【J1第19節】京都サンガF.C. 2-1 北海道コンサドーレ札幌

京都サンガF.C. 2-1 北海道コンサドーレ札幌
日時:2022年7月2日(土)18:33KO
会場:京都府立京都スタジアム “サンガS”(8,794人/晴 30.8℃ 64%)
主審:飯田淳平
9′-京都/ピーター・マドゥアブチ・ウタカ(右足)
58′-札幌/菅大輝
89′-京都/宮吉拓実(右足←川﨑←武田)

■京都サンガF.C.(4-1-2-3)
GK21:上福元直人
DF14:白井康介
DF5:アピアタウィア久
DF3:麻田将吾
DF17:荻原拓也(82′-DF2:飯田貴敬)
MF24:川﨑颯太
MF10:福岡慎平(82′-MF25:中野桂太)
MF7:武富孝介(82′-FW13:宮吉拓実)
FW27:山田楓喜(69′-DF4:ホルネイケル・メンデス・マレイロス)
FW9:ピーター・マドゥアブチ・ウタカ
FW50:大前元紀(65′-MF16:武田将平)

■北海道コンサドーレ札幌(3-4-2-1)
GK1:菅野孝憲(15′-一発退場)
DF2:田中駿汰
DF50:岡村大八
DF5:福森晃斗
MF9:金子拓郎(85′-FW32:ミラン・トゥチッチ)
MF27:荒野拓馬(85′-DF20:西大伍)
MF6:高嶺朋樹(67′-MF8:深井一希)
MF4:菅大輝
MF18:ガブリエウ・アウグスト・シャヴィエル(20′-GK34:中野小次郎)
MF14:駒井善成
FW23:興梠慎三(46′-MF11:青木亮太)

宮吉拓実選手(京都)
「(交代にあたって)特に指示はなかったですけど、交代で入った選手が勢いだったり結果を出さなければ、という気持ちはありましたし、チャンスは必ず来ると思っていました。
(得点シーンは、川﨑)颯太からシュートを打ってくださいという優しいボールが来たので、うまくコントロールして流し込めました。
確実に決められてよかったです。
(ーー前回のゴールは先発、今回は途中出場のゴール)
どちらの試合も勝利してチームが勝ち点3を得ることができましたし、きょうに関してもうれしい結果になりました」

曺貴裁コーチ(京都)
「きょうは立ち上がりから1点取るまで、非常にいい内容でした。
去年から取り組んでいる『人とボールが動いて相手陣内でプレーしよう』というサッカーを、選手たちはピッチでよく表現してくれたと思います。
ただ、レッドカードが出てから逆に苦しい展開になったというか……。
ボール保持者に時間があることでかえって難しいことをしてカウンターを食らったりしたことは、本当に反省しなければいけません。
また、ひとり多いのに(札幌に)あれだけキレイにやられてしまうというのは、われわれのチームに隙があるから。
勝ったといって、手放しで喜べないです。
J1を経験している選手も少ないですし、こういった11人対10人で戦う経験もあまりないので、僕の中では最悪のケースも考えてはいました。
しかし、3バックにした後に、交代で入った宮吉が決めてくれた。
『あきらめない、まだ上に行きたいんだ』という〝京都スタイル〟を見せられたと思いますし、その面で言えば選手たちは頑張ってくれたと思います。
(ーー連敗を止められたことについて)
1試合1試合勝ち点3を狙うために努力をしてきましたけど、湘南戦では勢いとか気持ちで相手に上回られた部分もありました。
そこを真摯に向き合って、やってきたことが成果に出てうれしいです。
ですが、すぐまた試合があるので切り替えなければなりません。
(ーー失点シーンについて)
サッカーというのは一瞬で人生が変わるスポーツ。
ああいう局面では絶対に失点しないということをフォーカスするならば、あのシーンでの守備はすごくイージーでした。
そして相手を勢いに乗らせてしまったというところで言えば、われわれとしてはしっかりと向き合って改善しなければなりません。
ただ、ピッチの中で選手が自立していましたし、下を向かないで攻撃の姿勢を続けていけたのは、相手がひとり少なかったですけど、われわれにとってはポジティブなことだと捉えています。
(ーー次節・水曜日の浦和戦について)
浦和さんとアウェイで戦うというのは、スタジアムの温度も含めてプレッシャーがあります。
しかしいい意味で楽しんで、〝京都スタイル〟を埼玉で見せて、いい試合をして勝ちたいなと思います」

ミハイロ・ペトロヴィッチ コーチ(札幌)
「主審がGKを退場にしたシーンは、非常に疑問が残るジャッジだった。
最後は失点して力尽きてしまったけれど、ひとり少なくなっても選手たちは素晴らしいサッカーをやってくれたよ。
だって、逆に京都がひとり少ないかのような試合だったじゃないか」

ここから始まるレコンキスタ

2016-2019シーズン、「くそお世話になりました!」な菅野選手が前半早々DOGSOで退場。
思わぬ〝恩返し〟でこりゃ楽勝でしょ〜、と見ていたんだけどね……🤔
土壇場に宮吉のゴールが決まるまでは、札幌にペースを握られる時間帯もあり、非常に厳しいゲームだった。
とはいえ、これで連敗はストップ!! ひばりくん!
灼熱の7月、幸先よいスタートを切れたのは喜ばしい。

さて、ここ数戦は得点力不足に悩まされてきた京都。
きょうのゲームで〝スイッチ〟(ウイング)のふたりを変えてきた。
右に山田、左に大前。
比較的ボールを持てるタイプの組み合わせ。

その特性通り、サイドに張りすぎずハーフスペースにポジションを取ることで、中盤からのボールを引き出した。
また、ウタカともいい距離感をキープ。
ピッチの中央に選手が集まることで、特に前半は1タッチ、2タッチのパス交換から前進でき、攻撃のリズムが奏でることができていた。

このようにボックス近辺に選手を〝オーバーロード〟(過重積載)させることは、京都が狙いとしている作戦のひとつ。
ただ、17節鹿島戦から荒木選手を先発で使って単独突破に期待したり、前線の並びで試行錯誤が続いていた。
きょうに関しては、以前のやり方に戻してきたとでもいうか。
おそらくは、きょうの2点目「川﨑→宮吉」のような展開が、放り込みからではなく地上戦で実現されたら狙い通りなのだろう。

そして、〝オーバーロード〟は攻撃以外でも守備でもメリットがあると言われている。
選手が多く集まっていることで、その密集内でボールを取られたとしても、すぐにプレスをかけられるからだ。
で、試合後に曺さんが指摘していたように、密集した中で一番自陣側にいる選手がアバウトなパスを出してボールを失うシーンが数度あった。
そんなところでボールロストすれば、当然プレスをかけにいくこともできない。
必然、札幌のカウンターを許してしまっていた。

被カウンター時の、京都の守り方についても思ったことを書いておく。
京都は攻撃時、両〝リードアクセル〟(サイドバック)が高い位置を取る。
なのでカウンターを食らった場合は、サイドはガラ空き。
ただし、失点に直結する真ん中はセンターバックが閉めておく、というのが守備時のセオリーだと思う。

しかし、きょうに関しては札幌のウイングバック、金子&菅選手がかなり凶悪。
1対1になって縦に仕掛ければ、京都の守備陣が簡単に突破を許す場面も多かった。
被カウンター時だけとはいえ、サイドにスペースを与えていれば決定的なピンチを迎えてしまう。
メンデスを入れて3バックにしたのは、1点を取りに行くためというよりは、サイドの守り方を変えるためだったのではないか?と推察した。

いずれにせよ、10人の札幌に苦戦しながら最後、よく宮吉が決めてくれた、というゲームだった。
狭いスペースの中で、川﨑のダイレクトフリックを足もとに止めて、GKの位置をチラッと確認しながら、トゥーキック気味にコンパクトに足を振るーー。
ゴールシーンだけでご飯3杯ぐらいいけるね。

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