京都サンガF.C. 1-0 浦和レッドダイヤモンズ
日時:2022年2月19日(土)14:03KO
会場:京都府立京都スタジアム “サンガS”(1万1,701人/曇のち雨 9.5℃ 61%)
主審:福島孝一郎
49′-京都/ピーター・マドゥアブチ・ウタカ(右足←川﨑)
■京都サンガF.C.(4-1-2-3)
GK21:上福元直人
DF14:白井康介(61′-DF15:長井一真)
DF5:アピアタウィア久
DF4:ホルネイケル・メンデス・マレイロス
DF3:麻田将吾
MF24:川﨑颯太(78′-FW8:荒木大吾)
MF16:武田将平
MF18:松田天馬(78′-FW40:木村勇大)
FW7:武富孝介(74′- MF10:福岡慎平)
FW9:ピーター・マドゥアブチ・ウタカ
FW23:豊川雄太(61′-FW50:大前元紀)
■浦和レッドダイヤモンズ(4-2-3-1)
GK1:西川周作
DF2:酒井宏樹(90+2′-DF44:大畑歩夢)
DF4:岩波拓也
DF13:犬飼智也(86′-DF28:アレクサンダー・ショルツ)
DF6:馬渡和彰
MF22:柴戸海
MF3:伊藤敦樹
MF14:関根貴大(86′-FW27:松崎快)
MF25:安居海渡(61′-MF8:小泉佳穂)
MF15:明本考浩
MF33:江坂任
ピーター・マドゥアブチ・ウタカ選手(京都)
「チームプレイの勝利だったね!
12年ぶりのJ1という舞台でも、京都サンガF.C.はじゅうぶん戦える。
そのことをきょうのゲームで証明できたと思う。
自分自身にとっても久しぶりのJ1。
ゴールを決めて、いいカムバックが果たせたよ。
とはいえ、シーズンはまだ始まったばかり。
われわれのアドベンチャーはここから始まるのさ」
曺貴裁コーチ(京都)
「フットボールでは、相手に怖気付いて〝出す刀を出さない〟まま終わるのがいちばんつまらない。
そういう意味でも、ほんとうにいい試合をしてくれました。
きょうピッチでサッカーをすることを楽しんで、堂々とプレイした選手たちを誇りに思います。
われわれは〝サンガスタイル〟を信じて、それを出していくことが大事。
そしてその〝サンガスタイル〟も日進月歩で成熟しています。
これからリーグ戦、カップ戦がありますけど、スタジアムに来てくれたお客さんには感動と情熱を与えていきたいです」
リカルド・ロドリゲス・スアレス コーチ(浦和)
「前半は京都に支配されてしまったが、後半(小泉)佳穂が入ってボールを持てるようになったし、勝てるチャンスもあった。
ポジティブな敗戦だと思う。
(ーー新型コロナウイルス感染症の影響があった?)
われわれは浦和レッドダイヤモンズだ。
優勝を目指すならば。それを言い訳にしてはならない」
見えた「サンガスタイル2022」
12年ぶり夢舞台、初陣で勝利!
J1昇格チームは開幕戦勝利なら、残留確率100%とか、ゴクリ…(`・д́・;)
とにもかくにも、スーパーカップを制した浦和相手に堂々たる戦いぶり。
そして、今シーズン京都がやりたいであろうサッカーが少し見えた試合だった。
思ったことを、いくつか記しておこうかなと。
布陣は昨年同様4-1-2-3で、戦い方の基本コンセプトは「ハイプレス&ハイライン」。
前から積極的に、相手ボール保持者にプレスをかける。
特に中盤のセンターゾーンでは選手を多くかけて、ボールを〝ハントする〟。
これは昨シーズン以上に徹底されていたと思う。
もちろんそれだけ人を結集させているから、剥がされるとバイタルゾーンはスッカスカ。
大きくスペースが生まれる。
もしそういう状況に陥ったときは、ディフェンスラインの形成を優先。
サイドで1vs1の勝負をされたとしても、その間にゴール前中央を固めておこう、という守り方が見られた。
おや?と思ったのは、攻撃時のパス運び。
ライン側でボールを持ったときの、他の選手のポジション取り&距離感が昨シーズン以上に整備されていた。
例えば、17分ごろのシーン。
相手が裏に放り込んできたボールを、メンデスがワンタッチで大外にいた麻田へ。
斜め前方でパスを受けた川﨑は相手を引き付けながら、斜め前の松田へ。
松田からウタカ、ウタカはワンタッチでワイドで浮いていた豊川へ。
……と流れるように、相手守備網をすり抜けていた。
今季のキーワードにひとつとして、曺さんが発している「シャトル」。
パスを出す人&受ける人、スピードアップするというイズムが、早くも浸透しつつあると言えるだろう。
そうしたサンガスタイルの進歩に加えて、浦和対策の部分も興味深かった。
浦和のストロングポイントは右サイドバック、日本代表の酒井。
そう判断したのか、体を張れる松田天馬を左サイドハーフ、麻田を左サイドバックで起用。
守備力のある2人を使って、右を〝抑え〟にいった。
ところが試合が進むにつれ、左サイドハーフに入った明本のフィジカルと突破力に苦しめられる。
特にハイボールを放り込まれ、対峙する白井は劣勢を強いられていた。
試合途中、右サイドに向けたハイボールにはアピアタウィア久を競らせることで事態を沈静化。
ただ、試合を通して明本がいちばん怖い選手だったのは間違いないだろう。
まぁ、栃木時代からいい選手だったからなぁ……。
試合後半は5バックにして、決定的な場面も上福元のセーブが救ってくれた。
タイプアップの瞬間は、思わず声が出たよね。
自分たちの〝進化〟に加えて、相手への対策もハマった。
その成果としての勝ち点3。
今シーズンJ1でもやってくれそうな手応えを感じるゲームだった。