【J1第8節】京都サンガF.C. 3-1 サガン鳥栖

京都サンガF.C. 3-1 サガン鳥栖
日時:2022年4月10日(日)16:03KO
会場:京都府立京都スタジアム “サンガS”(7,195人/晴 24.2℃ 41%)
主審:今村義朗
10′-京都/ピーター・マドゥアブチ・ウタカ(右足←白井)
14′-京都/川﨑颯太(ヘッド←CK:福岡)※J1初ゴール
70′-京都/ピーター・マドゥアブチ・ウタカ(右足)
77′-鳥栖/小野裕二(pen.)

■京都サンガF.C.(4-1-2-3)
GK21:上福元直人
DF14:白井康介
DF31:井上黎生人
DF3:麻田将吾
DF17:荻原拓也(86′-DF6:本多勇喜)
MF24:川﨑颯太(86′-FW20:クエンテン・ジョーディ・フェリックス・マルティノス)
MF10:福岡慎平(66′-DF4:ホルネイケル・メンデス・マレイロス)
MF16:武田将平
FW27:山田楓喜(56′-MF19:金子大毅)
FW9:ピーター・マドゥアブチ・ウタカ
FW18:松田天馬

■サガン鳥栖(3-1-4-2)
GK40:パク・イルギュ
DF42:原田亘
DF30:田代雅也
DF5:ヂエゴ・ジャラ・ホドリゲス “ジエゴ”
MF14:藤田直之
MF2:飯野七聖
MF6:福田晃斗(66′-MF8:本田風智)
MF37:小泉慶(83′-MF47:森谷賢太郎)
MF29:岩崎悠人(46′-MF10:小野裕二)
FW44:堀米勇輝(46′-FW16:荒木駿太)
FW19:垣田裕暉(66′-FW25:藤原悠汰)

走り切って勝ちきる

試合後会見での曺さんのことばが味わい深い。
「サポーターのみなさんにおもしろいサッカーを見せるためには、やはり前にプレーすることだと思います。
足を止めないで数的優位をつくり、逆に相手に数的優位をつくらせない。
そういった原理原則に基づいて、きょうはわれわれの良さが出せた。
勝ったことよりも、スプリント回数がリーグ1番の鳥栖さんを上回ったことは、大きな自信になります」

確かに、いつも以上にボール保持者へのアプローチの速さが目立っていたように見える。
そういう意味で「走り切って」勝ったゲームだったのかな。
1点目は早い攻めから崩した形、2点目はセットプレーと、早い時間帯に2点が取れたのも大きかった。

一方で、先制点を取るまで、および後半は鳥栖に押されていたのも事実。
鳥栖は最終ラインからの組み立てが整備されているんだよな〜。
前からプレッシャーをかけられても、最終ライン+パク・イルギュでボールを回して、相手を食いつかせて、空いている選手に向けてパスを出せる。
対する京都は、最終ラインでボールを持っても出しどころに困って、大きく蹴り出すことも多々。

ま、そうはいっても、鳥栖は最終ラインからの組み立てでミスが出て失点してしまった。
京都は最終ラインからの組み立てではリスクを回避し、あえて相手最終ラインがボールを持ったところからセットして「ハメよう」と狙っていたのかもしれない。

今シーズン2失点だった鳥栖に3ゴール。
そして、順位は7位に浮上。
暖かくなって上位チームとの対戦が控える中で、チームの成長が感じられる試合を目撃できたのはうれしかった。
次の(リーグ戦)柏は、4月なのに夜の試合。
昼よりは気温も下がるし、また運動量とスプリントの多さが見られるかな?

【J1第7節】京都サンガF.C. 1-1 ガンバ大阪

京都サンガF.C. 1-1 ガンバ大阪
日時:2022年4月6日(水)18:33KO
会場:京都府立京都スタジアム “サンガS”(9,869人/晴 13.8℃ 59%)
主審:岡部拓人
45′-京都/ピーター・マドゥアブチ・ウタカ(右足←金子)
58′-G大/ダワァン・フラン・ウラノ・ダ・プリフィカソン・オリヴェイラ “ダワン”

■京都サンガF.C.(4-1-2-3)
GK21:上福元直人
DF14:白井康介
DF31:井上黎生人
DF3:麻田将吾
DF17:荻原拓也(82′-DF6:本多勇喜)
MF24:川﨑颯太
MF10:福岡慎平(82′-FW39:オリグバッジョ・イスマイラ)
MF19:金子大毅(51′-MF16:武田将平)
FW27:山田楓喜(60′-DF4:ホルネイケル・メンデス・マレイロス)
FW9:ピーター・マドゥアブチ・ウタカ
FW18:松田天馬(82′-FW20:クエンテン・ジョーディ・フェリックス・マルティノス)

■ガンバ大阪(4-2-2-2)
GK22:一森純
DF13:髙尾瑠
DF5:三浦弦太
DF3:昌子源
DF24:黒川圭介
MF15:齊藤未月(71′-MF17:奥野耕平)
MF23:ダワァン・フラン・ウラノ・ダ・プリフィカソン・オリヴェイラ “ダワン”
MF8:小野瀬康介(86′-MF41:中村仁郎)
MF48:石毛秀樹(57′-MF14:福田湧矢)
FW37:山見大登(71′-FW32:坂本一彩)
FW18:アンデルソン・パトリッキ・アグイアル・オリヴェイラ “パトリック”(86′-FW9:レアンドロ・マルコス・ペルチェナ・ペレイラ)

曺貴裁コーチ(京都)
「うーん……、心の底から勝ち点3が取りたかった、と思っています。
それに近づくために、僕なりに全力は尽くしたつもりです。
選手はガンバさん相手に一歩も引かず、自分たちを出してくれたと思いますけど……。
僕の中では勝ち点3、なぜ取れなかったのかなと悔しい思いでいます。
選手を讃えたい気持ちの一方で、自分は何ができたのか?をいまちょっと考えているところです、すみません。
(ーーマルティノス、イスマイラとリーグ戦初出場の選手を起用したが?)
勝ち点3を目指すための交代だった、と言い切れます。
逆に失点をして(勝ち点が)0だったとしても、自分たちがめざすのは〝勝ち点3〟だということ。
その温度、エネルギーがきょう来てくれたお客さんに伝わって、(試合後に)まるで勝ったかのような拍手がもらえたんじゃないかと思っています。
そして見てくれた人、応援してくれる人のためにも、あそこで1点取って、2点取るようなチームになっていかなければいけない。
次、中3日での鳥栖さんとの試合で、課題として向き合っていきたいと思います」

片野坂知宏コーチ(G大)
「両チーム、死闘を繰り広げました。
勝ちたい気持ちを出して最後まで戦って、あぁいいゲームだったなぁと思います。
課題は、前半チャンスがありながら先制点が取れなかったこと。
ただ、後半ギアを上げて追いついてくれたし、選手たちはいまチャレンジをしてくれています。
これを勝ち点3に繋げられるようにしていきたいです」

禁断のMIU MIU

82分、曺さんが切った交代策には驚嘆した。
マルティノス、イスマイラの2人を入れるなら、少し疲れも見えたウタカは下げるかと思いきや、そのまま。
MIU(Martinus + Ismaila + Utaka)という3トップを敷いたのだ。
京都FWはセンターのウタカ以外、最終ラインにまで下がってくるほどのの守備力が要求されてきた。
それが、おせじにも守備力が高いとは言えない2人を入れたのだから、リスクを背負ったすごい選択だな!と思ったよね。

結果として、その後は一方的に京都の時間帯。
G大阪の脚がかなり止まってしまっていたせいもあって、守備力が下がったことはまったく問題にならなかった。
結果として勝ち越しゴールは生まれなかったけれど、まさに
「(マルティノス、イスマイラが)出てくる前に負けることを考えるバカがいるかよ!」
であり、少しでも失点するんじゃないかと不安に思ってしまった自分を恥じたい。

で、試合全体に話を戻すと……。
両軍ともに相手を崩したようなチャンスメークはほぼ見られなかった。
どちらとも守備が堅い、カッチカチやぞ!なゲームだった。

京都視点でいえば、前半、最終ラインでボールを持っても、なかなか前に進めないでいた。
G大阪がよい距離感とバランス感でプレッシャーをかけてきて、ボールの出しどころが少なかったからだ。
また、自陣の深いエリアで相手にパスを出してしまったり、どうにもイージーなミスが続き、リズムを失ってしまった。
このあたりを改善して、前線に早く楔を打てたり、サイドに流れるFWにロングボールが出せるようになると、チームは一段成長できるんだろうけど、まぁそう簡単にはいかない。

ただ、ホームでの戦いながらもG大阪と完全に互角かそれ以上の戦いができた。
振り返ってみると、開幕時よりチーム力は明らかに向上しているとも思える。
伸び代、ありまくり。
中3日で、また次の試合が見られるのがうれしい限りだ。

【J1第6節】ヴィッセル神戸 1-3 京都サンガF.C.

ヴィッセル神戸 1-3 京都サンガF.C.
日時:2022年4月2日(土)16:03KO
会場:兵庫県神戸市御崎公園球技場 “ウイングS”(1万7,411人/晴 13.6℃ 26%)
主審:世界の西村雄一49歳
49′-神戸/初瀬亮
55′-京都/荻原拓也(左足)※J1初ゴール
58′-京都/宮吉拓実(右足)
90+4′-京都/山田楓喜(左足←松田)※J1初ゴール

■ヴィッセル神戸(4-2-3-1)
GK18:飯倉大樹
DF24:酒井高徳
DF17:菊池流帆
DF14:槙野智章
DF3:小林友希
MF25:大﨑玲央(72′-MF31:中坂勇哉)
MF5:山口蛍
MF19:初瀬亮(65′-MF16:汰木康也)
MF8:アンドレス・イニエスタ・ルハン
MF9:ボージャン・クルキッチ・ペレス(72′-FW29:リンコウン・コレア・ドス・サントス “リンコン”)
FW10:大迫勇也

■京都サンガF.C.(4-1-2-3)
GK21:上福元直人
DF14:白井康介(90+2′-DF5:アピアタウィア久)
DF31:井上黎生人
DF3:麻田将吾
DF17:荻原拓也(90+2′-DF6:本多勇喜)
MF24:川﨑颯太
MF10:福岡慎平(72′-DF4:ホルネイケル・メンデス・マレイロス)
MF18:松田天馬
FW13:宮吉拓実(90+2′-MF27:山田楓喜)
FW9:ピーター・マドゥアブチ・ウタカ
FW7:武富孝介(24′-MF19:金子大毅)

宮吉拓実選手(京都)
「勝利は、全員が90分間ファイトして戦った結果。
ボールを奪ってから厚みを持って攻撃する、人数をかけてゴール前に迫るーー。
日ごろ、トレーニングからやっていることが生きて、僕のところにボールがこぼれて来たんだと思います。
(ーー活動停止期間もあったが?)
限られた人数ではありましたが、じゅうぶんに準備できていました。
スタッフはこの試合に備えて素晴らしいメニューを提示してくれましたし、選手たちもしっかりとしたトレーニングがやれていたんです」

曺貴裁コーチ(京都)
「前の試合負けた悔しさがある中で、きょうは勝てたことをみんなで喜び合いたいです。
(新型コロナウイルス感染症など)自分たちのコントロールできないものに意識を向けても仕方がありません。
自分たちに目を向けて考えたときに、今の課題として『得点を生むためにはどうすればいいのか?』と。
それを選手たちとずっと話していました。
もしかしたら京都サンガ以外のチームには当てはまらないことかもしれないですけれど、
僕はこのチームを預かって、僕なりの信念を彼らに示していっているつもりです。
もちろん勝てないとき、勝ち点を落とすときもありますけれど、かといって自分の信念を話さなくなってしまっては、監督としているここにいる意味はありません。
(ーー開幕戦以来の白星となったが?)
後半、悪いボールの取られ方をして失点してしまったところから、めげずに3点取れたというところにチームの成長を感じます。
ただ、これが〝ゴール〟ではありません。
自分たちがもっともっとできることを見せて、京都の皆さんに喜んでもらいたい。
(ーー有名選手を多数抱える神戸相手の勝利については?)
たくさんの経験をもった選手が相手には多くいましたけれど、それがプラスに出るかマイナスに出るか、やってみたいと分からないところもあるので。
試合の前から相手の選手を見て気持ちが負けているようでは、プロとは言えません。
またそういう気持ちでサッカーをするようなら、お金を払って見にきてくれているお客さんにも失礼。
勝とうが負けようが自分たちの良いところを出すということを、今後も続けていきます」

リュイス・プラナグマ・ラモス暫定コーチ(神戸)
「勝った京都にはおめでとうと言いたい。
しかし、自分としては勝つためにすべてを尽くして臨んだし、いいゲームはできていたと思う。
先制した後カウンターを2本続けて決められて、試合の流れはガラッと変わってしまったんだ。
ゲーム内容と比べれば、あまり点差が開きすぎた結果だと言えるだろうね」

俺たちが、一番、おもしろいッ!

御崎公園の選手入場BGMがM-1グランプリと同じ(「He’s a Pirate」/映画『パイレーツ・オブ・カリビアン』より))!


思わず心がアガったし、もちろんゲーム内容も興奮させられた。
味方同士がゴール前でぶつかるという、おもしろいアンラッキーな形で、相手にボールが流れて失点。
しかしその後、ボール奪取からの一気呵成の攻め上がりで連続得点。
ロスタイム、山田楓喜くんのゴールは、シチュエーションは違えど天皇杯横浜FM戦の延長戦ロスタイム、久保→駒井のゴールを思い出したよね……(涙そうそう

「得点を取ること」にフォーカスして準備をしたきたという、きょうのサンガ。
しかし正直言えば、前半から選手同士の息が合わずパスが繋がらなかったり、ビルドアップでは相当苦労していた印象だった。
特に左サイドは、神戸がいつもサイドバックを務める初瀬を右サイドハーフに流出させて、荻原の攻め上がりが抑えられてしまっていたのだ。

そんな中で生まれた同点ゴール、逆転ゴールは似たような形で生まれた。
自陣から早いタイミングで前線に入れて、そこでウタカがうまくボールを収め、溜めを作っている間に、多数の選手がゴール前に駆け上がってくるというもの。
特に宮吉の逆転ゴールのシーンは、荻原がクロスを上げる段階で大外に京都の選手が2枚も余っていた。
守から攻の切り替えにおいて京都が神戸を凌駕していたことが、2得点に繋がったと言ってよいだろう。

ひとつ、京都にとってラッキーだったのが、神戸の指揮官が交代した直後のゲームだったということ。
フォーメーションを変え、選手の配置も変えて、まだチームとしてやりたいことが固まっていない印象があった。
攻撃はボールは保持すれど、前の選手が降りて来て、裏に中盤の選手が走るといった〝ボールの出し入れ〟はあまりなく、京都守備陣形の外側からパスを回す時間帯が多かった。
リュイスさん、試合中のオーバーアクションはランジャタイばりでおもしろかったんだけどな……。

話戻って、京都は新型コロナウイルス感染症の陽性判定者続出を受けて、カップ戦・札幌戦をスキップ。
来週から週2戦が3週間続くことになる(きょうから22日間に7戦!)。
そして、そのしょっぱなの白星。
いい流れをつくれたという意味で、本当によかったよかった。

【J1第5節】京都サンガF.C. 0-1 FC東京

京都サンガF.C. 0-1 FC東京
日時:2022年3月19日(土)14:03KO
会場:京都府立京都スタジアム “サンガS”(1万790人/曇のち雨 10.3℃ 65%)
主審:小屋幸栄
68′-F東/ヂエゴ・ケイロス・デ・オリヴェイラ “ディエゴオリヴェイラ”

■京都サンガF.C.(4-1-2-3)
GK1:若原智哉
DF14:白井康介
DF5:アピアタウィア久
DF4:ホルネイケル・メンデス・マレイロス
DF17:荻原拓也(75′-MF8:荒木大吾)
MF24:川﨑颯太
MF10:福岡慎平(75′-DF31:井上黎生人)
MF16:武田将平(78′-MF19:金子大毅)
FW13:宮吉拓実(75′-FW11:山﨑凌吾)
FW9:ピーター・マドゥアブチ・ウタカ
FW7:武富孝介(57′-FW23:豊川雄太)

■FC東京(4-1-2-3)
GK24:ヤクブ・スウォビィク
DF5:長友佑都
DF30:木本恭生
DF3:森重真人
DF6:小川諒也
MF16:青木拓矢(82′-DF23:渡邊凌磨)
MF31:安部柊斗
MF44:松木玖生
FW17:紺野和也(71′-FW11:永井謙佑)
FW9:ヂエゴ・ケイロス・デ・オリヴェイラ “ディエゴオリヴェイラ”
FW15:アダイウトン・ドス・サントス・ダ・シウヴァ(82′-MF8:髙萩洋次郎)

曺貴裁コーチ(京都)
「前節の反省を踏まえて〝自分たちらしさ〟を出そうということで、立ち上がりから選手たちはファイティングスピリットを見せてくれていました。
戦術的にも臆せずわれわれの良さを出すということで、相手もわれわれに合わせざるをえない状況もありました。
差は、やっぱり(得点を)取れるところで取ったということ。
チャンスの数はFC東京もそんなに多くはなかった中で、決め切る力はさすがです。
ただ、きょうはチームとして出来がいい部分はたくさんあったので、結果は残念ですけれど前向きにやっていきたい。
来週カップ戦を挟んだ後、リーグ戦が2週で3戦と厳しい日程が待っています。
勝ち点3を取れるような準備を選手たちと一緒に話しながらやっていって、次戦に向かいます」

アルベル・プッチ・オルトネダ コーチ(F東)
「3連勝だろうが10連勝だろうが、一番大切なことはチームの成長なんだ。
きょうの勝利で、チームはまた成長できたと思うよ。
その証拠に、リードを奪って残り時間が少なくなったときに〝ボールを繋ぎながら守備をする〟ということができていたからね」

♪てんてんどんどんてんどんどん

前半も後半も、アタマ15-20分程度は前線からの追い込みがどハマり。
相手に自由にボールを持たせず、ゲームを支配することができていた。
しかし、時間が過ぎるにつれ、京都の前線からの圧力が弱まっていく……。
前半・後半、〝天丼〟の展開だった。

なぜ、そうなったか?

ひとつには、3トップの頂点に入るウタカに、そこまでの激しいプレス&運動量は望めないことが挙げられるだろう。
もちろんチームとしても織り込み済みのことだし、守備でパワーを使い過ぎて攻撃の局面でガス欠になると困るのも確か。
とはいえ、プレスの〝鉾先〟が緩んでいるならば、そこをJ1の技術の高いチームならば突いてくるだろう。
実際きょうのゲームでも、F東のセンターバック2人とアンカー(青木)のところでボールを回せるようになってから、次第にペースを握られた印象だった。

2番目の理由は、F東の最終ラインからロングボールを蹴られ、前からのプレスを〝無効化〟されたこと。
具体的には、森重がフリーでボールを持てる局面を作ってしまい、
→精度の高いロングボールを京都両サイドバックの裏へ蹴られ、
→サイドで1対1勝負の局面をつくられてしまう
という流れ。
失点シーンも、森重→裏に走り込んだ紺野と繋がり、京都DFおよびMFたちの戻りが遅れたことで生まれたものだった。
〝ハイプレス殺し〟としてロングボールは定石だけど、精度を高いボールを蹴れる森重を自由にさせすぎてしまった、とも言えるだろう。

ただ、試合後に曺さんが話していたように、F東にボールをもたれ、CKをたくさん与えていたけれど、決定機をつくられていなかったのも事実。
逆に、京都の方にあった2つの超決定機ーー
・前半、福岡CKからメンデスがドフリーでヘッド
・後半ロスタイム、ウタカのクロスから白井のシュート
どちらかが決まっていればなぁ〜というのはある。

J1リーグ戦が5つ終わって、そう簡単に勝てる試合はないな!というのが実感だ。

なお、川﨑選手は相手に臆することなく守備でも攻撃でも奮闘、きょうのベストプレイヤーのひとりじゃないだろうか。
U-21日本代表(ドバイカップ)でも頑張ってね!

【J1第4節】京都サンガF.C. 1-1 湘南ベルマーレ

京都サンガF.C. 1-1 湘南ベルマーレ平塚
日時:2022年3月12日(土)15:04KO
会場:神奈川県平塚市平塚競技場(8,405人/晴 17.9℃ 48%)
主審:上田益也
47′-京都/ピーター・マドゥアブチ・ウタカ(左足←武富)
71′-平塚/町野修斗

■湘南ベルマーレ(3-1-4-2)
GK1:谷晃生
DF16:山本脩斗
DF22:大岩一貴
DF8:大野和成
MF15:米本拓司
MF6:岡本拓也(70′-MF27:池田昌生)
MF41:永木亮太
MF7:田中聡(84′-MF14:茨田陽生)
MF3:石原広教(70′-DF2:杉岡大暉)
FW9:ウェリントン・ルイス・ヂ・ソウザ(90′-FW13:瀬川祐輔)
FW18:町野修斗(84′-FW17:大橋祐紀)

■京都サンガF.C.(4-1-2-3)
GK1:若原智哉
DF2:飯田貴敬(46′-DF14:白井康介)
DF5:アピアタウィア久
DF4:ホルネイケル・メンデス・マレイロス
DF3:麻田将吾 ※78′-一発退場
MF24:川﨑颯太
MF19:金子大毅(46′-DF17:荻原拓也)
MF16:武田将平
FW7:武富孝介(82′-FW11:山﨑凌吾)
FW9:ピーター・マドゥアブチ・ウタカ(89′-FW23:豊川雄太)
FW18:松田天馬(90+7′-FW13:宮吉拓実)

『3-4×3月』(さんたいよんえっくすさんがつ)

J1よ、私は帰ってきた!
ーーということで、今季初、そしてひさしぶりのJ1スタジアム観戦は平塚にて。
2017年対戦時は業務で行けなかったので、2014年以来かな?
(※ともにJ2での戦い)
ボロっちいラスカ平塚や、駅前少し歩いたところにあるキャバレーやらピンサロやらがあるエリアも健在で懐かしかった。

で、試合はまぁなんとか勝ち点1を取ることができた、という感じだろうか。
前半から圧倒され…
→後半アタマから一気にペースを取り返し…
→最後は1人少なくなってハイボールを放り込まれまくる…
どちらかが主導権を握っているかが、時間帯によってはっきり違うようなゲームだった。

話戻して、試合開始から京都は湘南の高い位置でのプレスに完全に捕まっていた。
ボールを回せず、ボールを失いつづける。
特に両サイドでの手詰まり感は著しく、サイドバックがボールを持ってもパスを出すスペースがほぼないような状況。
麻田が松田天馬に向かって、「サイドに張っているだけじゃなくて中に入る動きををしてくれ」とゼスチャーを交えて要求するシーンも見られた。

さすがに、京都ベンチも手を打ってきた。
31分、武田がハイボールの競り合いで頭部を負傷している間に、麻田が真ん中に入って3バックにチェンジ。
最終ラインはアピアタウィア、麻田、メンデス。
サイドは松田天馬が左ウイングバックに回って、飯田が右サイドバックに上がる。
中盤は川﨑、金子、武田。
前線は武富とウタカが2トップの形になった。

…と思っていたんですけど、家に帰ってDAZN見直したら、その1分前。
30分ごろ、町野のシュートがGK若原の正面に飛んだ直後から、3バックに切り替えてるみたい。
なんにしろ、ずっと押されっぱなしだったので、前半のラスト15分でもう少し挽回して、後半に臨みたかったというところだろうか。
とはいえ、前半は京都のシュートは0。
流れは取り戻せなかった。

そして、後半開始からウイングバックを取っ替えてきた。
白井が右ウイングバック、荻原が左と、「推進力」を生み出せる2人が入る。
中盤は川﨑、武田、松田で、武田が右サイドに。
結果的には、この交代で京都が息を吹き返した。

46分、中盤でいいリズムでボールが動いて武富がロングシュート(※この試合シュート1本目)。
いい入りをした後の47分に、セカンドボールのこぼれから武富が裏にスルーパス、ウタカがゲット!
48分には、荻原の突破からのグラウンダーのクロスにウタカのシュートは、クロスバー直撃。
後半たった3分で、一気にゲームの流れが変わってしまったのだから、サッカーは恐ろしい。
その後も左右の両CBが高く上がり、ときにウイングバックを追い越すことで、前への圧力を増すことができた。

良好な流れの中で2点目が取れていれば、おそらくこのゲームをものにできていたのだろうけど…。
まぁ、そこまでは甘くないよね。
ただ、気になるのは前節の磐田戦といい、3バックのチームと対戦すると、京都のプレスがなかなかハマらないこと。
相手の3バックvs京都の3トップ。
そこでプレスを突破されると、相手の中盤はウイングバック含めて5人。
京都は中盤の3人+サイドバックで対抗するんだけど、サイドバックの裏にスペースが空き、そこで起点を作られることが多い。
3バックの相手にはミラーゲームで合わせるのか、あるいは4バックのままプレスの精度を高めていくのか。

開幕から約1か月、4節にして〝J1の壁〟にぶち当たっているように感じた。
しかし、この壁に挑むことが〝S Adventure〟であり、乗り越えること=チームの成長、なんだろうな。
次節はポゼッション志向のアルベルトさん(前新潟)率いるFC東京戦。
京都はどういう布陣と戦い方で挑むか、興味深い一戦だ。