湘南ベルマーレ 0-2 京都サンガF.C.
日時:2023年3月12日(日)15:03KO
会場:神奈川県平塚市平塚競技場 “レモンS”(1万791人/曇 18.1℃ 57%)
主審:川俣秀
55′-京都/木下康介(右足←白井)
74′-京都/山田楓喜(左足←パトリック)
■湘南ベルマーレ(3-1-4-2)
GK1:ソン・ボムグン
DF16:山本脩斗
DF22:大岩一貴
DF2:杉岡大暉
MF20:永木亮太(68′-DF33:髙橋直也)
MF6:岡本拓也(77′-DF26:畑大雅)
MF88:小野瀬康介
MF13:平岡大陽(77′-FW9:山下敬大)
MF3:石原広教(68′-FW29:鈴木章斗)
FW11:タリク・エルユヌシ(77′-MF7:阿部浩之)
FW18:町野修斗
■京都サンガF.C.(4-1-2-3)
GK1:若原智哉
DF14:白井康介
DF4:井上黎生人
DF3:麻田将吾
DF44:佐藤響
MF7:川﨑颯太
MF10:福岡慎平(61′-MF19:金子大毅)
MF16:武田将平(67′-DF24:イヨハ理ヘンリー)
FW27:山田楓喜(86′-FW15:木村勇大)
FW9:アンデルソン・パトリッキ・アギアール・オリヴェイラ “パトリック”
FW17:木下康介(86′-FW11:山﨑凌吾)
木下康介選手(京都)
「白井康介からいいタイミングで素晴らしいボールがあがってきたので、あとは決めるだけでした。
相手より先に触ることだけ意識しましたね。
前半から厳しい展開をみんなで粘り強く守って、その中でワンチャンスあれば決めようと思っていました。
前節ゴールが取り消されて、正真正銘(J1初ゴールを)取れたっていうことでうれしい。
サポーターのもとに行ったのは、声を出して後押ししてくれたことに応えたかったからです。
(ーー2連勝の要因は?)
苦しい時間帯でもチームが一丸となって、声をかけあって、コンパクトに戦えているので、それが一番うまくいっている要因かなと思います」
曺貴裁コーチ(京都)
「立ち上がりから、湘南さんの圧力を感じる苦しい展開でした。
そんな中で選手たちは自律して、よく我慢して、いい形で点が取れました。
湘南さんという強いチームを相手に、引かずに、自分たちのよさを最後まで出し続けられた、すばらしい出来だったと思います。
前半からセカンドボールの奪い合いや競り合いが多かったので、後半湘南さんの脚が止まるんじゃないかなと感じていたところがあり、そこで一気に勝負を賭けたいとは思っていました。
僕も長い間いましたけれど、あらためて手ごわいチームだと実感しました。
(ーー先制後、すぐに3バックに切り替えた意味は?)
4枚の間の”隙間”に、相手の2トップがいいランニングをしていたので、まずは蓋をして、カウンターでもう1点取ろうという狙いです。
そういうやり方は、シーズン当初から準備をしてきていました。
まぁ、ちょっと早いかなというのもありましたが、思い切って切り替えました。
(ーー得点について)
J1の中で明らかに技術が高いとか視野が広いという選手は、われわれには多くいません。
ただ、最後まであきらめずにゴールに向かって行ったり、体を張ってファイトすることは、どのチームにも負けていません。
そういうところに、神さまがひとつ、ご褒美をくれたんだと思います。
選手は本当に成長していると思うので、次のアウェイ戦も自分たちの良さを出して、勝ちたいです」
山口智コーチ(湘南)
「敗因は、相手に合わせたサッカーをしてしまったこと。
長い裏へのボールにビビってしまって、準備が遅れたのがひとつ。
また、前からのプレッシャーに対して、逃げたポジショニングやボールの動かしかたをしてしまったところも大きい。
ハーフタイムは、準備の部分が遅いことを指摘して、勇気をもってプレイしてほしいことを伝え、少しは改善したのかなと思った。
しかし、後半先制されたあと相手が後ろを5枚にして厳しくなった。
それまでになんとかしたかった、という反省がある」
神は弾丸(God is a Bullet.)
開幕2戦2敗。
からの、2連勝。
弾丸のような超スピードで、京都は自分たちに自信を取り戻した。
ゲームを振り返ると、湘南にペースを握られた時間帯が多かったことは否めない。
フォワードに入れる縦パスの数、サイドでのボール保持からポケットに侵入した数は、湘南のほうが多かった。
あるいは、タリク選手らに決定力を発揮されれば敗北という結果もあったかもしれない。
しかし、なんとか凌いで勝ち切れたのだった。
白星をあげたFC東京戦、湘南戦の戦い方を、昨シーズンと比較すると、攻守に下記の特徴があると思う。
・守備ではプレス位置を上げ、より強度を高めた
・攻撃では3トップの組み合わせを変え、長いボールを使っての相手プレス回避を多用した
前者の「プレス位置・強度」については、一目瞭然だろう。
相手最終ラインがボールを持てば、3トップの選手から猛然と追いかける。
サイドライン側では、白井、佐藤の両サイドバックが高い位置まで上がってプレッシング。
相手ボール保持者に対して2人、3人と素早く集結する。
きょうの相手・湘南もプレスが強いチームだけあって、前半などは極めて狭い局面に両チーム複数の選手がボールを奪い合うようなシーンも見られた。
後者の「ロングボール多用」は、パトリックという駒があっての策。
きょうの試合では、デュエル勝利数30回(opta調べ)という脅威の数字を記録したように、ある程度ラフなボールでもパトリックならボールを収めてくれる希望がある。
また、収められなくとも、セカンドボールを拾えれば攻撃に繋げられる。
そうして生まれた2次攻撃のチャンスには、シャドウで起用されている山田、木下が効いている。
ふたりとも体の強さとキープ力があルので、中盤やサイドバックの選手が攻め上がる時間創出することができるのだ。
ということで、今シーズンの戦い方はある程度固まってきたけれど、怖いのはパトリックが負傷したときだろうか。
開幕戦先発だった山﨑選手がセカンドチョイスだろうけど、パトリックほどの無双はできないと思うので……。
次戦もまた関東アウェイの横浜FC戦。
今季は開幕から現地観戦できる機会が多くて、うれしい。