【2010FIFAワールドカップMatch10:予選E組】日本 1-0 カメルーン

日本 1-0 カメルーン
◇Match 10 – Group E – 14 June
39分【日本】本田圭佑(左足←右:松井)

日本、シュート5本…いや、5本もあったっけ?
ワンチャンスがゴールに繋がって、そのままタイムアップ。
サムライブルーは、ラッキーな勝利を収めた。

全試合を観ているけど、残念ながらもっも低調な一戦のひとつだったことは間違いない。
それは逆を返すならば、あまり強くないチームと強くない状態で戦えたということ。
カメルーンが、最初から体力任せでゴリゴリ来られたら、危なかった。
幸運の女神は、ワールドカップ本番で久しぶりに振り向いてくれた感じだな。

ポール・ル・グエン・コーチ(カメルーン)
「がっかりした、自分たちのプレイができなかったからね。
このグループにおいて第1戦で勝てば、予選を突破できる大きなチャンスだったがと思っていたのに、逆にライバルの日本の先勝されてしまうとはね」

エヨング・タルカング・エノー選手(カメルーン)
「前半は厳しい試合だった。
守備にミスがあったしね。
日本の守備は固く、全体として厳しい試合だった」

本田圭佑選手(日本)
「昨日は自分が誕生日だったので、何か(運を)持ってるなと思います」

松井大輔選手(日本)
「初戦ということで、両チームとも堅かった。
ただ、勝てたことが大きいと思う」

イヴィチャ・オシム前日本代表コーチ
「ふーっ(ため息)。
おめでとうとは言うけれども、安心してはいけない。
クレバーなチームが試合に勝った——日本の選手はインテリジェンスを示したと思う。
日本は先制してもナーバスになったりパニックになったりすることはなかった。
我慢強さ、の勝利だったね。
先制して、最後まで日本の選手たちはみんないいプレイをした。
選手交代も、適切なものだった。
前の選手で体力が落ちてきた者から交代させて、フレッシュで走り回れる選手を投入したわけだ。
その結果、カメルーンは手も足も出せなくなってしまった。

しかし、後半の中盤からミスを多く犯しはじめてしまった。
ラスト10分はカメルーンに押し込まれて、引きすぎてしまった。
イングランド戦のようにオウンゴールをしてしまうかと、ハラハラして心臓が止まるかと思ったよ。
カメルーンはサイドから速いクロスを上げてこなかったから、助かったね。

(▼選手たちについて)
本田を得点者だからといって、持ち上げるのはよくない。
彼がひとりだけ救世主としてプレイしているわけではない。
サッカーは11人でやるものだ。

この勝利で選手たちは、有名な国だからといってワールドカップで勝てるわけではないと理解できただろう。
この試合に出た選手の一部は、大分でカメルーンと戦って2-0で勝った経験をもっている。
そのときも、チャンスらしいチャンスは作らせなかった勝利だった。
相性のいいカメルーンと初戦で戦えたのは、幸運の女神が微笑んでくれた結果だと言えるだろう。
カメルーンの選手たちは世界的に有名だ。
しかし、名前だけで勝負が決まるわけではない。
プレイで勝負が決まるわけだ。

(▼次の試合について)
勝ったからこそ、冷静に次の試合に臨むべきだ。
舞い上がると、間違った方向に向かってしまう。
まだグループリーグは2試合残っている。
第2試合目、3試合目に弾みを付けるというポジティブな意味で捉えて欲しいと思うが…。
今日の試合に関しては、カメルーンの出来がよくなかったといわざるをえない。
そんな相手に対して、何が出来たか、何が出来なかったか、振り返るべきだろう。
まだまだ改善すべき点はある。
カメルーンにとって危険なプレイを、もっとすべきだと思う。
もっとアグレッシブなプレイをね。
選手たちは、オランダとデンマークのビデオを見るべきだろう。
オランダはゴールを決めてからも、そういうプレイをしていた。
ただ、くり返すが、日本の選手はよく我慢した。
それは評価すべきだろう。

次の試合は、オランダだ。
オランダはカメルーンではない。
ケーキにたとえるならば、そんなに柔らかくない。
オランダは噛み応えのあるケーキだ。
すばらしい選手がたくさんいる。
ただ、ロッベンが11人いるチームではない。
一本の木だけにこだわるな、と言いたい。

アグレッシブさとは…たとえば、プレッシャーをかけるポイントをもっとはっきりさせるべきだろう。
オランダのセンターバックの選手は、プレッシャーがかかるとパスをつなげなくなる。

確かに、オランダが有利だという下馬評はあるだろう。
だが、事前の人気投票の結果が勝敗を決めるわけではない。
それを、日本は利用すればいい。
脇役が主役を喰ってしまうような試合に…。
そのためには、怖がらないこと、オランダを挑発するようなプレイをすべきだ。
大きなチャレンジのチャンスがやってきたと、選手たちは思って戦うべきだろう。
きょうの試合で、日本代表は大きな武器を得た。
それは、自信だ。
その自身を持って、オランダと戦えばいい。
だからといって、オランダに必ず勝てるというわけではないけれどね。
きょうのようにインテリジェンスをもって、クレバーに戦えば、決勝トーナメントに進むことも可能だ」

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