【ユーロ2004決勝】ポルトガル0-1ギリシャ

ポルトガル0-1ギリシャ
57分【ギリシャ】アンゲロス・カリステアス”ハリステアス”

早めに起きて、出勤前に録画したユーロ2004を後半だけ鑑賞する(@7月5日)。
ギリシャがコーナーからのヘッドで先制、そのまま逃げ切り。
開催国ポルトガルを倒して、国際舞台初登場で初優勝の快挙を成し遂げた。
日頃は寝起きの悪い俺だが、どんなコーヒーよりも目が覚まさせてくれる刺激的な結果だった。

■ギリシャの勝因を探る
それにしてもギリシャ。
プレーを見て「すげぇ」と言えるような、スーペルな選手はいない。
フィーゴ、ルイ・コスタ……タレントだらけのポルトガルとは大違いだ。
ということは、選手層より戦い方、つまり監督の采配、使った戦術が勝利の要因だと言えると思う。

戦術面……ひとことでいえば、4・3・3のフォーメーションからのオールコートプレス
ポルトガル戦の先発メンバーで表せば、

ジャンンナコプロス ブリザス ハリステアス
ザゴラキス    バシナス    カツラニス
フィッサス デラス カプシス セイタリディス
       ニコポリディス

3トップのうち、サイドに位置するジャンンナコプロス、ハリステアスは守備時は自陣深くまで戻ってくる。
先取点を取った右サイドFWハリステアスが、後半、自陣のゴールライン際でフィーゴにスライディングタックルをしたシーンなんて、その典型だ。
そしてFWで中央に位置するブリザスも前線からの守備をいとわない。
3トップを置いているのは逆説的だけど、攻撃に厚みを加えるというよりは、前線からのプレスを徹底するためだ。

フォワードに呼応するように、相手がボールをもった際はプレスに行く…のだが、ときおり、MF3人がみな引いて7バックになる時間もたびたびあった。

ディフェンスラインは決して無理せず、デラスをスイーパーぎみに余らせるカタチ。
相手が2トップのときは、CBのカプシスと本来右SBのセイタリディスがマンマークにつく。

そして何より、驚異的な運動量と、危機的状況ではイエローカードも辞さない守りで、相手の攻撃にリズムを作らせない。

一方、攻撃面では徹底したサイド攻撃。
ギリシャは、ポルトガルのMFフィーゴとロナウドが上がったあとの手薄になった両サイドを執拗に攻める。
ブリザスもサイドに流れることが多く、中央突破はほとんどなかった。

きちんと守って素早くカウンターでサイド攻撃、もしくはセットプレーにかける。
――相手がすべて格上といえるギリシャにとって、一番効率のいい戦い方を徹底した。
その結果、勝利の女神がほほえんだ。
あっぱれギリシャ。
あっぱれ〝キング・オットー〟レーハーゲル監督。

■4・3・3がヨーロッパトップモードに!?
ギリシャの4・3・3は、去年からことしにかけてチャンピオンズリーグで強かったスペイン勢のチームが多く採用する4・5・1と〝双子〟の関係にある。たとえば、デポルティボ・ラコルーニャ。

       トリスタン
ルケ    バレロン   ビクトル
    フラン   セルヒオ
ロメロ セサル アンドラーデ マルエル・パブロ
        モリナ

先ほどのギリシャと比較してもらえばわかるように、3トップの両翼が少し下がり目になる。
そして3MFがフラットには並ばず、ひとりトップ下(ゲームメーカー)を置く。

この4・5・1が流行り出したのは、イタリアチックな4・4・2、たとえば01-02シーズンのキエーボ・ヴェローナ

  コッラーディ   マラッツィーナ  
マンフレディーニ        エリベウト
       ペロッタ  コリーニ
ランナ レグロターリエ ダンナ モーロ
       ルパテッリ

のように、いわゆるトップ下=ファンタジスタの居場所がなくなったことに対する反発だったともされる。

んで、ギリシャに話を戻すけど、4・3・3が再び新鮮なのはやっぱりファンタジスタの居場所がないこと。
きわめて労働者的っているか、勤勉な10人のフィールドプレーヤーがいないとダメなフォーメーションなのだ。

「勤勉」なサッカー。
それをコツコツ気づきあげた監督はやっぱりドイツ人だった。

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