【UEFAチャンピオンズリーグsemi-finals 1st-Leg】ACミラン0-1バルセロナ

ACミラン0-1バルセロナ
◇日時:4月18日(火)20.45KO(日本時間翌3.45)
57分【バルセロナ】ルドヴィク・ジュリー(左足←ホナウヂーニョ)

■ACミラン(4-1-2-1-2)
GK1:ネルソン・デ・ジェスス・ダ・シウヴァ “ヂダ”
DF31:ヤープ・ヤコブ・スタム
(77分-DF2:マルコ・エヴァンゲリスタ・デ・モラレス “カフー”)
DF13:アレッサンドロ・ネスタ
DF4:カハベール “カッハ”・カラーゼ
DF27:セルジオ・クラウディオ・ドス・サントス “セルジーニョ”
MF21:アンドレア・ピルロ
(67分-DF3:パオロ・マルディーニ)
MF8:ジェンナーロ・イヴァン・ガットゥーゾ
(74分-MF23:マッシモ・アンブロジーニ)
MF20:クラレンス・セードルフ
MF22:ヒカルド・イゼシオン・ドス・サントス・レイテ “カカー”
FW7:アンドレイ・シェヴチェンコ
FW11:アルベルト・ジラルディーノ

■バルセロナ(4-3-3)
GK1:ヴィクトル・ヴァルデス・アリバス
DF23:オレゲル・プレサス・レノン
(75分-DF3:チアゴ・モッタ)
DF4:ラファエル・マルケス・アルヴァレス
DF5:カルレス・プジョル・サフォルカーダ
DF12:ジョヴァンニ・ファン・ブロンクホルスト
MF15:エヂミウソン・ゴメス・デ・モラレス
MF17:マルク・ファン・ボメル
MF24:アンドレス・イニェスタ・リュハン
FW8:ルドヴィク・ジュリー
(70分-DF2:ジュリアーノ・ハウス・ベレッチ)
FW9:サミュエル・エトオ・フィル
FW10:ホナウド・デ・アジス・モレイラ “ホナウヂーニョ”
(89分-FW11:マキシミリアーノ・ガストン・ロペス “マキ”)

カルロ・アンチェロッティ・コーチ(ミラン)
「バルサは予想以上に守備的だった。
そして少ないチャンスから1点を取ったあとは、ぐるぐると意味なくボールを回しつづけたんだ。
それにたしいて、ミランはいくつかあった決定機を決められなかったということだ。
第2戦では、われわれに運が味方することを期待しているよ。
これでバルサが有利になった?
スコアだけを見ればそうだろう。
しかし、カルチョはカルチョだ。
まだなにがあるか、誰にもわからないさ」

フランク・エドマンド・ライカールト・コーチ(バルセロナ)
「これは偉大な勝利だ。
いつもよりは慎重に戦ったが、それはこのレベルのゲームでなおかつアウェイならば当然だろう。
ミランもすばらしかったし、われわれを苦しめてくれた。
ただ、それを上回るパフォーマンスをバルサの選手たちは見せてくれたよ」

試合開始からミランのプレスがきいて、前半はほんのすこしだけミラン優勢。
後半は一転、バルサの流れに。
ホナウヂーニョ、イニェスタが多少むりめな体勢でもキープしてくれるおかげで、リズムができてた。
ミランは、ピッポいればなんとかなったかもなぁーということばしか出てこない。
まぁ、バルサの順当勝ち。

ファンタジーサッカー第8節

98fp。
浦和が使えないという罰ゲーム週なのに、今季最高点とはどういうわけだ。

GK 小澤英明 鹿島 4140万 +690万 3fp 2fp 0fp 1fp 0fp 1fp 7fp
DF 海本慶治 新潟 4300万 +720万 3fp 3fp 7fp 1fp 0fp 0fp 14fp
DF 伊藤宏樹 川崎F 5980万 0万 3fp 2fp 0fp 1fp 0fp 1fp 7fp
DF 前田和哉 C大阪 6100万 +800万 3fp 4fp 0fp 0fp 0fp 2fp 9fp
DF 内田篤人 鹿島 3410万 +570万 3fp 2fp 1fp 1fp 0fp 2fp 9fp
MF 斉藤大介 京都 2680万 -230万 3fp -2fp 0fp -1fp 0fp 0fp 0fp
MF 鈴木慎吾 新潟 4150万 +690万 3fp 1fp 7fp 1fp 0fp 4fp 16fp
MF 山岸智 千葉 4030万 0万 3fp 0fp 0fp 1fp 0fp 4fp 8fp
MF 中村憲剛 川崎F 8700万 0万 3fp 0fp 0fp 1fp 0fp 5fp 9fp
MF フェルナンジーニョ G大阪 8950万 0万 2fp 0fp 0fp 1fp 0fp 2fp 5fp
FW マルクス 川崎F 7350万 0万 2fp 0fp 2fp 1fp 0fp 2fp 7fp(C)

【イングランド・プレミアシップ第31週】チェルシー3-0エヴァートン

月曜日にサッカーが見られるしあわせ

チェルシー3-0エヴァートン
◇日時:4月17日(月)15.00KO(日本時間23.00)
28分【チェルシー】フランク・ジェイムズ・ランパード(右足)
62分【チェルシー】ディディエ・ドログバ(ヘッド←CK)
74分【チェルシー】ミカエル・エシェン(右足天井ズドン)

■チェルシー(4-1-2-1-2)
GK1:ペトル・チェヒ
(46分-GK23:カルロ・クディチーニ)
DF14:ジェレミー・ソレーレ・ヌジタップ・フォッソ
DF26:ジョン・ジョージ・テリー
DF13:ウィリアム・ガラ
DF3:アシエル・デル・オルノ・コスガージャ
MF4:クロード・マケレレ
MF5:ミカエル・エシェン
MF8:フランク・ジェイムズ・ランパード
MF16:アルイェン・ロッベン
(61分-MF10:ジョセフ・ジョン・”ジョー” コール)
FW9:エルナン・ホルヘ・クレスポ
(75分-FW24:ショーン・キャメロン・ライト=フィリップス)
FW15:ディディエ・ドログバ

■エヴァートン(4-1-2-1-2)
GK1:リチャード・ライト
DF18:フィリップ・ネヴィル
DF4:ジョセフ・ヨボ
DF5:デイヴィッド・ウィア
DF3:ギャリー・ネイスミス
MF16:リー・カーズリー(47分-一発退場)
MF17:ティム・カーヒル
MF14:ケヴィン・キルベイン
(69分-FW9:ダンカン・ファーガソン)
MF21:レオン・オスマン
FW8:ジェイムズ・ビーティ
(69分-MF10:サイモン・デイヴィス)
FW11:ジェイムズ・マクファーデン

ジョゼ・マリオ・ドス・サントス・モウリーニョ・フェリックス・コーチ(チェルシー)
「これで優勝が決まった?
ああ、ほとんどね。
以前よりは、だいぶ楽になった。
だけど、まだ終わっちゃいない。

わたしはただ優勝したいとだけ思っているんだ。
ホームであろうがアウェイであろうがね。
もちろん次の試合はホームでマンUと戦って、勝てばチャンピオンだ。
だが、たとえ相手がブラックバーンだろうがニューキャッスルだろうが、優勝できれば同じことだよ。
サポーターはスタンフォード・ブリッジで優勝を見たいって?
オーケー。
ならば、いつも以上の応援をお願いしたい。

きょうの試合に関しては、カーズリーの退場がターニングポイントだった。
それ以前もチェルシーが前に出て、試合をコントロールしていた。
しかし、チャンスを生かせなかったんだ。
相手がひとりいなくなったおかげで、追加点が奪えたよ。
まぁ、前半エヴァートンのシュートはたった1本だったけれどね。
ただその1本がすばらしいシュートで、なんとかチェヒが掻きだしてくれた」

【J1第8節】川崎フロンターレ3-1大宮アルディージャ

川崎フロンターレ3-1大宮アルディージャ
◇日時:4月16日(日)15時05分KO

テレビ観戦。
川崎F、強いわ。
このチームに、京都サンガがナビスコで3-4の接戦を演じたことが信じられない(笑)。
大宮のフォーメーションは4-4-2で、守備と中盤で2ラインを形成して、攻めるのはサイドから。
J1のなかでは京都ときわめて近いチーム(あとはダンディ鈴木コーチの新潟)だと思います。
なおかつ、土屋や波戸、吉原ら元代表勢を入れて、あきらかに京都よりは選手層は上かと(すみません)。
なのに、大宮はほとんど効果的な攻めを見せることができなくて、得点も藤本の芸術的なヘッドのループだけ。
単純に比較すると、京都の攻撃力ってまぁそう悪くないんじゃないのか、と思えてきたのでした。

川崎Fといえば森選手なんですけれど、いやぁいい選手に育ってきました(涙)。
チーム状態がいいというのもあるんでようけれど、スピード、攻め上がるタイミング、クロスの球種、守備力、どれをとってもグッド。
あーあ(涙そうそう)。
イエローカードなんて飾りです、偉い人にはそれが。

そうそう、週末のレッドダイヤモンズ戦の話。
やっぱり試合後に田原と田中マルクスさんが揉めてたんですね。
実は田原投入されてから彼のことばかり見ていたので(笑)目撃したんですけれど、田原が投入されてすぐボールと関係ないところで、田中マルクスさんが後ろからガツンと田原に当たったんですよ。
海外サッカーでディフェンダーがよくやるやつですね。
そのあと、ロングボールの競り合いのさいに、田原が田中マルクスさんにレイトぎみに体をぶつけて…。
で、2人のあいだに遺恨が発生したみたいです。
でも、個人的にはこういう闘志の張り合いっていうのは嫌いじゃないです。
ほかの選手たちがおとなしすぎるってのもあるので。
気持ちで負けてたら、ゲームで勝つことは難しいですからねぇ。

【J1第8節】浦和レッドダイヤモンズ3-0京都パープルサンガ

人生は色どられた影の上にある〜ファウストより

浦和レッドダイヤモンズ3-0京都パープルサンガ
◇日時:2006年4月15日(土)15時05分KO
◇会場:埼玉県さいたま市埼玉スタジアム2002(4万0657人)
◇主審:吉田寿光
後半10分 【浦和】長谷部誠(右足←三都主)
後半27分 【浦和】ワシントン・ステカネロ・セルクゥエイラ(右足←三都主)
後半39分 【浦和】ワシントン・ステカネロ・セルクゥエイラ(右足←三都主)

■浦和レッドダイヤモンズ(3-4-2-1)
GK23:都築龍太
DF2:坪井慶介
DF4:マルクス・トゥーリオ・ユウジ・ムルザニ・タナカ “田中マルクス闘莉王”
DF20:堀之内聖
MF14:平川忠亮
(後半18分-FW30:岡野雅行)
MF13:鈴木啓太
MF17:長谷部誠
MF8:アレッサンドロ・ドス・サントス “三都主アレサンドロ”
(後半44分-MF16:相馬崇人)
MF6:山田暢久
MF10:ホブソン・ポンテ
FW21:ワシントン・ステカネロ・セルクゥエイラ

■京都パープルサンガ(4-2-2-2)
GK1:平井直人
DF23:大久保裕樹
DF19:登尾顕徳
DF5:鷲田雅一
DF7:児玉新
MF18:米田兼一郎
(後半39分-FW31:田原豊)
MF16:斉藤大介
MF27:加藤大志
(後半13分-MF14:中払大介)
MF8:美尾敦
FW20:林丈統
FW9:カルロス・アドリアーノ・デ・ジョス・ソアレス “アレモン”
(後半23分-FW30:松田正俊)

柱谷幸一コーチ(京都)
「きょうは守備をしっかりオーガナイズして、カウンターを仕掛けようという狙いのゲームでした。
前半は守備も悪くなかったし、カウンターも何度か決まりかけていたと思います。
問題だったのは右サイドで、三都主のところにアプローチにいったとき、後ろのスペースを山田にかなり使われていたことです。
そこでハーフタイムに、大志に少しポジションを落とし三都主にアプローチに行って、スペースを大久保に埋めろと指示しました。
にもかかわらず、後半になってもそのマークの受け渡しがうまくいかずに、3失点とも右サイドから破られてしまいました。
ただ、予算規模も大きく厚い選手層を誇っている、首位の浦和に勝つことは難しい。
敗れたからといって悲観する必要はないでしょう。
選手たちはきょうのカウンター戦術をよく理解してくれて戦ってくれたと思います。

アレモンを下げた理由?
疲れていましたし、ボールがおさまらなくなっていたと見ました。
そこで、ここ数試合調子がよかった松田を入れたんです」

ギド・ブッフヴァルト・コーチ(浦和)
「前半については何も語ることはない。
ウチも相手もまったくひどいできだった。
選手の目を覚ますため、ハーフタイムでことしはじめて大きな声を出すことになったよ。
おかげで、後半は全員のパフォーマンスが上がり、ボールも動くようになった。
まぁ、長いシーズンだからこんな試合もあるだろう。
きょうは対戦相手が弱すぎたせいで、最終的には3−0という圧勝になった。
ただ、次の相手はきょうのようにはいかないだろう。
いかにきょう犯したミスを修正するかがポイントだ」

鷲田雅一選手(京都)
「後半はサイドをうまく使われてしまった。
自分たちも得点を取りに行かなければならなかったので、3失点はしょうがない部分もあるとは思います」

登尾顕徳選手(京都)
「ワシントンは体が大きくのにボール扱いがうまい。
密着しすぎると入れ替わってしまうので、完全にマークしきれませんでした。
守備重視の戦術でも、攻めないとどうしようもないので、攻撃とのバランスを取っていくのが今後の課題だと思います」

曜日に、とある先輩と会った。
前に働いてたことのある場所でお世話になった人だ。
1年ぶりぐらいの再会だった。
「うひゃひゃひゃひゃ。で、さいきんどうなのよ?」
「どうって? 毎日現場に行って、体動かして、それだけですよ」
「だぁ! それだけって! おまえ! なにが楽しいの? 生きてて」
「んー…週末にサッカー見に行くことっすかねぇ」
「あぁ。あれだっけ? 京都だっけ? そうそう、実はさ、おれも去年からJリーグ好きになったのよ」
日本代表戦をテレビで見るくらいの人だったはずだ。
「もうね、レッズファン、うひゃひゃひゃひゃ」
「へぇ…」
「ウィーアー・レッズ! 浦和カモンカモンカモン!だよ、うひゃひゃひゃひゃ」
先輩はいつのまにかカジュアル・レッズサポになっていた。

★ ★ ★

目の前には、見渡すかぎり赤い色があった。
埼玉スタジアムでは、レッズサポーターが熱心に声をあげていた。
浦和対京都の一戦。
前半は、攻める赤い選手たちにたいして、紫の選手たちが適切なポジショニングで守っていた。
ワシントンを、鷲田と登尾が2人がかりでマーク。
ポンテと山田には、ひさしぶりにダブルボランチを組んだ斉藤と米田が対応する。
サイドの平川には美尾と児玉が、三都主には加藤と大久保が。
ワシントンへのマークを外してしまったとき、闘莉王が上がってきたとき、それ以外は危ない場面は少なかった。

とはいえ、客席にいたおれは試合にちっとも入り込めないでいた。
京都がただ守りに専念しているだけにしか見えなかったからだ。
アレモン、林が裏へ走ったときは敵陣深くまでボールを運べるけれど、それだけだった。
フォローの選手も少なく、点数が入る気配がみじんもない。
心躍らせる瞬間がまったくない。
目の前の光景に現実味が感じられない。
レッズへの大きな声援は、コンビニで流れる有線放送のようにただ雑音として耳に入ってくる。
いままでだいぶサッカーを見てきたけれど、これほど時間が経つのがゆっくりだったことはあっただろうか?
いつのまにか頭のなかは、昨日のことを思い返していた。

★ ★ ★

目の前には、コーヒーの濃い茶色があった。
狭い喫茶店では、先輩は熱心に話を続けていた。
「うひゃひゃひゃひゃ。このまえもさぁ、埼玉スタジアム行っちゃったよ」
「あ、あした京都対浦和戦で、おれも埼スタ行きます」
「うはー、仕事で行けないんだよなぁ。え、京都って強いの?」
「…いま、調子、悪いです」
「何位くらい?」
「下から数えて4つめ、かな…」
「うひゃひゃひゃひゃ。やばいじゃん、やばいじゃん。浦和、首位よ。勝てないっしょ」
「順当にいけば、勝てないでしょうね」
かなり控えめに、そう言った。
「だろうなぁ。つか、虐殺じゃね? 5点くらい取られたりとかさー」
「いや、もう7点取られたこと、あります(苦笑)」
「うひゃひゃひゃひゃ。7点て! 7点て! じゃあ、明日負けるの見に行くようなもんじゃね? じゃね? わかんねぇよなぁ、おまえMだっけ?」
言うことがなくてすっかり冷めてしまったコーヒーを口に運んだ。

★ ★ ★

ハーフタイムのあいだずっと並んで買ったコーヒーを口に運んだ。
もう、後半が始まっていた。
浦和の攻撃が激しさを増す。
後半10分、ゴール前、ニアに走り込んだ長谷部に先制を許す。
後半27分、中払がファウルをしたあとのプレイを素早く再開されて、ワシントンが追加点。
京都の選手は度重なるボディブローにフラフラになったボクサーのようだった。
フォワード以外の選手が引いて、大量失点は避けたいと思っているように見えた。
中盤でなんとかボールを奪っても、そこでひとあんしん。
ワンテンポ置いて、前を見て、さぁ誰にパスを出そうか、と周りを見る。
前半にはまだ見られていた、カウンターへの第一歩という守備のしかたではなくなってしまった。
そんな光景には、少しがっかりした。

★ ★ ★

先輩のことばには、少しがっかりした。
なので、ちょっとだけムキになってしまった。
「たしかに、負けを見に行くようなもんかもしれません。
でも、負けてもいいんですよ。
あ、誤解しないでください。
そりゃあ勝ってほしいっす。
けど、サンガの選手が大舞台で試合やってるのを見れて、ある程度は満足というか…。
なんでか?って、うーん。
生まれ故郷にサンガっていうチームができて。
そのサンガを見てるうちに、心底好きになってきて…。
もちろんサンガの選手も大好きで…。
だから、純粋に好きなチームが戦ってるのを見たい、生で応援したいって気持ちがまずあるんですよ」

★ ★ ★

浦和の攻撃はまだ続いた。
後半39分、ボックス内でボールを受けたワシントンへの寄せが遅れ、みごとなループシュートを決められる。
松田、田原が相次いで投入されるも、同じタイプの選手だけに相乗効果はなかった。
2人をめがけてのアーリークロスも少なかった。
そもそも、ボールホルダーへフォローする動きがない。
テレビでは写ってなかったが、児玉だけがマイボールになったとき前に全力疾走していた。
ほかの選手は、途中投入された選手でさえも足が止まっていた。
10人のフィールドプレーヤー。
そののなかでいちばん一生懸命走っているのが、レンタル移籍中の選手なのはどうしてだろう?
複雑な気持ちだった。

★ ★ ★

おれの説明はまだ続いた。
「それと…。
おれって、あんまりいままで真剣になんかをやったってこと、ないんですよね。
正直、いまの仕事も人間関係とか考えなくていいんでやってるだけで。
でも、サッカーの選手ってそうじゃないじゃないですか。
プロでやれるだけの力と、好きなことをやれる喜びをもって、サッカーに打ち込んでる。
誇り高く生きてる。
がんばってる。
見ててあぁいいな、って。
だから、できるだけ生で見て刺激を受けたい、っていうか」
支離滅裂。
自分は、いったいなに言ってるんだろう?
複雑な気持ちだった。

★ ★ ★

終わった。
完敗、完全な力負けだった。
京都の「時間」は一度たりとも訪れなかった。
今シーズン、はじめてだ。
「おっ」と声が出たのは、松田が胸トラップから反転しようとしたジラルディーノっぽいプレイ。
それと、守備で大久保がイーブンのボールをマルセイユルーレットのような体の使い方でマイボールにしたプレイ。
90分をつうじて、その2つだけだった。
スタジアムを出て、駅へ向かう途中に頭に浮かんだこと。
どうせ負けるなら、ベタ引きじゃなく、ちゃんと戦わせてやりたかったなー。
選手はやってて楽しいのかなー。

★ ★ ★

終わった。
なんだか一方的に話してしまった。
先輩とは、そのあと彼のいまやってる仕事の話。
それと、昔話。
90分くらいことばをかわして、わかれたのだった。
喫茶店を出て、駅へ向かう途中に頭に浮かんだこと。
本当の自分なんて、そんなかんたんにわかってもらえないのになー。
なのに、なんでしゃべっちゃうんだろうなー。

★ ★ ★

そう思って、悲しくなった。
目頭にちょっとだけ涙が浮かんだ。

★ ★ ★

そう思って、悲しくなった。
目頭にちょっとだけ涙が浮かんだ。

★ ★ ★

だけど。

★ ★ ★

だけど。

★ ★ ★

「まぁいいか」と声にして、そして笑った。