アビスパ福岡 0-1 京都サンガF.C.
日時:2019年3月9日(土)13:04KO
会場:東平尾公園博多の森陸上競技場(6,259人/晴 21℃ 23%)
主審:村上伸次
71′-京都/黒木恭平(左足←宮吉)
■アビスパ福岡(4-2-3-1)
GK1:ジョン・アンデル・セランテス・シモン
DF3:石原広教
DF39:篠原弘次郎
DF5:實藤友紀
DF22:輪湖直樹
MF6:ウォン・ドゥジェ(72′-MF14:前川大河)
MF8:鈴木惇
MF10:城後寿(58′-FW13:木戸皓貴)
MF19:田邉草民(78′-FW15:森本貴幸)
MF17:松田力
FW16:石津大介
■京都サンガF.C.(3-3-3-1)
GK21:清水圭介
DF16:安藤淳
DF4:田中マルクス闘莉王
DF6:本多勇喜
MF30:石櫃洋祐
MF10:庄司悦大
MF5:黒木恭平
MF29:中野克哉(90+2′-MF14:仙頭啓矢)
MF8:重廣卓也
MF22:小屋松知哉(88′-MF20:ジュニオール・シウヴァ・フェレイラ “ジュニーニョ”)
FW13:宮吉拓実(88′-FW39:エスクデロ競飛王)
4-3-3から3-4-3へ
3試合目にして3バックにシステムを変えてきた京都。
その狙いを中田一三ヘッドコーチは
「福岡のサイド攻撃、サイド攻撃からのクロスを封じる」
ためというコメントしてましたけど、そのとおり、自分たちのパスミスから招いたシーン以外は、ほぼ相手の攻撃を封殺できた。
逆に、攻撃のところでは
「ビルドアップ、組み立てのところで選手たちが少し困惑していて、明確な場所でボールを受けることができなかったのは課題です」
と振り返っていたように、確かに前2節よりはいい攻撃シーンは少なかったように思う。
攻撃でシュートまで行けて目立ったところでは、
・5分、ペナルティーエリアにいた庄司に縦パスが入り、庄司がワンタッチで裏に浮き玉パス、宮吉がヘッドで流したところを、小屋松が右足でボレー
・26分、重廣の浮き玉パスから宮吉がヘッドで前に運びつつ、裏に抜け出してシュート
ぐらいかなと。
3バック採用、石櫃&黒木がウイングバックに入ったことで、中野&小屋松の両ウイングとの位置が重複しがちだったのが、上述の「ボールの受けどころが明確な場所で作れなかった」原因だったのかもしれない。
ただ、最終ラインからのビルドアップのときには、相手が明確に1トップだったため(後半森本投入からは2トップに)、3バックであればプレスも回避できて、相手のハイプレスを“いなせる”余裕があった。
そこから、3バックのうち1人が上がっていって、庄司とともにビルドアップに積極参加していくイメージ。
前線でパスの出しどころがなければ、無理せずバックラインや庄司に戻して、一度相手守備陣が前へプッシュアップしようとしたところで、裏へのロングパスを狙ったりするのは、前2節同様、京都の狙いだった。
得点シーンは、闘莉王のロングパスを相手がクリア、それを黒木が早い出足でカットして、そのままペナを横ぎるようにドリブル。宮吉とシンプルな浮き玉ワンツーで抜け出し左足ゲットというもの。
京都サンガが、パスアンドゴーでゴールしたなんて、いつぶり?(笑)
黒木が内に切り込むドリブルをすることで相手DFに混乱を招いたのは間違いないけれど、特筆すべきは攻撃に向かっている人数の多さ。
写真の通り、3トップ+2センター+2ウイング=7人がペナの近くまで攻め上げっていて、相手守備陣とほぼ同数になっている。
このため、黒木が侵入するスペースがぽっかり空いてしまった格好だ。
一方、守備は無事完封。
終盤、福岡のロングボール放り込みにも、闘莉王が制空権を握り続け、危ないシーンは作らせなかった。
4バックから3バックになっても、守備のやり方自体は大きく変更はなし。
相手ボールになって即ボールが奪えなそうならば、一旦守備のポジションをセットする。
相手がミドルサードに侵入しようとしてきたときは、ペナルティーアークの手前あたりに守備の選手を多く集める。
そして、相手がファイナルサードへの攻め込もうとしているときには、実質5バックのようになって、相手ボールサイドのウイングバックは大外を埋めて、センターバックの1人がそれをフォロー。
逆サイドのウイングバックは、大外を“捨てて”センターバックに加勢するようなポジション取りが多かったように思う。
おかげで、大きく逆サイドへ振られる早いパスが来ない限り、4バック以上に守備は安定していた。
とはいえ、きょうの試合では福岡の攻撃が低調で、正直守りやすかったという面があるのも事実。
次節、攻撃のタレントが豊富な柏(3戦3勝!)相手に、守備陣の真価が問われることになりそうだ。