静かな、あまりに静かな再戦
バルセロナ1-1(agg.3-2)チェルシー
◇日時:2006年3月7日(火)20.45KO(日本時間翌4.45)
78分【バルセロナ】ホナウド・デ・アジス・モレイラ “ホナウジーニョ”
90+2分【チェルシー】フランク・ジェイムズ・ランパード(PK)
※Aggregate Score3-2でバルセロナがベスト8進出
■バルセロナ(4-3-3)
GK1:ヴィクトール・ヴァルデス・アリバス
DF23:オレゲール・プレサス・レノン
DF5:”チャーリー” カルレス・プジョル・サフォルカーダ
DF4:ラファエル・マルケス・アルヴァレス
DF12:ジョヴァンニ・ファン・ブロンクホルスト
MF15:エヂミウソン・ゴメス・デ・モラレス
MF20:アンデルソン・ルイス・デ・ソウザ “デコ”
MF3:ティアゴ・モッタ
FW30:リオネル・アンドレス・メッジ
(25分-FW7:ヘンリク・ラーション)
FW9:サミュエル・エトオ・フィル
FW10:ホナウド・デ・アジス・モレイラ “ホナウジーニョ”
■チェルシー(4-3-3)
GK1:ペトル・チェヒ
DF20:パウロ・ヘナト・レボーショ・フェレイラ
DF26:ジョン・ジョージ・テリー
DF6:ヒカルド・アウベルト・シウヴェイラ・カルヴァーリョ
DF13:ウィリアム・ガラ
MF4:クロード・マケレレ
MF8:フランク・ジェイムズ・ランパード
MF16:アルイェン・ロッベン
FW10:ジョージ・ジョン・”ジョー” コール
(83分-DF29:ロベルト・フート)
FW15:ディディエ・ドログバ
(58分-FW9:エルナン・ホルヘ・クレスポ)
FW11:デイミアン・アンソニー・ダフ
(58分-MF22:エイドゥル・シマーリ・グジョンセン)
◇試合データ
Barcelona – Chelsea
1 Goals 1
0 1st Half Goals 0
4 Shots on Target 4
4 Shots off Target 6
7 Blocked Shots 0
2 Corners 0
20 Fouls 31
0 Offsides 5
2 Yellow Cards 1
0 Red Cards 0
74 Passing Success 74.1
27 Tackles 35
55.6 Tackles Success 77.1
55 Possession 45
65.8 Territorial Advantage 34.2
ジョゼ・マリオ・ドス・サントス・モウリーニョ・フェリックス・コーチ(チェルシー)
「試合を総括するならば、2試合を通じて11人同士が戦うことはなかった。
そしてバルセロナは11人を相手には勝利することはできなかった、ということだ。
チャンピオンズリーグの歴史上、ホームにおいて2-1で敗れたチームが、アウェイでそれをひっくり返せたことは数えるほどしかない。
スタンフォードブリッジでの結果がすべてだったといえるだろう。
とにかく、このレベルでの戦いでは小さなディテールが大きな差を生み出す。
私の経験でいえば、ポルトの監督時代、ラストプレイで得点を挙げて勝ち抜けたことがあった。
昨シーズンのリヴァプール戦は、開始早々ゴールインしていなかった得点で敗れ去った。
今シーズンは、第1戦を60分あまりを10人で戦うことを強いられた。
それが結果につながったんだよ。
われわれはなんとしても点を取らなければなかなかった。
選手たちには
『85分までに点を入れることができたら、チャンスがあるぞ』
と言ったんだがね。
91分にやっと点をとっていては、あと1点を追加するのは難しい。
きょうのバルサは、いつもよりプレスがきつく、守備的に、ラインを押し上げて戦っていた。
彼らはカウンターアタックを狙って、そしてホナウジーニョの個人技で1点を取り、われわれを殺したというわけさ。
チェルシーにも、20回とまではいわないものの、多くの得点機があった。
前半のジョー(・コール)とロッベン、後半のクレスポ…。
そうしたチャンスに得点をあげることができていれば、バルサにプレッシャーを与えれただろうが、残念ながらそうはならなかった。
バルセロナ?
すばらしいチームだ。
チェルシーとバルサはまったく別種のチームだろうね。
ある一面でバルサは高い次元にあり、別の一面でわれわれは高い次元にある。
次の試合でも、バルサは勝つに値するだろう。
バルサはチャンピオンズリーグの決勝戦にむけて頑張ってほしい。
われわれはプレミアシップとFAカップを狙うことにしよう」
もっとイエローカードがとびかい、モウリーニョが激高し、観客がピッチに乱入し…。
そんなゲームを期待(?)してたんだけれど、ごくごく順当な結果だった。
第1戦をみれば、バルサのチーム力がチェルシーを上回っていることは明らか。
そして、ホームのカンプノウに戻っても、バルサはチェルシーを攻め立てるだろう。
そう思ったんですが、この日のバルサはサイドバックが攻撃を自重し、相手ボールになったらエトーやラーションまで自陣に戻ってくるディフェンシブな戦い方だった。
そんな「守備的バルサ」でも、ボールを奪ったら左に開いているホナウジーニョに預ければ、なんらかのファンタジーが生まれるのだからすごい。
モウリーニョもきっと、攻めに出る相手の裏を取ろうとスピードスターを3枚(コール、ロッベン、ダフ)そろえたんですが、逆に攻めのスペースがなく、ボール回しもままならないしまつ。
因縁の対決はリアリストに徹したライカールト&バルサが制した。
2度あることは3度ある。
来年もまた両チームの対戦があることを期待したい。