【J2第35節】京都サンガ 1-0 東京ヴェルディ

京都サンガ 1-0 東京ヴェルディ
◇日時:2011年11月12日(土)16.04キックオフ
◇会場:京都市西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場(晴 19.5℃ 68%/1万2287人)
◇主審:河合英治
86分【京都】中村太亮(左足←工藤)

■京都サンガF.C.(4-1-2-3)
GK1:水谷雄一
DF2:酒井隆介
DF32:内野貴志
DF6:染谷悠太(30分-DF4:秋本倫孝)
DF16:福村貴幸
MF7:チョン・ウヨン
MF20:工藤浩平
MF23:中村充孝(83分-MF17:中村太亮)
MF15:中山博貴
FW13:宮吉拓実
FW9:セルジオ・ドゥトラ・ジュニオール(89分-FW28:キム・ソンヨン)

■東京ヴェルディ(4-2-2-2)
GK26:柴崎貴広
DF2:福田健介
DF17:土屋征夫
DF14:富澤清太郎
DF3:吉田正樹(88分-FW11:ルイス・カルロス・ドス・サントス・マルチンス “マラニョン”)
MF5:佐伯直哉(65分-DF23:高橋祥平)
MF21:小林祐希
MF4:ルイス・ヂャリソン・ヂ・ソウザ・アウヴェス “アポヂ”(46分-MF7:河野広貴)
MF10:菊岡拓朗
FW19:阿部拓馬
FW41:巻誠一郎

中村太亮選手(京都)
「(工藤)浩平さんのいいパスが来たおかげです。
右空いてたんで、適当に蹴ったら入るかなぁ思ってたら入ってよかったです。
これ決まったら6連勝になるなぁ、て思ってました」

▼インテンシティの高いゲームで6連勝
6連勝、そしてまたも無失点とか。
4バック最強過ぎる。

とはいえ、ゲーム全体としては東Vがペースを握っていた感じ。
アポヂ、河野の突破力で右サイドを完全に掌握し、逆に左サイドは阿部が流れてきて勝負に来る。
対する京都は、前線からプレッシャーに入っていたけど…。
交わされて、大きな展開でサイドに振られるなど、プレスが後手後手に回っていた気がするな。

相手ペースになった要因としてひとつ挙げられるのは、相手の運動量が最後まで落ちなかったこと。
今までの対戦相手だと試合開始からはプレスがきつくて、ボールが回せない。
でも、前半30分すぎから落ち始めて、後半は前半の7掛けって感じだった。
東Vは、気温が下がってきたせいもあるとはいえ、前線から規律正しい守りをしていた。

だからこそ、こういう相手にも粘り強く戦えた。
そして、勝ち点3をゲットできたことは、大きい。
得点は、水谷のキックから、相手DF(富澤清太郎)が持ちすぎたところを工藤がカット。
そこからのカウンターで、交代で入ったばかりの中村太亮が決めたものだった。

きょうの関しては正直消えている場面が多かった工藤を残したこと。
左サイドに太亮を投入したこと。
この2点に関して、大木采配はズバリだった。
太亮はその前も、左サイドで基点になって、中山博貴の落とし→工藤のジャンピングボレー失敗…という場面を演出していたしね。

何にせよ、攻撃のダイナミズムは減ったが、守備・攻撃とも堅実度が増してきた京都サンガ。
きょうで今季の昇格はなくなった。
でも、このやり方を続けるなら、来期もある程度星勘定はできそうな気がする。
攻撃でもう少し迫力が欲しいところではあるけれど。

【J2第34節】ロアッソ熊本 1-2 京都サンガ

ロアッソ熊本 1-2 京都サンガ
◇日時:2011年11月6日(日) 13.03キックオフ
◇会場:熊本市水前寺競技場(雨 22.1℃ 86%/2847人)
◇主審:窪田陽輔
11分【熊本】大迫希
37分【京都】セルジオ・ドゥトラ・ジュニオール
53分【京都】セルジオ・ドゥトラ・ジュニオール

■ロアッソ熊本(4-1-2-1-2)
GK18:南雄太
DF15:市村篤司
DF4:廣井友信
DF28:菅沼駿哉
DF24:筑城和人(83分-MF30:仲間隼斗)
MF8:原田拓
MF22:吉井孝輔(72分-MF25:西森正明)
MF23:根占真伍
FW14:武富孝介
FW13:大迫希(62分-FW32:ソン・イニョン)
FW27:ファビオ・エンリケ・ペナ

■京都サンガF.C.(4-1-3-2)
GK1:水谷雄一
DF2:酒井隆介
DF32:内野貴志
DF4:秋本倫孝(46分-DF6:染谷悠太)
DF16:福村貴幸
MF7:チョン・ウヨン
MF20:工藤浩平(88分-MF18:加藤弘堅)
MF23:中村充孝(56分-MF22:駒井善成)
MF15:中山博貴
FW13:宮吉拓実
FW9:セルジオ・ドゥトラ・ジュニオール

▼金の金言
2005年以来、6年ぶりの5連勝わっしょい。
それもこれも金成勇の「溜まった水は腐ってしまうが、流れる水は綺麗なままだ」っていう、試合前の金言のおかげか。

ただ、試合内容は正直あまりよくなかった。
録画で見てたんですが(結果は知らないまま)、かなりひやひやした。
ボールを繋げなかったし、特に後半守備でムダなファウルが多すぎた。
おかげで相手にセットプレイを与えまくり。
からの〜、サインプレイであやうく同点になるところだった。

とはいえ、勝っちゃうのが今の運気か…。
もちろん
・4バックになって最終ラインを相手に付かれなくなった
・伊藤、駒井に代わって充孝、工藤になったことで、突破力は落ちたがボールロストが減った
という理由はあるんだろうけどね。

次は、西京極で東V戦。
勝ち点差3で上にいる相手だ。
勝てれば同一勝ち点だけど、得失点差でまだ追い抜くことはできない。
とはいえ、残り4試合で少しでも上の順位に行けるように頑張って欲しいな。

【J2第33節】京都サンガ 1-0 湘南ベルマーレ

京都サンガ 1-0 湘南ベルマーレ
◇日時:2011年10月29日(土) 17.04キックオフ
◇会場:京都市西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場(曇 21.3℃ 63%/7090人)
◇主審:塚田智宏
86分【京都】宮吉拓実(←工藤)

■京都サンガF.C.(4-1-3-2)
GK1:水谷雄一
DF2:酒井隆介
DF32:内野貴志
DF4:秋本倫孝
DF16:福村貴幸
MF7:チョン・ウヨン
MF20:工藤浩平(87分-MF22:駒井善成)
MF23:中村充孝(56分-MF18:加藤弘堅)
MF15:中山博貴
FW9:セルジオ・ドゥトラ・ジュニオール
FW13:宮吉拓実

■湘南ベルマーレ(4-2-2-2)
GK21:西部洋平
DF5:臼井幸平
DF3:大井健太郎
DF4:山口貴弘
DF2:鎌田翔雅
MF6:永木亮太
MF15:ハン・グギョン
MF10:アヂエウ・ヂ・オリヴェイラ・アモリム(71分-MF19:岩尾憲)
MF23:高山薫
FW8:坂本紘司(85分-FW31:ファン・スンミン)
FW9:田原豊(68分-FW30:ルーカス・ヴィニシウス・ゴンサウヴェス・シウヴァ)

宮吉拓実選手(京都)
「後ろの選手もファイトしてくれたし、連戦だったんですけど4連勝できてよかった
得点のシーンは、きのうの練習で(工藤)浩平さんと『ああいうカタチあるよね』という話をしていた。
そのとおりのゴールでした」

水谷雄一選手(京都)
「完封?
いやぁこれが自分の仕事なんでね。
今まではなかなか結果が出てなかったので、申し訳なく思っていた。
こうやって、みなさんと喜べてうれしいです。
子供が生まれてから負けてないので、何かあるかなと思ってます(笑)」

▼4バックで4連勝
ソリッドなゲームで、0-0な空気が流れていた86分。
宮吉の超絶トラップからのゴール!
水→土曜日と続いた、湘南との連戦は2タテで終わった。
そして、チーム4連勝…だ…と…。
シーズン前半のころにタイムマシンで戻って、そのころの自分に
「秋に4バックに変えて、4連勝するよ!」
と伝えてあげたいです。
…たぶん、信じないだろうけど。

▼湘南との順位、一気に逆転
1stレグ(水曜日)と違って、前半からうまく相手にプレスがかかっていたきょうのサンガ。
そのひとつの要因として、秋本が田原をうまくケアして、ポストプレイを無効化していたことがあるかな。
空中戦、競り勝ちまくっていたからなぁ。

とはいえ、攻撃面では決定機までもっていけない。
中盤でワンタッチパスが繋がるんだけど、ドゥトラのドリブルが大きすぎたり、酒井&フクちゃんのクロスがあさっての方向だったり。
本当に惜しかったのは、FKからの宮吉のシュートがバーを叩いたところぐらいかな。
攻撃は悪くないけど、最後の精度が悪かった、とまとめておこう。

そういう意味でも、湘南のルーカスが決定機を外してくれたのは大きかった。
あれが決まってたら、湘南が引きこもってしまうし、きょうの京都の攻撃ではゴールを奪えていたかは微妙だ。

なわけで、勝ち点差「5」あった湘南との差は、2タテで一気に逆転。
試合結果も13勝7分け13敗とイーブンになったし、得失点差もプラス1になった。
そして、順位は暫定で10位に上がった。

そして、続くのが、今京都より上にいる熊本と東京Vとの連戦だ。
そこをうまく戦えば、残りは3試合(岡山、横浜、岐阜)。
ひと桁順位も見えてくるな〜。

【J2第7節※順延分】湘南ベルマーレ 0-1 京都サンガ

湘南ベルマーレ 0-1 京都サンガ
◇日時:2011年10月26日(水) 19.03キックオフ
◇会場:神奈川県平塚市平塚競技場(6104人/晴 14.5℃ 42%)
◇主審:西村雄一 “世界のユーポー”
63分【京都】オウンゴール(田原豊←FK:チョン・ウヨン)

■湘南ベルマーレ(4-2-2-2)
GK21:西部洋平
DF5:臼井幸平
DF3:大井健太郎
DF4:山口貴弘
DF2:鎌田翔雅
MF6:永木亮太
MF15:ハン・グギョン
MF10:アヂエウ・ヂ・オリヴェイラ・アモリム(85分-MF14:菊池大介)
MF23:高山薫(68分-MF7:石神直哉)
FW8:坂本紘司(76分-FW30:ルーカス・ヴィニシウス・ゴンサウヴェス・シウヴァ)
FW9:田原豊

■京都サンガF.C.(4-1-3-2)
GK1:水谷雄一
DF2:酒井隆介
DF32:内野貴志
DF4:秋本倫孝
DF16:福村貴幸
MF7:チョン・ウヨン
MF20:工藤浩平(88分-MF22:駒井善成)
MF23:中村充孝(73分-MF18:加藤弘堅)
MF15:中山博貴
FW9:セルジオ・ドゥトラ・ジュニオール
FW13:宮吉拓実

▼牛の恩返し
牛のバックヘッドからオウンゴール。
コースを狙ったゴラッソな1点を守りきって、京都は今季初の3連勝達成です。
めでたい。

試合の流れは、ここ数戦と同じでしたね。
開始から30分は、ボールが繋がらず相手に支配される。
相手のプレスがやや弱まる前半ラスト10分ぐらいから、反撃のシュート開始。

でもって、いつもは後半は我が軍ペースになるんですが、きょうはなかなか…。
その理由として、湘南は中3日、京都は中2日という「休養差」があるでしょう。
ただそれ以上に、対戦相手・湘南のクオリティが高かったことも認めたいところです。
中盤で「穴」が少なかった。
中村充孝もほとんど仕事ができなかったですしね。

まぁ、京都は工藤、湘南は高山に訪れたドフリーのチャンスをどちらかが決めていれば、もう少し違った試合展開になったのかも知れません。
と、きょうは遅く帰宅しての録画観戦だったので、こんな感じで。

最後に振れておきたいのが、試合終了間際、田原がヘッドしたあと秋本と交錯したシーン。
秋本が文句言ったら、田原が軽いキレ気味な表情で言い返して、軽く相手を叩くようなアクションを起こしてました。
あれこそ、田原ですよね(微苦笑)。
懐かしさとやりきれなさと心強さとを感じた、きょうのハイライトでした。

【J2第32節】大分トリニータ 1-3 京都サンガ

大分トリニータ 1-3 京都サンガ
◇日時:2011年10月23日(日)14.05キックオフ
◇会場:大分県大分市大分スポーツ公園総合競技場 “ビッグアイ”(晴時々曇 24.1℃ 45%/8522人)
◇主審:松村和彦
36分【京都】宮吉拓実
49分【京都】工藤浩平(←右:酒井)
56分【大分】三平和司
81分【京都】宮吉拓実(←中央:久保)

■大分トリニータ(3-4-3)
GK29:丹野研太
DF6:土岐田洸平
DF4:作田裕次
DF24:カン・ソンホ
MF2:藤川祐司
MF15:永芳卓磨
MF32:宮沢正史
MF11:チェ・ジョンハン
FW19:前田俊介(82分-MF28:為田大貴)
FW18:イ・ドンミョン(46分-FW9:三平和司)(63分-MF34:長谷川博一)
FW20:森島康仁

■京都サンガF.C.(4-1-3-2)
GK1:水谷雄一
DF2:酒井隆介
DF32:内野貴志
DF4:秋本倫孝
DF16:福村貴幸
MF7:チョン・ウヨン
MF20:工藤浩平
MF23:中村充孝(69分-MF18:加藤弘堅)
MF15:中山博貴(86分-MF19:内藤洋平)
FW13:宮吉拓実
FW31:久保裕也

大木武コーチ(京都)
「勝因は、選手たちが頑張ってくれたから、それに尽きるでしょう。
遠く大分まで来てくれたサポーターに勝利をプレゼントできて、とてもよかったです。
4バック?
いいところもあれば悪いところもありました、はい」

▼ゴラッソ2発
難しいシュートを決めたフォワードがいた京都。
それほど難しくないシュートを外したフォワードがいた大分。
この差が出たゲームだった。

てか、宮吉の2発は豪快すぎだな。
打ったあと、ボールがネットに突き刺さっているのを見て、
「え、それ入るの?」
と正直思ったぐらい。
AFC U-19選手権の代表合宿から金曜日に帰ってきたという久保も、その疲れを感じさせないプレイだった。

(※ちなみに、久保は次節以降お休みの予定だが、AFC U-19選手権がタイで開催されるとあって、ひょっとしたら大会延期も…
AFC U-19選手権予選に挑むU-18日本代表メンバー23人を発表:ゲキサカ[講談社] 無料サッカー速報 )

▼ブラジウ的な攻撃的MF
んで、前節同様、4バックを敷いた京都。
攻め方も前節同様、ショートパスの交換を連続させながら相手のスキを狙うもの。

工藤、中山博貴は攻撃的なポジションだが、ワイドには張らない。
むしろ、久保、宮吉の2トップが開いたポジションでボールを受けて、そこから攻撃が始まる。
(1)中央にいる、工藤、博貴、充孝にパスを預けて…
(2)そこからダイレクトでパスを繋ぎつつ、スペースに走り込んだ選手へのスルーパスを狙う
(3)あるいはサイドバックの攻め上がりを待つ
といったのが、基本的な攻撃スタイル。

あえて喩えるなら、ブラジウ的な4-4-2。
伊藤、駒井をワイドに置いていて、彼らの単発でのドリブル突破に主眼を置いていた攻撃とは、だいぶ違うものになった。

トライアングルを意識したポジショニング。
スペースを走り込むタイミング。
これらの面で、博貴、工藤の2人が効いているなぁ、といった印象。

もし今後、相手に読まれて攻撃が「詰まった」としたら、博貴を真ん中に置いて、どちらかのサイドに伊藤、ドゥトラらのドリブラーを置くこともできる。
そういった意味で、まだ成長の余地が残った、面白い攻撃システムだと思った。

▼まだ不安定な最終ライン
対して守備は、ついに4バック変更以来はじめてとなる失点を喫した。
というか、簡単なパスで最終ラインの背後を襲われ、カバーリングする選手がいないなんて…。

失点シーン以外にも、森島が超決定機を2本外してくれたが、一発で裏を取られるシーンがあって、超怖い。
前線でボールロストしてからのプレッシングはしっかり出来ているだけに、そのプレスをかわされた場合、あるいは中盤でボールを失なった場合の守り方に問題があるような気がする。

札幌戦と同じく、「結果的に」相手に先制点を奪われなかったから勝てた、とも言えるだろう。
もし先制点を奪われてたら、全体的にメンタルが落ちて、いいパフォーマンスができない傾向もあるし。
まぁ、最終ラインはけが人が多いからやむをえない部分もあるけど、来週は今節7点を取っている湘南との2連戦だけに…。