【UEFAチャンピオンズリーグRound of 16・First leg】チェルシー1-2バルセロナ

チェルシー1-2バルセロナ
◇日時:2006年2月22日(水)20.45KO(日本時間翌4.45)
59分【チェルシー】OG(モッタ←FK:ランパード)
72分【バルサ】OG(テリー←FK:ホナウジーニョ)
80分【バルサ】サミュエル・エトオ・フィル(ヘッド)

モウリーニョが試合後発したことばが印象的だった。
「10人になったら、プレスもかけられないし、深く守ることもできない」
そう、デル・オルノが退場になってから、チェルシーの最終ラインはふだんよりプッシュアップしていた。
それは、ひとりたりないぶん、無理をしてでも相手をスモールフィールドに追い込まなければいけないからだ。

テレビ中継で、解説・ヒロミさんが再三
「チェルシーはカウンター狙いでじゅうぶん」
と言ってましたが、カウンターといってもドン引きじゃなかったのがミソ。
正確にいえば、中盤浅いところで奪っての「ショートカウンター」を狙っていたのが、見ていてとても見応えがあった。

そして、その代償として何度も何度も危ない場面が訪れるんだけど、最後の最後でテリーが足を伸ばす。
何度スライディングしていたのだろうか、テリーは。
このゲームは、とにかくメッジとテリーを見ているだけでおなかいっぱいになったのだった。

ということで、「事実上の決勝戦」はバルサ超有利でセカンド・レグへ。
しかし、せっかくなら11対11で、ちゃんとしたゲームが見たかったと少し残念。

■チェルシー(4-3-3)
GK1:ペトル・チェヒ
DF20:パウロ・ヘナト・レボーショ・フェレイラ
DF26:ジョン・ジョージ・テリー
DF6:ヒカルド・アウベルト・シウヴェイラ・カルヴァーリョ
DF3:アシエル・デル・オルノ・コスガージャ(37分-一発退場)
MF4:クロード・マケレレ
MF22:エイドゥル・シマーリ・グジョンセン
MF8:フランク・ジェイムズ・ランパード
FW10:ジョージ・ジョン・”ジョー” コール
(40分-DF14:ジェレミ・ソレーレ・ヌジタップ・フォッソ)
FW9:エルナン・ホルヘ・クレスポ
(46分-FW15:ディディエ・ドログバ)
FW16:アルイェン・ロッベン
(78分-24:ショーン・キャメロン・ライト=フィリップス)

■バルセロナ(4-3-3)
GK1:ヴィクトール・ヴァルデス・アリバス
DF23:オレゲール・プレサス・レノン
DF5:”チャーリー” カルレス・プジョル・サフォルカーダ
DF4:ラファエル・マルケス・アルヴァレス
DF12:ジョヴァンニ・ファン・ブロンクホルスト
(69分-16:シウヴィオ・メンデス・カンポス・ジュニオール “シウヴィーニョ”)
MF15:エヂミウソン・ゴメス・デ・モラレス
MF20:アンデルソン・ルイス・デ・ソウザ “デコ”
(85分-24:アンドレス・イニェスタ・リュハン)
MF3:ティアゴ・モッタ
(66分-FW7:ヘンリク・ラーション)
FW30:リオネル・アンドレス・メッジ
FW9:サミュエル・エトオ・フィル
FW10:ホナウド・デ・アジス・モレイラ “ホナウジーニョ”

ジョゼ・マリオ・ドス・サントス・モウリーニョ・フェリックス・コーチ(チェルシー)
「カタルーニャ語で『あざむく』とはなんと言うのか教えてくれないか?
バルセロナは文化都市であり、すばらしい劇場がたくさんある。
メッジという子はそこで学んだんだろうな、ダチョウ倶楽部なみのリアクション芸を。

私がいえることは、ただただウンコな判定だったということだけだ。
あの赤紙でなにもかも変わってしまった。
われわれは60分近くを10対11で戦わなくてはならななくなった。
これではプレスもかけられず、ウイングを2枚置くこともできず、深く守ることもできなくなる。
とにかく、不公平なジャッジのもとでも戦いつづけてくれた選手たちを誇りに思うよ。

このバルサ戦にでられないエッシェンのことを思い出してほしい。
ゲームではイエローだったのに、試合後VTRを見たUEFAによって2試合の出場停止が下されたんだよ。
じゃあ、きょうのデル・オルノへのレッドは間違いだったと取り消してもらえないのか。
あるいは、メッジをリアクション芸で出場停止にしてもらってもいい。
何にしろ、試合結果は変えられないのだから。
もし適切な対応がなされないのなら、バルセロナへ行く価値はあるんだろうか?
Bチームを送って、主力はプレミアシップとFAカップに集中させたほうがいいのかもしれないな」

フランク・エドマンド・ライカールト・コーチ(バルセロナ)
「偉大な勝利です、しかしまだ道は半ばです。
次の試合でも勝利をねらっていきますよ。
流れが変わったのは、チェルシーの先制点からでしたね。
あれで選手たちは『点を取ろう』というポジティブな気持ちになれたのです。
メッジ?
とにかくずっとファウルを受けつづけてました。
彼がリアクション芸人だとは思えません」

リオネル・アンドレス・メッジ選手(バルセロナ)
「だから、蹴られたから倒れたって言ってるじゃん。
デル・オルノのキックは空振りなんかじゃない、完全に僕をねらったものだったよ。
僕は演技なんてしてない」

テルイェ・ハウグ主審(ノルウェー)
「あの状況をジャッジするのは難しかったですね。
テレビのスローモーションを見て、私が馬鹿な判定をしたもんだという人もいるでしょう。
しかし、わたしはあのとき見て、感じたままを判定しただけです。
確かに、あの赤紙でゲームの行方は大きく変わってしまいましたけれどね」

【UEFAチャンピオンズリーグRound of 16・First leg】バイエルン・ミュンヘン1-1ACミラン

バイエルン・ミュンヘン1-1ACミラン
◇日時:2006年2月21日(火)20.45KO(日本時間翌4.45)
23分【バイエルン】ミヒャエル・バラック(右足超ミドル)
58分【ミラン】アンドレイ・シェヴチェンコ(PK右隅)

バラックのボレーが!
イスマエルのロングボールをジラルディーノがクリアすると、ボールはペナルティボックスの外にいたバラックの前へ。
ワントラップして少し浮いたボールを右足でボレーで合わせると、きれいに、ほんとうにきれいに、早く鋭く弧を描いてゴール右隅に入った。
このシーンのほかは、荒れたピッチのせいでお互いボールがうまくつながらず、ちょいグダグダな展開のゲームだった。

■バイエルン・ミュンヘン(4-1-2-1-2)
GK22:ミヒャエル・レンシング
DF2:ウィリー・サニョル
DF3:ルシマール・ダ・シウヴァ・フェレイラ “ルシオ”
DF25:ヴァレリアン・イスマエル
DF21:フィリップ・ラーム
MF6:マルティン・ガストン・デミチェリス
MF20:ハッサン・サリハミディッチ
(58分-MF8:アリ・カリミ)
MF11:ジョゼ・ホベルト・ダ・シウヴァ “ゼ・ホベルト”
(77分-MF7:メフメット・ショル)
MF13:ミヒャエル・バラック
FW14:クラウディオ・ミゲル・ピサーロ・ボッシオ
FW10:ロイ・マカーイ
(80分-FW33:ホセ・パオロ・ゲレーロ)

■ACミラン(4-1-2-1-2)
GK1:ネルソン・デ・ジェスス・ダ・シウヴァ “ヂダ”
(69分-GK16:ゼリコ・カラッツ)
DF31:ヤープ・ヤコブ・スタム
DF13:アレッサンドロ・ネスタ
DF4:カハベール “カッハ”・カラーゼ
DF27:セルジオ・クラウディオ・ドス・サントス “セルジーニョ”
MF21:アンドレア・ピルロ
MF8:ジェンナーロ・イヴァン・ガットゥーゾ “ガッツさん”
(85分-MF14:ヨハン・フォーゲル)
MF20:クラレンス。セードルフ
(90分-MF18:マレク・ヤンクロヴスキ)
MF22:ヒカルド・イゼシオン・ドス・サントス・レイテ “カカー”
FW11:アルベルト・ジラルディーノ
FW7:アンドレイ・シェヴチェンコ

【UEFAチャンピオンズリーグRound of 16・First leg】レアル・マドリッド0-1アーセナル

レアル・マドリッド0-1アーセナル
◇日時:2006年2月21日(火)20.45KO(日本時間翌4.45)
47分【アーセナル】ティエリ・ダニエル・アンリ

勝敗を分けたのは「ターン」だった。
アーセナルの中盤の選手がボールをもったとき。
当然、レアルの選手がプレスに行く。
だけれども、セスクが、リュングベリが、フレブが、レジェスが、相手のプレスを受けながら、うまく体をターンさせる。
これで、マークが外れる。
その瞬間、レアルのプレスには連動性がないため、アーセナルの選手たちの前にはフリーのスペースが広々広がっていた。
一方、レアルの選手が同じことをしても、プレスの二の手、三の手がやってきて、チャンスにはつながらない。

戦前は、ブラジル人選手が多いレアルのほうがテクニックでは一枚上手だと思っていたが、いやいや。
アーセナルの攻撃陣のボールさばきがすばらしかった。
とくに、セスク。
あれでまだ10代。
青春アミーゴですよ。
なんなんだ、あのテクは。

■レアル・マドリッド(4-1-4-1)
GK1:イケル・カシージャス・フェルナンデス
DF11:シセロ・ジョアオ・デ・セザール “シシーニョ”
DF18:ジョナサン・ウッドゲイト
(9分-DF22:フランシスコ・パヴォン・バラオナ)
DF4:セルヒオ・ラモス・ガルシア
DF3:ホベルト・カルロス・ダ・シウヴァ
MF16:トーマス・グラヴェセン
(76分-MF8:ジュリオ・セサール・バティスタ)
MF23:ダヴィド・ロベルト・ヨゼフ・ベッカム
MF14:ホセ・マリア・グティエレス・エルナンデス “グティ”
MF5:ジネディーヌ・ジダン
MF10:ホブソン・デ・ソウザ “ホビーニョ”
(63分-FW7:ラウール・ゴンサレス・ブランコ)
FW9:ホナウド・ルイス・ナザリオ・デ・リマ

■アーセナル(4-2-2-2)
GK1:イェンス・レーマン
DF27:エマヌエル・エブエ
DF28:ハビブ・コロ・トゥーレ
DF20:フィリップ・センデロス
DF16:マシュー・フラミーニ
MF15:フランセスク・ファブレガス・ソレール “セスク”
(90+5分-MF17:アレクサンドル・ソング)
MF19:ジウベルト・アパレシド・ダ・シウヴァ
MF13:アレクサンドル・フレブ
(76分-MF7:ロベール・ピレス)
MF8:カール・フレデリク・リュングベリ
FW9:ホセ・アントニオ・レジェス・カルデロン
(80分-DF2:ヴァシリキ・ディアビ)
FW14:ティエリ・ダニエル・アンリ

モウリーニョ、再びスタンフォードブリッジの芝を語る

バルサ戦を目前にして、「バルサがやりたいんだったら、スタンフォードブリッジで前日練習してもかまわないよ」と言ってるもよう。

ジョゼ・マリオ・ドス・サントス・モウリーニョ・フェリックス・コーチ(チェルシー)
「見た目には美しくても、頭の中はからっぽな人間もいる。
その一方で、見た目はよくないけれど、知的な人間、たとえば科学者のような人間だっているだろう。
スタンフォードのピッチは後者のようなものさ。
上から見ると見栄えはよくないが、ボールはちゃんとふつうのスピードで転がるさ」

【プレシーズンマッチ】京都パープルサンガ0-2セレッソ大阪

目標は残留ですから

京都パープルサンガ0-2セレッソ大阪
◇日時:2006年2月19日(日)14時00分キックオフ
◇会場:京都市西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場
◇主審:前田拓哉
前半18分【セ大阪】西澤明訓(←徳重)
後半3分【セ大阪】西澤明訓(←古橋)

■京都パープルサンガ(4-2-2-2)
GK1:平井直人
DF4:鈴木和裕
DF2:鈴木悟
DF3:ヒカルド・カヴァルカンテ・ヒベイロ “リカルド”
DF7:児玉新
MF18:米田兼一郎
(後半34分-MF17:石井俊也)
MF16:斉藤大介
MF27:加藤大志
MF14:中払大介
(後半20分-MF8:美尾敦)
FW10:パウロ・アントニオ・デ・オリヴェイラ “パウリーニョ”
(後半23分-FW20:林丈統)
FW31:田原豊

■セレッソ大阪(3-4-3)
GK22:吉田宗弘
DF2:ブルーノ・エヴェルトン・クアドロス
(後半19分-DF14:江添建次郎)
DF3:柳本啓成
(後半36分-DF26:藤本康太)
DF5:前田和哉
MF4:河村崇大
MF23:下村東美
MF10:エリソン・カルロス・ドス・サントス・シウヴァ “ピンゴ”
(後半11分-MF7:山田卓也)
MF11:徳重隆明
(後半34分-MF17:酒本憲幸)
FW8:森島寛晃
(後半0分-MF16:宮原裕司)
FW20:西澤明訓
(後半27分-FW15:小松塁)
FW9: 古橋達弥

今季はじめてのPSMはスコアからいえば完敗でした。
そして、すでにいくつかアップされているブロガーさんたちのレポから見るに、内容的にも芳しくなかったようです(涙そうそう)。

※参考
C大阪西沢が2ゴール/プレシーズン戦 – nikkansports.com > サッカーニュース
【プレシーズンマッチ:京都 vs C大阪 レポート】ホーム西京極にC大阪を迎えたJ1挑戦の京都。今回の結果はC大阪の貫禄勝ち。 [ J’s GOAL ]

10-Fantasista-10:ヨロヨロしくなPSM。
雨紫(あめむらさき・うし):プレシーズンマッチvsセレッソ大阪
ETERNITY サンガblog:プレシーズンマッチ

対戦相手のセレッソは、ご存じのとおり昨シーズンのJ1にて土壇場で優勝を逃がした上位チーム。
その戦い方は3バックがきっちり守って、攻めては西澤の変態ポストプレーでスピードに乗って攻めてくる、という印象でした。
コレ、実はシステムは違えど、守備のラインはそんなに高く上げずに、田原に当ててから攻撃を構築する――サンガのやりたいサッカーと同じです。
つーか、現代サッカーの基本的な戦い方。

そんな中で、やっぱり2-0というスコア以上に歯が立たなかったのはどんな理由なのか?と。
なんで負けんねん?と。
いわゆる敗因を考えてみると、昨シーズンの天皇杯・大宮戦でも見えていた「J1で戦ううえでサンガの足りない部分」、すわなち
 ・無理めでも得点を取ってくれるFW
 ・高さと強さをもつセンターバック
がいないことなんじゃないかなーと。
思ったりします。
じゃあ、そうした補強ができなかったのか、しなかったのか。
わたくしは、柱谷コーチの性格上、後者なんじゃないかと踏んでいるんですが、まぁそこらへんの話はまた追って。

とはいえ、そんな選手はいないわけで、いなければいないで戦わなければならないわけで。
柱谷コーチは試合後、セレッソの攻撃を
「キックが正確。30、40mのパスでもミスをしない。近い距離ならなおさら」
といい、一方で守備は
「浮いているボールをコントロールしていないときにプレッシャーがくる。
ボックス付近のチェックは厳しくて強い」
と評しています。
つまりは、同じことをサンガもやりたいんだけど、まだできないということ。
今シーズンのJ1での戦いを通じて、そうした「J1レベルの戦い方」ができるようになるのか、できるまでに選手たちが成長するのか?
あせることなく見つめていきたいと思います。

開幕まであと2週間。
きょうは岡ちゃんと水沼が偵察に来てたということで「4-3-2-1」は封印したみたいです。
Fマリノス戦はいったいどういう布陣で戦うことになるのでしょうか?