●P2P(ピアトゥピア)ソフト「Winny」開発者の東京大学大学院助手(男性・33歳・通称〝47氏〟)が、5月10日、京都府警本部ハイテク犯罪対策室と五条警察署の手によって逮捕されました。
○「Winny」を開発したことによってユーザーが著作物を違法複製できるようにした、という「著作権法違反ほう助」容疑での逮捕なんだけど、この逮捕には異論も聞かれるな。
●あの〝著作権バカ一代〟のACCS(コンピュータソフトウェア著作権協会)ですら
「P2P技術を高度情報通信社会における極めて重要な技術のひとつである」
と認めてるくらいですからね~。
○バカ一代っていうなよ! 名物理事の久保田裕氏から警告文でも届いたらどうすんだ!
●いや、いい意味で頑張ってるってことですよ!
○…。話を戻すと、法的な責任を問われるのはP2Pソフトを使って映画や音楽などの著作権物を流通させたユーザーのほうであり、開発した側が法的な責任を問われるのはおかしい、という論調が多いな。
●とすると、警察の勇み足ですか!? 今回の逮捕は。
だいたい、なんで東大助手を逮捕するのが「京都府警ハイテク犯罪対策室と五条署」なんでしょ?
○この「京都府警ハイテク犯罪対策室と五条署」のタッグは、昨年11月27日、Winnyで「ゲームソフトなどを不特定のユーザーに送信しうる状態に置いた」容疑で、愛媛県松山市の19歳少年と群馬県高崎市の41歳自営業男性を著作権法違反(公衆送信権の侵害)の疑いで逮捕している。
●そうでしたっけ?
○ほら、HPの「平成15年の五条署ビッグニュース」にも
「11月27日 パソコンソフト『ウイニー』利用による著作権法違反被疑者の検挙(全国初)」
と書いてある。
●しっかし、初心者が作ったみたいなHPですねぇ…。ここにWinnyの暗号を解けるハイテク捜査官がいるんだったら、HPもスタイリッシュにリニューアルもしてください! 「踊る大捜査線」に出てくるPCの画面みたいにかっこよくね(ハート)。
○府民の税金でそんな無駄なことさせるなよ! で、なぜ今回、47氏の逮捕を「京都府警ハイテク犯罪対策室と五条署」が執行したかについては、佐々木俊尚氏の記事が参考になるね、
WinMXとWinnyの摘発を行なった京都府警のハイテク犯罪対策室は、生活安全部の下にある。各都道府県警にある生活安全部はコンピュータ犯罪や悪徳商法、麻薬、少年犯罪などを専門にしているが、特に悪徳商法やコンピュータ犯罪については「初物」を意識する県警が非常に多い。
「国内で初めて○○商法を摘発」「国内で初の○○犯罪摘発」といった記事が新聞やテレビに出るのを好むのである。今回、Winnyという超大型の「初物」は京都府警がモノにした。他の県警にとっては、京都の二番煎じでWinnyを追うよりは、他のコンピュータ犯罪を狙う方が警察内部での評価は高くなる。実際、2001年にWinMXのユーザー2人が京都府警に摘発された後、他の県警はWinMX摘発を積極的には行なっていない。
つまりは、「Winny利用者を全国で初めて逮捕」したのが京都府警なら、他の県警はWinnyという〝ヤマ〟はもう追わない、開発者逮捕も京都府警に任せた、という流れだろうか。
●確かに! 京都出身で隣県の警察に身内がつとめていた立場から言わせて頂きますと、特に関西地方の各府警・県警は〝ワナバリ〟意識が強いですからねぇ。あの「グリコ・森永事件」のときも、各府警・県警が犯人を自分のトコロで捕まえよう、手柄を自分たちのものにしようとして、お互いが連絡を取り合わず犯人を取り逃がしたこともありましたし。
○まぁ、警察への国民の信頼が揺らいでいる昨今だからね。それに、Winny使用者が感染する〝キンタマウィルス〟に京都府警の警官の個人PCが感染。そのPCを警察署でも使用していたことから、捜査記録がネット上に流出したこともあった。
●じゃ、今回の逮捕劇は〝キンタマ〟の裏返し。。。
○裏返してどうするんだよ! それをいうなら意趣返しだ! でも、ニュースなどで、47氏は取り調べに対し「結果的に自分の行為が法律にぶつかってしまうので逮捕されても仕方ない」と供述したという話だけど、今まで著作権法に疑問を投げかけていた47氏だけに、そんなカンタンに〝落ちる〟もんだろうかねぇ。〝トバし〟の警察発表じゃないかと勘ぐりたくなるよ。
●いや、そこで私が47氏が取り調べについて何を言ったか、核心情報を入手しましたよ。
○なに!
●47氏は「五条署だけに『後生ですから釈放してください』」と懇願したらしいです。
○そんなこと言うわけねーだろ! いい加減にしろ!!