ジェフユナイテッド市原・千葉 0-0 京都サンガF.C.
日時:2021年11月28日(日)14:03KO
会場:千葉県千葉市蘇我球技場(6,732人/晴 13.1℃ 34%)
主審:村上伸次 “のぶつぐ”
※京都サンガF.C.の2022シーズン、J1昇格が決定
■ジェフユナイテッド市原・千葉(3-4-2-1)
GK1:新井章太
DF17:新井一耀
DF15:チャン・ミンギュ
DF13:鈴木大輔
MF16:福満隆貴(65′-DF22:小田逸稀)
MF4:田口泰士(46′-MF32:髙橋壱晟)
MF5:小林祐介
MF25:末吉塁(65′-DF33:安田理大)
FW10:船山貴之(65′-FW49:マテウス・ボニファシオ・サウダーニャ・マリーニョ)
FW39:見木友哉
FW40:櫻川ソロモン
■京都サンガF.C.(4-1-2-3)
GK21:清水圭介
DF41:白井康介
DF23:ヨルディ・バイス(16′-DF15:長井一真)
DF19:麻田将吾
DF17:荻原拓也(90′-DF5:黒木恭平)
MF24:川﨑颯太
MF31:福岡慎平(77′-MF33:三沢直人)
MF16:武田将平
FW9:ピーター・マドゥアブチ・ウタカ
FW13:宮吉拓実(90′-MF10:庄司悦大)
FW4:松田天馬
記憶を結ぶ放物線
ある感傷から述べさせていただく。
京都のJ1昇格を過去に現地で目撃したのは、2007年12月8日。
寒風吹きすさぶ広島ビッグアーチ、J1・J2入れ替え戦・第2戦だった。
西京極での第1戦は、FW田原(現・都内不動産会社勤務)が活躍して2-1の勝利。
引き分け以上で昇格、という状況で迎えたものだ。
ゲームは、ホームチーム・広島の圧倒的優勢で進んだ。
京都を率いていたのは加藤久、現・京都サンガ強化育成本部長。
後半11分――。
守備的MF斉藤(現・京都サンガ普及部コーチ)out、FWアンドレ(現・不動産会社経営)in。
奇策とも言える、“たったひとつの冴えたやりかた”で流れを取り戻した。
0-0のまま、試合終了の時間が刻々と近づく。
観客席は下からの冷気が厳しくなり、体感温度は急降下していった。
貧乏ゆすり、加えて、身体の震え。
全身をガタガタさせながら、祈るように京都イレブンを見守る。
アディショナルタイムには槙野のオーバーヘッド、GK平井“神”(現・カターレ富山GKコーチ)の“神見切り”もあった。
結局、スコアは動かずタイプアップ、昇格が決まる。
ただ、当時は「働き方改革」などなかった時代。
選手たちの挨拶をみるやいなや、スタジアムをあとにした。
AGT(アストラムライン)→バス→飛行機を乗り継いで東京に帰って、その足で仕事へ。
翌朝まで働いたのだった。
12年越しのレコンキスタ
15年の月日が過ぎた。
COVID‑19(新型コロナウイルス感染症)への懸念もあり、遠方アウェイには行きづらい状況。
幸いにも、自分が足を運べる範囲のフクアリで昇格を見届けることができた。
あのときの広島戦よりも条件は楽(千葉戦、もしくは最終戦の金沢戦で引き分け以上)。
気温も温暖。
気分的には、だいぶ楽だ。
試合を振り返るなら、前半は京都、後半途中から千葉のペース。
今季の京都は守備が堅いチームだったことを、再確認できた。
乱闘騒ぎもあってロスタイムがよく分からない。
気がついたら、タイプアップの笛。
選手たちがピッチで歓喜の輪をつくる。
12年ぶりのJ1だ。
うれしさはある。
しかし、実感がわかない。
涙までは出てこなかった。
なにしろ、時間が立ちすぎてしまっているのだ。
試合後、記念撮影の模様から、チョウさん胴上げまでをスタンドで見守る。
選手・コーチ陣の周りには、今まで見たことがないほどのカメラの数。
フラッシュの光がまたたく。
あぁ、昇格したんだな、と現実味が出てきた。
選手、スタッフのみなさん、おめでとうございます。
人生で2度も昇格シーンを目撃できるとは思ってもいなかった。
とはいえ、3度目は……あってもなくてもいい。
J1という久しぶりの舞台。
新たな高みで、どんな戦いを見せてくれるのか。
今から来シーズンが楽しみになっている自分がいる。