鹿島アントラーズ 3-4 京都サンガF.C.
日時:2025年4月6日(日)15:03KO
会場:茨城県県立カシマサッカースタジアム(1万6,859人/雨のち晴 16.3℃ 90%)
主審:上田益也
18′-鹿島/レオナルド・ヂ・ソウザ・ペレイラ “レオ・セアラ”
30′-鹿島/レオナルド・ヂ・ソウザ・ペレイラ “レオ・セアラ”
61′-京都/奥川雅也(右足)
80′-京都/ハファエウ・エリアス・ダ・シウヴァ “パパガイオ”(ヘッド←原)
82′-京都/ハファエウ・エリアス・ダ・シウヴァ “パパガイオ”(ヘッド←須貝)
90+2′-鹿島/師岡柊生
90+5′-京都/ハファエウ・エリアス・ダ・シウヴァ “パパガイオ”(左足←原)
■鹿島アントラーズ(4-2-2-2)
GK1:早川友基
DF22:濃野公人
DF55:植田直通
DF5:関川郁万
DF2:安西幸輝
MF14:樋口雄太(85′-DF3:キム・テヒョン)
MF10:柴崎岳(65′-MF6:三竿健斗)
MF71:荒木遼太郎(65′-MF25:小池龍太)
MF27:松村優太(65′-FW19:師岡柊生)
FW40:鈴木優磨(83′-FW11:田川亨介)
FW9:レオナルド・ヂ・ソウザ・ペレイラ “レオ・セアラ”
■京都サンガF.C.(4-1-2-3)
GK26:太田岳志
DF22:須貝英大
DF5:アピアタウィア久(46′-DF24:宮本優太)
DF50:鈴木義宜
DF44:佐藤響(57′-DF2:福田心之助)
MF10:福岡慎平(46′-MF6:ジョアン・ペドロ・メンデス・サントス)
MF7:川﨑颯太
MF39:平戸太貴(78′-FW77:ムリロ・ヂ・ソウザ・コスタ)
FW29:奥川雅也(70′-マルコ・トゥーリオ・オリヴェイラ・レモス)
FW9:ハファエウ・エリアス・ダ・シウヴァ “パパガイオ”
FW14:原大智
曺貴裁コーチ(京都)
「ドラマでしたね、本当に。
ここで、鹿島さんは27試合負けてない。
そして何より、われわれはリーグ戦で一度も勝ったことがない。
歴史が変わった、その場面に自分が立ち会えたことは幸せです。
ただ、歴史というのは紡いでいくもの。
きょう新しい1ページを記して、あしたからまた強くなっていくだけです。
(——ハーフタイムの指示は?)
0-2になって、修正しなければいけない部分は明確に分かっていました。
詳細は控えますが、選手を変えて、自分たちがボールを持つ時間が長くする形に変えたことがうまくいったと思います。
もちろん、勝ったからといってすべてがよかったわけではありませんでした。
前半の立ち上がりの戦い方など、チームとして幼さも見せてしまいました。
とはいえ、きょう遠くまで来てくれたサポーターにいいプレゼントができたかなとは思います」
艮 (うしとら)の地で鬼が逝く
リーグ戦、ずっと勝てなかった鬼門の地・カシマ。
何かに取り憑かれてたかのような奇縁も、「お逝きなさい(CV:釈由美子)」と振り払うことができた。
フライハイ(Fly High)ならぬ、スカイハイ。
たしかに、きょう歴史が変わった。
最初に、勝負のあやとして挙げたいのが、上田主審のカード基準。
開始早々7分、ハイボールの競り合いで「肘が高く上がった」として原にイエローカードを出した。
人によっては、口頭注意で済ますレベルのものではなかったか。
しかしこれが〝指標〟となったせいか、福岡(16分)、アピ(19分)が立て続けに警告がもらってしまう。
(※ついでに言うなら、後半に鹿島・松村に対して出された警告も厳しかった)
前半早々2点を奪われ、その後も鹿島にずっと押される展開が続く。
ハーフタイムを迎え、京都は情勢打開を図った。
イエローをもらっていた福岡をジョアン・ペドロに、アピを宮本にと、2枚替え。
きょうの上田主審の〝笛〟ならば2枚目の警告も躊躇わないだろうから、退場者が出るのを避けるという意図もあっただろう。
しかし、それ以上に交代によって戦い方をアジャストするという狙いがあったはずだ。
そして、後半開始からゲームの流れが大きく変わる。
その立役者のひとりは、後半からセンターバックに入った宮本。
彼のおかげで、前半には少なかった最終ラインからのパス出しがスムーズになった。
同点ゴールは、宮本から左斜めにグラウンダーの縦パスがズバッと入ったところから。
ロスタイムの決勝点も、宮本のスライディングからマルコへの中距離パスが起点。
宮本が入った最終ラインで勇気をもってボールを持ち、鹿島を前に〝誘引〟しながら、
・プレスをひっくり返すタイミング
・フォワードの選手が裏に抜け出すタイミング
を見計らっていたように思う。
連戦のせいか鹿島の運動量が落ち、プレッシングが弱まったせいもあるけれど、この狙いが功を奏した。
また、逆転の立役者として忘れてならないのは原だろう。
エリアスへ上げた、ピンポイントのクロス。
巧みなキープから須貝のアシストに繋げたスルーパス。
そして、決勝点となったカウンターからのラストパス。
ゴールはなかったものの、3点をお膳立てする躍動ぶりだった。
そしてもちろん、勝利をもたらしたのはエリアスの決定力。
川﨑のパスから抜け出してシュートを打った(バーの上へ)シーンは、序奏に過ぎなかった。
1点目、2点目は、それぞれ相手DFの視野外からゴール前に入り込む狡猾なムーブから。
ヘッドの当て方も完璧だった。
3点目は、相手GKの手を打ち抜く強烈な一撃。
80分からの、鮮烈すぎるハットトリックが歴史を変えた。
ということで、関東アウェイは川崎戦に続いて上位チーム相手に大勝利。
俺含む関東民、歓喜の流れが続いている。
で、次の関東でのゲームは……えっ!? 2節で戦ったばかりの浦和戦?
浦和が「FIFAクラブワールドカップ2025」に出場するため、当該時期の20節を繰り上げて開催するということ。
カシスタ同様、相手サポーターの圧が強い埼スタだけど、臆することなく戦いたい。
ミッドウィークだけど、楽しみだ。
で、その前に、来週もルヴァン山形戦、ホーム湘南戦と連戦が続く。
鹿島戦の死闘ですべてを出し尽くした京都は、続く試合ウソのように……だけは避けてほしいところだ。