【J2第6節】京都サンガF.C. 2-1 愛媛FC

京都サンガF.C. 2-1 愛媛FC
日時:2020年7月19日(日)18:33KO
会場:京都府立京都スタジアム “サンガS”(2,721人/晴 29℃ 66%)
主審:上田益也
51′-愛媛/忽那喬司
59′-京都/ピーター・マドゥアブチ・ウタカ
61′-京都/ピーター・マドゥアブチ・ウタカ

■京都サンガF.C.(3-1-4-2)
GK34:若原智哉
DF16:安藤淳
DF23:ヨルディ・バイス
DF6:本多勇喜(84′-DF30:石櫃洋祐)
MF10:庄司悦大
MF2:飯田貴敬
MF7:ヘナン・カルヴァーリョ・モタ “レナンモッタ”(66′-MF31:福岡慎平)
MF41:金久保順(84′-MF40:黒木聖仁)
MF8:荒木大吾(73′-MF17:ジュニオール・シウヴァ・フェレイラ “ジュニーニョ”)
FW13:宮吉拓実
FW9:ピーター・マドゥアブチ・ウタカ(84′-FW18:野田隆之介)

■愛媛FC(3-1-4-2)
GK1:岡本昌弘
DF20:茂木力也
DF4:西岡大輝
DF5:前野貴徳
MF29:川村拓夢(83′-MF16:田中裕人)
MF3:西岡大志(88′-DF24:池田樹雷人)
MF34:渡邊一仁(83′-MF28:清川流石)
MF19:忽那喬司(63′-FW15:丹羽詩温)
MF8:長沼洋一
FW11:森谷賢太郎
FW18:西田剛(63′-FW9:有田光希)

2節から6節、合計5節を見ての印象をまとめておく。
フォーメーションは3バック、1アンカー、2トップで固定している。
3バックの中央・バイス、アンカーの庄司、前線のウタカという「チームの背骨」を重視している模様。

戦い方として最大の特徴といえるのが「攻→守切り替え時のリトリート志向」。
ボールを奪われ守備に転じる際、まず守備のポジションをセットすることを優先するのだ。
具体的には、ウイングバックが最終ラインに降りて5バック化、その前にインサイドハーフとアンカーの3人が横並びになって、2トップが相手最終ラインのボールを追い回すというものだ。
ただ、なかなかボールが奪えず、北九州戦、愛媛戦は相手に長い時間ボールを保持されてしまっていた。
しかし、最終ラインに人を集め、ハイクロスはバイスが跳ね返し、失点数自体は(いまのところ)少なく済んでいる。

5-3のラインがきれいにできていて、FW宮吉はパスコースを切る位置に。ウタカは…きっと前で残っているのだろう

この守り方で気になるのが、相手最終ラインやボランチからの縦パスを結構通されていること。
インサイドハーフが前目にボールを追っているときに、庄司の横に相手フォワードが降りてきて楔を入れられて、そこから展開されてしまうこともしばしば。
また、相手選手がワンタッチで「レイオフ」のさばきをされて、そこからペナルティエリアの角から大外に山なりのクロスを上げられて、あわや…というシーンがあったり。
北九州戦が特に「縦パス入れられ放題」になっていて、無失点でよく済んだなと思ったものだ。

一方、攻撃の狙いはウイングバックの突破と、フォワードの裏抜け、この2つにほぼ集約されている。
ウイングバックは右・飯田、左・荒木という新加入組がファーストチョイス。
飯田は、第5節時点でChance Building Pointが9.06、90分平均で2.22と、ともにチーム1位。
対する荒木は、数字上では飯田に劣るものの、1対1で積極的に仕掛け相手を「ちぎる」シーンも多く印象に残る。
ただ、そのウイングバックの攻め上がりが「単騎」になりがちなのは気になるところ。
大外のレーンに張るウイングバックに対して、そのひとつ内側のレーン、後方にCB,横にインサイドハーフ、前方に2トップのうちのひとりが位置することで、ひし形の関係性を作って前に前進していきたいのだろうけど、それぞれの距離感があまりよくない。
特にこの2節、北九州、愛媛戦では相手も警戒しており、大外のレーンに人数をかけて締めてきていた。
徳島戦などで見られたような、ウイングバックがインサイドハーフとボールを渡して前へラン、インサイドハーフがダイレクトでボールをフリックさせて、相手プレスの裏を取る…というようなシーンは、そう簡単にはやらせてもらえなくなっている。

ウイングバックにボールが渡っても、他の選手との距離も離れていて、パスアングルも作れていないシーンがしばしば見られた

フォワードの裏抜けに関しては、シュートに直結するような中央へのロングパスやサイドからのアーリークロスは、あまり機能していない。
だが、特にウタカがサイドに流れて、相手サイドバック裏へのロングボールを受けることで起点になることはできていると言っていいだろう。
昨シーズンは両ウイングが相手最終ラインを「ピン留め」していたのに対して、今シーズンは2トップがワイドに流れてボールを収めることが「ピン留め」になっている、と言えるのかもしれない。

総括するならば、昨シーズンとはかなり違う方向性で戦術が構築されている。
中田一三氏は戦術指導をコーチに任せていて、実質實好礼忠アシスタントのサッカーである――というのが、昨シーズン、まことしやかに言われていたけれど、今シーズンのサッカーを見ると…どうなんだろう?
まぁ、13失点したことで「コペルニクス的転回」をして、守備ファーストのやり方に「宗旨変え」したのかもしれないけれど。

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