【J1第18節】京都サンガF.C. 0-1 湘南ベルマーレ

京都サンガF.C. 0-1 湘南ベルマーレ
日時:2022年6月26日(日)18:33KO
会場:京都府立京都スタジアム “サンガS”(7,540人/晴 28.7℃ 67%)
主審:世界の 西村雄一
87′-湘南/町野修斗

■京都サンガF.C.(4-1-2-3)
GK21:上福元直人
DF2:飯田貴敬
DF5:アピアタウィア久(46′-DF4:ホルネイケル・メンデス・マレイロス)
DF3:麻田将吾
DF17:荻原拓也(65′-DF14:白井康介)
MF31:井上黎生人
MF19:金子大毅
MF7:武富孝介(86′-FW13:宮吉拓実)
FW23:豊川雄太(71′-FW50:大前元紀)
FW9:ピーター・マドゥアブチ・ウタカ
FW8:荒木大吾(46′-MF10:福岡慎平)

■湘南ベルマーレ(3-1-4-2)
GK1:谷晃生
DF4:舘幸希
DF22:大岩一貴
DF2:杉岡大暉
MF7:田中聡(83′-MF15:米本拓司)
MF3:石原広教
MF27:池田昌生(71′-FW17:大橋祐紀)
MF14:茨田陽生(71′-FW11:タリク・エルユヌシ)
MF42:高橋諒(83′-DF26:畑大雅)
FW13:瀬川祐輔
FW18:町野修斗(89′-FW9:ウェリントン・ルイス・ヂ・ソウザ)

曺貴裁コーチ(京都)
「悔しい負け方です。
戦う前から、湘南さんがどういうサッカーをやってくるかはわかっていました。
そんな中で、時間がたてばたつほど、流れを読みきれないというか、若さが出たプレイが頻発してしまった。
選手たちはファイティングスピリットを出してやってくれましたし、負けた責任を問うつもりはありません。
しかし、一瞬一瞬のプレイで局面が大きく変わってしまって、結果として大きな代償を払うことになるという事実は、チームとしてしっかりと認識しなければならないと思います。
これでシーズンは終わりではありませんから、次戦に向けて切り替えます。
(ーー後半3バックに変更した理由は?)
前半相手のやりたいことがわかっていたので、後ろ3枚にして『カウンターのチャンスがあれば』と割り切って戦いました。
もちろん4バックのままやっていたほうがよかったかもしれないですし、それは見ている方が判断してもらえれば。
ただ、勝ち点3を取るための采配はとったつもりです。
(ーー失点シーンを振り返ると?)
選手が入ったばかりの失点で、交代タイミングがどうだったのだろう?と自分としては反省しなければいけません。
ただ……、別に後悔はしていないです。
勝負の厳しさがわかったということで、自分も初心に戻ってやらなければいけないと感じました」

山口智コーチ(湘南)
「みんなにありがとうと言いたいです。
最後のところをこじあけるのが、長らくの課題でした。
きょうゴールが決まって、成長を感じましたね。
相手が3バックに変更しても、選手たちの声がけなどを聞くと整理ができていたので、信じることができました」

一瞬の夏

試合直後、曺さんのフラッシュインタビューを聞く限り、かなりの悔しさが伝わってきた。
そして、記者会見でのコメントを読んで、悔しさの理由がよくわかった。
フォーメーション変更、選手変更のタイミング。
采配次第で結果が変わっていたのではないだろうか?という〝疑問〟を、指揮官としては抱いてしまうんだろうな。

確かに、後半開始すぐに3バックに切り替えたのは、「えっ?」と驚いた。
前半、押し込まれている時間はあったものの、京都がやや優位と感じたからだ。
特に、シーズン開幕直後、アウェイの湘南戦では試合を通してほぼ相手ペースだっただけに、チームの成長を感じたほどだった。

3バック(守備時は5-3-2)になって、豊川、ウタカへの裏抜け狙いのパスが多くなったのはやむをえないところ。
また、この日の豊川選手がハイボールの競り合いで頑張っていたことで、ウタカにチャンスボールがこぼれる可能性もあっただろう。

一方で、京都が 4-3-3で目指しているスタイルを、後半ほぼ表現できなかったのも事実だ。
すなわち、シャドー(スイッチ)の2選手がハーフスペース(サイド側でも真ん中でもない、中間のレーン)に位置して、勢いよく攻め上がってくるサイドバック(アクセル)、ボックス付近に上がってくるインサイドハーフ(BtoB)と絡んでゴールを目指す。
もしボールを失なったとしても、選手たちを前に多く配置しているので、すぐに奪い返すことをめざす。
ーーそうしたプレイがあまり見られなかった。

記者会見での曺さんのコメント、

「前半、我々のサイドが高い位置を取った時にシャドウが外に飛び出してずらしてくるのが分かっていたので、そこの事故で点を取られるより、きちっといつもやっている形で安定させて、前に人数をかけて追い越して点を取っていこうという狙いがありました」

https://www.sanga-fc.jp/game/2022062605/comment.php

「我々がきちっとアングルプレーでつなぐことができれば、あの勢いを折ることはできたと思いますが、あの状況の中でハイテンションになってしまって、単なる球際の勝負だけで彼らに時間を使われたり、自分たちの陣内に押し戻されたのは、戦いの幅がまだまだ足りなかったのが原因だと感じています」

https://www.sanga-fc.jp/game/2022062605/comment.php

というくだりは、それぞれ味わい深い。
前者は、前半に何回かサイドを破られたシーンが「失点への綻び」だと感じたということ。
後者は、選手間で斜めのポジションどりをして、パス回しでプレスをいなせることができなかったことは、チームとしてまだ成熟していないと感じていること。
そのように換言できるだろうか。
なるほどな、と感じた。

とはいえ、シーズン前半は
「われわれのサッカーを貫き通す」
「リスクを承知で、このサッカーを選手たちにやらせている」
とおっしゃっていたのと比べると、きょうの京都はより〝リアリスト〟となることを選んだのだな、と思ったのだった。

シーズン後半戦に入り、前半戦よりも結果(=勝ち点)を求めるようになったのか。
あるいは、最近勝利が少ないことからきた〝焦り〟なのか。
こればかりは、外野からはわからないことだ。

梅雨明けも迫り、気温が30度近い中での試合。
各チーム、二巡目の戦いとなり、前半戦以上に〝京都対策〟を講じられるだろう。
勝負の夏、がいよいよ始まる。

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