【J1第3節】京都サンガF.C. 1-4 ジュビロ磐田

京都サンガF.C. 1-4 ジュビロ磐田
日時:2022年3月5日(土)14:03KO
会場:京都府立京都スタジアム “サンガS”(7,894人/曇のち雨 15.8℃ 39%)
主審:井上知大(VAR:佐藤隆治)
35′-磐田/大津祐樹
62′-磐田/鈴木雄斗
67′-京都/ピーター・マドゥアブチ・ウタカ(左足)
68′-磐田/鈴木雄斗
90′-磐田/ジャーメイン良

■京都サンガF.C.(4-1-2-3)
GK21:上福元直人※45+3′-一発退場(VAR介入)
DF14:白井康介
DF5:アピアタウィア久
DF4:ホルネイケル・メンデス・マレイロス(76′-DF3:麻田将吾)
DF17:荻原拓也(76′-FW13:宮吉拓実)
MF19:金子大毅(55′-MF24:川﨑颯太)
MF16:武田将平
MF18:松田天馬(55′-MF8:荒木大吾)
FW7:武富孝介
FW9:ピーター・マドゥアブチ・ウタカ
FW23:豊川雄太(45+3′-GK1:若原智哉)

■ジュビロ磐田(3-4-2-1)
GK21:三浦龍輝
DF6:伊藤槙人
DF3:大井健太郎
DF25:森岡陸
MF17:鈴木雄斗
MF50:遠藤保仁(79′-MF10:山田大記)
MF23:山本康裕
MF14:松本昌也
FW8:大森晃太郎(74′-MF7:上原力也)
FW11:大津祐樹(63′-MF5:小川大貴)
FW9:杉本健勇(79′-FW18:ジャーメイン良)

曺貴裁コーチ(京都)
「サッカーですから1人少なくなるということは、好んでそうなるわけじゃないですけど、あります。
上福元の責任ではないと思いますし、こういうことが起こりうるサッカーをやらせている中で、責任は俺にあると思っています。
その後、0-1から0-2にされて1点取って、すぐ取られた3点目がゲームとしては痛かったかなと。
そのへんのメンタルコントロールというか、勝ちに行くためにもう1点、という中で全体をまとめられなかった自分の采配はまだまだだなぁと思っています。
ただ、J1をはじめて戦う選手が多い中で、この時期にすべてをパーフェクトにできるかといえば、そんなことはないですし。
この5連戦で勝ち・負け・引き分け、全部あった中で、5試合で学んだことをちょっと空く時間でみんなで整理したい。
われわれがやってきたことは間違ってないと思いますし、見せてきたものは、きょうお客さんに拍手してもらいましたけれど、相手に勝つために準備してきたことをじゅうぶんやってくれている。
きょうは負けを認めて、次に進まなければいけないと思っています。
(ーーピッチを退く上福元選手にかけたことばは?)
全然お前のせいじゃないから、と。
本人は謝ってましたけれど、選手が起こすことは全部監督の責任だと思っているんで。
キーパーが退場になって試合の途中でいなくなることは、自分にとってもおそらく初めてじゃないかなという感じなんですけど。
自分にとっても学びというか、次に向かうための材料として捉えないといけないですし。
全員で跳ね返して、次の湘南戦に向かいたいと思います。
(ーー次の試合につなげたいことは?)
前半からピンチもありましたけれど、相手のコートに入ってシュートを打てた場面もあったし、狙っていた攻撃もできていた。
そこで1点取れていれば、全然違った形になっていたと思います。
なによりサンガスタジアムのたくさんのサポーターが、後半2-1から2-2にできるような雰囲気も作ってもらったので。
今度の試合はアウェイになりますけれど、また戻ってきたらホームのサポーターにわれわれらしい試合を見せたいと思います」

伊藤彰コーチ(甲府)
「3戦目の初勝利、ホッとしています。
きょうの試合にかける意気込みが高かった選手たちには、ありがとうと言いたい(笑)。
ただ、もっと試合をコントロールできるようにならなければいけないですし、もっともっと怖い場面を作らないといけません。
これからも〝一戦必勝〟のつもりで、選手たちと話し合って、次の試合に向けて準備をしていきたいと思います」

FOOTBALL STAND TOGETHER

上福元へのイエローカード、からの〜VAR介入でレッド。
厳しすぎるDOGSO(Denial of an Obvious Goal Scoring Oppotunity)だった。
あそこで杉本が抜けてもボールはライン側に流れているし、この時間で赤出したらゲームが壊れてしまうし。
と思ったら、VAR担当・佐藤隆治さんか……。
2008年のアウェイ新潟戦で京都の選手を3人退場させ大ブーイングを喰らって以来、何度も京都に不利な判定を披露。
この人、京都に対して完全に私怨を抱いているよねヽ( ´ー)ノ

ただ、レッドカードがなかったとして勝ち点3を取れていたか?といえば、それはまた別。
昨シーズン、磐田に2敗したときと同じ〝穴〟をまた露呈してしまっていたと感じた。
それは、京都のサイドバック後方に流れる磐田の1トップへの対応。
そこに磐田は、遠藤ほかパス能力に長けた選手が浮き球のパスを出して起点をつくる。
そして、京都のセンターバックの1枚が外側にフォローに入って手薄になったところを、シャドーの2人が出てきてバイタルエリアを支配する。
はたして浮き球パスの出どころを潰すべきだったのか、あるいは、サイドに流れる1トップをガツンと潰すべきだったのか。
もちろん、磐田の中盤およびシャドーの選手がプレッシングをいなせるだけの技術があるのも、京都の戦い方を難しいものにしていた。
ただ今後、3-4-2-1のチームにはちょっと苦労するかもなぁと思わせる試合だった。

試合後のデータを見てみると、磐田の攻撃は右サイドが51%と偏重。
ということは、左サイドは完全に守勢に回っていたということ。
後半荒木を左サイドバックに入れて、荻原を右サイドハーフに回したのは、その状態からの挽回を狙っていたのだろうか。
結果、守備面で綻びができてしまって、荒木と荻原を入れ替えることになったが。

ということで、退場もあって攻守ともになかなか自分たちの時間をつくることができず、完敗。
次は、曺さんにとって古巣の湘南戦という注目の一戦となる。
京都の選手がリバウンドメンタリティーを見せることができるのか、選手起用を含めて戦術面でどういった修正が入るのか。
現地で観戦できそうなので、じっくり見守りたいと思います。

【Jリーグカップ グループステージ第2節】京都サンガF.C. 2-1 サガン鳥栖

京都サンガF.C. 2-1 サガン鳥栖
日時:2022年3月2日(水)18:33KO
会場:京都府立京都スタジアム “サンガS” (2,511人/曇 8.5℃ 71%)
主審:先立圭吾
37′-京都/山田楓喜(左足)
75′-京都/豊川雄太(右足←山田)
86′-鳥栖/荒木駿太

■京都サンガF.C.(4-1-2-3)
GK1:若原智哉
DF2:飯田貴敬
DF31:井上黎生人
DF6:本多勇喜(71′-DF3:麻田将吾)
DF8:荒木大吾
MF24:川﨑颯太
MF19:金子大毅(84′-MF7:武富孝介)
MF18:松田天馬(60′-MF16:武田将平)
FW27:山田楓喜(84′-FW13:宮吉拓実)
FW23:豊川雄太
FW28:田中和樹(60′-DF17:荻原拓也)

■サガン鳥栖(3-4-2-1)
GK31:岡本昌弘
DF42:原田亘
DF30:田代雅也
DF13:中野伸哉
MF22:佐藤響
MF43:福井太智(84′-MF45:楢原慶輝)
MF14:藤田直之
MF27:相良竜之介(76′-MF4:島川俊郎)
MF7:中野嘉大(64′-FW16:荒木駿太)
MF33:石井快征(64′-MF10:小野裕二)
FW15:梶谷政仁(84′-MF41:坂井駿也)

曺貴裁コーチ(京都)
「きょうの出場メンバーで最大の力を出すべく準備をしてきました。
最後押し込まれた場面はありましたけれど、選手たちは最後まで足を止めずによく頑張ってくれたと思います。
山田楓喜は去年悔しい思いをした選手。
公式戦ではことし2試合目でいい働きをしてくれましたし、プロになって初ゴールを決めたことでチームにとっても弾みがつくんじゃないかと思います。
(ーーその山田選手の頑張りで2点目が生まれたが?)
あれは、ずっと狙っている形です。
トヨ(豊川)の決定力が生きました。
(ーーハーフタイムにはどんな指示を?)
ここ数試合、後半始まってすぐリズムが取れなくて失点することが続いたので、前半の修正点や戦術的なことを言って送り出しました。
まだまだ課題はあるので、選手全員で向き合ってやっていきたい」

やまだかつてないWing

〝甲賀の大器〟こと山田楓喜選手が1ゴール、1アシスト!!
守備でも、激しいプレス、相手パスのインターセプトを繰り返すなど、MVP級の活躍だったね。
身長180cmの左利き、ドリブル、シュートに加えて、チーム屈指の高い持久力を誇る。
他の選手とは違う属性を持っているし、リーグ戦でも左ウイングのレギュラー候補として名乗りを上げたんじゃ……?

その山田(楓)を筆頭に、きょうの京都はめちゃくちゃ激しかった。
もともと運動量が多い豊川が、きょうは〝クリエーター(9番)〟の位置に入っていたことも影響しているのかもしれない。
特に、中盤から前の選手は、相手のボールホルダーに対して全速力でプレッシャーをかける。
パスコースを限定するだけに止まらず、ボールを奪取しようとする意欲がピッチから溢れていた。
対する鳥栖も似た感じのチーム。
よくいえば、ハイスピード&ハイスパート。
一方で、プレスの網を抜けるとそこには広大なスペースが、というスリリングなサッカーだった。

キックオフ早々は〝網〟が破られていたけど、徐々に京都ペースになった前半の戦いぶりは爽快。
欲を言えば、もう少しパスの受け手と出し手の感覚が合えばなぁ……、というところだろうか。
後半は正直、鳥栖の決定力不足に助けられた部分もあるけれど、井上選手を中心に守り切った。
こういう試合で勝ち切ることができたのは、チームの成長に繋がるはずだ。

そういえば、荒木が先発からサイドバックに入ったのは初。
中盤にも顔を出し、守備でも破綻することなく、ふつうにやれていたのは驚いた。
他に選手起用の面で言うと、リーグ戦のレギュラー格でチームに欠かせない松田天馬と武田が交代で出場したのも興味深かった。
フル出場させるとリーグ戦に疲労が残るし、60分/30分と出場時間を区切ったのは当初のプラン通りだったのかな。
で、川﨑はセレッソ戦で52分に交代しているし、若いからフルでイケるだろうと(笑)。
また、前節ゴールを守った太田に代えて、ことし初めて若原を起用。
〝ターンオーバー〟が本当にうまくハマっているな、と思ったのだった。

今季無敗のまま、さぁ、2日後は昇格組同士の磐田戦。
楽しい試合が週に2回も見られるなんて、毎日の生活にハリが出てくるよね。

【J1第2節】セレッソ大阪 1-1 京都サンガF.C.

セレッソ大阪 1-1 京都サンガF.C.
日時:2022年2月26日(土)14:03KO
会場:大阪市長居球技場 “ヨドスタ”
主審:清水勇人
34′-京都/武富孝介(ヘッド)
48′-C大/乾貴士

■セレッソ大阪(4-2-3-1)
GK21:キム・ジンヒョン
DF2:松田陸
DF33:西尾隆矢
DF24:鳥海晃司
DF14:丸橋祐介(79′-DF6:山中亮輔)
MF4:原川力
MF25:奥埜博亮(79′-MF17:鈴木徳真)
MF41:中原輝(57′-FW38:北野颯太)
FW10:清武弘嗣
MF8:乾貴士(71′-MF19:為田大貴)
FW20:加藤陸次樹(57′-FW11:ブルーノ・ペレイラ・メンデス)

■京都サンガF.C.(4-1-2-3)
GK21:上福元直人
DF14:白井康介(75′-MF8:荒木大吾)
DF5:アピアタウィア久
DF4:ホルネイケル・メンデス・マレイロス
DF3:麻田将吾
MF24:川﨑颯太(52′-MF19:金子大毅)
MF16:武田将平
MF18:松田天馬(75′-DF31:井上黎生人)
MF7:武富孝介(86′-DF17:荻原拓也)
FW9:ピーター・マドゥアブチ・ウタカ
FW23:豊川雄太(46′-DF15:長井一真)

上福元直人選手(京都)
「よかった点も悪かった点もあり、次につながる勝ち点1だったかなと思います。
いいセーブができているのは、チーム全員が最後まで守備意識高くやってくれているからこそ。
おかげで、自分のところでやらせてはいけないという責任感も湧いてきます」

曺貴裁コーチ(京都)
「前半からセレッソさんの分析、選手のエネルギーがわれわれを上回った部分がありました。
ただセットプレイからいい形で先制点を取って、最後のカミ(上福元)のビッグセーブ含めて、どちらが勝つかわからない展開にもっていけた。
結果として勝ち点1を拾ったのは、ポジティブに捉えたいと思います。
自分たちは、まだ発展途上で成長途中。
きょうのような試合でも、自分たちの力で勝ち点3が取れるようにやっていきたいです。
(ーーセレッソが京都のプレスがかからない立ち位置をとってきた)
J1に上がってこういう展開になる試合もあるかな、とは思っていました。
シーズンの早い時期に相手の研究にあって苦しめられるというのは、自分たちにとっての勉強材料になります。
もっともっと〝大人〟な対応をしなけばなりません」

小菊昭雄コーチ(C大)
「京都のハイプレスに対して、わたしたちがどう立ち位置を取って、安定して前進していくか。
それがきょうの試合の大事なポイントでした。
トレーニングで落とし込んだところを、選手たちは非常によく表現してくれたと思います。
ファイナルゾーンでの最後の崩しの質、クロスへの入り方、シュートの決定力……。
課題は出たんですけれど、相手のファイナルゾーンに何度も進めたことは評価できると思います」

手を替え、品を替え、流れを変え……

振り返ってみて、京都コーチ陣の〝修正力〟が光った試合だった。
キックオフから試合内容としては、圧倒的にセレッソ大阪のペース。
対する京都は、前半途中からシステムを3バックに変更、後半以降ディフェンダーを攻撃的な位置に使ったりして、なんとか流れを引き戻した。

ロスタイムには、武田のFKをブロックされ、相手FW北野が抜け出したところを上福元が〝神セーブ〟!
と思ったら、


「最後のセーブはあとから聞いたら、(FKの)壁の距離のところでファウルがあったみたいで、もしシュートが決められていても取り消しになったという話も聞きました」

Jリーグ公式サイト

……なーんだ (´·ω·`)

話を戻して、きょうのセレッソが試合開始から見せていた攻撃は下記のようなもの。
●選手間が巧みに距離感をキープ、ボールの出しどころを常につくる
●特にトップ下の清武、左サイドの乾というキープ力のある2人が、京都のバイタイルエリア(川﨑の脇)でボールを捌く
●ボールを回しつつ、京都中盤3人のスライドが間に合わないところをサイドに展開
●右はMF中原、左はDF丸橋の周辺にスペースができ、特に中原は対峙する麻田と1対1の勝負を積極的に仕掛けた

京都は前からのボール奪取ができず、中盤の数的不利を突かれてボールを回され〝決壊寸前〟だった。
そこで、左サイドバックだった麻田を真ん中に回して、右からアピアタウィア、麻田、メンデスの3バック。
中盤は左のウイングバックに松田天馬が入って、3-4-3のフォーメーションに変更する。
これによって、川崎と武田の2人でバイタルエリアを埋める一方、相手のサイド攻撃に左右のセンターバックとウイングバックが対応するという形に。
おかげで守備がだいぶ落ち着いたように感じた。

後半には豊川に変えて、長井を投入して左のウイングバックに。
松田天馬が左ウイングというかトップ下のような位置になって、3-5-2のような感じにも見えた。
そして松田天馬に変えて井上が入って1アンカー、3-1-4-2に。
システムを変え、選手を変え、守備の強度を落とさないまま、ディフェンスラインは下げず、最後まで戦い切った。
前半のセレッソ優勢からなんとか立て直して勝ち点1をゲット。
曺さんのおっしゃるとおりポジティブな結果だなぁ、と思った。

しかし後半、セレッソの危険な選手たちから先に交代してくれたのは、ちょっと助かったね(小声)。

【Jリーグカップ グループステージ第1節】京都サンガF.C. 1-1 柏レイソル

京都サンガF.C. 1-1 柏レイソル
日時:2022年2月23日(水)14:03KO
会場:京都府立京都スタジアム “サンガS”(4,025人/曇 5.2℃ 51%)
主審:大坪博和
6′-京都/木村勇大(右足)
46′-柏/真家英嵩(←小屋松)

■京都サンガF.C.(4-1-2-3)
GK26:太田岳志
DF2:飯田貴敬(62′-FW23:豊川雄太)
DF15:長井一真
DF6:本多勇喜(80′-MF24:川﨑颯太)
DF17:荻原拓也
MF31:井上黎生人
MF19:金子大毅
MF10:福岡慎平(54′-FW8:荒木大吾)
FW28:田中和樹(80′-DF37:植田悠太 ※京都サンガF.C.U-18所属)
FW40:木村勇大
FW27:山田楓喜(62′-MF18:松田天馬)

■柏レイソル(5-1-2-2)
GK21:佐々木雅士
DF13:北爪健吾
DF24:川口尚紀
DF44:上島拓巳
DF15:染谷悠太
DF23:岩下航
MF22:ドウグラス・モレイラ・ファグンデス “ドッヂ”
MF28:戸嶋祥郎
MF7:大谷秀和(68′-MF40:落合陸)
FW14:小屋松知哉(76′-FW38:升掛友護)
FW35:真家英嵩(59′-FW39:森海渡)

選手激変、スタイル不変

シュート数で比較すれば、京都14(枠内4)、柏5(枠内3)。
優勢と言っても過言ではないゲームだった。
勝ちたかったなぁ〜!というのが正直なところ。

キックオフから、一方的に京都がボールを握る展開。
前からの激しいプレスに、柏が面食らっているようにも感じたほどだ。
その勢いのまま、山田楓喜選手の超決定機。
そして特別指定の木村選手が先制点!
角度のないところからのゴラッソ。

木村くんが最初フィジカルでぶっ飛ばした相手DF誰だ?と思ったら……。
ド金髪にイメチェンしていた染谷選手(35歳)だった。
そういえば、京都時代もこんなふうに相手にちぎられるシーン、あったなぁ(遠い目)。

ただ、前半も途中を過ぎると柏も〝慣れて〟きた。
京都のプレスに対して、裏に走る真家選手へのロングボールを多用してきた。
そして、そこでこぼれたセカンドボールを小屋松選手らが回収して、リズムをつくっていく。

しかし、小屋松はすごかった Σ(゚ω゚ノ)ノ
京都時代はサイドプレイヤーの印象だったけど、きょうは1.5列目。
ボールへの反応早く、キープ力にドリブルと、確実に成長した姿を見せてくれた。
失点シーンも、ナイスアシストだった。

で、同点になって以降、京都、柏ともに攻撃の最後の部分で決め手を欠いていた。
特に京都は、センターフォワードでもうひとり交代要員がいれば、相手にさらに脅威を与えられていたのかなと思う。

結局、1-1でタイプアップ。
繰り返しになるけど、勝ち点1で終わったのは、少しもったいなさもあった。
一方で、ターンオーバーしたメンバーでも〝サンガスタイル〟で戦えたことは大きな収穫。
ハイラインハイプレス、ライン側でパスコースをつくる動き、縦パスの意識etc…
リーグ戦第1戦と同じような戦い方をピッチでじゅうぶんに表現できていたと思う。
きょうよかったメンバーは、リーグ戦でも先発を座をうかがうことになるんじゃないかなぁ。

最後に、U-18の植田悠太選手に曺貴裁さんが掛けたことばがアツすぎるので、ここにもメモっておく。
(プロの公式戦で初出場を果たしたアカデミーの植田 悠太選手にはどのような声をかけてピッチに送り出しましたか?)
「君は何をしたい?」と聞いたら「シュートを決めたい」と答えたので、「その調子で行くように」と声をかけてピッチに送り出しました。
※公式サイトより(https://www.sanga-fc.jp/game/2022022305/comment.php)

【J1第1節】京都サンガF.C. 1-0 浦和レッドダイヤモンズ

京都サンガF.C. 1-0 浦和レッドダイヤモンズ
日時:2022年2月19日(土)14:03KO
会場:京都府立京都スタジアム “サンガS”(1万1,701人/曇のち雨 9.5℃ 61%)
主審:福島孝一郎
49′-京都/ピーター・マドゥアブチ・ウタカ(右足←川﨑)

■京都サンガF.C.(4-1-2-3)
GK21:上福元直人
DF14:白井康介(61′-DF15:長井一真)
DF5:アピアタウィア久
DF4:ホルネイケル・メンデス・マレイロス
DF3:麻田将吾
MF24:川﨑颯太(78′-FW8:荒木大吾)
MF16:武田将平
MF18:松田天馬(78′-FW40:木村勇大)
FW7:武富孝介(74′- MF10:福岡慎平)
FW9:ピーター・マドゥアブチ・ウタカ
FW23:豊川雄太(61′-FW50:大前元紀)

■浦和レッドダイヤモンズ(4-2-3-1)
GK1:西川周作
DF2:酒井宏樹(90+2′-DF44:大畑歩夢)
DF4:岩波拓也
DF13:犬飼智也(86′-DF28:アレクサンダー・ショルツ)
DF6:馬渡和彰
MF22:柴戸海
MF3:伊藤敦樹
MF14:関根貴大(86′-FW27:松崎快)
MF25:安居海渡(61′-MF8:小泉佳穂)
MF15:明本考浩
MF33:江坂任

ピーター・マドゥアブチ・ウタカ選手(京都)
「チームプレイの勝利だったね!
12年ぶりのJ1という舞台でも、京都サンガF.C.はじゅうぶん戦える。
そのことをきょうのゲームで証明できたと思う。
自分自身にとっても久しぶりのJ1。
ゴールを決めて、いいカムバックが果たせたよ。
とはいえ、シーズンはまだ始まったばかり。
われわれのアドベンチャーはここから始まるのさ」

曺貴裁コーチ(京都)
「フットボールでは、相手に怖気付いて〝出す刀を出さない〟まま終わるのがいちばんつまらない。
そういう意味でも、ほんとうにいい試合をしてくれました。
きょうピッチでサッカーをすることを楽しんで、堂々とプレイした選手たちを誇りに思います。
われわれは〝サンガスタイル〟を信じて、それを出していくことが大事。
そしてその〝サンガスタイル〟も日進月歩で成熟しています。
これからリーグ戦、カップ戦がありますけど、スタジアムに来てくれたお客さんには感動と情熱を与えていきたいです」

リカルド・ロドリゲス・スアレス コーチ(浦和)
「前半は京都に支配されてしまったが、後半(小泉)佳穂が入ってボールを持てるようになったし、勝てるチャンスもあった。
ポジティブな敗戦だと思う。
(ーー新型コロナウイルス感染症の影響があった?)
われわれは浦和レッドダイヤモンズだ。
優勝を目指すならば。それを言い訳にしてはならない」

見えた「サンガスタイル2022」

12年ぶり夢舞台、初陣で勝利!
J1昇格チームは開幕戦勝利なら、残留確率100%とか、ゴクリ…(`・д́・;)

とにもかくにも、スーパーカップを制した浦和相手に堂々たる戦いぶり。
そして、今シーズン京都がやりたいであろうサッカーが少し見えた試合だった。
思ったことを、いくつか記しておこうかなと。

布陣は昨年同様4-1-2-3で、戦い方の基本コンセプトは「ハイプレス&ハイライン」。
前から積極的に、相手ボール保持者にプレスをかける。
特に中盤のセンターゾーンでは選手を多くかけて、ボールを〝ハントする〟。
これは昨シーズン以上に徹底されていたと思う。

ボール保持者近くの選手がプレッシャー、ほか4人の選手が取り囲む

もちろんそれだけ人を結集させているから、剥がされるとバイタルゾーンはスッカスカ。
大きくスペースが生まれる。
もしそういう状況に陥ったときは、ディフェンスラインの形成を優先。
サイドで1vs1の勝負をされたとしても、その間にゴール前中央を固めておこう、という守り方が見られた。

おや?と思ったのは、攻撃時のパス運び。
ライン側でボールを持ったときの、他の選手のポジション取り&距離感が昨シーズン以上に整備されていた。
例えば、17分ごろのシーン。
相手が裏に放り込んできたボールを、メンデスがワンタッチで大外にいた麻田へ。
斜め前方でパスを受けた川﨑は相手を引き付けながら、斜め前の松田へ。
松田からウタカ、ウタカはワンタッチでワイドで浮いていた豊川へ。
……と流れるように、相手守備網をすり抜けていた。

大外のレーンで巧妙に相手のプレスをかいくぐる

今季のキーワードにひとつとして、曺さんが発している「シャトル」。
パスを出す人&受ける人、スピードアップするというイズムが、早くも浸透しつつあると言えるだろう。

そうしたサンガスタイルの進歩に加えて、浦和対策の部分も興味深かった。

浦和のストロングポイントは右サイドバック、日本代表の酒井。
そう判断したのか、体を張れる松田天馬を左サイドハーフ、麻田を左サイドバックで起用。
守備力のある2人を使って、右を〝抑え〟にいった。

ところが試合が進むにつれ、左サイドハーフに入った明本のフィジカルと突破力に苦しめられる。
特にハイボールを放り込まれ、対峙する白井は劣勢を強いられていた。
試合途中、右サイドに向けたハイボールにはアピアタウィア久を競らせることで事態を沈静化。
ただ、試合を通して明本がいちばん怖い選手だったのは間違いないだろう。
まぁ、栃木時代からいい選手だったからなぁ……。

試合後半は5バックにして、決定的な場面も上福元のセーブが救ってくれた。
タイプアップの瞬間は、思わず声が出たよね。

自分たちの〝進化〟に加えて、相手への対策もハマった。
その成果としての勝ち点3。
今シーズンJ1でもやってくれそうな手応えを感じるゲームだった。