京都サンガ 2-0 サンフレッチェ広島
◇日時:2009年6月27日(土)13.04キックオフ
◇会場:京都市西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場(晴 32.7℃ 41%/1万1806人)
◇主審:穴沢努 “アナザーワールド”
37分【京都】染谷悠太(左足ディフレクション)(Jリーグ初ゴール)
67分【京都】水本裕貴(ヘッド←FK:ヂエゴ)
■京都サンガF.C.(3-4-1-2)
GK21:水谷雄一
DF6:染谷悠太
DF4:水本裕貴
DF26:角田誠
MF22:渡邉大剛(87分-FW11:林丈統)
MF7:佐藤勇人
MF16:安藤淳
MF8:中谷勇介
MF10:ヂエゴ・ヂ・ソウザ・ガマ・シウヴァ(89分-MF19:森下俊)
FW13:柳沢敦
FW9:豊田陽平(45分-DF24:増嶋竜也)
■サンフレッチェ広島(3-4-2-1)
GK34:中林洋次
DF5:槙野智章
DF2:イリアン・ストヤノフ
DF19:盛田剛平(50分-DF22:横竹翔)
MF14:ミハエル・ミキッチ(75分-FW18:平繁龍一)
MF35:中島浩司
MF6:青山敏弘
MF17:服部公太
MF15:高萩洋次郎
MF10:柏木陽介(40分-MF25:高柳一誠)
FW11:佐藤寿人
まさかの完封
パウリもシヂもいない…。
どうやって勝つんだよ、これ…。
と試合前に思ってたら、2-0快勝わっしょい。
現在J最高のアタッキングを誇る広島を完封とか、できすぎです。
それもこれも、水谷さんの神っぷりのおかげ。
決定機を軽く4〜5本は止めたんじゃないかな。
大剛がボックス内で気の抜けた対応(←殺意)してミキッチにシュートされたときも、あわてずブロック。
シュートを防いだあとのガッツポーズも最高すぎます。
水谷△!
3バックの”ミラーゲーム”
きょうのサンガは、広島の布陣に合わせて3バックでスタート。
だが試合開始から、柳沢のスーパー抜け出し→ループがバーを叩いた以外は、広島にペースを握られる。
とくに、ミキッチ・槙野の右サイドに再三裏を突かれて、アップアップ状態。
失点は時間の問題ともいえる状況だった。
そこで京都が取った対策は、
「高萩が下がって角田が突いていくと、その空いたスペースを狙われていた。
角田にはスペースを埋めて、高萩のケアは中盤の安藤に任せるように指示した」(加藤久コーチ)
というものだった。
逆に中盤のバイタルがやや空いたものの、サイドをぶっちぎられるシーンは少なくなった。
くわえて、京都にとってラッキーな状況が生まれた。
広島パスサッカーのキーマン・柏木がプレイ中、自分で足を滑らして負傷。
これが、染谷のゴールの布石となった。
この日、右センターバックに入った染谷がスルスルっと攻め上がったあと、柏木と対面して、切り返しのフェイントを入れる。
すると、柏木がついて行けず、結果染谷がフリーでシュートを打てたのだ。
ボールはそこそこキープできていたものの、決定的なチャンスを作るまでには至っていなかった京都にとって、貴重かつラッキーな先制点。
とはいえ、前節逆転されても再逆転する力をもった広島。
ゲームの興味は「広島の逆襲を京都がいかに守るか」に移っていった。
柳沢ワントップの可能性
でもって、後半。
京都は、まっすぅin、豊田out。
まっすぅを右ウイングに、大剛をヂエゴとともにトップ下に。
そして、トップは柳沢。
広島と完全に同じ布陣である「3-4-2-1」にシフトしたのだ。
この狙いは、
「(対面する)槙野を出てこられないようにした」(加藤久コーチ)
こと。
さらに、柳沢とヂエゴでカウンター気味に追加点を取れないかなー、的な采配だったんじゃないだろうか。
で、暑さで広島の運動量が落ちてきたことを差し引いても、このフォーメーションが機能しはじめる。
柳沢が変幻自在のポジショニングと、巧みなボールキープで、前線の起点となってくれたからだ。
とくに、左サイドはヂエゴがボールを持ったとき、中谷がすんげぇスピードで駆け上がって、いい関係を築けていた。
67分のフリーキックも、左サイド、ヂエゴの突破をファウルで止められて得たもの。
一方、守備面でも「守れる選手」がひとり増えたことが功奏していた。
広島の攻めは、
●寿人と中心としたワンタッチでのパス交換からフリーマンを作る
●ストヤノフの攻め上がりからの浮き球スルー
●サイドからのクロスはファーで、ヘッドで折り返したあとを狙う
が3大特徴であると思うんですが、京都はこの「3点責め」をギリギリんところでカラダを張って守りきる。
(…広島のシュートが精度を欠いていた、ってのも大きかったけど←こっそり)
結果、広島の攻めを守り切りつつ、効率よく2点をゲット——という、絵に描いたような勝利となったのだ。
残留ラインから一歩脱出
5月17日の千葉戦以来の、白星。
ここ一ヶ月は流れがよくなかっただけに、勝ち点3で残留ラインから少し抜け出すことができたのが、なによりうれしい!
さらに、中谷がちょんまげヘアになって輝きを取り戻してきたこともあって、3-5-2に可能性を感じるようになってきたことも好材料です。
今季の京都には、ああいうスピーディなプレイが少なかったので。
2年前、広島との入れ替え戦でのキーワードを思い出します。
「走りきって、勝ち切れ」
そうなんですよ。
今季は、パス交換と4-4-2のフォーメーション堅持にこだわりすぎて、「走る」ことが少しおざなりになってるようにも思えるんです。
大剛も、なんだか足下が上手い選手のようなプレイをするようになってきちゃってますし。
次戦の対戦相手・清水も、広島同様強敵ですが、走ってカラダを張る——Qさんがめざしているであろう「泥臭い」サッカーでいい試合をしてほしいものです。