戦術が「大凶作」だった、という思いを強くした一戦だった。
特に、守備戦術。
相手にボールを持たれるとディレイ優先、5バック化優先の“癖”がついて、ボールホルダーへの前からのプレッシングが弱弱なんだな、これが。
試合終了間際、水戸の選手が2トップ+中盤の選手で前から追っていたのとは対照的。

きょうは4バックだったものの、プレスが甘いため、後半最初のように相手にボールを握られる時間帯になるとリズムを取り戻せないのは、今シーズン何度も見た光景(白目
そして、ダイレクトでの裏への“浮き玉パス”に翻弄され、しだいにマークを見失っていく。
このへんは、水戸の選手は「相手最終ラインの崩し方」でいくつかパターンを持っているな、と感じさせられた。
2失点はどちらも最終ラインの人数は水戸の選手たちより多かったにも関わらず、グラウンダーのクロスでやられてしまったもの。

後ろに引いたポジショニングを取るのは、攻撃時ウタカの前にスペースを開けておきたいからだろうけど、いかんせんカウンターが発動することはめったにない。
試合後の實好さんのインタビューを聞いていても、「永遠にできないことを、いつかできると信じて、やり続けるしかない」と考えている空気が感じられた。
まるで、サグラダファミリア。

昨シーズンのポジショナルプレー、ボールの位置を起点として、ピッチ上の選手たちが正しいポジショニングを取るサッカーからは、ずいぶん劣化してしまった。
成績でも内容でも昨シーズンを下回させている首脳陣の罪は大きい。
今シーズンのやり方では、昨今のJ2では通用しない。
他のチームは、もっと志の高いサッカーを展開している。
契約期間が未公表のため続投するかはわからないが、もしそうなったとしても、選手編成含めて、今シーズンのサッカーの“否定”から始めてほしい、と思ったのだった。
そのためにも、今から来シーズンの“種まき”を始めておいたほうがよい。
“田植え”(=新シーズン開幕)の前に、田起こし、種籾の選別が大切。
ま、實好さんには「天穂のサクナヒメ」でもやって、気分転換してほしいな!

【J2第33節】京都サンガF.C. 1-2 東京ヴェルディ

京都サンガF.C.1922 1-2 東京ヴェルディ1969
日時:2020年11月11日(水)19:03KO
会場:京都府立京都スタジアム “サンガS”(1,926人/晴 8.1℃ 75%)
主審:谷本涼
51′-東V/山下諒也
55′-京都/ピーター・マドゥアブチ・ウタカ(右足←宮吉)
89′-東V/井出遥也

■京都サンガF.C.1922(4-2-2-2)
GK21:清水圭介
DF31:福岡慎平(90′-DF2:飯田貴敬)
DF23:ヨルディ・バイス
DF6:本多勇喜
DF5:黒木恭平
MF10:庄司悦大
MF24:川﨑颯太
MF15:仙頭啓矢(90′-FW18:野田隆之介)
MF8:荒木大吾(65′-MF11:曽根田穣)
FW13:宮吉拓実(65′-MF22:谷内田哲平)
FW9:ピーター・マドゥアブチ・ウタカ

■東京ヴェルディ1969
GK31:マテウス・カルデイラ・ヴィドット・ヂ・オリヴェイラ
DF2:若狭大志
DF6:高橋祥平
DF5:平智広
DF16:福村貴幸(83′-MF14:森田晃樹)
MF36:藤田譲瑠チマ
MF9:佐藤優平(71′-MF33:松橋優安)
MF11:井出遥也
FW19:小池純輝(71′-MF21:山本理仁)
FW25:端戸仁(90+2′-DF3:近藤直也)
FW20:井上潮音(46′-FW48:山下諒也)

實好礼忠コーチ(京都)
「スタートから4バックは今シーズン初だったんですけど……。
今までの距離感などが違う中で、選手たちはよくやってくれたと思います。
4バックにしたのは、前から守備の人数をかけたかったということがひとつ。
また攻撃面ではビルドアップで人が重なるところがあったので、そこを修正したかったというのもあります。
みんなが隙がなくやってくれていたんですが……。
うーん、ただ僕自身が選手交代でギアをあげられたらな、とは思いましたね」

永井秀樹コーチ(東V)
「いままでもハードワークをして良いサッカーをしていた。
ただ、サッカーの神様が笑顔を向けてくれなかったのが、やっと…だね。
相手が後ろが4枚であろうと5枚であろうと、われわれは崩す形は持っている」

【J2第32節】栃木SC 1-0 京都サンガF.C.

栃木SC 1-0 京都サンガF.C.
日時:2020年11月8日(日)14:03KO
会場:栃木県グリーンスタジアム(2,548人/晴 19.1℃ 75%)
主審:鶴岡将樹
66′-栃木/明本考浩

■栃木SC(4-2-2-2)
GK1:川田修平
DF33:黒﨑隼人
DF23:柳育崇
DF30:田代雅也
DF15:溝渕雄志(75′-DF6:瀬川和樹)
MF25:佐藤祥(84′-MF5:岩間雄大)
MF14:西谷優希
FW19:大島康樹(75′-MF17:山本廉)
MF18:森俊貴
FW9:エスクデロ競飛王(65′-FW16:榊翔太)
FW8:明本考浩(84′-FW29:矢野貴章)

■京都サンガF.C.(3-4-2-1)
GK21:清水圭介
DF16:安藤淳
DF23:ヨルディ・バイス
DF6:本多勇喜
MF2:飯田貴敬(90′-FW18:野田隆之介)
MF10:庄司悦大
MF24:川﨑颯太(79′-MF31:福岡慎平)
MF5:黒木恭平(75′-MF8:荒木大吾)
MF11:曽根田穣(75′-MF22:谷内田哲平)
MF15:仙頭啓矢
FW9:ピーター・マドゥアブチ・ウタカ

田坂和昭コーチ(栃木)
「選手たちが最後、厳しい時間まで戦ってくれた。
高い位置でのプレスからのカウンターは我々の武器。
先制点もボールの奪って、素早く中に行くというわれわれのコンセプトを実現できたと思う」

實好礼忠コーチ(京都)
「しっかりとした準備をして、相手のやり方も理解していた中で……我慢強くはできました。
うーん、ボールの動かし方なんかはもっとできたという感じはありましたが……。
結果は負けましたど……、チームいいものがたくさん見えたゲームではありました。
それを共有して前を進んでいきたいですね。
交代させた選手には、特に指示というよりは、選手たちが自分のプレイを出してほしいと思って送り出しました。
(同点にするにひあ何が足りなかったか?)
……うーん、なかなかゴールが入らない部分はあります。
ただ、やっているサッカーは間違っていない。
繰り返し繰り返しトレーニングしてやっていくしかないです」

【J2第31節】京都サンガF.C. 2-1 ファジアーノ岡山

京都サンガF.C. 2-1 ファジアーノ岡山
日時:2020年11月4日(水)19:03KO
会場:京都府立京都スタジアム “サンガS”(2,307人/晴 9.6℃ 69%)
主審:田中玲匡“亜土夢兄”
53′-岡山/山本大貴
54′-京都/曽根田穣(左足←仙頭)
56′-京都/ヨルディ・バイス(左足)

■京都サンガF.C.(3-4-2-1)
GK21:清水圭介
DF16:安藤淳
DF23:ヨルディ・バイス
DF6:本多勇喜
MF2:飯田貴敬(62′-MF31:福岡慎平)
MF24:川﨑颯太
MF10:庄司悦大
MF5:黒木恭平
MF11:曽根田穣
MF15:仙頭啓矢
FW9:ピーター・マドゥアブチ・ウタカ(85′-FW18:野田隆之介)

■ファジアーノ岡山(4-2-2-2)
GK22:ポープ・ウィリアム
DF23:松木駿之介(89′-DF8:田中裕介)
DF4:濱田水輝
DF3:後藤圭太
DF41:徳元悠平
MF7:白井永地
MF14:上田康太(66′-MF26:パウロ・ホベルト・ゴンサガ “パウリーニョ”)
MF17:関戸健二(76′-MF6:喜山康平)
MF19:上門知樹
FW18:齊藤和樹(76′-MF34:デューク・カルロス)
FW15:山本大貴(66′-FW9:イ・ヨンジェ)

ヨルディ・バイス選手(京都)
「正直、内容はまったくよくなかったね。
勝利に値するプレイができたかどうか、といえば疑問が残る。
ただ、そうした日でも勝つことができるのがフットボールなんだ。
チームとしてセカンドボールを大事にしている中で、自分のパワーを生かしてゴールできて良かったよ。
半袖でプレイ?
ここはシベリアでも南極でもないじゃないか(笑)。
気温がまだ10度ぐらいあるんだから、寒さなんて気にならないさ」

實好礼忠コーチ(京都)
「我慢のする時間帯が多いゲームでした。
後半は……うーん、前半は自分たちの形がうまく出せなかったので……。
みんなで我慢して戦おうと話して、選手たちを送り出しました。
今後に向けて……うーん……、すべてを高めてはいきたいんですが……。
ただ割り切るところは割り切るしかないし、我慢する部分は我慢もして勝ち点3をとっていきたいです」

有馬 “マッケンジー” 賢二 コーチ(岡山)
「狙い通り、相手の3バックの横を崩して先制点を取ることができた。
クロスの質も、クロスへの入り方も良かったと思う。
しかし、その後の2失点が残念だった。
真ん中の“絞り”の部分でミスが出てしまったし、相手の勢いをそのまま受けてしまったことに反省が残る」

「近道なんてなかった 足掻くしかない」

横パスと手数の京都、縦パスと速攻の岡山――好対照な戦いを見せた両チーム。
前半はお互い決め手を欠いていたが、岡山の先制からゲームが一気に動く。
53分からの4分間で飛び出した3ゴール。
京都、バイスの逆転弾は。今季初めて相手のド真ん中を(強引だけど)崩したものだった。

しかし、試合後バイスと實好さんが振り返っていたように、内容面では岡山に分があったように思った。
支配率は6:4で岡山、パス数は岡山が京都の約1.5倍。
優位にゲームを運ばれてしまった要因として、岡山の前線・齊藤和樹らに入る縦パスを潰せなかったことが挙げられるだろう。
岡山に素早く前線で基準点を作られ、そこから他選手の攻め上がりを許してしまった。
失点シーンも、アバウトなボールを追った齊藤がフィジカルで本多をぶっちぎったところから。
それ以外でも、前からのプレスはハマらず、守備時5バックで相手の中盤に自由にボールを回されたりもして、「3バックいまだ完成に至らず」という印象を持ってしまった。

そんな良くない状況においても…逆転できて、本当によかった。
なにより失点後すぐに追いつき、悪い流れを断ち切れたことがよかった。
仙頭のタイミングよい飛び出しとグラウンダーのクロス、そして曽根田が絶妙なタッチでボールをゴールに流し込む。
まさに岡山が狙っているような攻めを、京都がやり返した格好だった。
ただ、ゴールシーン以外では、ウイングバックがボールを持ったところで相手のプレスにハメられることも多々。
“縦ポン”以外、再現性のない攻撃を繰り返し、いまの布陣で攻撃の“肝”であるウイングバックも有効な突破を見せられず。
守備同様、攻撃にもいまだ課題多し、だ。

實好さんが何度も口にしていたように、本当に「ザ・ガマン」の結果、得られた勝ち点3だった、