【2006FIFAワールドカップMatch44】クロアチア2-2オーストラリア

◇Match 44 Group F
クロアチア2-2オーストラリア
2分【クロアチア】ダリオ・スルナ(FK:右足)
38分【オーストラリア】クレイグ・アンドリュー・ムーア(PK:右足)
56分【クロアチア】ニコ・コヴァチ(右足ミドルというかカラチやっちゃった)
79分【オーストラリア】ハリー・キュウェル(右足)
※オーストラリアの決勝トーナメント進出が決定。クロアチアのグループステージでの敗退が決定。
※Group F1位ブラジウ、2位オーストラリアが確定。
※26日(月)24.00「Round of 16」イタリア×オーストラリア、27日(火)24.00「Round of 16」ブラジウ×ガーナ

■クロアチア(3-4-1-2)
GK1:スティペ・プレティコサ
DF3:ヨシップ “ジョー”・シムニッチ豪州出身(90分-警告*2でも退場にならず、93分-警告*3=退場)
DF13:ステイェパン・トマス
(83分-FW17:イヴァン・クラスニッチ)
DF7:ダリオ・シミッチ(85分-警告*2=退場)
MF2:ダリオ・スルナ
MF5:イゴル・トゥドル
MF10:ニコ・コヴァチ
MF8:マルコ・バビッチ
MF19:ニコ・クラニチャル
(65分-MF16:ヨルコ・レコ)
FW9:ミラディン “ダド”・プルソ
FW18:イヴィチャ・オリッチ
(74分-MF14:ルカ・モドリッチ)

■オーストラリア(4-2-3-1)
GK18:ゼリコ・カラチ胴元
DF7:ブレット・エマートン(87分-警告*2=退場)
DF2:ルーカス・ニール
DF3:クレイグ・アンドリュー・ムーア
DF14:スコット・チッパーフィールド
(75分-FW19:ジョシュア・ブレイク・ケネディ)
MF5:ジェイソン・クリーナ
MF13:ヴィンチェンツォ “ヴィンチェ”・グレッラ
(63分-FW15:ジョン・アロイージ)
MF21:ミル・ステリョヴスキ
(71分-MF23:マルコ “マーク”・ブレッシアーノ)
MF4:ティモシー “ティム”・カーヒル
MF10:ハリー・キュウェル
FW9:マーク・アンソニー・ヴィドゥカ

試合採点:7.5
ポール・グラハム主審(イングランド)、全体未聞のジャッジ。
イエロー2枚に気がつかず8分ゲーム進行!
と思ったら、公式記録から90分にシムニッチに出たイエローが消えちったよ。
なんだったんだ、アレは。

と、ジャッジはめちゃめちゃだったけど、ゲーム内容はハイテンションでワンダホーだった。
これぞ、ワールドカップ。
まさに、魂と魂のぶつかり合い。
負けたくない気持ちが、画面からオーラとして伝わってくるかのようだった。
そして、互いの監督が繰り広げる戦術/頭脳合戦。
結果はヒディング・オーストラリアが決勝進出。
さすが名将、引きが強いぜ!
あんまりおもしろいんで、時系列で追ってみます。

そのヒディング・コーチ。
引き分けで勝ち抜ける(負けるとダメな)この試合で、また「マジック」を使ってきた。
この日GKに、なぜかいままでサブだったカラチを起用。
そして、4バックにシステムを変更。
クロアチアのサイド攻撃を対抗するため、サイドに2枚、人を置きたかったのだろう。

開始早々。
フリーキックでクロアチアが先制する。
いきなり立場が逆転し、オーストラリアは追いかけなければいけなくなった。

その後、両国ともサイドでポイントをつくろうとしながら、ときにはロングボールを多用。
スピーディにゴール前へと攻め込もうとする。
どちらかといえば、オーストラリアが押して時間が進んでいく。

38分。
オーバーラップしてきたエマートンが絶妙クロスをあげる。
クロアチアのDFトマスが手を使ってクリアをしようとして(触れたかどうかは微妙だったが)、グラハム主審がPKの判定。
これを、ムーアが決めて同点となる。

一転、追う立場に回ったクロアチア。
後半から、左サイドMFのバビッチの位置をすこし下げて、CBのシミッチを右に寄せる。
4バックぎみにして、右のウイングバックだったスルナを高い位置の置こうという狙いだ。
このシステム変更のおかげか、前半とは違ってクロアチアペースに流れは変わっていった。

56分。
ニコ・コヴァチがエリア外から苦し紛れな感じでミドルシュート。
これを、この日起用されたカラチがキャッチミスして、ボールはゴールイン!
ゆるめのグラウンダーのシュートだっただけに、完全にカラチの失策だった。

このころ、ブラジルが3点目をゲット。
日本の勝ち抜けは99%なくなった。
この試合で、すべては決まる。
クロアチアは勝たなくては!
オーストラリアは勝つか引き分け!
さぁ、両国テンションが上がっていった。
両国とも1対1ではかならず勝負を仕掛け、ゴール前への縦パスを多用。

63分。
オーストラリアはボランチのグレッラを下げて、FWのアロイージ投入。
4-1-3-2で攻めにかかる。

65分。
クロアチアはトップ下の監督息子を下げて、司令塔タイプながら守備力の高いレコ投入。
ボランチのトゥドルもポジションを低めにとって、5バックぎみにして、相手にスペースを与えないように守備意識を高める。

で、オーストラリアは攻撃が手詰まりになってきた。
そこで、71分。
右サイドMFをブレッシアーノに代え、フレッシュな選手を入れることで、優位に立とうとする。

72分。
オーストラリア、CKからのこぼれだまに選手が猛ラッシュ。
GKプレティコサがライン上で押さえていたのを、体ごと押し込もうとする!
入ったか?
いや、これはファウルの判定。

74分。
肝を冷やしたクロアチアはFWオリッチに代えて、MFのモドリッチがイン。
ワントップにして中盤の守備を固めて、逃げ切り体制へ。

これを見たのか、オーストラリアは75分。
DFチッパーフィールドに代えて、日本戦でおなじみ、長身FWのケネディ投入。
3トップで、1点をもぎ取りに行く。

76分。
オーストラリアのFKを、トマスがまたまた手でクリア。
前半に続いて2度目かよ!
と思ったら、これを主審が見逃しちゃった。

オーストラリアは、も〜う前線放り込み作戦へ移行。
ここは守りたいクロアチア!(角澤ふう)
ところが、79分。
交代出場のブレッシアーノが右から左足でゴールに向かうクロス。
これまた交代出場のアロイージが競って後ろに流れたところを、キュウェル!
ついにやったぜ、キュウェル!
つか、代表戦のときはケガしないんだね!
そして、交代組がきっちり働くヒディング・マジック!

またまたまた立場が変わって、1点取らなきゃいけないクロアチア。
長身のトゥドルを前線にあげて、プルソと2トップに。
さらに83分。
「ハンド男」のDFトマスに代えて、FWクラスニッチ。
3トップ神風特攻隊パワープレイモードで、クロアチアはなんとか1点取りた〜い電波少年。

んが!
85分、センターサークル付近でキュウェルを倒したシミッチにイエロー。
2枚目で退場。
これで、クロアチアも万事休す!?

んが!んが! まだ終わらない。
わずか1分後の86分。
クロスがファーまで抜けて行って、なぜかノーマークになってたトゥドルのもとへ!
フリーなのに、やっぱ点取り屋じゃないからかシュートミス!
クロアチアの選手みーんなガックシ。

ついに、クロアチア終戦!?
んが!んが!んが! まだ終わらない。
わずか1分後の87分。
こんどは、オーストラリアのエマートンが故意のハンドで2枚目イエロー、退場。
これで、両国人数は10対10のイーブンに戻った。
そのうえ、オーストラリアはピッチ上には攻撃的な選手ばっかり。
しょーがないんで、3トップ以外はみんな最終ラインへ。

リトリートされたクロアチアは、ミドルを打つも精度に欠ける。
90分。
カウンターを体ごと止めたシムニッチにイエロー。
2枚目で退場…。
のはずが、主審気がついてなーい。
シムニッチもピッチを去ろうと歩くも、
「アレ? 赤い紙もらってねーや」
と振り返って、ゲームが進行していたので、こっそりプレイに戻る(笑)。

ロスタイム3分。
攻めるクロアチア!
引きこもるオーストラリア!

93分。
オーストラリアがロングスロー。
エリア内でケネディが相手DFにのしかかって、ボールがこぼれたところを押し込んでだめ押し!
と思ったら、オーストラリアにファウルの笛!
と思ったら、タイムアップの笛!
と思ったら、そのあとにシムニッチにイエロー→レッドカード!
もう、わけわかりません!!
とにもかくにも、試合終了!
オーストラリア、決勝トーナメント進出!

と、長々書いてしまったけれど、すんごいゲームだったのが伝わっただろうか。
決勝トーナメント進出をめぐって、グルグル入れ替わる両国の立場。
それに合わせた選手交代、戦術交代。
ハイテンポに呑まれた主審による大ミス(苦笑)。
返す返すも、これぞ、ワールドカップ。

たしかに、華麗なテクニックやみごとなパスワークはなかった。
無骨なまでに、ドリブル突破とロングボールで攻めあった。
そして、オーストラリアが栄光を手にし、クロアチアが散っていった。
死力を尽くした両国の、じつに感動的な一戦だった。

※参考
マッチレポート:FIFAworldcup.com

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